結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 無効2002−35109(T2002−35109/J3) |
|---|---|
| 審判種別 | 無効 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4446818号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなり、平成11年11月30日登録出願、第38類「移動体電話による通信、テレックスによる通信、電子計算機端末による通信、電報による通信、電話による通信、ファクシミリによる通信、無線呼出し、テレビジョン放送、有線テレビジョン放送、ラジオ放送、報道をする者に対するニュースの供給、電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同13年1月19日に設定登録されたものである。
請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第1373591号商標は、「INTEL」の文字よりなり、昭和46年1月6日登録出願、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、同54年2月27日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第1415771号商標は、「INTEL」の文字よりなり、昭和51年3月22日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同55年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第2332545号商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、昭和63年8月19日登録出願、第11類「電子応用機械器具、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成3年8月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第4456379号商標は、「INTEL」の文字よりなり、平成11年1月7日登録出願、第9類「理化学機械器具、測定機械器具、配電用又は制御用の機械器具、回転変流機、調相機、電池、電気磁気測定器、電線及びケーブル、写真機械器具、映画機械器具、光学機械器具、眼鏡、加工ガラス(建築用のものを除く。)、救命用具、電気通信機械器具、録音済みの磁気カード・磁気シート・磁気テープ・光ディスク・光磁気ディスク、録音済みのコンパクトディスク、その他のレコード、メトロノーム、コンピュータ用の対話式映像ゲームその他のゲームのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CD−ROM・光磁気ディスク、その他の電子応用機械器具及びその部品、オゾン発生器、電解槽、ロケット,業務用テレビゲーム機用のプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CD−ROM・光磁気ディスク、業務用テレビゲーム機、その他の遊園地用機械器具、スロットマシン、運動技能訓練用シミュレーター、乗物運転技能訓練用シミュレーター、電気アイロン、電気式ヘアカーラー、電気ブザー、乗物の故障の警告用の三角標識、発光式又は機械式の道路標識、鉄道用信号機、火災報知機、ガス漏れ警報器、盗難警報器、事故防護用手袋、消火器、消火栓、消火ホ一ス用ノズル、スプリンクラー消火装置、消防艇、消防車、自動車用シガーライター、保安用ヘルメット、防火被服、防じんマスク、防毒マスク、溶接マスク、磁心、抵抗線、電極、映写フィルム、スライドフィルム、スライドフィルム用マウント、録画済みビデオディスク及びビデオテープ、ガソリンステーション用装置、自動販売機、駐車場用硬貨作動式ゲート、金銭登録機、硬貨の計数用又は選別用の機械、作業記録機、写真複写機、手動計算機、製図用又は図案用の機械器具、タイムスタンプ、タイムレコーダー、電気計算機、パンチカードシステム機械、票数計算機、ビリングマシン、郵便切手のはり付けチェック装置、計算尺、ウエイトベルト、ウエットスーツ、浮袋、エアタンク、水泳用浮き板、レギュレーター、潜水用機械器具、アーク溶接機、金属溶断機、電気溶接装置、家庭用テレビゲームのプログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープ・光ディスク・CD−ROM・光磁気ディスク、家庭用テレビゲームおもちゃ、検卵器、電動式扉自動開閉装置」を指定商品として、同13年3月2日に設定登録されたものである。
同じく登録第1415772号商標は、「インテル」の文字よりなり、昭和51年3月22日登録出願、第11類「電気機械器具、電気通信機械器具、電子応用機械器具(医療機械器具に属するものを除く)電気材料」を指定商品として、同55年4月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第3337686号商標(以下「引用商標1」という。)は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月29日登録出願、第38類「電子計算機端末による通信、有線テレビジョン放送、コンピュータによるメッセージ及び映像の送信」を指定役務として、同9年8月8日に設定登録、現に有効に存続しているものである。
