Trademark Appeal Case
結合商標の要部抽出
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90300(T2003−90300/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1.本件商標
本件登録第4649506号商標(以下、「本件商標」という。)は、平成14年4月30日に登録出願され、「Portable Coach」の欧文字と「ポータブルコーチ」の片仮名文字とを二段に併記してなり、第16類「書籍,雑誌,パンフレット,その他の印刷物,紙類,紙製包装用容器,紙製タオル,紙製手ふき,紙製ハンカチ,紙製テーブルクロス,荷札,印刷したくじ(おもちゃを除く。),書画,写真,写真立て,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,あて名印刷機,謄写版」を指定商品として、同15年2月28日に設定登録されたものである。
2.登録異議の申立ての理由
(1)本件商標は、平成4年8月28日に登録出願され、「COACH」の欧文字を横書きしてなり、第16類「日記帳その他の印刷物,写真立て,革製ブックカバー,革製ペンケース(携帯用),革製筆入れ(机上用),革製レターラック,革製書類入れ,その他の文房具類(昆虫採集用具を除く。)」を指定商品として、同7年10月31日に設定登録されている登録第3087643号商標(以下、「引用商標」という。)と類似するものであり、かつ、両者の指定商品は同一又は類似するものであるから、商標法第4条第1項第11号に該当する。
(2)本件商標は、他人である申立人の名称「Coach,Inc」の著名な略称「Coach」を含むものであり、かつ、その他人の承諾を得ていないものであるから、商標法第4条第1項第8号に該当する。
(3)申立人の提出に係る甲第4号証ないし甲第7号証によれば、「COACH」及び「COACH」を含む商標は、本件商標の出願日前から申立人の業務に係る商品を表示する商標として広く認識されている著名な商標といえるから、本件商標は申立人若しくは申立人と関係のある者の業務に係る商品と出所混同を生ずるおそれがある。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
(4)甲第4号証ないし甲第7号証によると、「COACH」及び「COACH」を含む商標は、本件商標の出願日前から、申立人の業務に係る商標として日本国内はもとより、外国においても需要者の間に広く認識されている商標であるから、これと同一又は類似する本件商標は、申立人の名声にただ乗りし、申立人の商標の出所表示機能を希釈化するものであるから、不正の目的で使用されるものである。したがって、本件商標は商標法第4条第1項第19号に該当する。
3.当審の判断
(1)本件商標は、「Portable Coach」の欧文字と「ポータブルコーチ」の片仮名文字とを二段に併記した構成よりなるところ、当該構成中の「Portable」の文字は、「携帯用」を意味する語ではあるが、主として「ラジオ受信機,テレビジョン受信機」等の機械類に使用されることの多い英語であり、本件商標の指定商品等に日常的に使用されている用語であるとはいえない。
まして、申立人の業務に係る商品である「バッグ類」等に普通に使用されている用語とはいえず、申立人においても、その請求理由中で「コンサイス英和辞典(三省堂発行)」を引用して「ポータブルラジオ,ポータブルテレビ」の使用例を主張しているものである。
また、当該構成中の「Coach」の文字は、「指導員(コーチ)」を意味する語として、我が国においてもよく知られている英語である。
さらに、本件商標を構成する「Portable Coach」及び「ポータブルコーチ」の文字は、特に軽重の差を見出すことができないばかりでなく、全体としてまとまりよく構成されており、これより生ずると認められる「ポータブルコーチ」の称呼も格別冗長というべきものでなく、よどみなく一連に称呼し得るものである。
そうとすれば、本件商標は一連の特定の観念を生じ得ない一種の造語と判断するのが相当である。
してみれば、本件商標中より「Coach」の文字部分のみを抽出し、これと引用商標が類似するという申立人の主張は認め難いところであり、本件商標と引用商標は非類似の商標とみるのが相当である。
そして、両商標は、他に類似するところがない。
(2)また、申立人は引用商標は本件商標の登録出願時には申立人の業務に係る商品を表示するものとして取引者・需要者の間において広く認識されていたと主張し、証拠資料として甲第4号証ないし甲第7号証を提出しているが、申立人の業務に係る商品で特に著名なのはバッグ類(特に婦人用)であり、それ以外の商品の著名性はさほど高いとはいえないとみるのが相当である。
そうとすれば、引用商標の著名性は、本件商標の指定商品には及ばないと判断するのが相当であり、かつ、本件商標と引用商標が非類似の商標であること前記したとおりである。
してみれば、本件商標を指定商品に使用した場合、その商品が申立人又は申立人と関係のある者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれのないものである。
同様の理由により、本件商標は、申立人の著名な略称と紛らわしい商標とはいえないものであるから、他人の名称の著名な略称を含む商標ということはできない。
(3)さらに、本件商標を採択、使用する行為に不正の目的があったとはいえないところであるから、この点に関する申立人の主張は認められない。
(4)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第8号、同第11号、同第15号及び同第19号のいずれにも違反して登録されたものではない。
よって、本件商標は商標法第43条の3第4項の規定に基づき、結論のとおり決定する。
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