Trademark Appeal Case
デジタルトラッキングの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−12272(T2001−12272/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「Digital−Tracking」及び「デジタルトラッキング」の文字を二段に横書きしてなり、第7類「金属加工機械器具,鉱山機械器具,土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,繊維機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,製材用・木工用又は合板用の機械器具,パルプ製造用・製紙用又は紙工用の機械器具,印刷用又は製本用の機械器具,包装用機械器具,プラスチック加工機械器具,半導体製造装置,ゴム製品製造用機械器具,石材加工機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),陸上の乗物用の動力機械の部品,風水力機械器具,農業用機械器具,漁業用機械器具,ミシン,ガラス器製造機械,靴製造機械,製革機械,たばこ製造機械,機械式の接着テープディスペンサー,自動スタンプ打ち器,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,機械式駐車装置,芝刈機,食器洗浄機,修繕用機械器具,電気式ワックス磨き機,電気洗濯機,電気掃除機,電機ブラシ,電気ミキサー,電動式カーテン引き装置,陶工用ろくろ,塗装機械器具,乗物用洗浄機,廃棄物圧縮装置,廃棄物破砕装置,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」及び第9類「理化学機械器具,測定機械器具,配電用又は制御用の機械器具,電池,電気磁気測定器,電線及びケーブル,写真機械器具,映画機械器具,光学機械器具,眼鏡,加工ガラス(建築用のものを除く。),救命用具,電気通信機械器具,レコード,電子応用機械器具及びその部品,オゾン発生器,電解槽,ロケット,遊園地用機械器具,スロットマシン,運動技能訓練用シミュレーター,乗物運転技能訓練用シミュレーター,回転変流機,調相機,電気アイロン,電気式ヘアカーラー,電気ブザー,鉄道用信号機,乗物の故障の警告用の三角標識,発光式又は機械式の道路標識,火災報知機,ガス漏れ警報器,事故防護用手袋,消火器,消火栓,消火ホース用ノズル,消防車,消防艇,スプリンクラー消火装置,盗難警報器,保安用ヘルメット,防火被服,防じんマスク,防毒マスク,磁心,自動車用シガーライター,抵抗線,電極,溶接マスク,映写フィルム,スライドフィルム,スライドフィルム用マウント,録画済みビデオディスク及びビデオテープ,ガソリンステーション用装置,自動販売機,駐車場用硬貨作動式ゲート,金銭登録機,計算尺,硬貨の計数用又は選別用の機械,作業記録機,写真複写機,手動計算機,製図用又は図案用の機械器具,タイムスタンプ,タイムレコーダー,電気計算機,パンチカードシステム機械,票数計算機,ビリングマシン,郵便切手のはり付けチェック装置,ウエイトベルト,ウエットスーツ,浮袋,エアタンク,水泳用浮き板,潜水用機械器具,レギュレーター,アーク溶接機,家庭用テレビゲームおもちゃ,金属溶断機,検卵器,電気溶接装置,電動式扉自動開閉装置,メトロノーム」を指定商品として、平成12年3月22日に登録出願、その後、平成13年4月9日付けをもって手続補正書の提出があり、その指定商品が第9類「測定機械器具」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『デジタル処理により、音声や映像のノイズをトラッキング調整する機能を有する商品』であることを容易に認識させる『Digital−Tracking』『デジタルトラッキング』の各文字を普通に用いられる方法で二段に書してなるものであるから、これを、本願指定商品中、前記に照応する機能を有する商品(例えば、電気通信機械器具、電子応用機械器具等)に使用するときは、単に商品の品質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は「Digital−Tracking」及び「デジタルトラッキング」の文字よりなるところ、その構成中の後半部の「Tracking」及び「トラッキング」の文字は、「マグローヒル 科学技術用語大辞典 改訂第3版」(発行所 株式会社日刊工業新聞社)によると、「目標の動きに追従すること。光学機器の十字線上またはレーダーのビーム上に目標を捕らえることによって行う方法、方位角や距離を周期的にえる方法、ほかのいくつかの技術を組み合わせて行う方法がある。」を意味するものである。そして、本願商標は、このような「Tracking」及び「トラッキング」の各文字の前に、「デジタルの、デジタル方式の」を意味する語として親しまれている「Digital」及び「デジタル」の各文字を冠したものであり、全体として、「デジタル方式で目標の動きに追従すること」程度を意味するものとして容易に認識し得るものである。
