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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠適格

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−30520(T2002−30520/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第2722506号商標の指定商品中「豆腐,及びその類似商品」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第2722506号商標(以下「本件商標」という。)は、「BCS πーWATER」の欧文字を横書きしてなり、平成3年8月9日登録出願され、第32類「食品水産物、野菜、果実、加工食品(他の類に属するものを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、同9年7月18日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

そして、本件審判の請求の登録は、平成14年6月5日にされたものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、甲第1号証ないし甲第4号証を提出している。

1 請求の理由

(1)本件商標は、その指定商品中「豆腐,及びその類似商品」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが使用した事実が存在しないから、商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきものである。

(2)請求人は「πウォーター」の文字を横書きしてなる商標を第29類「豆腐,凍り豆腐,豆乳,こんにゃく,納豆,油揚げ」を指定商品として商標登録出願(商願2001ー63007)したところ、本件商標を引用された拒絶理由通知を受けた。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、乙第1号証ないし乙第14号証を提出し、本件の審判の請求は成り立たない、と主張しているものであるが、被請求人の主張は容認することができない。

被請求人が主張する乙第4号証ないし乙第14号証のいずれの証拠によっても、商標権者ないし通常使用権者が本件商標を「豆腐,及びその類似商品」について、本件審判請求の登録前3年以内に使用された事実は立証されていない。

(2)乙第4号証及び乙第5号証について

被請求人は、乙第4号証及び乙第5号証により、佐野商店が本件商標を商品「油揚げ」及び「豆腐」に使用している旨主張しているが、乙第4号証によれば、佐野商店(代表者、佐野孝平)は、「豆腐の製造」について営業の許可を受けていることは認められる。しかし、乙第5号証が佐野商店で撮影されたものであるという事実については上記両証拠により証明されるものではない。

乙第5号証の左中央部には浄水器の写真が掲載され、この写真の商品には「COSMO BALANCE」の文字を表示したラベル、「π」のような文字を表示したラベル、及び明確に確認することはできないが、「B.C.SπーWATER」のような文字を表示したラベルが貼付されている。しかし、これらの文字よりなる商標は商品「浄水器」に使用されている商標であり、本件審判の取消対象の商品「豆腐,及びその類似商品」についての本件商標の使用の事実を証明する証拠として適格性を欠くものである。

乙第5号証の右上半部には「油揚げ」のような商品を透明袋に入れ、この袋に「π」のような文字を図案化した商標の下部に「BCS」の文字を付記し、その右横に「IBE認定」等の文字を表示したラベルと、前記と同様の図案化した商標の右横に「B.C.SπーWATER」の文字よりなる商標を表示したラベルを貼着した写真が掲載されている。しかし、上記袋にはこの商品の製造者名、製造年月日等の表示の記載はなく、かつ、この袋は汎用の透明プラスチックフィルム製の包装袋である。したがって、前記右上半部の写真により、佐野商店が本件商標を請求人主張の期間内に前記商品に使用しているとの被請求人の主張は容認することができない。

乙第5号証の右下半部には、商品「豆腐」をプラスチック製の容器本体に収容し、容器本体の上端開ロ部をプラスチックフィルムによって、ヒートシール法により密閉した豆腐のパッケージ商品の写真が掲載されている。前記商品の上記密閉用のプラスチックフィルムには「手造り ソフトとうふ」の文字、及び「佐野商店」等の文字が印刷により表示されている。そして、前記密閉用のプラスチックフィルム上の左下側に前記と同様の図案化した商標の右横に「B.C.SπーWATER」の文字よりなる商標を表示したラベルが貼付されている。

しかし、上記豆腐のパッケージには製造年月日等の表示の記載はなく、かつ、前記ラベルは前記商品をシールパックした後、その上から単に貼付したものである。したがって、前記右下半部の写真により、佐野商店が本件商標を請求人主張の期間内に前記商品に使用しているとの被請求人の主張は容認することができない。

(3)乙第6号証並びに乙第7号証の1及び2について

被請求人は、乙第6号証並びに乙第7号証の1及び2により、飲食店三州足助屋敷(薫楓亭)において、本件商標を使用している旨主張しているが、

乙第6号証の上半部にはポスターの写真が掲載され、このポスターには「B.C.SπーWATER」の文字よりなる商標が表示されている。また、乙第6号証の下半部には客席のテーブルの上に器に入れた豆腐料理及びポップ(三角形のもの)等を置いた写真が掲載され、ポップに「B.C.SπーWATER」の文字よりなる商標を表示したラベルが貼付されている。

