Trademark Appeal Case
犯罪語商標の公序良俗
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−20138(T2001−20138/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別掲のとおりの構成よりなり、第20類「家具,カーテン金具,木製の包装用容器(『コルク製栓・木製栓・木製ふた』を除く。),竹製の包装用容器,クッション,座布団,まくら,マットレス,愛玩動物用ベッド,犬小屋,小鳥用巣箱,額縁,きゃたつ及びはしご(金属製のものを除く。),すだれ,装飾用ビーズカーテン,タオル用ディスペンサー(金属製のものを除く。),つい立て,びょうぶ,ハンガーボード,ベンチ,帽子掛けかぎ(金属製のものを除く。),郵便受け(金属製又は石製のものを除く。),揺りかご,幼児用歩行器」を指定商品として、平成12年6月30日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『強盗、泥棒』の意味を表す英語『ROBBER』の文字を書してなるものであり、時として人に穏当ではない印象を与える文字であることから、このようなものをあえて商標として採択し使用することは、商取引における道徳観念に違反するものがあり、ひいては公の秩序又は善良の風俗を害するおそれがあり穏当ではない。したがって、本願商標は、商標法第4条第1項第7号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
商標法第4条第1項第7号の「公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標」には、商標の構成自体が、きょう激、卑わい、差別的若しくは他人に不快な印象を与えるような文字又は図形である場合及び商標の構成自体がそうでなくとも、指定商品又は指定役務について使用することが社会公共の利益に反し、又は社会の一般的道徳観念に反するような場合が含まれ、さらに、他の法律によって、その使用等が禁止されている商標も含むと解されるものである。
ところで、本願商標は、前記したとおり、「ROBBER」の欧文字を上段に大きく表し、「ONE OFF」と「SINCE 1970」の各文字を下段に表してなるところ、上段の「ROBBER」の欧文字についてみるに、該文字は、「ニューセンチュリー英和辞典第2版」(株式会社三省堂 1992年5月1日発行)、「最新コンサイス英和辞典第10版」(株式会社三省堂 昭和45年1月1日発行)、「英和中辞典 新増補版」(株式会社岩波書店 1984年1月20日発行)、「ジーニアス英和辞典」(株式会社大修館書店 1991年4月1日発行)、「新英和中辞典」(株式会社研究社 1995年発行)、「小学館ランダムハウス英和大辞典第2版」(株式会社小学館 1999年1月10日発行)のいずれの英和辞典にも「強盗」等と記載されていることから、本願商標に接する取引者、需要者は、構成中の「ROBBER」の欧文字から「強盗」の意味を容易に看取するとみるのが自然である。
しかして、「暴力や脅迫を用いて、他人の財物を奪うこと」を意味する語として広く知られている「強盗」は、刑法236条第1項に規定する犯罪であることはいうまでもなく明らかなことであり、しかも、近年、強盗等の犯罪は増加傾向にあり、防犯対策の強化、徹底の必要性も増しているところである。
そうすると、構成中に「ROBBER」の欧文字を大きく表してなる本願商標をその指定商品に使用することは、前記の犯罪を礼賛するごとき印象を与え兼ねないものであって、社会公共の利益に反し、社会の一般的道徳観念に反すると判断するのが相当であるから、本願商標は、公の秩序又は善良の風俗を害するおそれのある商標といわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第4条第1項第7号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、他の登録例を挙げて、本願商標は登録されるべきである旨主張しているが、これらの登録例をもつて本願商標の登録の適否を判断する基準とするのは必ずしも適切でなく、本願商標については上記認定のとおりであるから、請求人の主張は、採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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