結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−31437(T2002−31437/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第4343358号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成10年6月29日に登録出願、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製針箱,貴金属製のろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口及び財布,貴金属製コンパクト,貴金属製喫煙用具,身飾品(「カフスボタン」を除く。),カフスボタン,宝玉及びその模造品,宝玉の原石」を指定商品として、平成11年12月10日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中の『貴金属製のがま口及び財布』についての登録を取り消す。審判費用は、被請求人の負担とする。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を要旨次のとおり述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証(請求人は、証拠方法の表示を「乙号証」としていたが、「甲号証」として表示する。)を提出した。
1.本件商標は、商標権者により継続して3年以上、日本国内において、その指定商品中の「貴金属製のがま口及び財布」について使用されていない。
2.答弁に対する弁駁
(1)貴金属製のマネークリップについて
広辞苑によれば、「がま口」とは「開いた形がガマの口に似るからいう口金のついた金入れ」をいい(527頁)、「財布」は 「金銭を入れて持ち歩く袋・金入れ」をいう(1004頁)とされている(甲第1号証)。すなわち、「がま口及び財布」は「金入れ」であって、金を中に入れて保持するものと解される。しかるに、「マネークリップ」は、乙号証に示されるように、紙幣を挟んで保持するものであって、中に入れて保持するものではない。特許庁においても、「貴会属製のがま口及びマネークリップ」と「がま口」と「マネークリップ」とを並列に並べている(甲第2号証)ことからすれば、両者は別の商品として取り扱っていることが分かる。
したがって、本件商標が使用されている商品「貴金属製のマネークリップ」は、取消の対象となっている商品には該当しない。
(2)貴金属(銀)を一部にあしらった財布(コインケース)について
「貴金属製の財布」とは、第14類に属する商品が「貴金属及びその合金並びに貴金属製品又は貴金属を被覆した製品」である(甲第3号証)とされている。
そうとすれば、「貴金属製のがま口及び財布」とは、その材料が通常のものである布、革、合成樹脂ではなく貴金属であるか、その全体が貴金属で覆われているものと解される。したがって、貴金属(銀)をその一部にあしらったに過ぎないた財布(コインケース)は「貴金属製の財布」には当たらないと解される。
乙号証に示された「貴金属(銀)を一部にあしらった財布(コインケース)」は第18類の「がま口(貴余属製のものを除く。)、財布(貴金属製のものを除く。)」に止まるものである。
以上のように、本件商標が使用されている商品「貴金属(銀)をー部にあしらった財布(コインケース)」は、取消の対象となっている商品には該当しない。
(3)財布の付属品の貴金属(銀)製のチェイン(ウォレットチェイン)について
広辞苑によれば、「付属品」とは「主だったものに付属している物品、本体と共に用いてはじめて機能する品」をいう(2247頁)とされている(甲第1号証)。しかるに、商品同士は往々にして関係のあるものとなるが、このような場合にも常に本体と付属品とになるものではないことは多言を要しない。問題の「貴金属(銀)製のチェイン(ウォレットチェイン)」は、腕時計に対する時計バンドのように、財布に必ず不可欠のものとなるのではなく、チェインがなくとも財布としての用は足りる。このような関係にある商品が本体と付属品とにならないのは、ネクタイとネクタイピンとが本体と付属品とにならないのと同じである。これらの点で、上記チェインは財布の付属品とはなり得ないといえる。
したがって、本件商標が使用されている商品「財布の付属品の貴金属(銀)製のチェイン(ウォレットチェイン)」は、取消の対象となっている商品には該当しない。
(4)むすび
以上述べたことから明らかなように、被請求人は、本件商標がその取消に係る商品に使用されていることを立証していない。それ故、本件商標の登録は商標法第50条の規定により取消を免れないものである。
被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由及び審尋に対する回答を次のように述べ、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第11号証(被請求人は、平成15年2月21日付け答弁書と同時に提出した証拠方法の表示について、「甲第1号証ないし甲第9号証」としていたが、これらの証拠は、同年11月11日差し出しの答弁書と同時に「乙第1号証ないし乙第9号証」として再提出された。なお、平成15年2月21日付け答弁書と同年11月11日付け答弁書の記載内容は同一である。)を提出した。
1.使用の事実
(1)乙第1号証は、本件商標を付したカタログ(2002年11月10日発行)に掲載された貴金属のマネークリップ、貴金属(銀)を一部にあしらった財布(コインケース)及び同財布の付属品の貴金属(銀)製のチェイン(ウォレットチェイン)である。
(2)乙第2号証は、乙第1号証のカタログ掲載の財布及びチェインが記載された2002年11月30日付納品書である。
(3)乙第3号証は、上記マネークリップ、コインケース、ウォレットチェインの形状と型番を明示した商品一覧表である。
(4)乙第4号証は、本件商標が表示された被請求人の店舗の外観、内部、ショーケースの写真である。
