Trademark Appeal Case
商品の品質表示と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−11737(T2002−11737/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「デルタクッション」の文字(標準文字)を横書きしてなり、第19類の願書に記載のとおりの商品を指定商品(指定役務)として、平成13年3月30日に登録出願、その後、平成14年5月20日付けをもって手続補正書の提出があり、その指定商品が第19類「車両の走行を停止させるために路面に置かれる車両用保安防護体」に補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由の要点
原査定は、「本願商標は、『デルタ形状からなり衝撃吸収機能を有しているもの』といった意味合いを容易に認識させる「デルタクッション」の文字を書してなるものであるから、これをその商品に使用しても、取引者・需要者は『衝撃吸収機能を有するプラスチック製デルタ形状の車止め』といった程度に理解・認識するにとどまり、単に商品の品質を表示するにすぎず、本願商標は、自他商品の識別標識としての機能を有しないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1)本願商標は「デルタクッション」の文字よりなるところ、その構成中の前半部の「デルタ」の文字は、ギリシャ語のアルファベットで第4番目の文字(Δ)を指すほかに、「(デルタ大文字(Δ)のような)三角形のもの」の意味を有し、例えば、「小学館ランダムハウス英和辞典」(発行所 株式会社小学館)によると「三角翼」を「delta wing」と、「JIS工業用語大辞典【第4版】」(発行所 (財)日本規格協会)によると「シリンダを三角形に配置した内燃機関」を「delta−type engine」と、「マグローヒル 科学技術用語大辞典改訂第3版」(発行所 株式会社日刊工業新聞社)によると「三つの電子銃が三角形に配列されているカラーテレビ受像管の一種」を「delta−gun tube」と、同じく「三角形を形成するように、三つの成分を直列に接続した結線」を「delta connection」というように物品を表す名称の前に置かれて三角形の形状を表すものである「delta」の語に通じるものと認識し得るものである。同じく、後半部の「クッション」の文字は、「衝撃を和らげるものの総称。緩衝物。」を意味するものとして親しまれているものである。
そして、本願の指定商品については、平成14年5月20日付け意見書において「車両が誤って当該作業現場に進入・追突するのを防止するため、その作業現場の周辺に本願指定商品である車両用保安防護体を設置するものです。車両がこの車両用保安防護体を踏んだ場合、この車両用保安防護体が車両にまとわりつき、最小限のショックを運転者に与えるのみで車両を急停止させることができるものです。なお、かかる車両用保安防護体の材質は『ウレタン』を主とするものです。」などとしていることからすると、衝撃を和らげる緩衝物といえるものであり、その意味ではクッションの一種ということもできるものである。しかも、請求人(出願人)が指定商品の説明書として願書に添付した公開特許公報には、実施例の一つとして側面が三角形状になっている図面が記載され、該防護体を構成する止め部材部分が中空三角柱の形態をなしている旨記載されていることからすると、該指定商品の形状は三角形のものもあるといえる。
そうすると、本願商標に接する取引者、需要者は、上記のような「デルタ」と「クッション」の語をもって構成されているものと理解し、全体として「三角形状の衝撃を和らげる緩衝物」程度の意味合いを容易に認識するものといえるから、結局、本願商標は、その指定商品に使用した場合、その指定商品の品質を表示するにすぎないものといえる。
(2)当審においては、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するか否かについて、職権に基づく証拠調べをした結果、次の(a)ないし(p)の事実を発見したので、同法第56条第1項で準用する特許法第150条第5項の規定に基づく通知を行った。
