Trademark Appeal Case
引用商標との類否
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90213(T2003−90213/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4636823号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、平成14年1月22日に登録出願され、第12類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同15年1月17日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
(1)引用商標
登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、下記の(a)ないし(i)に示した28件の登録商標を引用している。
(a)別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和47年6月30日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同54年2月22日に設定登録された登録第1371518号商標外、商標の構成を同じくし、第18類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1506782号商標、第24類及び第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1537262号商標、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1635868号商標
(b)別掲(3)のとおりの構成よりなり、昭和58年10月14日に登録出願、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年8月19日に設定登録された登録第1976508号商標外、商標の構成を同じくし、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2002240号商標
(c)別掲(4)のとおりの構成よりなり、昭和59年2月22日に登録出願、第21類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同62年1月28日に設定登録された登録第1929898号商標外、商標の構成を同じくし、第23類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1967776号商標、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第1976560号商標、第10類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2002239号商標、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2026133号商標、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2286631号商標、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4144090号商標、第14類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4165200号商標、第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4294405号商標、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4343147号商標
(d)別掲(5)のとおりの構成よりなり、平成8年3月5日に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年10月22日に設定登録された登録第4327964号商標
(e)別掲(6)のとおりの構成よりなり、昭和63年8月4日に登録出願、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成9年5月2日に設定登録された登録第2721119号商標外、商標の構成を同じくし、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2719327号商標、第24類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4082563号商標、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4330311号商標
(f)別掲(7)のとおりの構成よりなり、昭和59年10月4日に登録出願、第11類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年8月29日に設定登録された登録第2075469号商標外、商標の構成を同じくし、第9類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4343148号商標
(g)別掲(8)のとおりの構成よりなり、昭和59年2月27に登録出願、第22類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同63年2月22日に設定登録された登録第2027223号商標外、商標の構成を同じくし、第9類、第25類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第2469549号商標
(h)「SWOOSH」の文字を標準文字とし、平成9年6月24に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年3月26日に設定登録された登録第4256037号商標外、商標の構成を同じくし、第9類、第14類及び第28類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品とする登録第4294413号商標
(i)「スウッシュ」の文字を標準文字とし、平成9年6月24に登録出願、第25類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、同11年3月26日に設定登録された登録第4256038号商標
(2)商標法第4条第1項第15号及び同第19号について
申立人の使用に係る「NIKE」及び「SWOOSH」(スウッシュ)と呼ばれる図形商標は、「運動靴、運動用特殊靴」等の商標として、著名な商標であり、また、「AIR」の文字からなる商標も半ばハウスマーク的に、単独で用いられるほか、他の文字との組合せでも頻繁に使用され、本件商標の登録出願前から現在に至るまでに、申立人の商標として我が国の需要者に広く知られている。
本件商標の図形部分は、引用商標の図形の特徴的な点を全て兼ね備えており、しかも、本件商標は、申立人の商標として著名な「AIR」の文字を含んでいる。
そして、ほとんどの企業が多角経営を図り、異業種に進出している例も少なくなくないばかりでなく、本件商標の指定商品の一つである「自転車」に関連する商品として、申立人の製品である自転車競技用の靴、自転車用のウエア、自転車用のグローブ等が引用商標の図形の商標が付されて自転車専門店においても販売されている取引の実情が存する。
してみれば、本件商標が指定商品に使用された場合、本件商標は、需要者に引用各商標を連想させ、申立人もしくは申立人と密接な関係にある営業者の業務にかかる商品であるかのようにその出所について誤認混同を生ずるおそれが極めて高いものであるから、商標法第4条第1項第15号に該当する。
また、本件商標は、申立人の商標の名声にただ乗りしようとの不正の目的をもって使用するものとして、同第19号に該当するとみなすべきものである。
したがって、本件商標の登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、別掲(1)に示したとおりの構成からなるところ、これを構成する「Air」の欧文字と「Speed」の欧文字とは、同じ書体をもってまとまりよく一体的に表されており、しかも、「A」の文字部分は、その左画を次第に太くなるように伸ばし、最大の太さになったところで右上方向へ反転させ、「Air Speed」の文字の下を右方向にいくに従い次第に細くなるように表されている。
上記のような構成態様からみれば、「A」の文字部分から派生した線状部分は、横書きされた文字の下部に施されることのある装飾線の一類型とみるのが相当であり、本件商標は、欧文字部分と装飾線部分とが極めて一体感の強い構成からなっているものであって、該装飾線部分のみが独立して認識されるとみるべき特段の事由は見い出せない。また、文字部分についても、その構成全体をもって不可分一体の造語を表したものと認識し把握されるとみるのが自然であるから、本件商標は、該構成文字全体に相応して「エアスピード」の称呼のみを生ずるものである。
そうとすれば、引用各商標の図形が「NIKE」あるいは「SWOOSH(スウッシュ)」と呼ばれる図形商標として、本件商標の登録出願時において、申立人の業務に係る商品「運動靴、運動用特殊靴」等を表示する商標として取引者、需要者の間に広く認識されていたものであることは認め得るとしても、また、「AIR」の文字が半ばハウスマーク的に使用されていたものであるとしても、本件商標と引用各商標とは、その視覚的印象を全く異にする別異の商標であり、しかも、申立人の業務に係る商品と本件商標の指定商品とは、生産者、販売店、需要者等を全く異にする非類似の商品であることをも併せ考慮すれば、商標権者が、本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者をして、引用各商標を連想又は想起させるものとは認められず、その商品が申立人又は同人と経済的又は組織的に何らかの関係を有する者の業務に係る商品であるかの如く、その商品の出所について混同を生じさせるおそれはないものといわなければならない。
また、本件商標と引用各商標との関係は、上記のとおりに理解されるものであるから、本件商標が引用各商標の名声に只乗りすることを意図して出願されたものとはいえず、不正の目的をもって使用をするものであることを裏付ける証左もない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第4条第1項第15号及び同第19号に違反してされたものではないから、同法第43条の3第4項の規定により、その登録を維持すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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