結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31209(T2002−31209/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4328793号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの図形を表わしてなり、平成10年8月6日に登録出願、第16類「包装用紙,紙箱,紙袋,段ボール箱,ファイバー箱」及び第35類「商品の販売に関する情報の提供」を指定商品及び指定役務として、同11年10月29日に設定登録されたものである。
請求人は、「本件商標の登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。との審決を求める。」と申し立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1ないし第3号証を提出している。
1.請求の理由
本件商標は、その指定商品及び指定役務について、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもが、継続して3年以上日本国内において本件商標を使用していないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録が取り消されるべきである。
2.答弁に対する弁駁
(1)登録商標が、その指定商品や指定役務につき、実際に使用されている事実を書証として証明するには、取引の実情を証する書面、例えば、見積書、発注書、受注書、請求書並びに領収書等の控の提出が必要である。蓋し、現今のようにパソコンやスキャナーおよび複写機の使用により、カラー印刷を含め多種多様な印刷物が恣意的に自在に作成できる時代に、単に印刷物を提出して登録商標の使用の事実の証明となり得るのであれば、商標法第50条第2項が商標登録権利者に要求する登録商標の使用の事実の証明とは形式的なものとなり、法制度そのものの存在意義を問われかねないからである。
(2)被請求人の提出に係る乙第1号証の1ないし同第5号証の書証は、何れも先に指摘した類の印刷物であって、本件商標が指定する第16類の「包装用紙,紙箱,紙袋,段ボール箱,ファイバー箱」の商品、及び第35類の「商品の販売に関する情報の提供」の役務につき、実際に商取引が行われた事実を証する見積書、発注書、受注書、請求書並びに受領書等の書面は一切含まれていない。つまり、本件商標がその指定商品および指定役務につき登録商標が現実に使用された事実を商標登録権利者は証明していない。
(3)被請求人の答弁書に添付された印刷物は、何れも偽造された可能性が高い。蓋し、本件審判請求が行われた平成14年10月16日の時点における被請求人の商標登録権利者としての名義は株式会社ウィキャンインターナショナルであり、その後、株式会社ウィキャンシーオージェーピーと名称変更されたのは、平成15年1月31日(甲第3号証)であるから、それ以前に本件商標が実際に使用されたことを証する書面が株式会社ウィキャンシーオージェーピーと記載されているのは時の経過原則に反するからである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1ないし第5号証(枝番を含む。)を提出している。
1.本件商標に係る通常使用権者は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、その請求に係る指定役務、第35類「商品の販売に関する情報の提供」について本件商標と同一の商標及び社会通念上同一の商標を使用している。以下、その使用事実について詳述する。
2.商標権者の業務内容は、不要となった商品を交換のために持ち込んできた者を会員とした上で、この会員に対して当該商品の展示販売のために必要な場所を提供するだけでなく、当該会員の設定した当初販売価格で当該商品の売買が成立しない場合にはその当初販売価格を1週間ごとに順次10%ずつ下落させて売買成立を図ると共に、その売却代金をポイント等に換算して店舗内の別の展示販売商品との物々交換を可能とするという販売方法(情報)を提供することにより、一定の手数料を当該会員より受領するというものである。同時に、第三者に対しては当該商品の種類及び現在から将来に渡っての販売価格を記載した値札を付した商品を展示、広告することで商品の種類や価格を情報として提供するものである。したがって、この業務内容は上記第35類「商品の販売に関する情報の提供」に相当するものである。
3.乙第1号証の1は、第三者への頒布を目的として商標権者の上記業務内容を記載したパンフレット兼会員申込書であって、このパンフレットに対して、商標権者は本件商標を付しているものである。
乙第1号証の2は、パンフレット兼会員申込書の販売証明書であり、このパンフレットの原型は少なくとも平成12年2月24日に印刷業者から商標権者に納入され、その後若干の修正が加えられて現在まで継続して頒布されている。
乙第2号証の1は、店内において展示される商品に付される商品の種類や価格を記載した値札の写しである。
乙第2号証の3及び4は、値札の表裏面であって、表面には本件商標及び店舗名(Barter Shop)が、裏面には商品名及び現在から将来に渡っての複数の販売価格が記載されている。これらは、商標権者が提供する業務、即ち当該商品を持ち込んだ会員の設定した当初販売価格で当該商品の売買が成立しない場合にはその当初販売価格を1週間ごとに順次10%ずつ下落させて売買成立を図るという販売方法(情報)に従って、記載されている。
乙第2号証の2は、値札の販売証明書であって、この値札は店舗開設当初より現在に至るまで継続して使用されているものである。
乙第3号証の1は、店舗入り口において設置されている立て看板の写真を掲載した雑誌の写し(「月刊店舗」2000年11月号、平成12年10月20日発行)である。
乙第3号証の2は、上記雑誌の写しに掲載している、店舗入り口において設置されている立て看板である。この立て看板は本件商標及び店舗名(Barter Shop)と共に、「世界初! 物々交換所」「毎週10%づつ安くなるお店」という商標権者の業務内容を示唆するような文言が記載されているものである。また、この立て看板は、雑誌の写しの発行日から明らかなように、少なくとも2000年10月20日時点では既に店舗入り口に設置されている上、現在もなお同所に設置されているものである。
