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Trademark Appeal Case

結合商標の記述性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−12446(T2001−12446/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「モバイルウェブ」の文字を横書きしてなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品」を指定商品として、平成12年5月11日に登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、『移動体通信、移動式』等の意味合いを有する『モバイル』の文字と、コンピュータネットワーク情報検索システム名『world wide web』の略語として広く使用されている『ウェブ』の文字を普通に用いられる方法で連綴してなるものであるところ、これを本願指定商品中の『移動式コンピュータネットワーク情報検索システム及びその機器』について使用するときは、単にその商品の品質、用途、機能を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は「モバイルウェブ」の文字よりなるところ、その構成中の前半部の「モバイル」の文字は、「自由に動く」や「移動性の」という意味で、携帯可能な小型のコンピュータのことを指称するものであり、例えば、「超図解 パソコン用語事典2002年版」(発行所 株式会社エクスメディア)によると、携帯可能なノートパソコン用の各社のCPU(中央処理装置)を「モバイルPentiumIII」、「モバイルCeleron」(いずれも米インテル社のCPU)、「モバイルAthlon4」、「モバイルDuron」(いずれも米AMD社のCPU)のように称したり、「imidas2002 別冊付録 IT用語/カタカナ・略語辞典」(発行所 株式会社集英社)によると、「携帯電話やPHS、ノートパソコンなどを使って、移動中や外出先でインターネットを利用すること」を「モバイルインターネット」と、「コンピューターを携帯してオフィスの外で利用すること」を「モバイルコンピューティング」と称したりなど、他の文字の前に置いて使用される語としても親しまれているものである。また、後半部の「ウェブ」の文字は、「超図解 パソコン用語事典2002年版」によると、ハイパーテキスト型式による情報検索システムである「world wide web」(以下「WWW」という。)の略称であり、インターネット上に置かれたWWWサーバーに蓄積されているHTMLファイルにWWWブラウザでアクセスし、URLを入力したり、設定されたハイパーリンクをクリックしたりして目的の情報を検索するものを指称する語として親しまれているものである。

そうすると、本願商標は、このような語をもって構成され、その指定商品中には、コンピュータ機器やソフトウェアなどが含まれていることを踏まえると、その全体としても、取引者、需要者をして、「携帯可能なノートパソコンや小型コンピュータ用のハイパーテキスト型式による情報検索システム(WWW)」又は「携帯可能なノートパソコンや小型コンピュータなどで移動中や外出先で利用できるハイパーテキスト型式による情報検索システム(WWW)」程度の意味合いを容易に認識させるものといえる。

したがって、本願商標は、その指定商品中、携帯可能なノートパソコンや小型コンピュータ用のハイパーテキスト型式による情報検索システム(WWW)に対応したコンピュータやソフトウェアなどの機器に使用したときは、その商品の品質を表示するにすぎないものといえる。

(2)特に、「モバイルウェブ」の文字について、各種新聞記事やインターネットのホームページの記事をみても、次の(a)ないし(m)のとおりの記載があり、「モバイルウェブ」の文字が種々用いられていることから、これらの記載によっても、「モバイルウェブ」の文字が上記(1)のとおり商品の品質表示として認識されるものであることが裏付けられるといえる。

なお、次の(a)ないし(m)の新聞記事やインターネットのホームページの記事は、当審において、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、平成15年10月6日付け証拠調べ通知書をもって請求人に通知したものである。

(a)2003年6月28日付け中国新聞(中国朝刊)には、「新型車や販売情報 携帯ネットでPR マツダがウェブ」の見出しの下に「マツダは、携帯電話のインターネットで新型車の情報や展示会の計画などをPRする『モバイルウェブ』を開設した。」の記載がある。

(b)2001年9月20日付け日刊工業新聞の8頁には、「ACCESS、カーナビ向け専用ブラウザを発売」の見出しの下に「ACCESSは、カーナビゲーションシステム向け専用ブラウザ『ネットフロント フォー オートモーティブ』を発売した。モバイル情報端末向けインターネット接続仕様『モバイルウェブV1・0』と位置情報記述言語『POIX V2・0』のほか、オプションでiモード関連機能にも対応する。」の記載がある。

