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Trademark Appeal Case

称呼・観念の類似と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2003−35021(T2003−35021/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4438717号の指定商品中第30類「穀物の加工品」についての登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4438717商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、平成11年8月10日に登録出願、第30類「食用粉類,穀物の加工品」を指定商品として、同12年12月8日に設定登録されたものである。

2 請求人の引用商標

請求人が本件商標の登録無効の理由に引用する登録第418819号商標(以下「引用A商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和26年10月2日に登録出願、第47類「麺類」を指定商品として、同27年11月26日に設定登録、その後、昭和48年5月15日、同58年3月25日、平成5年1月28日及び同14年6月4日の4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。

請求人が平成15年5月30日付け提出の弁駁書において本件商標の登録無効の理由に引用するとして追加した登録第423453号商標(以下「引用B商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、昭和26年10月2日に登録出願、第47類「麺類」を指定商品として、同28年4月3日に設定登録、その後、昭和48年10月30日、同58年3月25日、平成5年6月29日及び同14年10月15日の4回にわたり商標権存続期間の更新登録がされたものである。

3 請求人の主張

請求人は、結論と同旨の審決を求めると申し立て、その理由及び弁駁において要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第14号証(枝番号を含む。)を提出している。

(1)本件商標の称呼及び観念

本件商標は、その構成中に「白龍」の文字が大きく表示されているので、この部分より「ハクリュウ」の称呼が生ずる。また、該文字及び龍の図形より「白い龍」の観念が生ずる。

(2)引用商標の称呼及び観念

引用商標は、その構成中に「白龍」の文字が大きく表示されているので、この部分より「ハクリュウ」の称呼が生じ、「白い龍」の観念が生ずる。

(3)本件商標と引用商標の対比

本件商標と引用商標は、同一の称呼及び観念が生ずる類似の商標であり、本件商標の指定商品中「穀物の加工品」は、引用商標の指定商品「麺類」と同一又は類似の商品である。

したがって、本件商標の指定商品中「穀物の加工品」は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(4)弁駁の理由

ア 本件商標と引用A商標の類似について

(a)称呼類似について

本件商標の「白龍」の文字は、看者の注意を最も喚起する程度に大きく表示されているものであるから、本件商標の構成中からは「白龍」のみが分離抽出されると判断して然るべきである。

また、本件商標構成中の図形、文字、暖簾記号は、「ヤマタの」と「白龍」を一体不可分の商標であると認識される要因とはなり得ず、そのように判断しなければならない相当の因果関係も見いだすことはできない。

被請求人は、商標「ヤマ夕の白龍」を約53年間使用しており「ヤマタ」は被請求人の屋号を表示するものとして認識されている旨主張するが、被請求人の主張を客観的に明らかにする書証は提出されておらず、被請求人のインターネットホームページ(甲第14号証)にも商標「ヤマタの白龍」が使用された商品は掲載されていない。さらに、「ヤマ夕」が被請求人の屋号として表示されている例も確認できない。

すなわち、現実の取引において商標を一瞥することがほとんどである需要者等は、本件商標の構成中最も大きく表示された「白龍」の文字に先ず注目するのであって、たとえ商標の構成中に「ヤマ夕の」の文字が同一書体で表示されていたとしても、「白龍」と「ヤマ夕の」を常に一連一体に把握することはない。

以上のとおり、被請求人の主観的意図とは別に、本件商標からは「白龍」が分離抽出され、これより「ハクリュウ」の自然な称呼が生ずる。

したがって、本件商標と引用商標は、共に「ハクリュウ」の称呼が生ずる称呼類似の商標である。

(b)観念類似について

本件商標の構成中から「白龍」が分離抽出されることは前述のとおりであり、該文字から「白い龍」の観念が生ずることは明らかである。また、本件商標の構成中には、黒地に白線で描かれた龍の図形も表示されているところ、該図形は「白龍」の文字と相挨って、需要者等に「白い龍」を表示したものであると容易に想起させるものである。

