Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−6449(T2000−6449/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ユーロダイヤモンド」の片仮名文字と「Euro Diamond」の欧文字とを上下二段に書してなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、平成10年12月18日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『ヨーロッパの』の意味を有する『ユーロ』及び『Euro』の文字と、『宝玉及び宝玉の原石』の一種である『ダイヤモンド』及び『Diamond』の文字とを『ユーロダイヤモンド』『Euro Diamond』と上下二段に書してなるから、これをその指定商品中『身飾品,宝玉及びその原石,時計』等に使用するときは、『ヨーロッパ製のダイヤモンド』及び『ヨーロッパ製のダイヤモンドを使用してなる商品』等を認識するに止まり、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成中の「ユーロ」及び「Euro」の文字は、「ヨーロッパの」(『広辞苑第五版』岩波書店、『コンサイスカタカナ語辞典第2版』三省堂、『研究社新英和大辞典第6版』及び『小学館ランダムハウス英和大辞典第2版』)を意味し、また「ダイヤモンド」及び「Diamond」の文字は、宝玉の一種を意味する語として一般に親しまれているところである。
そうすると、「ユーロダイヤモンド」及び「Euro Diamond」の文字よりなる本願商標は、「ヨーロッパ製のダイヤモンド」の意味合いを容易に理解、認識させるとみるのが相当である。
このことは、例えば「ヨーロッパ製のダイヤモンド」について、株式会社ジー・サーチの提供に係る新聞記事情報及びインターネットの各種情報をみると、以下のような記載があることからも十分に裏付けられるところである。
(ア)「ヨーロッパ・ジュエリーの400年展・・・ヨーロッパ・ジュエリーは、ルネサンスの貴金属の細工加工、金細工やカットなどの技術革新で急速に、その輝きを増した。以後、バロック、ロココ、アール・デコ・・・など世界の美術史の流れの中で、芸術性豊かに各時代の女性の美意識を創造してきた。 今回展示されるのは、パリ万国博で絶賛されたイタリア王妃・マルゲリータのティアラや、アールヌーボーの最高傑作といわれ、愛の象徴として制作された蛇のブレスレットと指輪。金銀、真珠、ダイヤモンドなどを駆使したネックレスやイヤリング、クロスペンダントなど、その世紀を彩ったヨーロッパ・ジュエリーの逸品が展示される。」(「京都新聞」2003.10.23朝刊8頁)
(イ)「ヨーロッパ・ジュエリーの400年 作品を見て・・・最大の魅力は、ブリリアントカットとはひと味違うローズカットダイヤモンドの優しいきらめきです。」(「西日本新聞」2003.8.6朝刊24頁)
(ウ)「10日から彫刻の森美術館 愛の誓いダイヤモンドコレクション展・・・今回展示品の中には、文献上最古の婚約指輪、ハプスブルグ家マキシミリアン公が贈ったダイヤモンドリングの複製も含まれる。かまぼこ型のダイヤモンドはMの字をかたどり、聖母マリアとマキシミリアンの永遠の結び付きを表しているという。 カッティング技術の進化、デザインの変遷に着目しても面白い。八世紀チャンパ王国(現べトナム)のダイヤモンドリングは、自然のままの正八面体の石を金にはめこんだもの。素朴なぬくもりが印象的だ。その後、ヨーロッパの職人の手で、テーブルカット、ローズカットと、時代とともにダイヤモンドの輝きは増していく。」(「産経新聞」2002.9.7東京朝刊21頁)
(エ)「ダイヤモンド展 気高き宝石の王・・・ダイヤモンドは人間の歴史と密接に結びついています。ヨーロッパで各国の王家に伝わる宝飾品の数々を目にしたことがありますが、それらひとつひとつに昔から伝わるエピソードがありました。」(「読売新聞」2000.8.28東京朝刊16頁)
(オ)「大阪市立美術館では、平成16年1月9日(金)から2月27日(金)まで、特別展『煌(きらめ)きのダイヤモンドーヨーロッパの宝飾400年ー』を開催します。 本展覧会は、(1)1560年頃にスペインで製作された、素朴ながらも優雅な初期ダイヤモンドジュエリーの名品であるクロス・ペンダント(ルーブル美術館所蔵)や、20世紀前半にイタリアで製作された、多くのダイヤモンドをあしらった豪華な曲線モティーフのペンダント付ネックレス(プラハ装飾美術館所蔵)など、ヨーロッパを中心とする美術館や個人コレクション、ジュエリーハウスなどが所有する希少性の高い約200件のダイヤモンドジュエリーを展示。(2)豪奢なダイヤモンド装飾を身につけたロシアの女帝エカテリーナやオーストリア皇女シシー、ナポレオン3世の妃で大の宝石好きであったユージェニーらを描いた肖像画や、装飾品のデッサン画など15点も展示。(3)リング(指輪)、ティアラ(頭飾り)、ブレスレット、ペンダント、チョーカー、ブローチ、櫛、時計、煙草入れ、手帳装飾など多彩なバリエーション。(4)15世紀後半の八面体ダイヤ1つをのせた簡素なリングから、58面体ブリリアント・カットを用い695個のダイヤで構成した20世紀のネックレスまで、ダイヤモンド400年の歴史を紹介。 ダイヤモンドがあしらわれた装身具のうち、もっとも初期とされる作品は15世紀にさかのぼりますが、当時ダイヤモンドは魔よけやお守りとして身に付けられていました。貴石として、あるいはステイタス・シンボルとしての地位をダイヤモンドが得るのは16世紀になってからのことです。 この16世紀をダイヤモンドジュエリーのはじまりと位置づけ、世界でもっとも硬い石が綴ってきた輝きの歴史を、加工の技術やカットの変遷、またジュエリーの様式とモチーフの流行の移り変わりなどに注目しながら紹介します。 装飾芸術としてのダイヤモンドジュエリーのすべてを知ることができる絶好の展覧会といえます。」(http://www.city.osaka.jp/kyouiku/press031003.html)
(カ)「歴史的に、ダイヤモンド・カッティング業者はヨーロッパの都市に集中していました。なぜならば、ダイヤモンドの購入者は中世以来、ヨーロッパの王侯貴族に限られていたからです。その後産業革命を経て、次第にブルジョアジーなどの一般市民の富裕層がダイヤモンドの購入層となり、今日では、欧米をはじめとした全世界の一般消費者がダイヤモンドの購入者となっています。 ダイヤモンドのカット技術は、中世以来ヨーロッパで研究されていました。他の宝石に比べて硬度が高いため、ダイヤモンドのカットは非常に難しいものとされてきました。近代的カット技術が確立したのは、19世紀末から20世紀にはいってからです。硬いダイヤモンドを旋盤で加工したり、機械式のこぎりで鋸引きしたりすることが可能となってから飛躍的に向上しました。」(http://www.on-line-diamond.com/dict/center/)
してみると、本願商標をその指定商品中「ダイヤモンド,ダイヤモンドを使用してなる身飾品・時計」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品がヨーロッパ製のダイヤモンド又はヨーロッパ製のダイヤモンドを使用してなる身飾品・時計であるという、商品の産地、品質及び原材料を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、「ダイヤモンド,ダイヤモンドを使用してなる身飾品・時計」以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、過去の登録例を挙げて、本願商標も登録されるべきである旨を主張しているが、これらの登録例は、商標の構成等において本願とは事案を異にするものであるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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