(2)しかも、本願商標を構成する「Digital」、「デジタル」、「Tracking」及び「トラッキング」の語についてみるに、既に、指定商品より削除されているが、例えば、電気通信機械器具は、所謂AV機器等を含み、広範な家庭に普及している商品であり、補正後の「測定機械器具」とも密接な関連を有する面があるところ、その業界においては、「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」(株式会社三省堂)によれば、「Tracking」及び「トラッキング」の各文字が「ビデオ−テープ−レコーダーで、再生画像に出る横縞やちらつきを調整すること、また、そのための装置(つまみ)。」を意味するものとされ、しかも、「Digital−Tracking」又は「デジタルトラッキング」の一連の語について、新聞記事やインターネットのホームページに、例えば、次のような記載がある。
そうすると、これらの記載からも、本願商標より上記(1)の意味合いを認識し得ることが窺えるといえる。
(2−a)1992年8月12日付け毎日新聞(東京朝刊)の21頁には、「[情報BOX]手軽に録画が可能、20型のビデオ付きテレビ――船井電機」の見出しの下に「場所をとらず、面倒な配線も不要な20型ビデオ付きテレビ『VC―20N』を船井電機が今月中旬発売する。画質の荒れたレンタルソフトを美しく再生するための『レンタルセレクター』、最適なトラッキング調整をマイコンが自動的に行う『デジタルトラッキング』などを搭載。AV出入力端子付きで、レーザーディスクやファミコンなどにも対応している。」の記載がある。
(2−b)1989年3月17日付け日刊工業新聞の8頁には、「三菱電機、S−VHS式Cムービー発売へ。ステレオマイク標準搭載」の見出しの下に「新機種『MV―CS3F』、『MV―CS2F』は、ヘッドドラム部に据え置き型VTRと同じ直径六十二ミリの大口径VSドラムを採用、通常の録画、再生時のほか、スピードサーチ、スチルなどの再生時でも高画質を実現した。また高忠実度ステレオマイク標準搭載により、フルオートのステレオハイファイ録音に加え『MV―CS3F』は録音レベルコントロールとインジケーターによりマニュアル操作でのライブ録音も可能という。このほか使い勝手を向上させるための高性能フルオート設計に加え、Cムービー初の高画質、高音質デジタルトラッキングを搭載するなど多彩な機能を加え、付加価値の高い商品展開を進める。」の記載がある。
(2−c)1988年10月27日付け日刊工業新聞の8頁には、「ビクター、VTR4機種発売へ。カラーノイズ低減の新ヘッドを搭載」の見出しの下に「S―VHS二機種は映像、音声のデジタルトラッキング機能とタイマー予約が簡単なバンクリモコン搭載。さらに上級機の7700は同社VTRなら、リモコンで二台同時制御できる編集機能付き。」の記載がある。
(2−d)1988年5月24日付け化学工業日報の5頁には、「三菱電機、S―VHS方式HiFiビデオ発売 (インプット)」の見出しの下に「三菱電機はツインFE(フライングレース)ヘッドの採用により、1フィールド単位で記録された信号を消去、高精度つなぎ録り・編集を実現した高画質S―VHSハイファイビデオHV―S54型を発売する。S―VHS方式による基本画質の高画質化に加え、トラッキング調整を自動化したデジタルトラッキングを採用、テープのもつ最高画質・音質を引き出す。」の記載がある。
(2−e)インターネットの「http://www.sharp.co.jp/corporate/news/vt25ff1.html」のホームページには、「25型・21型フラットテレビデオ 2機種を新発売」の表題で「SHARP」の見出しの下に「テープを再生するとトラッキングの自動調整が働ききれいな映像を再現する『デジタルトラッキング』採用。」の記載がある。