すなわち、本件商標からは「白龍」及び龍の図形より「白い龍」の観念が生ずる。

したがって、本件商標と引用商標は、共に「白い龍」の観念が生ずる観念類似の商標である。

イ 本件商標と引用B商標との類似について

(a)引用B商標について

請求人は、引用B商標を所有している(甲第3号証の1及び2)。

引用B商標は、暖簾記号の「山」と片仮名「タ」を一連一体に表示したものであり、暖簾記号の「山」からは「ヤマ」の称呼が生ずるものであるから、引用B商標からは「ヤマタ」の称呼が生ずる(甲第4号証)。

(b)称呼類似について

本件商標から「ヤマタ」の称呼が生ずることは被請求人の主張するところでもある。対して、上述のとおり引用B商標は、「ヤマタ」の称呼が生ずるものであるから、本件商標と引用B商標が称呼が類似することは明らかである。

ウ 現実の誤認混同のおそれについて

(a)請求人について

請求人は、享保2年(1717年)に山本惣兵衛が創業した我が国でも有数の老舗素麺製造業者である。

明治の頃から引用B商標と同一の態様の暖簾商標を使用し始めた。

昭和3年には請求人の業務に係る商品「そうめん」が宮内省御用達の栄誉を賜った(甲第8号証)。

昭和5年に名称を「山本製麺所」とし、昭和7年頃から百貨店への本格進出を始め、新聞等への広告の出稿も始めた(甲第9号証)。すでに、この頃からそうめんの銘柄として「白龍」を使用しており、引用商標も使用していた。

昭和20年に名称を「山本大三郎商店(山本商店)」と改称し、昭和37年には年商は1億5,000万円を超える規模となった。

昭和49年に法人組織として「株式会社三輪そうめん山本」を設立し現在に至る。

(b)引用A商標について

請求人は、現在まで少なくとも70年以上、引用A商標を付した商品を、自己の看板商品として継続して販売している。

そして、昭和50年頃より、該商品を映した内容のテレビコマーシャルを毎年放映してきた(甲第5号証及び甲第6号証)結果、該商品は、過去10年間だけでも販売金額は33億8,315万円の販売金額を誇るまさしく請求人の看板商品となり(甲第7号証)、引用A商標は、請求人の業務に係る商品を表示するものとして広く知られるに至った。

(c)引用B商標について

請求人は、明治の頃より、引用B商標を自己を表示する商標として使用している(甲第8号証ないし甲第13号証)

請求人は、引用B商標を新聞広告、商品パンフレット又は商品の表装に暖簾商標を使用しており、その使用の期間は、少なくとも、昭和8年(甲第9号証)から現在に至るまでの70年である。

その結果、引用B商標は、請求人の業務に係る商品を表示する自他商品識別標識として業界で広く知られるに至った。

そして、引用B商標の称呼である「ヤマタ」は、請求人の別称と認識されるに至り、「ヤマタの白髪素麺」、「ヤマタの白龍」といえば、請求人の商品である「白髪」、「白龍」が認識される程に業界内で広く知られている。

(d)現実の誤認混同のおそれについて

上述のとおり、引用A商標及び引用B商標は、請求人の業務に係る商品「そうめん」を表示するものとして広く知られている。

そして、現実の業界においては、請求人の業務に係る引用A商標を付した商品を指し示す際に、「ヤマタ(三輪そうめん山本)のハクリュウ」の称呼が用いられる場合が多々ある。

そうすると、仮に本件商標から被請求人が主張するように「ヤマタノハクリュウ」の称呼が生ずる場合があるとすれば、現実に「ヤマタノハクリュウ」の称呼で取引されている請求人の業務に係る商品「白龍」との間で誤認混同が生ずるおそれがあることを否定し得ない。

(e)被請求人の挙げる審査例

被請求人は本件商標の来歴を述べ、本件商標と引用A商標が非類似であることの証左として、本件商標と同様の態様をなす商標の拒絶査定において引用商標が引用されなかったことを挙げているが、既に主張したとおり、本件商標と引用A商標及び引用B商標が類似することは明らかであり、本件審判における類否判断に影響するものではない。