しかし、上記両商標はいずれも「水」について使用している商標であり、豆腐料理についての使用ではない。このことは、上記ポスターに表示されている「いい水飲んでいますか!?」等の記載及び前記ポップに表示されている「いい水」の記載から見ても明白である。

また、仮に、上記文字よりなる商標をテーブル上の「豆腐」に使用していたとしても、この「豆腐」は豆腐料理であり、商標法における「商品」には当らない。

(4)乙第8号証及び乙第9号証について

被請求人は、乙第8号証及び乙第9号証により、ホテル「三河湾リゾートリンクス」において本件商標を「納豆」に使用している旨主張しているが、 乙第9号証には「納豆」を容器本体に入れ、容器本体の上端開口部をプラスチックフィルムによって、ヒートシール法により密閉した納豆パックの写真が掲載されている。上記納豆パックのプラスチックフィルムには前記した図案化した図形商標の右横に「B.C.SπーWATER」の文字よりなる商標を表示したラベルが貼付されている(下半部の写真)。

しかし、上記パックには製造者名、製造年月日等の表示の記載はなく、かつ、前記ラベルは納豆をシールパックした後、その上から単に貼付したものである。したがって、乙第9号証により、前記ホテルにおいて本件商標を請求人主張の期間内に「納豆」に使用しているとの被請求人の主張は容認することができない。

また、上記「納豆」は被請求人も認めるように、上記ホテル内の日本料理店で料理として提供しているものである。したがって、上記納豆は商標法における「商品」には当らない。

(5)乙第10号証の1ないし3について

乙第10号証の1ないし3は被請求人と佐野商店、三州足助屋敷及び三河湾リゾートリンクスとの間で契約した本件商標の使用についての契約書であるが、これら証拠によって上記三者が本件商標を本件審判の取消対象の商品について使用している事実を証明するものではない。

また、乙第10号証の2は「豆腐等飲食物の提供」についての使用許諾、乙第10号証の3は「宿泊施設」についての使用許諾を内容とするものである。しかし、被請求人は本件商標に基づいて上記を内容とする使用権を許諾する権利を有していないものである。

(6)乙第11号証ないし乙第13号証について

乙第11号証ないし乙第13号証によれば、アイ・ビー・イー販売株式会社(以下「アイ・ビー・イー販売」という。)と株式会社小林(以下「小林」という。)との間で代理店契約を締結し、小林が丸紅河合(三州足助屋敷)へ「浄水器」を販売した事実を窺い知ることができる。

しかし、これら証拠によって、被請求人ないし小林が本件商標を上記期間

内に「豆腐,及びその類似商品」に使用している事実を証明するものではな

い。

(7)乙第14号証について

被請求人は、乙第14号証により、三河湾リゾートリンクスが本件商標に係る浄水器をホテル施設内で使用している事実を証明している旨主張するが、「浄水器」は、本件商標の指定商品には含まれておらず、また、本件審判の請求に係る商品でもない。

したがって、乙第14号証は、本件商標の使用事実を証明する証拠として適格性を欠くものである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担

とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第14号証(枝番を含む。)を提出している。

1 被請求人は、IBEグループに属し、昭和50年(1975年)12月、πウォーター技術の実用化のために設立され、農業、工業、水産業をはじめとする幅広い産業分野において、πウォーターの研究開発と実用化に取り組んでいる企業である(乙第1号証)。

2 本件商標の使用の事実について

(1)被請求人は、請求人の取消請求に係る商品「豆腐、及びその類似商品」について、本件商標が使用されている事実を、乙第4号証ないし乙第14号証をもって証明する。

(2)乙第5号証は、豆腐の製造販売を行う佐野商店(乙第4号証)において撮影されたものである。油揚げの袋と、豆腐のパッケージにそれぞれ本件商標が付されており、店外に取り付けられた浄水器にも該商標が確認される。

(3)乙第6号証は、豆腐料理を主とする飲食店三州足助屋敷(薫楓亭)において撮影されたものである(乙第7号証の1及び2)。壁面のポスター及び客席のテーブルの上にあるポップ(三角形のもの)に本件商標が付されている。

