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Trademark Appeal Case

論点抽出失敗

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−15133(T2001−15133/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(A)のとおりの構成よりなり、第32類「清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として、平成12年6月15日に登録出願されたものであるが、指定商品については、平成13年6月19日付け手続補正書をもって「リサイクルに適した紙パック入り清涼飲料,リサイクルに適した紙パック入り果実飲料,リサイクルに適した紙パック入り飲料用野菜ジュース,リサイクルに適した紙パック入り乳清飲料」と補正されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、右回りの2個の矢印様の図形の中央に、『紙パック』の文字を配した構成よりなるところ、近時、本願指定商品との関係の深い食品業界にあって、紙パックなど、その包装容器のリサイクルが製造者・需要者間で図られていること、また、そのリサイクルを推奨するための各種マークに、右回りの2個の矢印様の図形が広く採択・使用されていること等の実情を考慮すれば、全体として『リサイクルの紙パック(包装容器)を使用している』旨を端的に表したと看取させるものであるから、これを本願指定商品に使用するときは、単に商品の品質、包装方法を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は、別掲(A)のとおり、「紙パック」の文字を横書きし、該文字の上下に黒と白の色で構成された矢印を、上部のものは左方向から右方向に山なりに弧を描くように表し、下部のものは右方向から下に向かい中間部で折れて左上方向に向かうように表してなるもの(いわゆるメビウスループ状のもの)であって、構成全体として、中央部に位置する「紙パック」の文字部分の周りを矢印が回っているという印象を与えるものである。

(2)ところで、近時、地球環境の保全に関する取り組みが世界的規模をもって行われているところ、我が国においても、1993年(平成5年)11月に「環境基本法」が制定された。そして、「環境基本法」を軸として環境問題に対する様々な施策が行われてきたところ、2000年(平成12年)に制定され、2001年(平成13年)1月に施行された「循環型社会形成推進基本法」は、廃棄物の発生抑制(リデュース)、部品等の再使用(リユース)、使用済み製品等の原材料としての再利用(リサイクル)という、いわゆる「3R」の円滑な推進を図り、天然資源の投入の抑制と環境負荷の低減を目的とする法律であり、これとほぼ同時期の2001年(平成13年)4月に、リサイクルの推進及び廃棄物の適正処理を目的とした「資源の有効な利用の促進に関する法律(資源有効利用促進法:リサイクル法)」が施行され、「廃棄物処理法」が改正された。

また、上記法律の制定及び改正と並行して、1995年(平成7年)に制定され、1997年(平成9年)に一部施行された「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律(「容器包装リサイクル法」という。)」が2001年(平成13年)4月に完全実施され、家庭などから一般廃棄物として排出される容器包装廃棄物について、消費者が分別排出し、市町村が分別収集し、事業者がリサイクルするという役割分担を明確にすることにより、一般廃棄物の減量及び再生資源の十分な利用を通じて、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保が一層図られることとなった。

さらには、「家電リサイクル法」、「食品リサイクル法」、「建設資材リサイクル法」、「自動車リサイクル法」等が制定され、このような法律の制定・施策のもとに、官民一体となって環境保全に取り組んでいるところである。

そして、上記「容器包装リサイクル法」のもとでは、容器包装リサイクル法の対象となる容器包装に該当すれば、消費者が分別排出し、市町村が分別収集し、事業者がリサイクル(再商品化)を行う対象となり、これらの容器包装には、消費者が分別排出する際に容易に識別できるように、識別マークを付すことを義務づけている。義務づけられた識別マークは、別掲(B)のとおりである。そのうちの飲料・酒類用のスチール缶やアルミ缶、飲料・酒類・しょう油用のPETボトルには従来より識別マークの表示が義務づけられていたが、平成13年4月からは、プラスチック製容器包装と紙製容器包装とが加わった。また、上記義務づけられた識別マーク以外に、関係業界団体が自主的に表示する識別マークがあり、本願商標は、その一つで、牛乳、ジュース、コーヒー、茶、酒などの飲料用紙製容器の識別マークとして、これら商品に表示されている。

(3)上記した我が国における容器包装等廃棄物の再利用等、環境問題に対する取り組みについての実情からすれば、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する一般の消費者は、「容器包装リサイクル法」の対象となる容器包装であって、廃棄物として処理する場合の分別の仕方を表したと認識するにとどまり、自他商品を識別する標識たる商標とは認識し得ないというべきである。

したがって、本願商標は、これをその指定商品について使用しても、単に商品の品質(商品の包装容器の品質・原材料、商品の包装容器の分別排出の方法)を表示するにすぎないものといわなければならない。

(4)請求人は、上記の点に関し、本願商標中の2の矢印図形は、全国牛乳容器環境協議会、社団法人全国清涼飲料工業会、社団法人日本果汁協会、日本園芸農業協同組合連合会、社団法人全国はっ酵乳乳酸菌飲料協会、酒類紙製容器包装リサイクル連絡会、印刷工業界液体カートン部会などが賛同して組織した社団法人日本乳業協会(請求人)が平成13年4月から、プラスチック製容器包装と紙製容器包装に表示することが義務づけられた識別マークとは異なる、紙パックに付すマークとして独自に考案したものであり、自他商品の識別機能を有する旨主張する。

しかし、前記(2)で述べた我が国における環境問題に対する取り組みの実情、容器包装リサイクル法の対象となる容器包装に表示される識別マークには、別掲(B)のとおり、右回りの2ないし3の矢印と包装の素材を表す語が結合されたマークが用いられていること及び本願商標は、前記(2)で述べた識別マークとして、実際に使用されている実情を総合すれば、一般の消費者は、本願商標を容器包装リサイクル法の対象となる容器包装に表示される識別マークであると認識することは、疑いの余地はない。

さらに、社団法人日本乳業協会(請求人)は、多くの企業により組織されていることが窺えるところ、一般の消費者は、社団法人日本乳業協会にどのような企業が存在するのか正確な知識を有していないのが一般的であるのみならず、これらの企業が自己の取扱いに係るそれぞれの商品に、本願商標を一様に使用したとしても、商標の本質たる自他商品の識別標識としての機能を発揮することはできないというべきである。

したがって、上記請求人の主張は採用することができない。

(5)以上のとおりであるから、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当する旨認定、判断した原査定は妥当であって、取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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