同じく登録第4431563号商標(以下「引用商標2」という。)は、「INTEL」の文字(標準文字)よりなり、平成10年7月27日登録出願、第38類「移動体電話による通信、テレックスによる通信、電子計算機端末による通信、電報による通信、電話による通信、ファクシミリによる通信、無線呼出し、光ファイバー網による通信、電子計算機端末・移動体電話その他の通信端末による通信ネットワークへの接続の提供、レーザー光線による通信、無線通信、電話会議通信、テレビ会議通信、衛星による通信、ビデオテックス通信、デジタルデータ通信、電子メールによる通信、通信事業者への通信回線の提供、特定の者に専用させる通信回線の提供、電気通信に関する情報の提供、テレビジョン放送、有線テレビジョン放送、ラジオ放送、放送に関する情報の提供、電子計算機端末による通信を用いて行う報道をする者に対するニュースの供給、その他の報道をする者に対するニュースの供給、電話機・ファクシミリその他の通信機器の貸与」を指定役務として、同12年11月10日に設定登録されたものであるが、その後、同13年9月26日に、指定役務中「衛星による通信」について、一部放棄を原因とする登録の一部抹消がなされているものである。
同じく登録第3143210号商標は、別掲(2)に示すとおりの構成よりなり、平成4年9月29日登録出願、第42類「電子計算機のプログラムの設計・作成及び保守、オンライン又はオフラインによる情報処理、電子計算機(中央処理装置及び電子計算機用プログラムを記憶させた電子回路・磁気ディスク・磁気テープその他の周辺機器を含む)の貸与」を指定役務として、同8年4月30日に設定登録されたものである。
以下、これらを総称するときは「引用商標」という。
請求人は、「本件商標の登録を無効とする。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第84号証(枝番を含む。)を提出した。
(1)本件商標は、商標法第4条第1項第15号、同第8号、同第19号、同第11号及び同第7号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項第1号により無効とすべきである。
(2)商標第4条第1項第15号について
(ア)引用商標「Intel」は、本件商標の登録出願時に既に請求人の商品及び役務を表示するものとして広く知られていたものである。
請求人は、その商号を「Intel Corporation(インテルコーポレーション)(以下「インテル社」という。)」と称し、1968年にアメリカ合衆国カリフォルニア州において Gordon E.Mooreおよび Robert N.Noyceにより創業されたものである。マイクロプロセッサ、マイクロコントローラ、フラッシュメモリ、マイクロコンピュータを含む半導体製品・コンピュータ関連製品の製造販売メーカーとしてのインテル社の世界的名声は、インテル社が1970年に世界初のICメモリ1103を、また、1971年には世界初のマイクロプロセッサ4004を開発したことに始まる。
インテル社は、その後、1978年には業界標準となる8ビット・マイクロプロセッサ8080を、1982年には16ビット・マイクロプロセッサを、1985年には32ビット・マイクロプロセッサを開発し(甲第10号証)、1995年にはパソコンの心臓部であるマイクロプロセッサ(MPU)における全世界の市場シェアの約80%を占めるに至っている(甲第27号証)。
また、甲第28号証によれば、インテル社の世界半導体市場におけるランキングは、1989年には第8位であったものが、1990年には第5位にまで上昇し、翌年の1991年には第3位となり、そして1992年に第1位を獲得し、これ以降、第1位を維持している(甲第41号証)。
(イ)請求人は会社設立の1968年以降、今日まで継続して引用商標「Intel」を使用している。引用商標は請求人のハウスマークであるから請求人の取り扱う全ての商品及び役務に広く使用されている。
また、引用商標は辞書にはない造語であって請求人によって創造された標章である。
引用商標はその著名性故にこれが使用される商品・役務の出所源が請求人「インテル社」に係るものであることを需要者に容易に認識理解させるものである。
したがって、引用商標は、創造語によって構成されているという点及び請求人の出所表示として著名であるという点から、極めて強力な出所表示機能が認められる商標であるというべきである。
(ウ)引用商標「Intel」は、請求人のハウスマークである故、請求人の製造販売に係る全ての商品及び役務についての広告宣伝に使用されている。
引用商標「lntel」は、既に1993年8月9日付の米国日刊新聞紙「Wall Street Journal」におけるブランド価値の推定において、178億1000万ドル(全米第3位)という評価を受けている(甲第33号証)。これに続く1993年9月1日付「Financial World」誌でも同様に全米第3位の178億1000万ドルと評価されている(甲第34号証)。
