Trademark Appeal Case
「やさしい」の識別性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90860(T2002−90860/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
登録第4601911号商標(以下「本件商標」という。)は、「やさしい」の文字を横書きしてなり、平成11年11月19日に登録出願、第29類及び第30類に属する商標登録原簿に記載のとおりの商品を指定商品として、平成14年9月6日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由
本件商標「やさしい」は、本件指定商品に使用しても、これに接する取引者、需要者は、単に「舌触りがなめらかである」、「体にとっておだやかにはたらく」などという程度の意味合いを表示した語と認識するにとどまるから、該文字は自他識別標識としての機能を果たし得ないものというべきである。
たしかに「やさしい」のもともとの意味は、「人の性格」についてであるが、昨今は食品の安全性等の問題がよくクローズアップされ食品においても「人に対してのやさしさ」を感じさせるような擬人化された表現がなされるにいたっており、もはや「やさしい」は「物の性質」においても実際に大量に使用されている。
老人向きの食事、赤ちゃん用の離乳食など「やさしさ」が特に重要視されるカテゴリーが含まれる「加工食品」においてはそのような傾向が顕著である。甲第3号証ないし甲第10号証の事例を見ても明らかなとおり、「やさしい」は本件指定商品において品質表示として使用されているので、顕著性を有しない。
したがって、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものであるから、その登録は取り消されるべきである。
3 当審の判断
本件商標は、上記のとおり「やさしい」の文字よりなるものであって、「優しい・易しい・恥しい」と書され、「1身も痩せるように感じる。恥かしい。2周囲や相手に気をつかって控えめである。つつましい。3さし向かうと恥かしくなるほど優美である。4すなおである。おとなしい。5情深い。情(じょう)がこまやかである。6けなげである。7簡単である。容易である。」(広辞苑第3版)程度の意味を看取し得るとしても、その指定商品に使用された場合、これに接した取引者、需要者がこれより直ちに商品の品質を具体的に表しているものと認識するとは判断し得ず、また、登録異議申立人の提出に係る証拠を検討しても、この種の商品を取り扱う業界において、「やさしい」の文字が商品の品質を直接具体的に表すものとして普通に使用されているという証左とみることはできない。
してみれば、本件商標は、その指定商品に使用した場合、自他商品の識別標識としての機能を果たし得るものといわなければならない。
以上のとおりであり、本件商標は、商標法第3条第1項第3号に違反して登録されたものではない。
したがって、本件商標は、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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