(5)乙第5号証は、上記マネークリップ及びコインケースの包装態様を示す写真である。包装には、本件商標を付した小袋及び手提げ袋が使用される。マネークリップの中央には本件商標の刻印がある。また、本件のような銀製品及び金製品の販売時にはタグを付けるが、そのタグは、前者には「SILVER925」、後者には「K18GOLD」の表示があり、裏に本件商標を表示してある。
なお、甲第4号証及び甲第5号証の撮影場所等は以下のとおりである。
撮影場所:スタージュエリー元町四丁目店(横浜市中区元町4−170)
撮影日時:2003年2月7日
撮影者:株式会社スタージュエリー 取締役商品部長 伏木清高
(6)乙第6号証は、被請求人の会社案内であり、横浜元町本店が1946年から営業していることを示す。被請求人が横浜元町で1946年から営業していることは、乙第10号証によっても明らかである。
(7)乙第7号証は、被請求人のインターネットホームページの抜粋であり、上記元町本店が、平成4年に本件商標を表示した店舗となったことを示す。なお、甲第7号証に示すとおり、元町本店は現在改築工事中であるが、改築工事中も元町四丁目店が引き続き営業している。横浜元町本店が、本件審判の請求の登録日前より本件商標を表示した店舗となっていたことは、乙第11号証より明らかである。
(8)乙第8号証は、上記元町四丁目店(スタージュエリーCLUB元町店)のオープン(1997年2月15日)告知の案内状写しであり、上記店舗がこの時点から現在まで引き続き営業していることを示す。
(9)乙第9号証は、マネークリップが「貴金属製のがま口及び財布」が含まれることを示す特許庁ホームページの商品・役務リストである。また、財布用の銀製のチェイン(鎖)が当該商品の附属品として当該商品に含まれることは明らかである。
2.貴金属製の財布について
貴金属製の財布には、貴金属だけで作られたもののみならず、皮や布等の他の素材が使われていても貴金属(純金・銀・ダイヤモンド等)があしらわれている高価なものは含まれる。
3.むすび
以上のとおり、本件商標は本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者(被請求人)により、「貴金属製のがま口及び財布」について使用されていることは明らかである。
1.本件について、請求人は、使用に係る商品が請求に係る指定商品「貴金属製のがま口及び財布」の範疇に属する商品でない旨主張し、本件商標の使用者が商標権者であること、使用に係る商標が本件商標と同一若しくは社会通念上同一の範囲のものであること、商標権者による使用の時期が本件審判の請求の登録前3年以内であり、日本国内での使用であることについては、争うところがない。
そこで、本件使用に係る商品中の「貴金属製マネークリップ」(使用に係る商品「マネークリップ」が貴金属製であることについては、当事者間に争いがない。)が請求に係る指定商品の範疇に属する商品であるか否かについて、以下検討する。
2.現行商標法における商品区分(現行法においては役務区分もあるが、本件においては以下、商品についてのみいう。)は、市場に流通する膨大な種類の商品を、商標登録出願に際しての出願人の便宜及び審査・審理の統一等を図るという行政的見地から分類したもので、時代の推移とともに分類した当時存在しなかった商品が出現することは、今日の商品開発に対する技術の飛躍的進歩等を考えると、当然のことといえる。
そうすると、上記商品区分は、いわば流通する膨大な種類の商品の中の代表的なものを掲げたものと解され、これに例示されていない商品があった場合は、該商品の用途、原材料、販売場所、需要者の認識等を総合的に判断して、どこに分類すべきかを決すべきである。
そして、商標法施行規則別表第14類に規定されている「五 貴金属製のがま口、靴飾り、コンパクト及び財布」は、下位概念が具体的に記載されていないが、この概念には、そこに掲げられた例えば、貴金属製のがま口、貴金属製の財布そのもののみならず、これらと用途、目的、販売場所等を共通にする商品をも含むと解すべきである。
これを本件使用に係る商品「マネークリップ」についてみるに、甲第1号証によれば、がま口は、「口金のついた金入れ」であり、財布は、「金銭を入れて持ち歩く袋、金入れ」であると認められる。
一方、マネークリップは、金がポケットや鞄などの中で散らばらないように、金を挟む小型の器具であり、一般的には、金を挟んで持ち歩くクリップ状の器具であると認められる。
そうすると、がま口・財布とマネークリップとは、金を中に入れるか、あるいは金を挟むかの違いはあるが、いずれも金を携帯する際などに金をひとまとめにして、出し入れしやすくした商品であるいう点において共通するものであり、また、原材料が貴金属という点において、両者は販売場所をも共通にするものといえるから、本件使用に係る商品「マネークリップ」は、請求に係る「貴金属製のがま口及び財布」の範疇に属する商品というのが相当である。
したがって、単に名称、使用態様(金を中に入れるか、若しくは挟むか)等の相違のみによって、本件使用に係る商品「マネークリップ」が「貴金属製のがま口及び財布」の範疇に属するか否かを判断すべきではないから、請求人の「がま口及び財布は、金を中に入れて保持するものであるのに対し、マネークリップは、紙幣を挟んで保持するものであって、中に入れて保持するものではないから、マネークリップは取消の対象となっている商品には該当しない。」旨の主張は、採用することができない。
なお、請求人は、特許庁においても、「貴会属製のがま口及びマネークリップ」と、がま口とマネークリップとを並列に表示していることから、両者は別の商品として取り扱っている旨主張するが、がま口とマネークリップとを並列的に表示していることをもって、これが直ちにマネークリップががま口の範疇に属する商品でないということはできない。
3.以上のとおりであるから、被請求人は、商標権者が本件商標を本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「貴金属製マネークリップ」について使用していたことを証明したものと認め得るところである。
したがって、本件商標は、その指定商品中の「貴金属製のがま口及び財布」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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