(2−f)インターネットの「http://www.toshiba.co.jp/webcata/av/a_f40g1.htm」のホームページには、「TOSHIBA ビデオデッキ」の見出しの下に「主な仕様」として「スーパーVHS簡易再生機能、AVデジタルトラッキング、400倍速高速巻戻し」の記載がある。
(3)次に、補正後の指定商品である「測定機械器具」に関連する分野をみると、「コンサイスカタカナ語辞典 第2版」によれば、「Tracking」及び「トラッキング」の各文字が「人工衛星など宇宙飛行物体の軌道を決定したり、現在および将来の位置や速度、姿勢を予測したりすること」をも意味するとあるところ、人工衛星などの軌道を決定したり、位置や速度、姿勢を予測したりするには、測定、測量のための機械器具が必須といえ、測定機械器具が密接に関連するといえる。さらに、新聞記事やインターネットのホームページには、例えば、次のような記載があり、その業界においては「Tracking」又は「トラッキング」の各文字が「目標の動きに追従すること」を意味するものとして普通に使用され、しかも、それに関連して「Digital」又は「デジタル」の各文字もあわせて使用されている。
そうすると、これらの記載や記事によっても、本願商標が取引者、需要者をして「デジタル方式で目標の動きに追従すること」程度を意味するものとして容易に認識し得ることは十分に裏付けられるものといえる。
(3−a)1996年6月5日付け日刊工業新聞の11頁には、「システムデザインサービス、高速相関演算追跡処理システムを開発。動画中の目標追跡」の見出しの下に「システムデザインサービス(SDS、東京都豊島区〜、社長〜氏、電〜)は、カメラで入力した動画像の中の特定目標を高速で検知、追跡し、実時間で対象物の監視と計測を行う高速相関演算追跡処理システム『トラッキングビジョンTRV95=写真』を開発した。サンプル価格は六百二十三万円。システムはUNIXのOS環境で動作するワークステーションプロセッサーとデジタルシグナルプロセッサー(DSP)エンジン、ビデオ信号出入力や画像処理を行うトラッキングモジュールで構成される。トラッキングモジュールは、八×八画素で一ブロックあたり百二十八マイクロ秒という高速の相関演算追跡機能を装備。入力画像を時間の経過ごとに記憶し、相互比較することで目標がどこに移動したかを瞬時に判断する。」の記載がある。
(3−b)1993年8月27日付け日刊工業新聞の9頁には、「小野測器、40%低価格化のFFTアナライザー開発。演算速度は4.5倍に」の見出しの下に「小野測器(社長〜氏)は演算速度を従来比四・五倍高速化した八チャンネル高速フーリエ変換(FFT)アナライザー『CF―8800=写真』を開発した。九月三十日から販売する。価格は従来機種に比べ約四〇%減の四百三十万円。CF―8800はデジタル信号プロセッサー(DSP)を搭載、演算スピードは三十五ミリ秒(四チャンネル、一千二十四点モード時)と従来比四・五倍の高速化を図った。これによりデータ収集密度が向上、高速回転時のデータ取りこぼしが低減できる。また演算機能では四チャンネル同時計画でのリアルタイム周波数レンジ十キロヘルツを実現している。これまで(1)三回の測定データを平均値処理するトラッキングアベレージ機能(2)振動・騒音の最大ポイントを自動的に検索する最大次数トラッキング機能(3)同一回転時の時間変化を見るタイムトラッキング機能―といったトラッキング解析用の七機能はオプションで対応していたが、CF―8800ではこれら機能を標準で装備した。また現場での使用ニーズの高まりに対応、設計の見直しにより容積で従来機種比三分の二、三〇%の軽量化も図っている。」の記載がある。
(3−c)1993年8月27日付け日刊工業新聞の9頁には、「アドバンテスト、汎用プローブ発売。ノイズ妨害、簡単測定」の見出しの下に「アドバンテスト(社長〜氏)は周波数範囲九キロヘルツから一ギガヘルツまでの電磁波妨害(EMI)測定が簡単に行えるEMI汎用プローブ『R17303=写真』を発売した。価格はプローブ五本、キャリングケース付きで六十万円。R17303はトラッキング・ジェネレーター付きのスペクトラム・アナライザーやネットワーク・アナライザー、高速フーリエ変換(FFT)アナライザーなどの付帯品として、電子回路のデジタル化による発生ノイズの干渉など、ノイズ妨害を簡単に測定できる。シールド材のシールド効果比較測定、共振・副共振周波数測定、EMI対策用サーチアンテナ、免責対策用電磁界発生源アンテナなどに使用可能。シールド効果測定では測定対象の大きさや硬さにかかわらず測定ができるほか、低周波数磁界波の測定も可能。プローブは電界用一本、磁界用四本で構成、電界用は測定周波数範囲一メガ―一ギガヘルツ、シールド材評価周波数範囲一メガ―三十メガヘルツに、磁界用は四本で測定周波数範囲九キロ―一ギガヘルツ、シールド材評価周波数範囲九キロ―三十メガヘルツにそれぞれ対応できる。」の記載がある。