(c)1998年10月7日付け日経産業新聞の2頁には、「モバイルウェブ推進協、モバイル用のブラウザー、関連部分の仕様公開。」の見出しの下に「カーナビゲーションや携帯情報端末を使ってインターネットに接続する際の仕様の作成・標準化を推進する『モバイルウェブ推進協議会』がこのほど発足、共通仕様書『MW(モバイルウェブ)Ver・1・0』のブラウザー(閲覧ソフト)関連部分の仕様を公開した。携帯情報端末への情報提供に適したサイズの画面仕様のほか、カーナビの地図とリンクさせて活用するための緯度経度情報の通信仕様を規定しており、今後、通信プロトコルやサーバー、端末アプリケーションに関する共通仕様を作成していく。協議会は今年七月にソニー、日本アイ・ビー・エム、本田技研工業など五社で準備委員会を設置。関連業界に参加を呼びかけ、このほど会員企業約六十社で活動を開始した。仕様標準化によって互換性を確保し、インターネット上のコンテンツ(情報の内容)をカーナビや携帯情報端末で活用できる環境づくりを目指す。仕様書の公開は協議会への加入を条件とし、自動車、電機、通信、ソフト会社に加入を呼びかけるほか、コンテンツを供給する企業には賛助会員として参加してもらい、標準仕様としての普及を図る。」の記載がある。

(d)1998年9月25日付け日本工業新聞の1頁には、「10月1日発足の『モバイルウェブ推進協議会』 インターネットで最新情報配信」の見出しの下に「ソニー、日本アイ・ビー・エム(日本IBM)、パイオニア、本田技研工業、マツダの五社が発起人の『モバイルウェブ推進協議会』は、十月一日の正式発足と同時に、カーナビゲーションや携帯情報端末でインターネットを活用するシステムの開発用ソフトの出荷を開始する。同ソフトはインターネットの標準規格に対応し、カーナビのような小型画面にも効率よく情報を配信できる。同協議会は同ソフトを核に、自動車内への情報提供のデファクト・スタンダード(事実上の業界標準)確立を狙う。・・・モバイルウェブ推進協議会は、インターネットを活用して自動車内へ情報提供する技術の標準化を目指している。具体的には携帯電話とインターネットの標準的な技術を用いてカーナビなど小型画面にコンテンツ(情報の中身)を提供する規格などを決める。コンピューターソフト開発会社やカーナビメーカーなど約六十社が参加する。発足と同時に、同協議会事務局の『アクセスメディアインターナショナル』(東京都港区、TEL〜)を通じて、システム開発用ソフト『モバイルウェブ・バージョン1・0』を会員企業に無償提供する。同ソフトは、インターネット標準規格対応のため汎用(はんよう)性があり、コンテンツ提供会社は若干の手直しでカーナビ対応コンテンツを作成できる。」の記載がある。

(e)1998年7月1日付け日本経済新聞(朝刊)の13頁には、「モバイル情報端末、ネット利用協議会―ソニー・本田など5社。」の見出しの下に「ソニー、日本アイ・ビー・エム、パイオニア、本田技研工業、マツダの五社は三十日、カーナビゲーションなどのモバイル情報端末を使ってインターネットに接続する際の各種技術の標準化を進めるモバイルウェブ推進協議会を今年十月に設立すると発表した。インターネットのコンテンツ(情報の内容)を共通の仕様で、外出先や車での移動中に様々な携帯端末で利用できる環境を整え、端末や情報サービスの普及を促す。五社で準備委員会を七月に発足し、自動車、電機、通信、ソフト開発などの関連企業に協議会参加を呼びかける。協議会では参加企業の要望を基に、互換性を確保するための端末、サーバー、通信の仕様を作成する。例えば端末の小型画面に最適な形でインターネットの情報を表示できる技術仕様などを作成し普及を推進する。作成した仕様については協議会への加入を条件に参加企業に開示する予定。将来は仕様をインターネットの標準化団体に提案することも検討していく。」の記載がある。