(4)乙第9号証は、愛知県内にあるホテル、三河湾リゾートリンクス(乙第8号証)において撮影されたものである。ホテル内の日本料理店で納豆が提供されているが、そのパックの上部に本件商標が確認できる。被請求人は、これら3店舗に対し、本件商標について使用権を許諾する契約を結んでいる(乙第10号証の1ないし3)。

(5)乙第11号証は、被請求人と小林との間で平成6年に交わされた、代理店契約書である。そして、乙第12号証に、平成11年8月9日付、小林から足助屋敷宛の請求書を、乙第13号証に、被請求人が小林を通して足助屋敷に商品を販売したことが分かる同日付の商品保証書を示す。これにより、被請求人が小林に本件商標に係る商品(浄水器)を販売、小林が足助屋敷にそれを販売し、足助屋敷がそれを豆腐等の食品製造に使用しているという関係が明らかになるものと思料する。

また、上記のように三河湾リゾートリンクスは該商標の使用権を被請求人より許諾されており、契約以来現在に至るまで、本件商標を使用している。

(6)乙第14号証は、三河湾リゾートリンクスが、平成13年発行の情報誌内で、本件商標に係る浄水器をホテル施設内で使用している事実を示すものである。

(7)以上のように、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、被請求人であり、商標権者である有限会社アイ・ビー・イー及び通常使用権者により、商品「豆腐、及びその類似商品」について使用されている。

よって、本件商標は商標法第50条の規定に該当しないものであるから、本件審判の請求は成り立たない。

第4 当審の判断

被請求人は、乙第4号証ないし乙第14号証を提出し、本件商標を本件審判の請求に係る商品について使用していると答弁している。

そこで、乙第4号証ないし乙第14号証について検討する。

(1)乙第4号証は、平成13年3月30日に、佐野孝平が名古屋市千種保健所長にした豆腐製造業の許可申請に対する平成13年4月20日付け営業許可書であり、その内容は、「営業所の所在地 名古屋市千種区今池三丁目4番26号」、「営業の名称、屋号又は商号 佐野商店」、「許可の条件 有効期間 平成13年4月21日から平成19年4月20日まで」とするものである。

乙第5号証は、プラスチック製包装容器に入った豆腐の写真、ビニール袋に入った油揚げの写真及び浄水器と思われる写真であり、豆腐を収納したプラスチック製包装容器の上面には、「おいしい 手造り ソフトとうふ」及び「B.C.SπーWATER」等の文字が表示されており、また、油揚げの入ったビニール袋の上面には、「IBE認定・この商品はBCSπウォーターシステムを導入して作られています」及び「B.C.SπーWATER」などの文字が表示されており、さらに、浄水器の側面には、「COSMO BALANCE」及び「B.C.SπーWATER」などの文字が表示されている。

しかしながら、乙第4号証によれば、佐野孝平(佐野商店)が豆腐製造業の営業許可を受けていることは認められるが、乙第4号証と乙第5号証との関連性が明確でないから、乙第5号証は、これが佐野商店で撮影されたものであることが確認できないばかりか、商品(油揚げ及び豆腐)の製造者名及び製造年月日等の日付も確認することができない。また、浄水器と思われるものは、本件審判の請求に係る商品ではない。

なお、営業許可の有効期間が、平成13年4月21日から平成19年4月20日までとなっているが(乙第4号証)、これをもってしては、本件商標の使用時期を証明したものとは認め難い。

(2)乙第6号証は、飲食店内の写真と認められるところ、上段の写真は、店内の壁に、「いい水飲んでいますか!? 当店では『水』にこだわりをもち環境と体にやさしいB.C.SπーWATERシステムを利用しています。」「いつもの『水』との違いをお楽しみください」「πウォーターはI、B、Eの登録商標です」などと書かれた紙が貼られたものであり、下段の写真は、テーブル上に豆腐の料理と認められる料理が並べられているものである。

乙第7号証の1は、有効期間を「平成11年9月22日から平成16年11月15日まで」とし、営業の所在地を「東加茂郡足助町大字足助字飯盛36番地」、営業者の氏名(名称)を「河合廣美(薫楓亭)」とする食品衛生法による「飲食店営業許可」であり、乙第7号証の2は、「手造り豆腐の店薫楓亭 三州足助屋敷」の手書きによる広告ちらしである。