(a)2003年3月25日付け日刊建設工業新聞の1頁には、「国交省が事故防止重点対策/手すり先行足場指針を順守、COHSMS導入促進」の見出しの下に、「国土交通省は、03年度の建設工事事故防止重点対策をまとめた。・・・重点対策は、建設工事事故対策検討委員会(委員長・〜日大教授)がまとめた検討成果を受けて作成された。事故の多い『墜落事故』『重機事故』『交通事故』の3点を中心に、発・受注者双方に具体的な対策を提示した。発注者向けでは▽厚生労働省が作成した『手すり先行(足場)工法に関するガイドライン』に沿って直轄工事を行う▽大規模法面工事などで必要に応じて昇降設備を設置し、必要な費用を計上する▽デルタクッションの適応条件を考慮した上で、モデル工事を直轄工事で実施する▽技能などに関する再教育の受講状況を確認する▽請負者から提出された安全活動の創意工夫の成果を工事成績評定の判断材料の一つにする―などが重点対策に挙げられた。・・・一方、関係業界団体向けでは▽足場施工計画や親綱設備計画の徹底▽チェックリストなどによる親綱の点検、安全帯などの適切な取り扱い強化▽法面施工管理技術者の資格取得の推進▽デルタクッション設置の推進▽技能者などに対する再教育を含めた安全衛生教育の徹底▽コスモスの導入の推進▽安全表彰制度の推進―などの対策が挙げられている。」の記載がある。
(b)2002年3月27日付け日刊建設工業新聞の14頁には、「建設現場での労災撲滅へ/国土交通省検討委が重点対策案」の見出しの下に、「国土交通省の02年度の建設工事事故の重点対策の対象に、墜落(足場)、重機、交通の3大多発事故に加え、法面からの墜落事故と飛来落下事故が盛り込まれることになった。・・・検討委の成果を踏まえ、国交省は01年度から墜落、重機、交通事故の3大多発事故の防止に向けた重点対策を講じた。▽手すり先行足場の採用▽足場施工計画の充実▽チェックリストの活用▽関係業界団体による会員各社の点検結果の報告▽点検結果の工事成績評定への反映▽建機作業中の安全意識を高めるためのステッカー運動の推進▽一般車両が突入した場合の衝撃エネルギーを吸収するデルタクッションの設置▽交通整理員のロボット化―などを実施した。」の記載がある。
(c)2002年3月13日付け建設通信新聞には、「法面,飛来落下の点検リスト提出で工事成績評定に反映/国交省」の見出しの下に、「国土交通省は、直轄工事で実施している手すり先行足場とデルタクッションのモデル工事のアンケート結果や、飛来落下と法面の事故の分析結果をまとめた。・・・建設工事の死亡災害は、墜落事故が約40%、重機事故と交通事故がともに15%程度を占めている。このため国交省は今年度、直轄工事で、墜落防止に役立つ手すり先行足場の採用102件(農水省分含む)、交通事故防止のデルタクッションの設置76件を対象にモデル工事を実施している。このうち、工事が完了した手すり51件、デルタ61件にアンケートした。・・・ デルタクッションも、『効果があった』が全体の7割強を占め評価する意見が多かった。しかし、『シート部分が風でめくれやすい』『大型車に対応していない』という問題点もあげている。このため同省は、02年度もモデル工事を実施、効果や課題などを検証する。」の記載がある。
(d)2001年9月25日付け建設通信新聞には、「手すり先行足場,デルタクッションモデル工事に17件/道開発局」の見出しの下に、「北海道開発局は、2001年度の工事事故防止重点対策で実施する『手すり先行足場を採用したモデル工事』7件と、『デルタクッションを設置したモデル工事』10件の実施個所をまとめた。手すり先行足場は墜落災害の防止のため、デルタクッションは車両が現場に突入してしまった場合の衝撃緩和と制動距離を短くする設備で、もらい事故防止のため取り組みを進める。」の記載がある。
(e)2001年8月28日付け建設通信新聞には、「足場墜落,交通事故対策モデル工事に111件/国土交通省」の見出しの下に、「国土交通省は2001年度から、足場からの墜落事故、路上工事での交通事故の防止に役立つ資機材を使用するモデル工事を実施している。足場墜落対策では墜落対策に効果がある『手すり先行足場』を、交通事故対策では車両の突入による衝撃をやわらげる『デルタクッション』をそれぞれ採用している。実施予定のモデル工事件数は、足場対策が62件、交通事故対策が49件となっているが、追加・中止などの変更がある見通し。」の記載がある。