(3−d)1993年8月26日付け日本工業新聞の4頁には、「小野測器が開発 回転機アナライザーのトラッキング解析速度、従来比4.5倍に高速化」の見出しの下に「小野測器(社長・〜氏)は、エンジンや回転機械の動特性や共振解析であるトラッキング解析の速度を、同社従来製品に比べて四・五倍に高速化した八チャンネル入力タイプのFFTアナライザー『CF8800』を、九月末から販売する。一六ビットのCPU(中央演算処理装置)と三つのデジタル・シグナル・プロセッサー(DSP)を搭載することによって、四チャンネル・一千二十四点モード時で、三五ミリ秒という演算速度を実現した。また、一六ビットのアナログ・デジタルコンバータの採用によってダイナミックレンジも大幅に向上させた。これによって、高速回転時に変動しやすいデータの取りこぼしを減少、高い精度での計測を可能にしたという。」の記載がある。
(3−e)1993年8月23日付け日刊工業新聞の11頁には、「ケンウッド、MD用計測器を3種発売」の見出しの下に「ケンウッド(社長〜氏)はミニディスク(MD)生産の拡大に対応、二十四日にMD用計測機器三機種を発売する。MDエンコーダー『DA―3220=写真』、デジタル・オーディオ・インタフェース・アナライザー『DR―2450』、MD/CDジッタメーター『DB―3260』の三機種で、価格はDA―3220が百八十万円、DR―2450が六十九万円、DB―3260が二十二万円。DA―3220はミニディスク規格に基づくMD、ハードウエア(MDプレーヤー、レコーダー)の研究開発および生産ライン用のMDEFM信号発生器。MDの信号処理ユニットなどの設計・生産に対応、EFM出力形式をRF、CMOS、八分割の三種類用意したほか、フォーカスエラー、トラッキングエラー発生機能など各種機能を搭載している。DR―2450はMD、DCCなどのデジタル・オーディオ・インタフェース出力を検査、エラー測定するもの。プロ用機器向けのキャノンコネクターに加え、民生機器用光コネクター、同軸コネクターも装備した。DB―3260はMDプレーヤー、レコーダー、CD、CD―ROM、CD―IプレーヤーからのEFM信号のタイムジッタを瞬時に測定するもので、MDおよびジッタ値のGO/NO―GO判定機能を搭載した。同社は九三年三月にMDデコーダー『DR―3250』を発売、MD計測器分野に参入していたもので、今回の三機種投入で同分野強化をさらに図る。」の記載がある。
(3−f)1992年5月7日付け日刊工業新聞の12頁には、「京都度器、デジタル式トラッキングゲージを発売」の見出しの下に「京都度器(京都市南区、社長〜氏、電〜)は、板金作業用のデジタル表示式のトラッキングゲージ『KDSトラボー=写真』を発売した。価格は八万五千円。トラボー『TG―36』は(1)五段伸縮式で本体重量一・九キロg、長さ一千ミリメートルと軽量、コンパクト(2)デジタル六ケタ表示で表示確認が容易なライト付き(3)三種類のアタッチメントを使うと幅広い測長が可能―などが特徴。測長範囲は二百五十〜二千八百三十五ミリメートル(イン)、一千五十〜三千六百三十五ミリメートル(アウト)。分解能が一ミリメートルで、精度プラスマイナス二ミリメートル。」の記載がある。
(3−g)1990年11月9日付け化学工業日報の5頁には、「エー・アンド・ディ、総合計測・解析システムを開発、振動を解析」の見出しの下に「計量・計測機器メーカー、エー・アンド・ディ(A&D、本社・東京都豊島区〜、〜社長、電話〜)は、米国の航空・宇宙産業用ソフトメーカー、ゾニック(Z)社と共同で、総合計測・解析コンピューターシステム『WCA AD―3600シリーズ』を開発した。同システムでは主に振動、騒音解析、構造解析、オーダー・トラッキング解析などの機械振動に起因する現象の解析に適している。最高周波数が40キロヘルツ、最大32チャンネルの同時計測を可能にしたほか、リアルタイム周波数は5キロヘルツ(32ch時)と10キロヘルツ(高速モード、最大16チャンネル)を実現した。」の記載がある。
