sokuhyo

Trademark Appeal Case

商標使用証拠の有効性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2002−31095(T2002−31095/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第3306401号商標(以下「本件商標」という。)は、平成6年7月8日に登録出願され、「SAILORS Jr」の欧文字と「セーラーズ ジュニア」の片仮名文字を2段に横書きしてなり、第25類「被服,運動用特殊衣服」を指定商品として、平成9年5月16日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由及び答弁に対する弁駁を次のように述べた。

(1)請求の理由

請求人が調査した結果、本件商標は商標権者により、少なくとも過去3年以内に日本国内でその指定商品には使用されていないことが判明した。

したがって、本件商標は取り消されるべきものであるから、請求の趣旨のとおりの審決を求めるものである。

(2)弁駁の理由

被請求人は、答弁書において使用例を提出している。しかし、それを見ると次の事が判明する。

(ア)被請求人は、請求人のことを「商標ブローカー」等といわれなき非難を行っているが、請求人は「商標法」の定めるに従って「商標取消」を求めているだけであり、被請求人は「使用証拠」を提出することのみに専念し、審判官に無用の予断を与えるような行為は差し控えられたい。

(イ)被請求人は、「通信販売」で本件商標の使用を行っていると主張するが、本件商標は、あくまで「SAILORS Jr」であり、その商標そのものの「商標形態」で使用している証拠は何一つ提出していない。

(ウ)提出されている資料は、全て「手書き」等であり、後日作成された可能性もあり、証拠能力に乏しい。

(エ)被請求人は、予約伝票(乙第9号証)、宅配伝票(乙第10号証)、精算伝票(乙第11号証)の伝票書類を提出しているが、それらを見ても、本件商標を使用した商品の販売をしていることを示すものとは判断できない。

以上の理由により、被請求人は適切な証拠を提出できなかったのであるから被請求人の答弁は意味をなさない。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第11号証(甲号証の表示は誤記と認め訂正した。)を提出した。

被請求人は、昭和47年より被服販売業の営業を開始し、昭和53年より本件商標に係わる商標の使用を開始して現在に至っている。なお、営業の形態は、当初の店頭販売中心のものから、現在の通信販売中心のものに転換している。したがって、商標法第50条第1項の審判請求は成り立たない。

なお、商標法第50条第2項に規定する登録商標の使用に関しては、後述する証拠方法において、当該商標の商標権者である被請求人が自ら通信販売において当該商標を使用していることを証明する。

請求人は、その商標出願動向から判断して、商標ブローカーと推定され、そして、被請求人の著名な当該商標を、本人が使用するためではなく、他社に高く売るために、商標法の改正により、利害関係人に限られていた商標法第50条の商標登録の取消しの審判が何人もできるようになったことを利用して、本件商標の取消しの審判を請求したものではないかと懸念される。

したがって、被請求人は、請求人に対して、かかる懸念を払拭するために、請求人の業務とその業務に係わる営業実績とを開示するよう要望する。

(1)被請求人は、通信販売の方法として、長年にわたり蓄積し整備してきた顧客リストに従って、各顧客に葉書を送付している。乙第1号証ないし乙第4号証は、その際に使用した葉書の表裏のコピーであり、乙第1号証は1999年12月に、乙第2号証は2000年5月に、乙第3号証は2000年11月に、乙第4号証は2000年12月に各顧客に郵送したものである。

(2)被請求人は、前述の葉書を受領した顧客及びその顧客や広告等から情報を得た者等の希望により、希望者にカタログを郵送している。その際に使用したカタログの1部を乙第5号証ないし乙第8号証に示す。乙第5号証ないし乙第7号証は子供向けのカタログの1部であり、乙第8号証は大人向けのカタログの1部である。

(3)被請求人は、前述のカタログ等を参考にして希望する商品の品名や型番を選択した顧客からの注文を受けて顧客に代金引換えによる商品の発送を宅配業者に委託する。乙第9号証は、その受注伝票の1部のコピーである。 なお、このコピーでは、顧客のプライバシ一を保護するため、また、被請求人の顧客名が請求人に知れるのを防止するため隠してある。