(f)インターネットの「http://www.gii.co.jp/japanese/dc14538_mobile_web_services.html」のホームページには、「[市場調査報告書]モバイルウェブ(Web)サービス」として、「モバイルウェブサービス市場の将来性」の見出しの下に「モバイルウェブサービスに関する議論は高まっていますが、分野によってさまざまに解釈されています。現在のサービス採用は予想以上に少なく、しかも特定の大企業に限られていますが、今後は広い範囲での適用が考えられ、新たな市場として期待されています。金融サービス、医療、エネルギーなどの産業分野において専門的調査分析を行い信頼性の高い情報を提供しておりますDatamonitor Corporation(本社:ロンドン)はモバイルウェブサービスと今後の展開について調査、分析してまとめた英文調査報告書“The emerging market for mobile web−services: a proposition in many guises.”を発行致しました。」の記載がある。

(g)インターネットの「http://www.sesys.co.jp/product/atlasmat/mwhp/mw.html」のホームページには、「モバイルウェブ仕様について」として「AtlasMate4」の見出しの下に「モバイルウェブ仕様について モバイル情報端末(カーナビ/携帯端末)向けのインターネット接続仕様の標準化を推進するために、『モバイルウェブ推進協議会』(※1)が昨年10月より活動を開始しています。同協議会は、モバイル情報端末への最適な情報提供を実現するために、情報提供側と端末側でサポートするHTMLタグを規定する『MobileWeb仕様書Ver.1.0』を提案しています。この仕様書に則った仕様を、モバイルウェブ仕様といいます。」の記載がある。

(h)インターネットの「http://www4.big.or.jp/〜macgyver/notice.shtml」のホームページには、「お知らせ」として「たけうちのページ」の見出しの下に「また、NTT−DoCoMoグループ各社のiモード携帯端末を使用している方は、DoCoMoiモードページを、J−フォングループ各社の携帯端末を使用している方は、J−SKY対応ページを、カロッツエリアカーナビゲーションシステムを始めとするモバイルウェブ対応ブラウザを使用している方は、モバイルウェブ対応ページを、PocketPCを使用している方は、PocketPC対応ページを閲覧する事をお勧めします。それぞれの機種で閲覧しやすい様に制作されています。・・・さらに、モバイルウェブ対応ブラウザ(カーナビなど)から投稿する場合は、自車位置やカーナビの地図上から位置情報も同時に投稿する事が可能です。また、投稿された位置情報を元に地図を表示し確認したり、カーナビに地点登録をしたり、カーナビの目的地に設定したりする事が可能です。」の記載がある。

(i)インターネットの「http://www.nokia.co.jp/company/release_021104_05.html」のホームページには、「Nokia Japan−Corporate Information−Press Releases」として「ノキア、通信事業者と企業にむけた新しいソリューションを導入」の見出しの下に「ノキアは、そのノキアMMSサーバーソリューション、プレゼンス情報、端末管理用に、初のモバイルウェブ・サービス・インターフェースを導入しました。モバイルウェブ・サービス・インターフェースは、通信事業者とコンテンツプロバイダの協力関係を強化し、利益を生むモバイルコンテンツの展開が促進されるよう設計されています。ウェブ・サービス・インターフェースは、ビジネスインテグレーション技術として近年急速にインターネット上で広く受け入れられてきました。モバイル環境でのウェブサービスは、モバイルネットワーク・サーバーとウェブ/アプリケーションサーバー間のブリッジとして機能し、ウェブ領域とモバイル領域を一つにします。」の記載がある。