(f)2001年5月24日付け建設通信新聞には、「安全活動成果を評定に反映/道開発局の01年度事故防止重点対策」の見出しの下に、「北海道開発局は、今年度の工事事故防止重点対策をまとめた。受注業者の提出した安全活動の成果を工事成績評定に反映させることや、優れた安全活動を行った現場に対しては、局長のほか各開発建設部長も表彰できる制度を創設する。また墜落事故、交通事故の防止のため『手すり先行足場を採用したモデル工事』と『一般車輌突入を防ぐデルタクッションを設置したモデル工事』を実施する。手すり先行足場を採用したモデル工事は8件程度実施する予定だ。デルタクッションは道路工事現場への車両突入による『もらい事故』を防止するため、工事個所の前後にウレタンマットを設置し、車両の停止距離を短くするもの。モデル工事として約10件実施する計画だ。」の記載がある。
(g)2000年3月21日付け建設通信新聞には、「工事事故発生件数が過去最悪、路上事故防止へ対策強化/東北地建」の見出しの下に、「施工者側の被害を低減させる対策では、従来のクッションドラムに加えて、同地建がメーカーと共同開発した新しいタイプの衝撃緩衝材『デルタクッション』の採用や、維持工事など作業形態が随時変化する工事での保安施設の移動など設置の徹底を、また交通整理(誘導)でも視認性の向上を眼目に、昼間での誘導灯の使用を禁止。・・・今回の追加対策の中で盛り込まれた『デルタクッション』は、ラバーマットとウレタン素材の緩衝体が一体となった新しいタイプの車両衝撃緩衝材。車両がマットを踏むことにより、緩衝体が飛び出さずに車両にまとわりつき、抵抗体となって制御する。実験データでは時速四〇キロで走行する二〇〇〇ccクラスの車両が緩衝体に衝突する直前にブレーキをかけた場合の停止距離は緩衝体から三・五メートル。従来のクッションドラムに比べて重量が二五キロと軽く、設置・移設が容易なうえ、車両運転者に対する衝撃もよりソフトに緩和できるなどのメリットがある。同地建では昨年十二月に東北技術事務所で模擬実験を行い、有効性を確認。今回、現場レベルでの実用化に踏み切った。引き続き材質などの改善検討を加え、より有用性を高めていく考えだ。デルタクッションの製造元は吾妻製作所で、吾妻商会が販売。東北地建局長と共同で特許出願中だ。」の記載がある。
(h)「http://www.saftec.co.jp/new/」のインターネットホームページには、「セフテック株式会社」及び「SAFTEC NEW PRODUCTS 新商品のご紹介」の見出しの下に、商品の写真とともに「車両衝突緩衝体(デルタクッション)」の記載がある。
(i)「http://www.s?meiban.com/main/stand_main1_5.html」のインターネットホームページには、「高規格安全用品」及び「高規格規制用品」の見出しの下に、商品の写真とともに「デルタクッション(ウレタン素材 新型緩衝体)」「設置・撤去がスムーズに行えます。●本体は、特殊ウレタン素材でソフトな緩衝効果●従来品に比べ少人数の設置・回収が可能●車両マットを踏むことにより、緩衝体が前方に飛び出さず、車両にまとわりつき抵抗体となります。」の記載がある。
(j)「http://www.azuma−syokai.co.jp/azm02−1001.htm」のインターネットホームページには、「車両衝撃緩衝材」の見出しの下に、商品の写真とともに「アヅマのデルタクッションは優れた緩衝力で工事現場とドライバーの安全を確保します。」、「1 軽量 製品重量が26kgと軽量な為、一人でも運搬設置が楽です。 2 ソフトな緩衝ウレタン素材でソフトな緩衝効果の為、車両運転者にも安全です。 3 確実な制動 マットを踏みながら緩衝体を捲込み制動しますので確実です。」の記載がある。
(k)「http://www.kensaibou.or.jp/b6h064f.htm」のインターネットホームページには、平成15年3月28日付けをもって国土交通省大臣官房技術調査課長より建設業労働災害防止協会会長に宛てた国官技第346号の2「平成15年度における建設工事事故防止のための重点対策の実施について」という文書が掲示されており、同文書では、「4.交通事故防止重点対策(平成13年度からの継続対策)」として「(1)デルタクッション設置の推進 関係業団体は、会員各社に対して適応条件を考慮の上、デルタクッションの設置を推奨する。」の記載がある。
