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Trademark Appeal Case

地名と商品名の結合の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2001−4669(T2001−4669/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「BOHEMIA PIANO」の欧文字を標準文字で表してなり、第15類「ピアノ」を指定商品として、平成11年9月27日に登録出願されたものである。

2 原査定における拒絶の理由の要点

原査定は、「本願商標は、チェコスロヴァキア共和国の中心部を表す『BOHEMIA』の文字と、『PIANO』の文字とを一連にして『BOHEMIA PIANO』と書してなるから、これを本願指定商品について使用しても、これに接する取引者、需要者はその商品が『ボヘミア製のピアノ』を理解するにとどまり、単に商品の産地、品質等を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記のとおり「BOHEMIA PIANO」の文字を横書きしてなるところ、該構成中の「BOHEMIA」の文字は、「ボヘミア(チェコ西部の地方、・・・首都はPrague)」(『研究社新英和大辞典』2002年3月発行)を意味し、さらに、「ボヘミア」について各種の辞典等を徴すると、「チェコの中心部。第一次大戦後チェコスロヴァキア共和国の一部となる。地味は肥沃でジャガイモ・テンサイ・ホップなどの産多く、また、ガラス・機械類の工業も盛ん。中心都市プラハ。」(『広辞苑第五版』)、「チェコ共和国の盆地。中心都市プラハ。地下資源に富み、チェコの重要な工業地帯。」(『コンサイスカタカナ語辞典第2版』2002年11月1日株式会社三省堂発行)、「チェコスロバキア西部に位置し、4方を山に囲まれた地方。首都プラハをはじめ工業都市が発達している。」(『日本語になった外国語辞典第2版』1988年4月10日株式会社集英社発行)、「チェコ西部の地域。・・・モラバ地方を除いたチェスコモラバ高地以西の地を指し、同国の中心をなす。農業、ボヘミアーカットグラスのほか各種の工業が発達。」(『コンサイス外国地名事典第3版』1998年4月20日株式会社三省堂発行)等の記載が認められる。また、「PIANO」の文字は、「ピアノ」を意味する語として一般に親しまれているところである。

そうすると、「BOHEMIA PIANO」の文字よりなる本願商標は、「ボヘミア製のピアノ」の意味合いを容易に理解、認識させるとみるのが相当である。

このことは、例えば「ボヘミア製のピアノ」について、インターネットの商品情報紹介サイトをみると、以下のような記事が掲載されていることからも十分に裏付けられるところである。

「PETROF PIANO ボヘミアの伝統を今に チェコスロバキアには数世紀に渡る楽器作りの伝統がある。その中核を形成するピアノは、19世紀初めにボヘミアで生産が始まった。この地方最大のピアノメーカーとなったアントニン・ペトロフのピアノ第1号が誕生したのが1864年である。しかしピアノ作りの基礎を築いたのはアントニンの父、ヤン・ペトロフであった。鍛冶屋であった彼は貧弱な工具と乏しい材料で初めての鍵盤楽器を製作している。ハーモニアで成功を収めたペトロフは、1880年ピアノの生産を開始した。・・・ペトロフの品質は世界各国の博覧会で、数々の栄誉に輝く実績が証明している。 ●世界50カ国以上に輸出 ペトロフピアノは生産量の4分の1が国内で消費され、4分の3は外国へ輸出されている。主な輸出先はロシア及びヨーロッパ諸国であるが、遠くオーストラリア、ニュージーランド、シンガポール、香港、タイ、日本、カナリー諸島、カナダ、ベネズェラなど世界50カ国以上にのぼる」(http://www.rakuten.co.jp/voitech/415552/)

してみると、本願商標をその指定商品中「ボヘミア製のピアノ」に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品がチェコ共和国のボヘミアで製造されたピアノであるという、商品の産地及び品質を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ず、また、「ボヘミア製のピアノ」以外の「ピアノ」に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

請求人は、「本願商標は現在では需要者が当該商標が使用された商品が何人かの業務に係るものであると認識されるに至っていると言える。したがって、本願商標は商標法第3条第2項の規定によっても登録されるものとなる。」旨主張し、原審において甲第1号証および同第2号証を、さらに、当審において甲第3号証および同第4号証を提出している。

しかしながら、商標法第3条第2項に該当するとして登録が認められるのは、使用に係る商標が出願に係る商標と同一の場合であって、かつ、使用に係る商品と出願に係る指定商品も同一のものに限られると解されるところ、本願商標とこれら各号証中の商標とは、甲第2号証を除き、いずれもその態様を異にするものであるばかりでなく、この甲第2号証にしても、わずかに10件のインボイスを提出しているにすぎないものであるから、これらの各証拠によっては、本願商標が使用された結果、自他商品の識別標識としての機能を有するに至っているものとは認められない。

したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号および同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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