Trademark Appeal Case
地名と名物料理の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−11826(T2001−11826/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「春川ダッカルピ」の文字を書してなり、第42類「日本料理を主とする飲食物の提供,西洋料理を主とする飲食物の提供,中華料理その他の東洋料理を主とする飲食物の提供,アルコール飲料を主とする飲食物の提供,茶・コーヒー・ココア・清涼飲料又は果実飲料を主とする飲食物の提供」を指定役務として、平成12年1月26日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『春川ダッカルピ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるものであるところ、『春川』の文字は韓国北東部、江原道北西部の商業都市で、江原道庁の所在地を表すものであり、『ダッカルピ』の文字は、鶏のバラ肉を使った韓国料理を表すものであるところ、春川は鶏カルビ発祥の地としても知られており、ダッカルピはここの名物でもあることから、これを本願指定役務中『春川のダッカルピ料理の提供』に使用しても単に役務の質を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「春川ダッカルピ」の文字よりなるものである。
近年、日本と韓国とは交流が盛んになり、様々な分野において韓国についての情報が数多くみられるようになっている。その情報は、韓国の文化から生活、料理等多岐にわたるものであり、料理については、例えば「プルコギ、トッポッキ、ナムル」等朝鮮語の表音のままで日本に紹介され、韓国料理店において提供されている実情がある。
そして、「春川」が韓国北東部、江原道の首都、商業都市名であること、「ダッカルピ」(「ダッカルピ」は、「ダッカルビ」「タッカルビ」といわれる場合があり、また、構成中の『カルピ』の文字部分は焼き肉用のバラ肉部分「カルビ」を表す語として使用される場合がある。)がその春川市の郷土料理であり、「鶏のブツ切りを野菜やキムチ、もちと一緒に、コチジャンベースの味噌で専用のパエリヤ鍋のような鍋で炒める鉄鍋料理」として知られていることは、下記のインターネット情報、各種新聞情報等からも裏付けられるものといえる。
(1)春川(しゅんせん)は韓国北東部、江原道の首都、商業都市。ソウルの北東約80キロ、北漢江と昭陽江との合流点左岸に位置。春川盆地の中央部を占め、京春線の終点。製糸、製紙、絹織物などの工業がある。(株式会社三省堂発行、コンサイス外国地名事典)
(2)「カルビ」牛や豚の骨付きあばら肉の朝鮮語。日本ではこの部分の肉をバラ肉という。旨味があり、焼き肉や煮物に適している。骨をはずして使うこともある。(真珠書院発行 料理用語、新・食品辞典13「カルビ」の項)
(3)進化する韓国料理 健康・ヘルシー求めてイメージ一新。韓国料理イコール焼き肉とされてきた外食市場だが、ここ一〇年でそのイメージは完全に払拭した。韓国家庭(伝統)料理を提供する店が年々増加し、韓国料理は肉と野菜のバランス良い健康食、としての認識を新たにしている。また、焼き肉店、韓国料理店という旧態の業種枠を越え、韓国居酒屋、炭火焼き肉、ビビンバや冷麺のファストフードが登場するなど、コンセプト主導による業態特化の波も押し寄せている。百花繚乱の韓国料理、外食市場の変遷を紐解き、現状と背景を追った。韓国家庭料理店の基礎メニュー「ダッカルビ(タッカルビ)=ダは鶏。鶏のブツ切りを野菜やキムチ、もちと一緒に、コチジャンベースの味噌で専用のパエリヤ鍋のような鍋で炒める。最後にご飯あるいは麺を投入。値段が安いので韓国の学生街で人気。」(2001.10.01 日本外食レストラン新聞)
(4)「ダッカルビごはん」発売(エスビー食品) エスビー食品(東京都板橋区、03・5970・6824)は、セット米飯シリーズに韓国の若者に人気の「ダッカルビごはん」を加え、2月11日から全国発売した。韓国・春川地方が発祥の郷土料理で、鶏肉とサツマイモ、キャベツなどの野菜をコチュジャンで炒(いた)めた鉄鍋(てつなべ)料理。ワールドカップのタイミングに合わせて開発したもので、無菌米飯(醤油とカツオだしで炊いた味付け)とレトルトの具(鶏肉、キャベツ、ニンジン、サツマイモ、タケノコ、ニラ)をどんぶり型容器にパック。電子レンジ3分で、野菜たっぷりのピリ辛鉄鍋料理が味わえる。215g、250円。(2002.02.25 日本食糧新聞)
(5)春川市のホームページにおいて、郷土料理「タッカルビ」『春川に来てタッカルビを食べなければ春川に来た意味がない』というくらい有名です。タッカルビとは鶏のカルビという意味ですが、この場合肉そのものではなく、やや大きめにぶつ切りした鶏肉を薬味たれに浸けて寝かしたものを、様々な野菜と一緒に鉄板で炒めて食べる料理をいいます。(http://www.chuncheon.go.kr/jap/sub08-04asp?ShowHideNum=4)
(6)春川・チュンチョン 春川といえば誰もがまず「タッカルビ」を思い出すでしょう(ホントか?)。あの美味しい美味しいタッカルビ(鳥のカルビ)はここ春川が本場です。そのため、市内のあちこちに「本場タッカルビ!」とか「元祖タッカルビ」!と看板が出ています。しかし、行けばすぐわかりますが、この街のホントの姿は米軍駐屯地だということです。街の3分の1が米軍キャンプで、交通はあまり便利ではありません。タッカルビのお店が集まっているのは江原大学周辺と中央ロータリー南の路地です。お店によって若干味付けがことなるので大好きな人は梯子してもいいでしょう。(http://www.seoulwind.com/korearoad/city/kangwon/01.html)
以上の事実を総合勘案すれば、「春川」と「ダッカルピ」とが結合した「春川ダッカルピ」の文字よりなる本願商標を、その指定役務中「韓国料理を主とする飲食物の提供」について使用するときは、韓国・春川地方が発祥の郷土料理「ダッカルピ」であることを認識させるにすぎず、これに接する取引者、需要者は、単に役務の質、内容を表示してなるものと理解するに止まり、自他役務の識別標識としての機能を果たすものとは認識し得ないものと判断するのが相当である。
また、本願商標を前記以外の「飲食物の提供」に使用するときは、役務の質について誤認を生じさせるおそれがあるものというべきである。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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