(l)「http://www.anzenkiki.co.jp/syohin?19.htm」のインターネットホームページには、「デルタクッション」の見出しの下に、「機能及び設置例」として商品の写真と説明図の記載がある。
(m)「http://www.cbr.mlit.go.jp/chugi/fair?c/fair2001/shousai/a/a47.htm」のインターネットホームページには、「コークスを用いた水質改善技術 株式会社吾妻商会」及び「他技術名 デルタクッション(車両用保安防護体)」の見出しの下に、「デルタクッション(車両用保安防護体) もらい事故防止を目的とした可搬式衝撃体です。車両がシートを踏むことにより衝撃体が効果的に抵抗になり、衝突時の運動エネルギーを位置・変形・摩擦エネルギー等に分散置交換します。」の記載がある。
(n)「http://www2.famille.ne.jp/〜jcm/H134jiko.htm」のインターネットホームページには、国土交通省大臣官房技術調査課 技術管理係長 森久保 司の名による「事故データベースにもとづく分析及び平成13年度の事故重点対策について」という文書が掲示されており、同文書では、「3.平成13年度の事故重点対策(3)交通事故対策」として「交通事故対策の課題としては、『1一般車両の突入時の被害軽減の強化』、『2一般ドライバーに対する交通整理員の視認性の向上』、『3適正な交通整理員の配置等があげられます。』 『1一般車両の突入時の被害軽減の強化』については、関係業団体は、会員各社に対してデルタクッションを設置し、一般車両が突入してきた場合の衝撃エネルギーを吸収し工事関係者及びドライバーの被害を最小限に抑えるよう、その利用を推奨します。国土交通省はデルタクッションを設置したモデル工事を実施します。」の記載がある。
(o)「http://homepage3.nifty.com/41takayamafurukawa/page10.htm」のインターネットホームページには、「デルタクッション」として、商品の写真とともに「車両が工事規制に突入した場合の衝撃エネルギーを吸収します。工事作業員及びドライバーの被害を最小限に抑える為に設置します。」の記載がある。
(p)「http://www.ktr.mlit.go.jp/chiba/ir/06/020723_2−2.htm」のインターネットホームページには、「平成13年度 優良工事(事務所長表彰)の概要」の見出しの下に、「工事番号:3」の「表彰理由」として「本工事は、主な工種が全て夜間工事であり、また夜間における通行車輌の実勢速度も非常に速く、複雑な交差点内の交通切替えを伴う工事であったが、デルタクッションやバルーンライトなどを積極的に導入し、安全対策を徹底することにより無事故で工事を行った。」の記載がある。
(3)請求人は、上記(2)の証拠調べ通知に対し、平成15年11月5日付けをもって意見書を提出し、本願商標は自他商品の識別力を有しているとして、その理由を種々述べているが、それら請求人の主張は、次のとおりであって、いずれも採用できない。
(a)請求人は、「単に路上に止め部材(緩衝材)を置いただけでは、自動車と衝突したとき、自動車の持つ強力な運動エネルギーによって当該止め部材はデルタ形状であるなしにかかわらず簡単に弾き飛ばされてしまい、指定商品の目的とする機能を発揮することはない。」とし、本願商標の指定商品が特許発明にかかわるものであり、「本願商標の指定商品の特徴的形状は、止め部材としてのクッション形状にあるのではなく、特許の実施例にも示されている様に、各種のクッション形状に、シート状の延長部材を一体化したものである。従って、本願商標は、その指定商品との関係で商標法第3条第1項第3号には該当しないものと思料する。」と主張する。
しかし、仮に、請求人主張の特許発明の技術的特徴が自動車に弾き飛ばされないようにシート状の延長部材を一体化した点にあるとしても、商品としての機能、用途、品質等の内容としては、本願の指定商品が衝撃を和らげる緩衝物として機能するものであることに変わりはないのであって、請求人自身、意見書において、「自動車が止め部材に衝突しても、全体が滑らず、止め部材は設置位置にて衝撃を受け、かつ変形して、車両の走行をブロック(阻止)することができる。」と述べた上で、「各種のクッション形状に、シート状の延長部材を一体化したものである」として、止め部材自体が各種のクッション形状よりなること自体は認めてもいるのであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。