(f)むすび

以上詳述したとおり、本件商標は、引用商標及び暖簾商標と類似であり、また現実に商品の出所について混同を生ずるおそれのある商標である。

したがって、本件商標の指定商品中「穀物の加工品」は、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定によりその登録を無効とすべきである。

4 被請求人の答弁

被請求人は、「本件審判請求は成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証及び乙第11号証を提出している。

(1)被請求人

被請求人は、昭和25年(1950年)の会社創立(乙第4号証)以来、今日まで約53年間、「ヤマタの白龍」の商標を商品「そうめん、うどん」に使用してきたものであり、「ヤマタ」は被請求人の屋号を表すものとして認識されている。

(2)本件商標と引用A商標との類否について

本件商標と引用A商標との類否について、まず外観より観察するとき、その相違は顕著に大きく異なるもので非類似であることは、その相違点を縷述するまでもなく明らかである。

また、「ヤマ夕・夕ブチ・ヤマ夕の白い龍」の観念の生ずる本件商標と、「蘭山・白龍」の観念の生ずる引用A商標とは、両商標の構成中に「白龍」の文字を共通するものとはいえ、「白」が指定商品の麺類の色彩を表すものと認識されるものであり、「龍」は商品「素麺、麺類」から細長いものを表す擬作語の「〜糸、〜瀧、〜髪」等と同義の「龍」であるものと考察されるものである。該擬作語は商品の形状から表現された語句であり、商品の品質、品格、品位からの擬作語として、例えば商品清酒における「正宗、黒松、吟醸」等のごとく、これらに類することから、本件商標は、屋号を表す「ヤマタ」と暖簾図形「ミツヤマ(フジヤマ)」並びに商号田淵製粉製麺株式会社、あるいは代表者田淵豊を表す「Tabuchi」及び「ヤマタ(屋号)の白(の)龍」が必然性のある結合がなされたものであり、一体不可分の商標であると認められるものである。

そして、引用A商標より生ずる観念「白龍」は、大和(奈良)の三輪山を神体とする酒・薬の神と信仰の厚い大神神社(オオミワジンジャ)の神婚説話の蛇からきた想像上の動物「白龍」であると考察されるが、叙述「白」「龍」の性向を加味して考合するも、引用A商標より生ずる観念は「蘭山・白い龍」であり、「白い龍」のみの生ずるものではないとするのが至当である。

次に、称呼においても、本件商標より自然に滲出される称呼として「ヤマタ・タブチ・ヤマタのハクリュウ」あるいは「ヤマタのハクリュウ」の称呼が自然であるのに対して、引用A商標より生ずる称呼は「ランザン・ハクリュウ」であり、両商標において「ハクリュウ」のみの称呼は生じ得ない、称呼上非類似の商標であることは明らかである。

してみれば、本件商標と引用A商標とは外観、観念、称呼のいずれよりしても彼此相紛れるおそれのない非類似の商標であることは明白である。

(3)本件商標と引用B商標との類否について

引用B商標と本件商標との類否について、まず外観より視覚をもって観察し対比するとき、その相違は一目瞭然でその差異は著しく異なるものであり、両商標が外観上類似するものでないことは、その相違点を縷述するまでもなく明らかである。

次に、観念につき対比すると、本件商標より生ずる観念は、前述のとおりである。一方、引用B商標より生ずる観念は、「フタヤマあるいはカギヤマ・タ」であり、観念においても両商標は類似するものではない。

さらに、本件商標より生ずる称呼は、前述のとおりであり「ヤマタ」称呼のみが独立して商品識別等の機能を発揮するものでないことは正面に構成の「ヤマタノハクリュウ」称呼部分からしても明らかであるのに対し、引用B商標より生ずる称呼は、「ヤマタ」あるいは「カギヤマタ」「フタヤマ」の称呼が生ずるものである。したがって、本件商標より生ずる称呼と引用B商標より生ずる称呼とは、相紛れるおそれのない非類似の商標である。

