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Trademark Appeal Case

複合商標の要部と称呼類似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−8380(T2001−8380/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本件商標

本願商標は、「ヴィーナスダイエット」の片仮名文字を標準文字で書してなり、願書記載のとおりの商品を指定商品として、平成12年4月27日に登録出願、その後、指定商品については、原審における同13年4月4日付け手続補正書をもって、第29類「加工野菜及び加工果実(調理用野菜ジュースを除く。),乳製品(バターを除く。)」に補正されたものである。

2 原査定の引用商標

原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用された登録第426985号商標(以下「引用A商標」という。)は、「ヴィナス」の文字を横書きしてなり、昭和27年7月30日に登録出願、第47類「穀菜類、種子、果物、穀粉、澱粉及びその製品」を指定商品として、同28年6月24日に設定登録、その後、同49年3月8日、同58年9月19日、平成5年10月28日及び同15年7月1日の4回にわたって商標権存続期間の更新登録がなされたものである。

同じく、登録第1048717号商標(以下「引用B商標」という。)は、「ビーナス」の文字を横書きしてなり、昭和44年6月3日に登録出願、第31類「食用油脂、乳製品」を指定商品として、同48年12月21日に設定登録、その後、同59年1月27日及び平成6年6月29日の2回にわたって商標権存続期間の更新登録がなされたものである。

同じく、登録第2181740号商標(以下「引用C商標」という。)は、「BEANUS」の文字を横書きしてなり、昭和62年5月20日に登録出願、第32類「豆乳、その他本類に属する商品」を指定商品として、平成元年10月31日に設定登録、その後、同11年6月29日に商標権存続期間の更新登録がなされたものである。

同じく、登録第3103605号商標(以下「引用D商標」という。)は、後掲のとおりの構成よりなり、平成4年12月25日に登録出願、第29類「加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同7年12月26日に設定登録がなされたものである。

3 当審の判断

本願商標は、「ヴィーナスダイエット」の片仮名文字を書してなるものであるところ、その構成中前半の「ヴィーナス」文字部分は、「ローマ神話で菜園の守護女神。のち、ギリシア神話のアフロディテと同一視され、美と愛の女神。」等(「広辞苑」岩波書店)を意味するものとして、一般に良く知られ、親しまれている言葉(「ビーナス」は同義語。)であり、また、その構成中後半の「ダイエット」の文字部分は、「(規定食の意) 美容・健康保持のために食事の量・種類を制限すること。」(「広辞苑」岩波書店)を意味し、食品においては、その取引者、需要者は、「ダイエット食品」(肥満防止などのために、栄養価や栄養の種類を調整した食品。多く、美容を目的とした低エネルギー食品を指す。:「大辞林」三省堂)を表してなるものと普通一般に認識されるものである。

そうとすると、「ヴィーナス」の文字と「ダイエット」の文字が、一連に書されていたとしても、全体として特定の語義を生ずるものではなく、各語からはそれぞれの意味合いが看て取れるものであり、かつ、該「ダイエット」の文字が、商品の品質、効能等を表すものとして理解される場合もあるといえるから、本願商標の構成中における自他商品の識別標識としての機能を強く果たし得る「ヴィーナス」の文字部分がより多くの注意を引き、これより生ずる称呼、観念をもって、取引に資する場合も決して少なくないというのが相当である。

そうとすれば、本願商標は、その構成文字に相応して「ヴィーナスダイエット」と一連に称呼される場合があるとしても、その構成中の「ヴィーナス」の文字より「ヴィーナス」の称呼及び「(美と愛の女神)ヴィーナス」の観念が生ずるものである。

一方、引用A商標は、「ヴィナス」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「ヴィナス」の称呼が生ずるものである。

さらに、引用B商標は、「ビーナス」の文字を書してなるから、その構成文字に相応し「ビーナス」の称呼及び「(美と愛の女神)ヴィーナス」の観念が生ずるものである。

さらに、引用C商標及び引用D商標は、その構成文字に相応し「ビーナス」の称呼が生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「ヴィーナス」の称呼と引用A商標より生ずる「ヴィナス」の称呼とを比較するに、両称呼は、称呼上重要な要素を占める語頭音を含む「ヴィ」「ナ」「ス」の音を同じくし、異なるところは、「ヴィ」の長音「ー」の有無にあるところ、中間に位置することとも相まって、その差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して大きいものということができず、両称呼を一連に称呼するときは、かれこれ相紛れるおそれがあるものというべきである。

してみれば、本願商標と引用A商標とは、外観において相違し、また、観念において比較すべきところがないとしても、両商標は、称呼において類似し、全体として相紛れるおそれのある類似する商標である。

つぎに、本願商標と引用B商標とは、外観において異なるところがあるとしても、両商標より生ずる「ヴィーナス」の称呼及び「(美と愛の女神)ヴィーナス」の観念を共通にし、全体として相紛れるおそれのある類似する商標であである。

つぎに、本願商標より生ずる「ヴィーナス」の称呼と引用C商標及び引用D商標より生ずる「ビーナス」の称呼とを比較するに、両称呼の異なるところは、語頭音の「ヴィ」の音と「ビ」の音のみにあるところ、発音上両音は極めて近似した音であることから、その差異が称呼全体に及ぼす影響は、決して大きいものということができず、両称呼を一連に称呼するときは、かれこれ相紛れるおそれがあるものというべきである。

してみれば、本願商標と引用C商標及び引用D商標とは、外観において相違し、また、観念において比較すべきところがないとしても、両商標は、称呼において類似し、全体として相紛れるおそれのある類似する商標である。

そして、本願商標の指定商品と各引用商標の指定商品とは、同一又は類似するものである。

また、請求人は、登録例を挙げ、本願商標は登録されるべきものである旨主張しているが、これらの登録例は事案を異にするから、請求人の主張は採用できない。

以上のとおり、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するものとする原査定は、妥当であって、取り消すべき限りでない。

よって、結論のとおり審決する

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