(j)インターネットの「http://www.usability.gr.jp/alertbox/991226.html」のホームページには、「Alertbox:2000年のウェブを予測する(1999年12月26日)」として「Jakob Nielsen博士のAlertbox」の見出しの下に「モバイル・ウェブ ・・・こうした問題にも関わらず、モバイル・インターネット接続は2000年内に倍増するだろう。ワイアレスモデムが標準で組み込まれたPDAが発表されれば、最大の進歩になるだろう。Palm Pilot VIIが最初だったが、もちろん、これはウェブデバイスとしてはほんの始まりにしか過ぎない。モバイルウェブのバリエーションとして、操作性の限られた携帯電話というのは、ひとつの可能性だ。もちろん、電話がまともな画面を備えた本物のPDAみたいになることはないだろう。だが、2000年の時点での一時的なソリューションとしては、たいへん興味ある動きを見せるはずだ。」の記載がある。

(k)インターネットの「http://www.mlit.go.jp/kokudokeikaku/gis/kyoku/chosa/12jirei/3−2.pdf」のホームページには、「III−2.MapFan Web/iMapFan」の見出しの下に「MapFan Webは『生活地図サイトMapFanWeb』という形で、一般のインターネット利用者に提供している情報検索サイトである。・・・また、最近の利用スタイルに合わせ、モバイルにも対応。Windows CE2.0やモバイルウェブ対応のカーナビゲーションからでも本サイトのスポット情報検索が利用できる。」の記載がある。

(l)インターネットの「http://www.zdnet.co.jp/news/0102/16/a_hongkong.html」のホームページには、「ZDNN:【香港】香港初『バーチャルISP』サービス、PSIネット」の見出しの下に「インターネット・サービス・プロバイダー(ISP)のPSIネット・ホンコンは14日、法人顧客向け事業の拡充を目的とした、『バーチャルISP』サービスを始めたと発表した。・・・このほか企業内のネットワーク構築で情報共有を図る『イントラネット』と、移動体データ通信『モバイルウェブ』サービスを提供する。」の記載がある。

(m)インターネットの「http://www.z−coms.net/service/design.htm」のホームページには、「ZCOMMUNICATIONS ゼット・コミュニケーションズのホームページや広告原稿、カタログ作成サービス」として「Internet Business Support」の見出しの下に「i−mode用 電子カタログ、商品説明画面、承ります。 ・・・もともと、画質の低いカメラで撮ったデジタル画像は、それ以上の解像度にはなりえません。高画質撮影した、製品写真を、モバイルウェブ上で再生するための最適化と説明文の配置で、モバイル・カタログを作りませんか?」の記載がある。

(3)請求人は、上記(2)の証拠調べ通知に対し、僅か13回程度の新聞やインターネット上の使用をもって本願商標が指定商品の品質を表示するものと認定されるのは極めて不自然であるとし、本願商標は造語であるから自他商品の識別力を有するものである旨主張する。

しかし、商標法第3条第1項第3号に規定する品質表示というためには、指定商品の品質を表すものとして取引者、需要者に認識されるか否かが重要なのであって、商品の品質を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要ない(昭和52年(行ケ)第82号 東京高裁昭和56年5月28日判決言渡、平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡)のであるから、新聞やインターネット上の使用の件数の規模をもって指定商品の品質を表示するものでないということはできないし、本願商標が取引者、需要者に指定商品の品質を表すものとして認識されるものであることは上記(1)のとおりであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。

また、請求人は、「モバイル(Mobile)」及び「ウェブ(Web)」の文字を含む登録商標の事例を提示し、本願商標も登録すべきである旨主張もするが、該登録商標と本願商標は構成及び態様が異なり、事案を異にするといわざるを得ないものであり、しかも、商標登録の事例の有無によって取引者、需要者が本願商標を如何に認識するかが左右されるとも考え難いことから、この点の請求人の主張も採用することはできない。

(4)以上のとおり、本願商標は、その指定商品中、携帯可能なノートパソコンや小型コンピュータ用のハイパーテキスト型式による情報検索システム(world wide web)に対応したコンピュータやソフトウェアなどの機器に使用したときは、その商品の品質を表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の商品に使用したときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当するといえる。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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