してみれば、本件商標と引用B商標とは、外観、観念、称呼のいずれよりしても彼此相紛れるおそれのない非類似の商標である。

また、引用B商標並びに本件商標の構成中のいわゆる暖簾商標と称される符号につき記述すると、屋号は先祖の氏名、出身地、本家・分家等を表し、これらを表す図形・文字を表現したものとして、マル・ヒシ・カク・キッコー・イゲタ・フンドウ・ウロコ等々細分され、例えば「ヤマ」においても、イリヤマ・カギヤマ・フタヤマ・ヒキヤマ・ミツヤマ(フジヤマ)・ヒゲヤマの如く細分され認識・識別されていたものである。かかる暖簾商標の同一若しくは同一に近い称呼の先行登録例(乙6号証の1ないし10)をみると、同一称呼においても、表された図形より生ずる称呼の相違によって、それぞれが非類似であるとして登録されている事実が顕彰される。

さらに、本件商標は、「ヤマタの白龍」の文字を横書きしてなる登録第851702号(平成12年4月6日消滅)を原商標として、平成9年商標登録願第185465号(平成11年6月14日拒絶査定)を経て、登録されたものである。これらの審査時に拒絶理由に引用された商標は原商標のみであるからすれば、本件商標と引用A商標及び引用B商標とは、非類似であるとされたと考えるのが至当である。

また、請求人はその請求に断固なる理由があるとするならば、商標法第43条の2に基づく登録異議の申立てがあってしかるべきことであり、これらのないままに打ち置き後の今日での本件審判請求は、その請求理由においても懐疑を禁じ得ない。

(4)被請求人について

被請求人、田淵製粉製麺株式会社に係る田淵家は、先祖代々播州新宮町の郷に在し、水車での製粉を家業としてきたものであり、以後明治中期には、水車は電動となり、製粉、乾麺(素麺、饂飩、冷麦)を製造してきた。

被請求人の手延麺(素麺・饂飩・冷麦)製品は、すべて兵庫県手延素麺協同組合に納め、組合より「揖保乃糸」で販売する形態をとり、機械製の素麺・饂飩・冷麦製品及び手延製の饂飩は、自社商標(本件商標)で販売しているものである。

兵庫県手延素麺協同組合が一括して、組合員の作った素麺を商標「揖保乃糸」で宣伝販売しており、個々の製造者の名称は出さず記号のみに限り、組合が品質等に一切の責任を負う方式で販売している。

被請求人は、かかる経緯と営業戦略上、機械麺とは異なる「揖保乃糸」を前面に出して販売する方針をとっており、よって、「揖保乃糸」以外(オリジナルな商品を除く)の機械・手延麺をインターネットホームページにおいて掲載していない。

(5)むすび

本件商標は、叙述のとおり「ヤマタ・Tabuchi・ヤマタの白龍・龍図」の結合は完全であることから、引用A商標及び引用B商標を超越し、これに類似しない新しい商標として登録されたものであって、これらより、本件商標は、商標法第4条第1項第11号に該当するものではなく、また、現実に商品の出所について混同を生ずるおそれは皆無であることから、本件商標の請求人主張は、いずれも理由がない。

5 当審の判断

(1)本件商標は、別掲のとおり、黒塗りの縦長の長方形内に、白抜きで大きく「龍」の図形を表し、その図形と重なるように、中央部に大きなき文字の「白龍」を、その右肩部に小さな文字の「ヤマタの」を、それぞれ白抜きで縁取られた黒色をもって縦書きで表し(以下、図形及び文字を含む長方形の全体を「長方形部」という。)、長方形部の上部には、「ヤマタ」の文字、「山」を表す記号及び「Tabuchi」の文字(以下、長方形の上部部分を一括して「山記号部」という。)を配してなるものである。

以上の構成よりすると、視覚上、長方形部と山記号部とは分離して認識される構成よりなるものであって、他にこれらを常に一体のものとしてのみ認識しなければならない格別の理由は見いだし得ないものであるから、長方形部のみでも独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。

そして、長方形部の中央に配された「白龍」の文字は、「ヤマタの」の文字に比べて格段に大きく表されており、独立して看者に注意を喚起させるに十分な構成よりなるものである。

