Trademark Appeal Case
一般名称化と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90065(T2003−90065/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4619363号商標(以下「本件商標」という。)は、「ラミコート」の文字を標準文字で横書きしてなり、平成13年10月18日に登録出願、第40類「紙・紙製品の加工・処理,プラスチックフィルム・プラスチックシート・その他のプラスチックの加工」を指定役務として、平成14年11月8日に設定登録されたものである。
2 登録異議申立ての理由
本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものであるから、同法第43条の2第1号により、その登録は取り消されるべきである。
3 本件商標の取消理由
登録異議の申立てがあった結果、商標権者に対し、期間を指定して意見を述べる機会を与えて通知した本件商標の取消理由(平成15年7月28日付取消理由通知)は、要旨次のとおりである。
申立人が、「ラミコート」は光沢加工紙の加工業者の間でその業務に使用する一般の称呼であるか否か、その旨業界全体が周知であるかと全日本光沢化工紙協同組合連合会に照会したのに対し(甲第2号証の2)、全日本光沢化工紙協同組合連合会は、申立人に対し「お尋ねの光沢加工呼称につきましては、平成4年9月に呼称の統一をしてより、『光沢コート』『プレスコート』『UVコート』『ラミネート』の各種を、さらに、平成5年7月には業界紙2紙で『ラミコート』を発表して以来、全日本光沢化工紙協同組合連合会に属する会員企業が通常の業務に使用する『統一呼称』としています。したがって、標記に関する件は、業界全体が周知のことと認識しています。」と回答しており(甲第2号証の1)、同回答における平成5年7月の業界紙2紙への発表に符合するものとして、平成5年7月9日付け「印刷ジャーナル」(甲第2号証の3)に「『ラミコートシステム』を開発」「100%樹脂の環境対応型どんな紙にも加工可能」の見出しで、また、平成5年7月21日付け「日本印刷新聞」(甲第2号証の4)には「全日本光沢ラミコートシステムを開発」「あらゆる用紙に光沢加工」の見出しで、それぞれ全日本光沢化工紙協同組合連合会の名称を記載して「ラミコートシステム」に関する報道がされていた。
そして、平成6年1月17日付け「印刷新報」(甲第3号証)、平成7年3月15日発行「コンパーテック臨時増刊号」(甲第4号証)、平成8年11月18日発行「コンパーティング&プリンティング」(甲第5号証)、平成10年4月発行「カスタマーズメディア」(甲第6号証)、平成12年5月15日発行「コンパーテック5月号」(甲第7号証)、平成13年1月15日付け「印刷新報」(甲第8号証)のそれぞれに「ラミコート(システム)」について記述されていて、これらのうち、甲第6号証には、申立人の開発した「ラミコートLC」について、「リサイクルできる表面光沢加工『ラミコートLC』」の小見出しで「93年に11月に開発されたのが、フィルム張り合わせ加工に変わる、加工してもリサイクルが可能で、美麗な光沢を得ることができる(株)協和テック(・・・)のUV硬化型樹脂特殊コーティング加工『ラミコートLC』である。」などと記載して紹介されていた。
以上によれば、平成5年7月に全日本光沢化工紙協同組合連合会が業界新聞2紙に「ラミコートシステム」を開発した旨を発表し、それ以降も「ラミコート(システム)」について新聞、雑誌に紹介されていたことが認められる。
そして、全日本光沢化工紙協同組合連合会は、光沢加工紙加工業界の業界団体であって、「ラミコート(システム)」の語が光沢加工紙の加工方法を表すものであることは傘下の各企業間においては周知のことというべきであり、光沢加工紙を利用する出版、印刷、あるいは包装関連などの業界の企業間においても環境に配慮したこれらの技術に関心を寄せたであろうことは見易いところであるから、本件商標の登録査定時には、「ラミコート(システム)」の語は、光沢加工紙の加工方法を表すものとして、少なくとも上記業界の企業間においては広く知られ、定着した語であったものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標は、上記のとおり「ラミコート」の文字を標準文字で表してなるにとどまるものであるから、本件商標はその指定役務に使用された場合、これに接した取引者、需要者はこれを光沢加工紙の加工方法を表すものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものとは認識しないものと認められる。
そうとすれば、本件商標は、その指定役務中「紙、紙製品へのラミコート光沢加工」に使用するときは、役務の質(加工方法)を表し、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号の規定に違反して登録されたものである。
4 商標権者の意見
商標権者は、上記3の取消理由の通知に対して何ら意見を述べていない。
5 当審の判断
本件商標についてした上記の取消理由は妥当であって、本件商標は、その理由に示すとおり、その指定役務中「紙、紙製品へのラミコート光沢加工」に使用するときは、役務の質(加工方法)を表し、上記以外の役務に使用するときは、役務の質について誤認を生ずるおそれがあるものといわなければならないから、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反して登録されたものといわざるを得ない。
したがって、本件商標の登録は、同法第43条の3第2項の規定により、取り消すべきものとする。
よって結論のとおり審決する。
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