しかしながら、乙第6号証は、「水」に関するものであって、本件審判の請求に係る商品についての使用を証明したものとは認め難い。

また、乙第6号証と乙第7号証の1及び2との関連性も明確でなく、乙第6号証がどこで撮影されたものであるのか確認できないものであるから、これをもって、「薫楓亭 三州足助屋敷」において本件商標を本件審判の請求に係る商品に使用しているものとは認め難い。

(3)乙第8号証は、三河湾リゾートリンクスの登記簿謄本であり、その設立目的は、ホテルの経営、浴場及びホテル内の売店の経営、料理店・レストラン・喫茶店等飲食店の経営、スポーツ施設・ヘルスクラブの経営、ゴルフ練習場の経営、運動用品の販売及びこれらに付帯する一切の事業である。

乙第9号証は、パックされた納豆の容器の上に「B.C.SπーWATER」の文字が表示されている写真である。

しかしながら、乙第9号証よりは、商品(納豆)の製造者名及び製造年月日等の日付を確認することができないばかりか、これが、ホテル「三河湾リゾートリンクス」で撮影されたものであるのか、その関連性を確認することができないから、ホテル「三河湾リゾートリンクス」において本件商標を本件審判の請求に係る商品に使用していることを証明したものとは認め難い。

(4)乙第10号証の1は、被請求人と佐野孝平(佐野商店)との間で締結した平成11年5月14日付け「商標の使用権許諾に関する契約書」であり、その内容は、被請求人は佐野孝平に対し、本件商標についての通常使用権を許諾する(第1条)もので、使用の範囲として、「使用期間 本契約締結日から8年間」であり、「内容 豆腐類の製造」である(第2条)。

乙第10号証の2は、被請求人と河合廣美(薫楓亭)との間で締結した平成11年10月21日付け「商標の使用権許諾に関する契約書」であり、その内容は、被請求人は河合廣美に対し、本件商標についての通常使用権を許諾する(第1条)もので、使用の範囲(内容)は、「豆腐等飲食物の提供」

である(第2条)。

乙第10号証の3は、被請求人と三河湾リゾートリンクスとの間で締結した平成10年6月8日付け「商標の使用権許諾に関する契約書」であり、その内容は、被請求人は三河湾リゾートリンクスに対し、本件商標についての通常使用権を許諾する(第1条)もので、使用の範囲(内容)は、「宿泊施設」である(第2条)。

しかしながら、乙第10号証の1の「商標の使用権許諾に関する契約書」をもってしては本件商標の使用の事実を証明したことにはならない。

なお、乙第10号証の2及び3は、その使用の範囲(内容)が「豆腐等飲食物の提供」及び「宿泊施設(の提供)」でありこれらは役務であって、本件商標の指定商品の範囲に含まれるものではない。

(5)乙第11号証は、アイ・ビー・イー販売と小林との間で締結した平成6年10月3日付け「代理店契約書」である。

乙第12号証は、小林が丸紅河合(三州足助屋敷)に宛てた平成11年8月9日付け請求書(控)であり、「合計金額¥819,000」、「現場名 足助屋敷」の記載があり、さらに、「摘要」欄等には「大型浄水器MI−220 No.100722」、「1台」などの記載がある。

乙第13号証は、発売元であるアイ・ビー・イー販売が発行したと認められる「MI−220 保証書」であり、「製造番号 100722」、「保証期間 平成11年8月9日から2年間を目安」、「お客様 薫楓亭」及び「販売店 株式会社小林」などの記載がある。

しかしながら、これらは、大型浄水器に関するものであって、本件審判の請求に係る商品ではなく、本件審判請求に係る商品についての本件商標の使用の事実を証明するものではない。

(6)乙第14号証は、2001年11月20日、生体エネルギーシステム研究普及協会発行の「π TECH・FORUM パイテック・フォーラム」であり、その中で、三河湾リゾートリンクスは、調理、生け簀、風呂にパイウオーターを利用した水を使用しているといった記事が掲載されている。

しかしながら、該記事は「水」に関するものであって、本件審判の請求に係る商品のものではない。

(7)以上のとおり、被請求人の提出に係る証拠及び被請求人答弁の理由をもってしては、本件商標の使用の事実を確認することができないから、被請求人は、その通常使用権者が本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、本件商標を本件審判の請求に係る商品「豆腐,及びその類似商品」のいずれについても使用していたことを証明したものと認めることができない。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により、その指定商品中「結論掲記の商品」についての登録を取り消すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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