(4)被請求人は、顧客が商品を受け取ったことを宅配業者の伝票で確認している。乙第10号証は乙第9号証に対応する宅配業者の伝票のコピーである。

なお、このコピーでも、顧客のプライバシ一を保護するため、また、被請求人の顧客名が請求人に知れるのを防止するため隠してある。

(5)被請求人は、宅配業者から、代金引換えによる商品の発送に関する清算書とともに商品の代金から経費を差し引いた金額を受領する。乙第11号証はその清算書の1部のコピーである。なお、このコピーにおいて、その赤線部分には、乙第9号証及び乙第10号証に対応する「お問い合わせ伝票番号」及び金額が記載されている。

4 当審の判断

被請求人より提出された乙第5号証ないし乙第10号証についてみるに、乙第5号証ないし乙第8号証は、顧客に郵送する通信販売用のカタログ(カラー)と認められるものであり、そのうち乙第5号証ないし乙第7号証には、「オーバーオール、ショートパンツ、トレーナー、ポロシャツ」等の子供用の被服の商品写真がその品番、サイズ、販売価格と共にカラーコピーで掲載されている。そして、各掲載面上に本件商標と社会通念上同一のものと認められる商標がその販売時期(2000年、冬期)と認められる「winter」、「2000」の文字と共に表示されていることが認められる。また、乙第8号証は、上記のカタログの最終頁と認められるものであり、ここには「トレーナー、ポロシャツ」等の大人用の被服の商品写真がそのサイズ、販売価格と共にカラーコピーで掲載され、同じく、販売時期と認められる「winter」、「2000」の文字が表示されていて、最終頁の右下には店名と認められる「セーラーズ ニューショップ」とそのTEL・FAX番号、営業時間等が記載されていることが認められる。

次に、乙第9号証ないし乙第11号証は、取引書類と認められるものであり、乙第9号証は、前記のカタログに掲載された商品の予約伝票(No.8866)と認められるところ、伝票の上部には「SAILORS」の欧文字とシンボルマークと認められる図形が印刷されており、伝票には4点の商品の予約を受け、そのうち2点(トレーナー)の品名欄には、本件商標の使用と認められる商標が表示され、他に、品番、単価、金額等が記入され、その4点の合計金額として、「¥26460」と記載されている。そして、この伝票の上段には、該商品の予約日(2000/12/16)及びお渡し予定日(12月27日)が記入されていることが認められる。さらに、乙第10号証は、前記の予約伝票(No.8866)の商品を配送した「ヤマトコレクトサービス株式会社」から、発送元の「(株)セーラーズ」に宛てた宅配伝票と認められるもので、そのTEL・FAX番号は乙第8号証に記載されている番号と同一のものであり、これら伝票番号、TEL・FAX番号のほか、お届け予定日(12月27日)及び代金引換額(¥26460)等がそれぞれの各欄に記入されていることが認められる。

しかして、前記の各証拠に表示されているカタログ商品の販売時期(2000年、冬期)及び予約伝票又は宅配伝票上に記載された日付からすれば、本件審判請求の登録(平成14年10月9日)前3年以内に商品「子供用の被服」について、本件商標の通常使用権者と認め得る「株式会社セーラーズ」によって、本件商標が使用されて実際に取引きが行われていたことを認め得るものである。

なお、請求人は弁駁書において、証拠によっては、本件商標そのものの商標形態で使用している証拠はないとか、提出されてる資料は全て手書き等であり後日作成された可能性もあり、証拠能力に乏しい旨を主張している。

しかし、本件審判の請求は、被請求人より提出された乙第5号証ないし乙第10号証によって、上記のとおり認定できるものであるから、請求人の上記主張は採用することができない。

してみれば、本件商標は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、通常使用権者により本件商標と社会通念上同一の商標と認められる態様で本件審判の請求に係る指定商品に含まれる「子供用の被服」について、使用されていたものと認めることができる。

したがって、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものではない。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。