(b)請求人は、本願商標の指定商品が請求人を含む3者による共同発明に係る製品であり、その共同発明が平成14年1月に特許第3270840号として特許されたとし、「特許発明にかかる機能を持つ商品『車両の走行を停止させるために路上に置かれる車両用保安防護体』以外の商品に対して商標『デルタクッション』を付して使用しても、本願商標『デルタクッション』の使用とはならない」、「商標『デルタクッション』として何ら法的根拠なく特許発明にかかる商品を実施している者がいることを確認しているので、その者に対しては法的対策を講じる準備をしている」などと述べるとともに、さらに、証拠調べ通知に記載の(h)以外の証拠は請求人が製造し、特許権者の他の一人が販売・リースしたものである旨である旨を述べて、これらにより、「『車両の走行を停止させるために路上に置かれる車両用保安防護体』としての『デルタクッション』と言えば、特許発明『車両用保安防護体』にかかる商品を指す」として、本願商標が自他商品の識別力を有する旨主張する。
しかし、指定商品の範囲は願書の記載に基づいて定められるべきものであるところ、本願の指定商品は第19類「車両の走行を停止させるために路面に置かれる車両用保安防護体」とされているだけであって、特許第3270840号の発明の実施に当たる商品に限定されているわけではない。また、仮に、請求人が該特許発明の実施に当たる商品について本願商標を使用することを意図していたとしても、そもそも、特許発明であるか否かによって商標の識別力の有無が左右されるものでもない。まして、本願商標が請求人の業務に係る商品を表示するものとして取引者、需要者の間に広く認識されるに至っているとすべきであるというような事情も見出すことはできない。
また、請求人は証拠調べ通知に記載の(h)以外の証拠が請求人の製造にかかわるものである旨述べるが、それを証する証拠は何ら提出されておらず、しかも、本願の出願人は「日本メクトロン株式会社」一名であって、本願の審査、審理においては該特許権の他の特許権者も他人といわざるを得ない。さらに、個々の企業にかかわるホームページ等を除いた(a)ないし(f)並びに(k)、(n)及び(p)の新聞記事等は、特段、請求人の商標であるとか、請求人の開発に係る商品であるなどのことわりや説明をすることなく、商品を指称するべく普通に「デルタクッション」の語を用いている(仮に、該文字が請求人が述べるとおり造語であるならば、これらの記事は全く意味の通じないものとなってしまうといえる。)のであるから、結局、本願商標が指定商品の品質表示であるとの上記(1)の認定、判断を裏付けるものといえる。加えて、(j)、(l)及び(o)のホームページには、商品の写真も掲示されているところ、その写真によれば、それらの商品の側面は三角形状をなしており、この点でも、指定商品の形状に三角形状のものがあるとの上記(1)の認定、判断を裏付けるものといえる。
そうすると、商標法第3条第1項第3号に規定する品質表示というためには、指定商品の品質を表すものとして取引者、需要者に認識されるか否かが重要なのであって、商品の品質を表すものとして現実に使用されていることは必ずしも必要ない(昭和52年(行ケ)第82号 東京高裁昭和56年5月28日判決言渡、平成13年(行ケ)第207号 東京高裁平成13年12月26日判決言渡)ことをも踏まえると、結局、上記(1)のとおり、本願商標は指定商品の品質を表示するものとして取引者、需要者に認識されるものであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。
(3)以上のとおり、本願商標は、全体として「三角形状の衝撃を和らげる緩衝物」程度の意味合いを容易に認識させるものであり、しかも、その指定商品が衝撃を和らげる緩衝物の一種で、三角形状の形態をなし得るものであるから、これを、その指定商品に使用するときは、その指定商品の品質を表示するにすぎない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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