さらに、1997年9月・10月号の「FINANCIAL WORLD」誌における「Most Valuable BRANDS」(最も価値のあるブランド)の欄においても、「Coca−Cola」、「Marlboro」、「IBM」、「McDonald’s」等の世界的な著名商標に続く第8位にランキングされており、そのブランド価値は132億7400万ドルと評価されている(甲第36号証)。
2000年度においては、英国のブランド評価コンサルティング会社であるInterbrand社が行った世界で最も価値のあるブランドに関する調査において、引用商標「Intel」のブランド評価額は390億4900万ドルと評価されており、これは世界第4位にランキングされるものである(甲第42号証及び甲第43号証)。
甲第46号証は、アジアにおける主要企業200社の評価ランキングを示す。これによれば、2001年において引用商標「Intel」は、全世界では「MICROSOFT」、「GENERAL ELECTRIC」、「NOKIA」といった世界的な著名商標に続く第8位にランクされている。また、日本を含むアジア諸国においても、非アジア系主要企業の中のトップ10にランクされている。すなわち、香港で第6位、インドで第6位、日本で第3位、マレーシアで第4位、韓国で第9位、タイ国で第8位という状況である。
(エ)引用商標「Intel」及びその日本語の音訳「インテル」は、日本国内においては、請求人の主要商品の関連分野のみならず、その他の多岐に亘る商品及び役務について商標登録又は商標登録出願されている。
また、外国においては、世界70カ国以上において種々の商品・役務について引用商標「Intel」及びこれを含む商標についての登録・出願がなされている。
さらに、ハウスマークとしての重要性より、請求人は、引用商標と他の語とを組み合わせた種々の商標についても商標登録を取得しており、これは、外国においても同様である。
(オ)引用商標「Intel」及びその音訳「インテル」のわが国における使用開始は1970年における請求人商品のわが国への輸出に遡る。その翌年である1971年には、請求人の子会社「インテルジャパン株式会社」(茨城県つくば市東光台5丁目6番)が設立され、以後、請求人の日本国内における営業および宣伝広告活動は、インテルジャパン株式会社によって行われ現在に至っている。なお、インテルジャパン株式会社は平成9年に社名を「インテル株式会社」と変更し、以後は該名称において営業を継続している。
(カ)本件商標の指定役務は前記したとおりであるのに対して、請求人の提供する「インテルオンラインサービス」あるいは「インテルソリューションサービス」と呼ばれる役務は、通信回線の提供、電子計算機端末等による通信ネットワークへの接続の提供、電子メールによる通信、通信機器の貸与、ネットワーク通信に関するコンサルティングを含むものであるから、本件商標の指定役務と同一又は類似のものである。
さらに、請求人が製造販売するマイクロプロセッサ、フラッシュメモリ、マイクロコントローラ等の半導体製品は、セルラー式電話、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、MP3プレーヤー、ファクシミリ、モデム、ネットワーク通信用のルーター、アダプター、ハブ、テレビジョン受信機等の電気通信機械器具やパソコン等の電子応用機械器具に内蔵される主要部品である。 また、請求人が提供する電子計算機用ソフトウエア(甲第19号証)は、かかる電気通信機械器具や電子応用機械器具にインストールして使用されるものである。
このように、本件商標の指定役務は、請求人の業務に係る商品と需要者の範囲が重複するものであり、両者は極めて密接に関連することが明白である。
(キ)本件商標は、英文字で「intelig」と横書きした文字と三日月又はブーメランのような形状の図案を組み合わせてなる商標である。
本件商標の構成文字「intelig」は、請求人がハウスマークとして使用し本件商標の登録出願時において既に世界的に著名であった引用商標「Intel」と同一の文字「intel」を需要者の注意を最も強く喚起する語頭部分に含む。
しかも、本件商標は造語として認識されるものであって特定の観念をもたないから、著名な引用商標に相当する部分「intel」が既成の語の一部となっているものではない。
本件商標において「intel」と結合されている語尾の「ig」の文字は自他商品役務の識別力が無いローマ字2文字であって、何ら特定の意味合いを生じないものである。
なお付言すれば、「ig」の文字は、ドイツ語では前に位置する名詞(本件商標においては「intel」)を修飾して「〜のような」、「〜風の」といった形容詞的又は副詞的な意味を付加する接尾辞であることが知られている。例えば、「霧、曖昧にするもの」といった意味合いを表す名詞「Nebel」に「−ig」を付加してなる語「nebelig」は「霧でぼんやりした、曖昧な」といった意味合いを表す形容詞である。これに従えば、本件商標は「Intelのような」「Intel風の」といった意味合いになり、引用商標と明らかに観念上の関連性を示唆するものである。
さらに、本件商標が使用される指定役務は、請求人が「インテルオンラインサービス」及び「インテルソリューシヨンサービス」と称して提供する電気通信関連の役務と同一又は類似するものであり、また、請求人が製造販売する半導体製品や電気通信機器といった商品とも極めて深い関連を有するものであることは、上述のとおりである。