乙第4号証は、店舗壁面において設置されている外看板であって、この外看板には本件商標及び店舗名(Barter Shop)と共に、「リサイクルディスカウント」「毎週10%づつ安くなるお店」という商標権者の業務に関連するような文言が記載されている。更にこの外看板は、店舗開設当初より現在に至るまで常に同所に設置されているものである。
乙第5号証は、会員となった者に対しての葉書であるが、この葉書には、黒く縁取りを行った湾曲状の緑と赤の矢印を組み合わせた本件商標のほとんどが大きく示されると共に、本件商標と店舗名(Barter Shop)、更には「不要なものはBarterShopに出してせめて家の中はスッキリ涼しくしましょう!?」や「このハガキで引き取りサービス無料です!」等の記載により、会員に来店を促し商標権者の業務である「商品の販売に関する情報の提供」を利用するように勧誘する文言が記載されている。更にこの乙第5号証の葉書には2001年Summerとあり、消印も平成13年7月30日となっていることからもその使用の日時は明らかである。
4.以上により、本件審判の請求の登録前三年以内に日本国内において商標権者である被請求人は本件商標の指定役務である、第35類「商品の販売に関する情報の提供」についての本件商標の使用をしていることは明らかである。したがって、請求人の主張は失当であり本審判請求は成り立たない。
1.被請求人の提出に係る乙各号証によれば、本件商標の使用に関して以下の事実が認められる。
(1)乙第1号証の1及び2は、パンフレット兼会員申込書及びその販売証明書であり、そのいずれにも本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されていることが認められる。
(2)乙第2号証の1は値札の写しであり、乙第2号証の3及び4は値札の表裏面であるが、表面には、本件商標及び店舗名が、裏面には商品名及び現在から将来に渡っての複数の販売価格が記載されているが、そのいずれにも本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されていることが認められる。
(3)乙第2号証の2は、値札の販売証明書であって、この値札は店舗開設当初より現在に至るまで継続して使用されているものとみるのが自然である。
(4)乙第3号証の1は、雑誌「月刊店舗」2000年11月号の写しであり、乙第3号証の2はその雑誌の記事内容の一部を抜粋拡大した写しであることが認められ、その記事中に掲載された被請求人店舗の写真には、該店舗の入口に設置された看板に本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されていることが認められる。
(5)乙第4号証は、被請求人店舗の壁面に設置されている外看板を撮影した写真と推認され、この外看板には、本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されていることが認められる。
(6)乙第5号証は、被請求人店舗の会員となった者に対する葉書と認められ、差出人として被請求人の店舗名及び本件商標と社会通念上同一といい得る商標が記載されていることが認められる。
2.以上の事実及び被請求人の答弁の全趣旨によれば、商標権者の業務内容は、不要となった商品を交換のために持ち込んできた者を会員(これは乙第1号証の1のパンフレット兼会員申込書により認められる。)としたうえで、この会員に対して当該商品の展示販売のために必要な場所を提供するだけでなく、当該会員の設定した当初販売価格で当該商品の売買が成立しない場合にはその当初販売価格を1週間ごとに順次10%ずつ下落させて売買成立を図る(これは乙第2号証の1、3及び4の値札によって認定できる。)という商品の販売に関する情報を提供すると共に、その売却代金をポイント等に換算して店舗内の別の展示販売商品との物々交換を可能とするという情報を提供することにより、一定の手数料を当該会員より受領するというものである(これは乙第1号証の1の内容により認定できる。)から、この業務内容は上記第35類「商品の販売に関する情報の提供」に相当するものというべきである。
そして、上記業務を遂行するにあたり、被請求人は、本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されたパンフレット及び値札を作成展示するとともに、被請求人店舗の看板にも本件商標と社会通念上同一といい得る商標が付されていること、被請求人の店舗については月刊誌にも紹介されていること、上記パンフレットは本件審判請求の登録(平成14年11月13日)前である平成12年2月24日に作成されたこと(乙第1号証の2)、上記月刊誌が12年10月20日に発行されたこと(乙第3号証の1)からすれば、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る役務に含まれるというべき役務「商品の販売に関する情報の提供」について、本件商標と社会通念上同一と認められる商標が使用されていたと認めるのが相当である。
3.請求人は、乙第1号証の1ないし乙第5号証の書証は、印刷物であるので、取引の事実を証する書面とならない、また、本件審判請求が行われた平成14年10月16日の時点における被請求人の商標権者としての名義は株式会社ウィキャンインターナショナルであり、その後、株式会社ウィキャンシーオージェーピーと名称変更されたのは、平成15年1月31日であるから、それ以前に登録商標が実際に使用されたことを証する書面が株式会社ウィキャンシーオージェーピーと記載されているのは時の経過原則に反するから、何れも偽造された可能性が高いものである旨主張している。
しかしながら、乙第1号証の1ないし乙第5号証の書証から総合的に勘案すると、取引の事実が証明できるものであって、その業務内容は、上記第35類「商品の販売に関する情報の提供」に相当するものであると認められる。
また、本件商標権者に関する閉鎖登記簿謄本の記載によれば、株式会社ウィキャンインターナショナルは、平成12年6月8日付けで、株式会社ウィキャンシーオージェーピーに商号変更されていることが認められるから、登録商標が実際に使用されたことを証する書面が株式会社ウィキャンシーオージェーピーと記載されていても、何ら矛盾はなく正当であると認められる。 したがって、請求人の主張はいずれも採用することができない。
4.以上のとおりであるから、本件商標の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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