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Trademark Appeal Case

HYBRIDの記述性と識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−20435(T2000−20435/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「HYBRID SILVER」の欧文字と「ハイブリッドシルバー」の片仮名文字とを上下二段に併記してなり、第14類「貴金属,貴金属製食器類,貴金属製のくるみ割り器・こしょう入れ・砂糖入れ・塩振出し容器・卵立て・ナプキンホルダー・ナプキンリング・盆及びようじ入れ,貴金属製の花瓶・水盤・針箱・宝石箱・ろうそく消し及びろうそく立て,貴金属製のがま口・靴飾り・コンパクト及び財布,貴金属製喫煙用具,身飾品,宝玉及びその原石並びに宝玉の模造品,時計,記念カップ,記念たて,キーホルダー」を指定商品として、平成11年11月10日に登録出願されたものである。

2 拒絶査定の理由(要旨)

本願商標は、その構成中の「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字は「混成物、合成物」の意味を有し、「SILVER」と「シルバー」の文字は「銀、銀製の」の意味を有することよりすると、全体として「銀の混成物を使用した製品」の意味を想起させるから、指定商品に使用しても、単に商品の品質・原材料を表示するのに止まると認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。

3 請求人の主張(要旨)

審査官は、本願商標が「銀の混成物を使用した製品」の意味を想起させるものだから、自他商品識別性がないと認定し、その根拠として「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字は「混成物、合成物」の意味を有することを挙げている。しかしながら、例えば「ハイブリッドカー」といっても、消費者が「混成自動車」(ガソリンエンジンと電動モータとの併用)の意であることを明白に認識しているかといえば、「何か新しい原理の自動車」程度の認識しかないのが実情である。すなわち、現状で「ハイブリッド」が一番、人の口に膾炙される用途にあっても、「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字は「混成物、合成物」の意味であると明白に認識されてはいないのである。したがって、自動車で「ハイブリッド」といえば品質表示であるとはいえても、その他の商品については品質表示には該当せず、多数の登録例があるのであり、これらの登録商標に係る指定商品が、本願と同様「混成物、合成物」であることには疑いがない。したがって、以上の登録例から見れば、「HYBRID」又は「ハイブリッド」には、明らかに自他商品識別性があることが明白であるから、本願商標「HYBRID SILVER」と「ハイブリッドシルバー」にも、自他商品識別性が存在するとして登録されるべきものである。

4 当審の判断

(1)本願商標は、前記のとおり「HYBRID SILVER」と「ハイブリッドシルバー」の各文字とにより表してなるところ、その構成後半の「SILVER」と「シルバー」の文字は、「銀、銀製の」の意味を有する語として、本願指定商品である貴金属ないし貴金属製品との関連では、普遍的に商品の品質・原材料を表示するため採択・使用されているものであり、これに同前半の「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字を冠したものと容易に看取させるものである。そして、「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字は、本来、「雑種」「混成」といった意味の語ではあるが、「ハイブリッドカー」「ハイブリッド型(年金)」「ハイブリッド材料」及び「ハイブリッド集積素子」(「Imidas」2003より)ほか、「ハイブリッドモデル(時計)」「ハイブリッド カーナビ」等と称しているところであって、「ハイブリッド(hybrid)」の文字は、「雑種の」「混合の」「混成の」の意味で、近年、新しい技術・材料等を表す複合語をつくる語として普通に採択・使用されているものとみて差し支えない。

してみれば、かかる2語を結合してなる本願商標からは、全体として「新合成素材からなるシルバー」程度の意味合いを理解させるというべきであるから、本願商標をその指定商品中の「銀合金、銀製の身飾品、その他の銀製品」に使用しても、これに接する取引者、需要者は、銀(シルバー)とある物質を合成(ハイブリッド)させた素材ないし原材料と認識するに止まり、自他商品識別標識としての機能を果たし得ないものとしなければならない。

(2)請求人は、多数の登録例から見れば、「HYBRID」又は「ハイブリッド」には、明らかに自他商品識別性があることが明白であるから、本願商標も、自他商品識別性が存在するとして登録されるべきものである旨述べている。たしかに、請求人の挙げる登録例ほか、本願指定商品に包含される商品と同一又は類似の商品についても、例えば、商標の構成を「HYBRID」と「ハイブリッド」の文字を併記した登録第2316100号商標(指定商品「貴金属製コンパクト」外)、同じく登録第4359354号商標(指定商品「靴保護金具」外)、及び商標の構成を「ハイブリッド」の文字からなる登録第2718641号商標指定商品「時計」外)等の既登録が存在することを認め得るものである。しかしながら、貴金属ないし貴金属製品の品質ないし原材料を表示するものとして広く採択・使用される「SILVER」又は「シルバー」の文字に「HYBRID」又は「ハイブリッド」の文字を冠して複合語を形成する本願商標とは自ずと生ずる意味合いが異なり、これと過去の登録例とを同一視しなければならないとする理由も見出せず、これをもって直ちに本件の判断基準とするのは必ずしも適切でないから、請求人の述べる主張は採用できない。

ところで、不純物のない純銀は、爪でも傷を付けられるほど柔らかく、アクセサリーなどにはあまり使用されず、一般的に強度を増すために銅などの金属を混ぜ使用さているところ、黄ばみやアレルギーの原因となる銅、亜鉛、すずなどの不純物は使用せず、プラチナとパラジウムを加えるたものを「新素材ハイブリットSILVER950」(http://www.club-crue.com/cgi-bin/whatsnew.cgi)と製品紹介していること、また、「今世界で話題のゲルマニウムと、美しい輝きが魅力のシルバーを組み合わせた新素材合金・・・ハイブリット・ジュエリー・・・」(http://www.home.cs.puon.net/d-teduka/silma/silma1.htm)、及び「『PHV970』プラチナとシルバーからなる新しい合金です。・・・この新素材『PHV970』を使い、・・・ハイブリッドなジュエリー・・・」(http://www.naturalmoment.jp/html/massimo01.html)等のシルバーと他の金属との合金ないしこれを用いた貴金属装身具類に「ハイブリッド」の文字を冠して「新素材からなるシルバー」の意味合いで採択・使用されていることがインターネット上のサイト情報においても窺えるものである。

(3)以上のとおり、本願商標は、その指定商品中の銀合金、銀製の身飾品及びその他の銀製品について商標法第3条第1項第3号に該当するものというべきであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消す理由はない。

よって、結論のとおり審決する。

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