かかる事情に照らせば、本件商標を常に一体不可分の識別標識として把握されるとすべき理由は存在せず、むしろ需要者は、著名な引用商標「Intel」に照応する語頭の文字部分「intel」に着目し、これを役務の出所を識別する符号として認識理解するとみるのが自然である。そうとすれば、本件商標からは「インテルアイジー」の称呼が生ずる。また、識別力のない「ig」の部分が省略されて単に「インテル」と称される可能性も否定できない。
したがって、本件商標が指定役務に使用されたときには、本件商標の語頭に位置する「intel」の文字がその役務の出所識別機能を有するものとして需要者に容易に認識理解されることにより、請求人の商品及び役務を観念させるものとして著名な引用商標「Intel」が想起連想されるから、請求人又はこれと何らかの経済的又は組織的関係を有する者の業務に係る商品又は役務と誤認され、出所の混同を生ずるおそれがあることが明らかである。
平成11年6月14日付特許庁商標審査基準室による「周知・著名商標の保護等に関する審査基準の改正について」によれば、「他人の著名な商標と他の文字又は図形等と結合した商標は、その外観構成がまとまりよく一体に表されているもの又は観念上の繋がりがあるものを含め、原則として、商品又は役務の出所の混同を生ずるおそれがあるものと推認して、取り扱うものとする。ただし、その他人の商標の部分が既成の語の−部になっているもの、又は、指定商品若しくは指定役務との関係において出所の混同のおそれのないことが明白なものを除く。」とされている。
本件商標において引用商標「Intel」に相当する部分は既成の語の一部になっているものではないこと、又、本件商標の指定役務との関係において請求人の業務に係る商品及び役務と出所混同の蓋然性が高いことは上記のとおりである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたことは明白である。
(3)商標法第4条第1項第8号について
本件商標は、その登録出願時において既に請求人の名称の略称として著名であった「Intel」と同一の文字を語頭部分に顕著に含む。さらに、本件商標が使用される指定役務は、請求人の取り扱いに係る商品及び役務と同一又は類似のものであり、あるいは、これらと極めて密接に関係するものであることは上述のとおりである。
商標法第4条第1項第8号の規定の趣旨は「自己の氏名・名称等が他人によってその商品・役務の商標として使用され、これによって世人がそれらの氏名・名称等と商品・役務との間になんらかの関係があるかのように認識し、そのために氏名・名称を有する者がこれを不快としその人格権を毀損されたものであると感ずるであろうことが、社会通念上客観的に明らかであると認められるような場合において」(甲第86号証)、その他人の人格権を保護せんとするものである。
したがって、本規定の適用については、一般世人が同一人を認識すれば足りると考えられるところ、上記事情に鑑みれば、指定役務に使用される本件商標に接した需要者は、本件商標の語頭に顕著に含まれる「intel」の表示から請求人を直ちに想起連想すると想像するに難くない。
しかしながら、被請求人は本件商標の登録出願について請求人から承諾を受けていないから、本件商標の登録が請求人の人格権を毀損することは明白である。
したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号に違反して登録されたものである。
(4)商標法第4条第1項第19号について
本件商標は、その登録出願時において請求人の業務に係る商品及び役務を表示するものとして広く認識されていた引用商標「Intel」と同じ文字「intel」を語頭部分に含み、これと自他商品識別力のないローマ字2文字「ig」を結合してなるものであるから、本件商標においては著名商標に相当する「intel」の部分が主要部として自他商品役務識別機能を担うとみるのが相当である。
そして、本件商標は、特定の意味を観念させない造語であって、被請求人の本国ブラジルの公用語ポルトガル語においても全く意味をなさないものであり、かつ、語尾「−ig」で終結するという形式もポルトガル語として馴染まないものである。
してみれば、本件商標は、著名な引用商標「Intel」に識別力の無いローマ字2文字の「ig」を付加して外観上一体不可分に表示することにより、引用商標を巧みに変更させて引用商標と非類似を装い、これにより登録拒絶を免れんとするものである。
上記事情に照らせば、本件商標は、引用商標の世界的な名声に便乗する目的で採択使用された不正目的による登録といわざると得ない。
また、本件商標の採択使用により、世界的に著名な引用商標の顧客吸引力及び出所表示機能が希釈化することは明らかである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に違反して登録されたものである。
(5)商標法第4条第1頂第11号について
上述のとおり、本件商標は語頭の「intel」の部分が主要部として自他商品役務識別機能を担い、「インテルアイジー」又は「インテル」の称呼が生ずるから、本件商標は、請求人が所有する先願に係る引用商標1(甲第7号証の1〜2)及び引用商標2(甲第8号証の1〜2)に類似する。
また、本件商標の指定役務は、引用商標1及び引用商標2に係る指定役務と同一又は類似のものである。
したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。
