Trademark Appeal Case
称呼の類似と長音の有無
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−18035(T2000−18035/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「IRIS」の文字を標準文字により表してなり、第7類「印刷用又は製本用の機械器具」を指定商品として、平成10年12月3日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用商標
原査定の拒絶の理由に引用した登録第831849号商標(以下「引用商標」という。)は、「Illies」の文字を書してなり、第9類「産業機械器具、動力機械器具、風水力機械器具、事務用機械器具、その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品及び附属品、機械要素」を指定商品として、昭和42年11月20日に登録出願、同44年9月22日に設定登録され、その後3回にわたり存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続しているものである。
3 当審の判断
本願商標は「IRIS」の文字を横書きしてなり、これより「アイリス」の称呼および「アイリスの花」の観念が生ずるほかに、「ギリシャ神話の虹の女神イリス」を表わす語として(広辞苑第5版)、知られているものであるから、「イリス」の称呼及び「(ギリシャ神話の)虹の女神イリス」の観念をも生ずるものである。
他方、引用商標は、「Illies」の文字を書してなり、これより「イリース」の称呼が生ずるものと認められる。
そこで、本願商標より生ずる「イリス」の称呼と引用商標より生ずる「イリース」の称呼を比較すると、両者は「イ」「リ」「ス」の音を共通にし、「リ」の音における長音の有無の差異を有するにすぎないものであるから、それぞれを全体として称呼した場合には、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがあるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、観念において比較すべくもなく、外観において相違するとしても、称呼において類似する商標と判断するのが相当である。
また、引用商標の指定商品は、本願商標の指定商品と同一又は類似のものであるから、本願商標を商標法第4条第1項第11号に該当するとして、拒絶した原査定は、妥当であって取り消すべき限りでない。
ところで、請求人は、「本願指定商品である『印刷用又は製本用の機械器具』は、一般消費者が購入する商品でなく、需要者は高度な注意力と知識を有しているから、本願商標を『イリス』と誤って発音することはない。」旨主張する。
しかしながら、たとえ需要者が高度な注意力と知識を有していたとしても、本願商標は、ギリシャ神話の虹の神である「イリス」を表わし、「イリス」の称呼が生ずること上述のとおりであるから請求人の主張は採用できない。さらに、請求人は、判決例を挙げて本願商標は登録されるべきであると主張するが、この判決例は、本願商標とは商標の構成が相違し、事案を異にするものであるから、本件の判断に影響を及ぼすものではなく、この点においても請求人の主張は採用できない。
よって、結論のとおり審決する。
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