(3−h)1990年5月31日付け日刊工業新聞の11頁には、「島津製作所、光学式伸び計を開発。CCD利用で正確測定」の見出しの下に「島津製作所(社長〜氏)は、初めてレーザー光源を使った光学式伸び計『SLE―01』を開発、六月から販売する。ゴムやプラスチックを特定の温度域、荷重で引っ張ったときの長さの変化(伸び)を、半導体レーザー光源とCCD(電荷結合素子)の受光部との組み合わせで正確に測るもの。従来の目視検査やハロゲン灯とPD(フォト・ダイオード)の組み合わせなどに比べて信頼性が高く、コンピューター処理にも有利なのが特徴。工場の品質検査や新素材開発に役立つ。本体価格四百七十万円、引っ張りなどの万能試験機『オートグラフ』および恒温槽とのセット価格は約一千五百万円。年間三十台程度の販売を予定している。『SLE―01』は二つの半導体レーザー(出力五ミリW、波長六百七十ナノメートル)、リニア・トラッキング装置、二つのリニアCCD(二千四十八画素)と制御部で構成。試験片に二カ所の標点を付けて置き、これを恒温槽に入れ、『オートグラフ』で引っ張ったときに標点が移動するのを追跡しながら長さの変化を測定する。標点間隔が二―五十五センチ(二十七・五倍までの伸び)まで測れ、表示分離は〇・〇一ミリ。これまで、ゴムやプラスチックなど伸びの大きい物質の伸び測定は、物差しを当てる原始的なやりかたをするケースが少なくなかった。非接触でできる光学式も光源がハロゲン灯なので、恒温槽のガラス窓越しに光を当てるには大出力が必要なうえ、PD受光素子も画像処理に不向きなどの欠点があった。そこで島津では、半導体レーザーの指向性の良さと低出力性、安定性に着目、これにデジタル処理しやすいCCDを組み合わせて改善した。」の記載がある。
(3−i)1990年2月28日付け日刊工業新聞の7頁には、「YHP、低価格スペアナ発売。狭帯域で高速測定」の見出しの下に「横河・ヒューレット・パッカード(YHP、東京都杉並区〜、社長〜氏、電〜)は、周波数帯域十ヘルツ〜百五十メガヘルツの低価格スペクトラムアナライザー『HP3588A=写真』を発売した。FFT(高速フーリエ変換)技術を取り入れており、狭帯域で従来に比べ約五十〜四百倍の高速で測定でき、最小四・五ミリヘルツまでの分解能帯域幅を持つ。オーディオ機器、無線・通信機の高周波化、狭帯域化に対応できる。価格は二百七十万円で初年度三百台の販売を見込む。トラッキングジェネレーターを装備してあり、回路やアンプの評価、SAW(表面弾性波素子)の評価が行える。マーカー機能、自動合否判定、トレースデータのセーブ・リコール機能など解析機能も豊富。広帯域モードでデジタル信号処理技術により最小一・一四ヘルツの分解能帯域幅を実現し、約四〜数十倍の高速測定が可能。」の記載がある。
(3−j)1988年7月27日付け日刊工業新聞の9頁には、「アドバンテスト、FFTアナライザー4機種発売。サーボ、トラッキング解析などに対応」の見出しの下に「アドバンテスト(社長〜氏)はFFT(高速フーリエ変換)アナライザー『R9211シリーズ=写真』四機種を発売した。サーボ解析、トラッキング解析や通信用デバイスなど幅広い測定要求に対応して開発。同シリーズはこれで五機種となり、合わせて初年度一千七百台、二十億円の売り上げを見込む。四機種とも分解能十六ビットのA/Dコンバーターを採用し、測定ダイナミックレンジが九十デシベルと広い。R9211A(百二十五万円)は機械振動、騒音解析のほか光磁気ディスクの機械特性、通信用デバイスのノイズ解析に最適。R9211B(百四十五万円)は信号発生器を内蔵しサーボ解析に有効。R9211C(二百万円)はデジタル信号での入出力機能、高速数値演算機能を装備し、デジタルサーボ解析が可能。R9211D(百四十五万円)はトラッキング機能を持ちタービン、自動車など回転体の解析に向く。」の記載がある。
(3−k)1987年10月15日付け日刊工業新聞の10頁には、「日立電子、波形解析機能付きデジアナを開発」の見出しの下に「日立電子(社長〜氏)は十四日、波形解析機能を付加したデジタルアナライザー『V―2420=写真』を開発、二十日から発売すると発表した。単に観測だけでなくデータの記憶、波形解析機能を付加して“オールインワン”ともいえるコンパクト化を図ったもので、工作機械、自動車や各種エレクトロニクス機器の構造解析、振動・騒音解析に適する。価格は九十九万八千円、生産台数は年間百台を予定。二十日からインテックス大阪で開かれる『’87国際計測工業展』に出品する。FAや自動車などでは振動・騒音対策が重要な課題で、これらの検出・観測器としてオシロスコープが広く利用されているが、同社ではこのオシロスコープをデジタル化することで各種ニーズに対処することとした。主な特徴は(1)十六ビットA/Dコンバーター(アナログ/デジタル変換)の高精度デジタルストレージ・オシロスコープとして使用可能(2)標準で百二十五キロ語のデータレコーダーとしても対応可能(3)二チャンネルのトラッキングアナライザー(回転系の動特性解析)としても対応できる(4)重量は十三キロgで小型・軽量化を実現―など。」の記載がある。
