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Trademark Appeal Case

引用商標の周知性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2003−35112(T2003−35112/J3)
審判種別無効
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4125233号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成4年2月27日に登録出願、第17類「被服、布製身回品、寝具類」を指定商品として、平成10年3月20日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中「寝具類」の登録は、これを無効とする、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第5号証を提出した。

(1)請求の理由

請求人は、自己の使用に係る商標「サンクス」を引用する。

(ア)請求人の商標「サンクス」の著名性について

請求人「株式会社サンクス」は、昭和59年の設立以来、札幌市に本社を置く法人である。

法人の設立当時から現在に至るまで、商標「サンクス」(甲第2号証)を使用し、健康食品や健康器具或いは寝具などを製造・販売している。

これらの商品の販売の際には、お客様に正しい情報を提供し、高品質な製品を紹介するために、各地で宣伝講習会を開催し、「サンクス会員」の拡大に力をいれてきた。

設立から19年目を迎えた現在は、約2万名の会員を擁し、定期的(1〜3ヶ月毎)に「サンクス会員の集い」というイベントを開催している。このイベントでは、新製品の紹介やアフターサービスなどを行っている。具体的には昭和59年8月から平成4年2月までの約7年半の間に150回余りのイベントを各地で開催した(甲第3号証)。

また、各イベントの開催の際には、チラシを大量に配布している(甲第4号証)。各回のイベントでの平均顧客動員数は、甲第2号証に先着300名にプレゼントを進呈する旨の記載があるように、数百名に上る。

また、請求人は請求人を広告主として、平成3(1991)年10月〜同年12月の毎週水曜日及び平成4(1992)年2月〜同7(1995)年12月の毎週火曜日に、全国ネット番組である「ズームイン!朝!」に、北海道放送により30秒間のテレビCMを放送していた(甲第5号証)。

したがって、本件商標の出願日である平成4年2月27日の時点ですでに請求人の引用商標「サンクス」は請求人の業務に係る商品を表示するものとして需要者の間に広く認識されていたことは明らかである。

(イ)一方、本件商標は、「サンクス」の片仮名文字を含むものである。

そして、本件商標は、請求人の周知かつ著名商標をそのまま構成要素として含む結合商標であることから、観念及び称呼の点で引用商標と類似する。 また、本件商標の指定商品のうち「寝具」は、請求人の提供する商品と同一又は類似であることも明らかである。

(2)審判請求の利害関係について

請求人は引用商標「サンクス」を現に使用しているが、本件商標に係る商標権の侵害を理由として被請求人から、引用商標の使用の差し止めを求められている。

よって、この引用商標の使用差し止めを回避するためには、本件商標の登録を無効とする必要があり、請求人は本件審判請求を行うについての利害関係を有する。

(3)むすび

以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するにもかかわらず登録されたものであるから、本件商標の登録は同法第46条に基づき無効とされるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求める、と答弁し、その理由を要旨次のように述べている。

(1)被請求人は、コンビニエンスストア「サンクス」のフランチャイズチェーン本部を経営する会社であり、本件商標の元、各コンビニエンスストアにおいて被服類、布製身回品、寝具類その他各種商品の販売を全国的にかつ多店舗において継続的に行っていると共に各種広告宣伝を大々的に行っているものである。

(2)本件商標が商標法第4条第1項第10号に該当しない理由

(ア)請求人は「サンクス」商標の存在を主張するが、甲第2号証には「株式会社サンクス」(「株式」と「会社」の文字は上下二段に書してなる。)、甲第4号証(マルA)には「(株)サンクス」「株式会社 サンクス宣伝会場」、甲第4号証(マル1)には「THANKS」「サンクスコミュニティープラザ」「THANKS COMMUNITY PLAZA」「サンクスCMプラザ」「株式会社サンクス」(「株式」と「会社」の文字は上下二段に書してなる。)が明示され、更に、甲第5号証には「株式会社 サンクス 御中」と明示されているだけである。

したがって、いずれにも請求人が主張する「サンクス」と同一の商標は明示されていない。

以上より、請求人主張の「サンクス」を使用して現在周知著名である前提の「サンクス」と同一の商標の使用は認められないことから、請求人の「サンクス」が使用によって周知著名であるという主張は失当である。

(イ)甲第2号証は、請求人の会社案内であるが、会社案内に会社名を明記するのはいかなる会社であっても自然な行為であり、かかる会社案内に会社名の商標的使用の明示があるが「サンクス」と同一の使用ではなくいわゆる類似の使用にしか過ぎない。

特にかかる明示は商号の商標的使用であって、かかる使用によって請求人の「サンクス」が周知著名になるものではない。更に、何等商品との関係が不明である。

(ウ)請求人主張の「サンクス会員の集い」というイベントはいかなるものであり、いかなる態様にて使用していたかは甲第3号証からは全く不明であり、「サンクス会員の集い」との主張はいかなる根拠を有して主張しているか不明である。

更に、甲第3号証は、単にオープン日、営業所名、会場名、住所、終了日を明示しているものであり、何等請求人の「サンクス」がいわゆる周知著名であることの立証にはならない。

(エ)請求人は、各イベントに際してチラシを大量に配布しているとして甲第4号証を示すが、かかる甲第4号証には、何等請求人主張の「サンクス」と同一商標が明示されているものではなく、更には商品との関係も全く不明である。

(オ)甲第5号証に示すCMは、各CMにおいていかなる商標の使用を行ったかは一切不明であると共に、いかなる商品に付いて使用したかも不明である。

したがって、単に株式会社サンクスがCMを行ったことの立証でしかなく、何等請求人の「サンクス」が周知著名であることの理由とはなり得ない。

(3)むすび

以上のように、請求人の「サンクス」商標は、何等周知著名な商標ではなく、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に該当するものではない。

4 当審の判断

請求人の提出した甲第2号証ないし甲第5号証に徴すれば、請求人は、請求人の会社案内(甲第2号証)の裏表紙に「株式会社サンクス」(「株式」と「会社」の文字は上下二段に書してなる。)の文字を表示し、使用していることは認め得るとしても、「サンクス」の文字を使用している表示は認められないばかりでなく、本件審判の請求に係る商品「寝具類」に関する記載は何ら示されていない。

また、イベント開催リスト(甲第3号証)は、請求人が開催したイベントの開催日、会場名等が記載されているのみであり、「サンクス」の文字を使用している表示は認められないばかりでなく、本件審判の請求に係る商品「寝具類」に関する記載は何ら示されていない。

さらに、イベント用チラシ(甲第4号証)には、「(株)サンクス」、「株式会社 サンクス宣伝会場」、「THANKS」、「サンクスコミュニティープラザ」、「THANKS COMMUNITY PLAZA」、「サンクスCMプラザ」、「株式会社サンクス」(「株式」と「会社」の文字は上下二段に書してなる。)の文字を表示し使用していることは認め得るとしても「サンクス」の文字を使用している表示は認められないばかりでなく、本件審判の請求に係る商品「寝具類」に関する記載は何ら示されていない。そして、テレビCM放送の証明書(甲第5号証)においても、その放送内容は明らかではない。

してみれば、請求人の提出した、甲各号証からは、請求人の主張する「サンクス」の文字が請求に係る商品「寝具類」について使用されている事実は認められない。

そうとすれば、請求人の引用する「サンクス」は、請求に係る商品「寝具類」を表示するものとして需要者の間に広く認識されている商標ということはできない。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第10号に違反して登録されたものではないから、商標法第46条第1項の規定により、その登録を無効とすべきではない。

よって、結論のとおり審決する。

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