sokuhyo

Trademark Appeal Case

不使用取消における使用の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−30250(T2003−30250/J2)
審判種別取消
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第1970259号商標の指定商品中「金属製管継ぎ手,金属製フランジ,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く),パッキング」については、その登録は取り消す。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件審判請求に係る登録第1970259号商標(以下「本件商標」という。)は、「シャンバン」の片仮名文字と「SHANVAN」の欧文字とを二段に横書きしてなり、昭和60年4月5日に登録出願、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、昭和62年7月23日に設定登録され、その後、平成9年8月29日に商標権存続期間の更新の登録がされているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めて、その理由を要旨以下のとおり述べ証拠方法として甲第1号証を提出している。

本件商標は、商標権者によって過去3年以内に日本国内において使用された事実がなく、さらに、商標登録原簿には専用使用権者及び通常使用権者の登録がされておらず、使用権者による使用もされていないことから、その登録は商標法第50条第1項の規定により取り消されるべきである。

第3 被請求人の主張

被請求人は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めると答弁し、その理由を要旨以下のとおり述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第3号証を提出している。

本件商標は、ボイラプラントの配管、あるいは、各種プラントの配管に例えば、ボイラプラント水処理剤やスライムコントロール剤等の水処理薬剤を供給するための水処理薬剤供給装置(乙第1号証参照)に対して、昭和60年4月頃から前商標権者である片山栄氏によって使用開始され、その後、その商標権の移転登録後は商標権者である株式会社片山化学工業研究所によって使用が継続され、現在に至っている(乙第2号証および乙第3号証参照)。

上記水処理薬剤供給装置は、主に薬液タンクと薬注ポンプから構成され、管継ぎ手などを含む上記配管の近傍に設置されるものである。

もし、本件商標における指定商品中の「金属製管継ぎ手,金属製フランジ,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),パッキング」について、その登録が取り消され、例えば、配管を構成する「管継ぎ手」と、配管の近傍に設置される上記「水処理薬剤供給装置」に、他の権利者による同一の商標「シャンパン/SHANVAN」がそれぞれ付されることも想定され、この場合、商品の出所について混同を生じる恐れがあるものと被請求人は危倶している。

第4 当審の判断

商標法第50条第1項に規定する商標登録の取消審判の請求があったときは、同条第2項の規定により、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定商品のいずれかについて登録商標の使用をしていることを被請求人が証明するか、又は、使用していないことについて正当な理由があることを被請求人が明らかにしない限り、その指定役務に係る商標登録の取り消しを免れないこととなっている。

そこで、被請求人は、本件商標を使用している旨主張しているので、この点について検討する。

1 乙第1号証及び同第2号証によって認められる事実について

請求人が提出している乙各号証の内、本件審判請求の登録(平成15年4月2日)前3年以内に係る乙第1号証及び同第2号証について検討する。

(1)商品(水処理薬剤供給装置)のパンフレットである乙第1号証によると、

a)パンフレット上方に「シャンバン 薬注セット」(「シャンバン」と「薬注セット」の間を半文字程度の間隔をあけ、「薬注セット」の文字をやや小さく表示している。)の文字を長方形の輪郭内に表示し、その右上方隅にやや図案化された「MIRACLE」の文字と容易に理解される表示がされている。

b)商品については、薬液タンクと定量(微小容量)注入可能な薬液ポンプが一体となっていてコンパクト型のものであること、調節により幅広い定量注入が可能であること、高い流量精度であること、通常タンク(25リットル)は半透明で外部から液位の確認が可能であること、オプション品として週間タイマー、屋外カバーがあること、ポンプ仕様については、「MC−12」と「MC−52」があり、それぞれ、最大圧力時及び通常圧力時におけるそれぞれの吐出圧力、最大吐出量、最小吐出量、平均消費電力(単相)の大きさ等が記載されている。

また、「附属品の材質」の項によると、用途には「ボイラ水処理用」と「スラコン用」があり、その用途に応じて附属品「ホース3m」、「チャッキ弁」及び「ポンプサクション」の材質が記載されている。

c)同パンフレットには、商品の写真が掲載されていて、その商品のタンク部分にパンフレット右上隅に表されている「MIRACLE」の文字表示と同じ構成態様の表示、その下段に「シャンバン MC−12」等と表示したラベルが貼り付けられている。

d)このパンフレットの裏面の最下段に商標権者である「株式会社片山化学工業研究所」とその住所及び営業所、研究所等の所在地等の記載がされている。

(2)納品書(写し)である乙第2号証によると、商標権者が2002年4月5日付けで「(有)田中汽罐工業所」に宛て発行したものであり、品名「シャンバンMC−12N 100V」1台を納品されことが記載されている。

2 使用商標とその使用商品について

上記事実及び被請求人の主張を総合すると、乙第1号証の商品パンフレットに記載されている商品は、ボイラ設備の配管にボイラ用の水処理剤又はスライムコントロールをするため薬液を定量注入する「水処理用薬剤供給機」(以下「使用商品」という。)であって、薬液タンクと定量(調節可能)注入をするポンプ等からなると認められる。

なお、商品パンフレットによると、使用商品の附属品に「ホース3m」、「チャッキ弁」及び「ポンプサクション」があることが記載されているが、これらの附属品は使用商品と一体として使用される使用商品専用の部品又は附属品とみられるので、それらは使用商品の属する商品の範囲に含まれるものと認められるものである。

そして、その使用商品には、やや図案化された「MIRACLE」の表示、及び「シャンバン」の表示(以下、「シャンバン」の表示を「使用商標」という。)がされていて、それらの表示が使用商品に使用されている商標と認めることができる。

3 審判請求に係る指定商品と使用商品について

本件審判請求に係る指定商品は「金属製管継ぎ手,金属製フランジ,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く)パッキング」であり、これらの商品はいずれも機械器具の部品又は附属品として使用されるものであって、特定の機械器具の専用品とされないものが含まれるものと解されるところ、使用商品はボイラで使用される水の処理を行うため薬液を供給する機械であることから、本件審判請求に係る指定商品のいずれかに該当する商品ということはできない。

また、使用商品の附属品「ホース3m」、「チャッキ弁」及び「ポンプサクション」についても、前項2で述べたとおり、使用商品と同様、本件審判請求に係る指定商品のいずれかに該当するものということはできない。

4 審判請求に係る商品における本件商標の使用について

前項2及び3で認定した事実によると、商標権者が、本件商標と社会通念上同一とみられる使用商標を本件審判請求の登録前の2002年(平成4年)4月5日に使用していたとしても、その使用商品が審判請求に係る指定商品のいずにも該当しないものであることから、商標権者は、本件商標を審判請求に係る指定商品のいずれかについて本件審判請求の登録前3年以内に使用をしていたものということはできない。

その他、被請求人は、商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件商標に係る指定役務のいずれかの商品について使用していたものと認めるに足りる証拠を提出しておらず、また、本件商標を使用していないことについて正当な理由があることも明らかにしない。

5 まとめ

以上のとおり、被請求人は、審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかがその請求に係る指定役務のいずれかについての登録商標の使用をしていることを証明することができなかったものといわなければならない。

したがって、本件商標の指定商品中「金属製管継ぎ手,金属製フランジ,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く)パッキング」の登録は、商標法第50条の規定により取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

Next Action

次の一手につながるサービス

類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。

次の一歩へ

商標の登録可能性を無料で確認するか、費用の目安を料金表・シミュレーターで把握できます。