(3−l)1986年1月16日付け日経産業新聞の3頁には、「麻沼電子、座った姿勢で測れる体重計。」の見出しの下に「電子機器の製造・販売、麻沼電子工業(本社東京、社長〜氏、資本金〜円、TEL〜)は座ったままの姿勢で体重が測れる『リーブル』=写真=を発売した。いすの形をした新タイプの体重計で、計測した体重をデジタル表示する。また(1)十キログラム以上の表示を消すことができる『シークレット機能』(2)周囲温度の変化によるゼロ点変化を自動修正する『オートゼロ・トラッキング機能』(3)いすの上にタオル等を敷く場合、その重量を差し引く『クリア機能』――を持つのも特徴。価格は二十四万八千円。」の記載がある。
(3−m)1985年11月13日付け日経産業新聞の11頁には、「東陽テクニカ、自動車の騒音・振動計測――デジタル方式を採用。」の見出しの下に「計測機器の専門商社、東陽テクニカは自動車の振動や騒音を調べる計測システムを開発、十二日発売した。主流となっているアナログ方式に対してデジタル方式を採用、最大八チャンネルまでの入力信号を同時処理でき、データ処理、保管も容易になるなど、機能を大幅に向上した。同社にとって、初の自社開発製品となる。新製品の『ディジトラック2000シリーズ』=写真=は自動車のエンジン回転数を変化させ、刻々発生する振動や騒音の大きさを調べる『RPMトラッキング分析』に使用する。自動車各部に振動や騒音を調べるセンサーを設置し、センサーから送られてくる信号をデジタル処理する。四チャンネルまたは八チャンネルの入力信号を同時処理でき、各チャンネルについて最大六次数分のデータを一度に分析する。二チャンネル一次数が主流となっているアナログ方式と比べると、計測効率を大幅に向上できる。また、データ取り込みと同時に高速プロセッサーで処理し、ディスプレー上にデータの軌跡も表示する。装置内の汎用のコンピューターによって手作業に頼っていた分析データの処理がワンタッチででき、ディスクなどにデータを保管することも可能。価格は標準システムで二千万―三千万円。初年度十五台、来年度以降は年間三十台の販売を計画している。東陽テクニカは約二十年前から米国スペクトラルダイナミックス社のアナログ式の分析装置を扱い、これまで、二百台販売しているが、自動車業界からデジタル式を望む声が強いことから、自社開発製品を市場に投入する。 」の記載がある。
(3−n)インターネットの「http://www.kokusaikk.co.jp/seihin/index―a.html」のホームページには、「製品案内 汎用バランサー」の見出しの下に「KOKUSAIの長年にわたるバランステクノロジーから生まれた汎用型バランサーBMシリーズは、あらゆる回転体のバランス計測に利用されています。」及び「製品の特徴 ●デジタルトラッキングフィルターの採用 計測の障害となるノイズを当社独自のデジタルトラッキングフィルターにより完全に除去し、不釣合い量の安定化と最小到達不釣合い量の大幅改善が可能となりました。」の記載がある。
なお、上記(2−a)ないし(2−f)並びに(3−a)ないし(3−n)に掲げた新聞記事やインターネットのホームページの記事については、当審において、商標法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づき、平成15年9月19日付け証拠調べ通知書をもって請求人に通知したが、何らの意見の提出もなかったものである。
(4)以上のとおり、本願商標は、その補正後の指定商品である「測定機械器具」に関連した分野においても、「デジタル方式で目標の動きに追従すること」程度を意味するものとして容易に認識し得るといえるから、これを、その指定商品中、デジタル方式で目標の動きに追従するトラッキングの機能や機構を採用している商品に使用したときは、結局、その商品の品質を表示するにすぎないものといえる。
してみれば、本願商標は商標法第3条第1項第3号に該当し、前記以外の指定商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び第4条第1項第16号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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