Trademark Appeal Case
記述的複合語の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−6149(T2001−6149/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「ICカードマルチユニット」の文字及び「IC CARD MULTI UNIT」の文字を上下二段に横書きしてなり、第9類「パチンコ遊技機・スロットマシンその他の遊技機の台間に設置されるカードリーダライタ,その他のカードリーダライタ,その他の電子応用機械器具及びその部品,電気通信機械器具,遊園地用機械器具,スロットマシン,レコード」及び第28類「パチンコ器具,その他の遊戯用器具」を指定商品として、平成12年4月6日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、『ICカードマルチユニット』『IC CARD MULTI UNIT』の文字を二段に書してなるところ、指定商品との関係においては、『ICカード(集積回路を埋め込んだカード)を用いる多機能な装置』の意を容易に認識させるので、このようなものを本願の指定商品中、前記の文字に照応する商品(例えば『カードリーダライタ』)について使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の認定、判断をして、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は、前記のとおり「ICカードマルチユニット」の文字及び「IC CARD MULTI UNIT」の文字を上下二段に横書きしてなるところ、その構成前半の「ICカード」及び「IC CARD」の文字部分は、「プラスチックのカードにIC(集積回路)を埋め込んだもの。」を表す語(「日経BPデジタル大事典2001−2002年版」2001年2月5日4版1刷日経BP社発行)として、また、中間の、「マルチ」及び「MULTI」の文字部分は、「(接頭語として)多数の、複数の、多目的の」の意味を表す(「広辞苑」第5版)極めて親しまれた外来語であって、例えば、「マルチウインドウ」、「マルチタスク」、「マルチスクリーン」等々の用例のごとく他の語と結合して、その商品の機能が単一でなく、多機能であることを表す語として普通一般に使用されているところである。そして、後半の「ユニット」及び「UNIT」の文字部分は、「(電算機などの)入力(出力)装置」を表す英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」第2版株式会社小学館発行)として、電算機を取扱う業界において認識され、かつ、使用されているものといえる。
してみれば、「ICカード」、「IC CARD」,「マルチ」、「MULTI」及び「ユニット」、「UNIT」の各文字とを結合させたにすぎない本願商標は、出願人が任意に各文字を結合させたものであるとしても、本願指定商品中の「パチンコ遊技機・スロットマシンその他の遊技機の台間に設置されるカードリーダライタ,その他のカードリーダライタ」との関係においては、これに接する取引者・需要者は、全体として「複数の機能を持ったICカードを読みとるカードリーダライタ装置」であることを端的に表示したものとして把握するに止まり、それ以外にこれら文字を結合することによって、別個の意味合いを表現するというような特段の事情は見出せないというのが相当である。
(2)そして、前示のことは、下記(ア)ないし(オ)のような新聞或いは当該商品関連のインターネット上のホームページ情報等からみてもその実情が是認できるところである。
(ア)「トーキン、低価格ICカードリーダーライター発売」の見出しの下
トーキンは機能を絞り込むことで部品点数を削減し、同社従来品に比べ3分の1の低価格化を実現した非接触型ICカードリーダー・ライターユニットを開発、販売を開始した。量産時の価格は磁気カードリーダー並みの3000円以下。初年度5億円(カード込み)の売り上げを見込む。(日刊工業新聞2001年6月28日)
(イ)「三協精機、電子投票システム端末用ICカードリーダー開発」の見出しの下
三協精機製作所は27日、電子投票システムの端末用に接触式ICカードリーダーユニット(写真)を開発、量産を始めたと発表した。電子投票向けにICカードリーダーを発売するのは世界で初めてという。同社の従来のICカードリーダーに比べて8割程度小型化した。・・・このユニットは現金自動入出機(ATM)で培った技術を用いて超小型ながらも高いセキュリティーと操作性を実現したのが特徴。(日刊工業新聞2003年5月28日)(ウ)「ZDNN:『カード増えすぎ面倒』、マルチICカード」の見出しの下
ZDNN:ニュース速報,2003年3月19日06:11PM更新.「カード増えすぎ面倒」、マルチICカードへの期待高まる.EnglishTown. ガートナージャパンは3月19日、ICカードの利用意識について調べた結果...(www.zdnet.co.jp/news/0303/19/njbt_06.html )
(エ)「広報ニュース」の見出しの下
... その開発にお客様の声を大いに反映させるべく、皆様のご意見を頂戴していきたいと考えています。なお、ピーアーク銀座では、「マルチユニット」というコーナーを設け ... CR寿司屋の大将」もICカードユニットにて ... (www.p-ark.co.jp/news/2000-03.html )
(オ)「入金機能付テンキー付PAQYICカードユニット」の見出しの下
... 入金機能付テンキー付PAQYICカードユニット・玉貸機. CIU104入金機能付テンキー付PAQY. ICカードユニット●1万円札が使えます。 ●再プレイサービス対応●高額紙幣入金機能 ... (www.hgam.co.jp/hgam2/page3.html )
(3)そうすると、本願商標をその指定商品中、前記の文字に照応する商品「複数の機能を持ったICカードを読みとるカードリーダライタ装置,その他のカードリーダライタ」)に使用するときは、単に商品の品質、機能を表示するにすぎないものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
なお、請求人は、登録例を挙げて本願商標は登録されるべきであると主張するが、それらの登録例は、本願商標とは商標の構成が相違し、事案を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではなく、請求人のこの主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。