また、白抜きで大きく表された「龍」の図形は、黒色の背景との対比において「白い龍」(白龍)であると容易に理解されることからすると、本件商標に接した取引者、需要者は、「白龍」の文字と「白い龍」(白龍)の図形とが密接な関連性をもって表されているものと理解し、「白龍」の文字及び「白い龍」(白龍)の図形に着目し、これより生ずる称呼、観念をもって取引に資する場合も少なくないものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、山記号部の「ヤマタ」、「Tabuchi」の各文字からは、それぞれに相応した「ヤマタ」又は「タブチ」の称呼を、また、長方形部の「ヤマタの」と「白龍」の両文字からは、これらを一連に捉えた「ヤマタノハクリュウ」の称呼を生ずるほか、「白龍」の文字、「白い龍」(白龍)の図形から「ハクリュウ」の称呼、「白い龍」(白龍)の観念を生ずるものといわなければならない。

これに対し、引用A商標は、別掲のとおり、墨絵風に描かれた山の図形の下部に「白龍」の文字を縦書きで表し、山の図形に接する不定形な輪郭内に「蘭山」の文字を縦書きで表してなるものであって、その構成よりすると、「白龍」の文字部分は、視覚上、他の構成部分と分離して認識される構成よりなるものであって、他にこれらを常に一体のものとしてのみ認識しなければならない格別の理由も見いだし得ないものであるから、「白龍」の文字部分のみでも独立して自他商品の識別標識としての機能を果たし得るというべきである。

そうすると、引用商標は、「白龍」の文字に相応して「ハクリュウ」の称呼、「白い龍」の観念を生ずるものと判断するのが相当である。

してみれば、本件商標は、引用A商標と「ハクリュウ」の称呼、「白い龍」の観念を同一にする類似する商標と認められる。

被請求人は、今日迄約53年間「ヤマタの白龍」商標で商品「そうめん、うどん」に使用してきたものであり、「ヤマタ」は田淵製粉製麺株式会社の屋号を表すものとして認識されている、また、本件商標の長方形部の文字部分は「ヤマタ(屋号)の白(の)龍」が必然性のある結合がされていて、「ヤマタのハクリュウ」の称呼が自然であり、「ハクリュウ」の称呼は生じない旨主張する。

しかしながら、被請求人の提出に係る証拠には、被請求人が「ヤマタの白龍」商標を「そうめん、うどん」に約53年間使用してきたことをうかがわせる証拠はなく、また、取引者、需要者の間に「ヤマタ」が被請求人の屋号を表すものとして認識されていることを示す証拠もない。

さらに、本件商標の構成にあっては、「ヤマタノハクリュウ」とのみ称呼されて本件商標が取引者、需要者の間に広く認識されているなどの格別の理由の存しない限り、本件商標から「ハクリュウ」の称呼をも生ずるものといわざるを得ないこと前述のとおりであるところ、被請求人の提出に係る証拠には、これを認めるに足りる証拠はないから、被請求人の上記主張は、採用しない。

また、被請求人は、過去の登録例を援用して、本件商標と引用各商標とは非類似である旨主張するが、援用された商標と本件商標とは、商標の態様を異にするものであるから、被請求人の主張は、採用しない。

(2)請求人は、平成15年5月30日付け審判事件弁駁書において、本件商標の登録無効の理由に引用B商標を追加している。

しかしながら、商標法第56条第1項において準用する、平成10年法律第51号により改正された特許法第131条第2項の規定によれば、無効審判については、「請求の理由」についての補正はその要旨を変更するものであってはならないとされている。そして、請求人が引用B商標を追加する上記補正は、「請求の理由」に新たな理由を追加するものであり、要旨を変更するものである。したがって、本件商標の登録無効の理由に引用B商標を追加することは、上記規定により認められないから、引用B商標は、本件商標の登録無効の理由に採用しない。

(3)以上のとおり、本件商標は、商標法第4条第1項第11号の規定に違反して登録されたものであるから、同法第46条第1項の規定により、その指定商品中「穀物の加工品」について、登録を無効とすべきものである。

よって、結論のとおり審決する。

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