(6)商標法第4条第1項第7号について
本件商標が指定役務に使用されたときには、需要者は本件商標から引用商標「Intel」及び請求人会社を想起連想することが明らかであり、これにより、請求人の長年に亘る多大な努力によって獲得された引用商標の強力な顧客吸引力及び出所表示機能が希釈化する。また、被請求人による本件商標の使用は、引用商標の世界的名声にただ乗りするものである。
してみれば、本件商標が指定役務について使用されたときには、引用商標の稀釈化と顧客吸引力への便乗行為によって請求人に経済的及び精神的損害を与えることが明らかである。
したがって、本件商標の登録及び使用は、公正な取引秩序の維持を旨とする商標法の精神に反し、社会一般道徳及び国際信義に反することは明白であるから、公の秩序を害するおそれがあるというべきである。
よって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号に違反して登録されたものである。
被請求人は、答弁していない。
(1)本件商標は、別掲(1)に示すとおりの構成よりなるところ、構成中の「intelig」の文字部分(以下「本件商標の文字部分」という。)は、同書・同大・等間隔に一連にまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「インテリグ」の称呼も冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標の文字部分は不可分一体の商標とみられるものであり、これより生ずる称呼は「インテリグ」のみであると判断するのが相当である。
他方、引用商標は、前記又は別掲(2)のとおりの構成よりなるところ、その構成文字に相応して「インテル」の称呼を生ずるものと認められる。
そこで、本件商標の文字部分より生ずる「インテリグ」の称呼と、引用商標より生ずる「インテル」の称呼とを比較するに、両者は、前者が5音、後者が4音という構成音数の差異に加えて、後半部における「リグ」と「ル」の音に明瞭な差異を有するものであるから、十分に区別し得るものである。
さらに、本件商標の文字部分と引用商標は、共に特定の観念を生じ得ない造語と判断されるものであるから、観念上の類否は比較すべくもなく、また、それぞれの構成よりみて外観上も明らかに区別し得るものである。
請求人は、「本件商標の文字部分は著名な引用商標に識別力のないローマ字2文字『ig』を付加したにすぎないものである。」旨主張しているが、本件商標の文字部分はその構成よりみて不可分一体の商標とみられること前記認定のとおりであるから、この点に関する請求人の主張は採用できない。
また、本件商標は、前記文字に加え、三日月形の図形を含む構成よりなるものであるが、該図形は本件商標と引用商標との類否判断に直接影響を及ぼさない部分とみるを相当とする。
したがって、本件商標と引用商標とは、称呼、観念及び外観のいずれの点よりするも非類似のものであり、商標法第4条第1項第11号に該当するものではない。
(2)そして、引用商標が請求人の業務に係る商品・役務を表示するものとして、取引者・需要者の間に広く認識されている事実を認め得るとしても、先に述べたように、本件商標は、その構成文字全体をもって不可分一体の造語よりなるものと認識されるものであって、構成中の「intel」の文字部分のみが独立した標識部分として認識され得ないというべきであるから、本件商標から引用商標が連想、想起されるとは認められず、商標権者が本件商標をその指定役務に使用しても、その役務が請求人若しくは請求人と関係のある者の業務に係る役務であるかのごとく、その出所について混同を生ずるおそれはないものとみるのが相当である。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号にも該当するものではない。
(3)また、同様の理由により、本件商標は、その構成欧文字の全体が一体不可分のものとして認識し把握されるものであって、「intel」の部分のみが殊更に分離、抽出されて請求人「Intel Corporation」の人格を表すものとして認識されるとは認め難いから、他人の名称の著名な略称を含む商標ということはできない。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号にも該当するものではない。
(4)さらに、本件商標は、その構成自体が矯激、卑猥、差別的な印象を与えるような文字又は図形からなるものでなく、これをその指定役務について使用することが社会公共の利益・一般道徳観念に反するものでもないし、かつ、商標権者が本件商標を採択使用する行為に不正の目的があったものとは認められないところである。したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第7号及び同第19号にも該当するものではない。
(5)以上のとおりであり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、同第15号、同第8号、同第7号及び同第19号に違反して登録されたものでないから、同法第46条第1項により、その登録を無効とすることはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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