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Trademark Appeal Case

記述的商標の使用による識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第12598号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「塩豆大福」の漢字を横書きしてなり、第30類に属する願書に記載の商品を指定商品として、平成9年12月19日に登録出願、その後、指定商品については、同11年4月30日付けの手続補正書で補正された後、さらに、同11月17日付けの手続補正書において、「皮に塩豆の入った大福もち菓子」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、皮に塩豆の入った大福餅であることを認識させる『塩豆大福』の文字を表してなるから、これを本願指定商品中前記に照応する商品に使用するときは、単に商品の品質、原材料を普通に用いられる方法で表示するにすぎないものであるから、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときはその商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 請求人の主張

手続補正書により指定商品を「皮に塩豆の入った大福もち菓子」と補正したので、商標法第4条第1項第16号には該当しないものとなった。

本願商標「塩豆大福」を使用した上記大福もち菓子は、本願の出願人である株式会社石村萬盛堂において、平成9年10月頃から製造販売を開始し、平成10年(1998年)3月頃から年間約500万個、1個100円で約5億円の年間売上げを行っている(審判請求書添附意見書の資料1)。

上記販売とともに、新聞記事(資料5)、ANA航空機内雑誌(資料6)、新聞広告(資料7)やテレビによる広告放映ポスター及び店頭広告ポスター(資料8、9)等を頻繁に行い、ラジオ・テレビによるコマーシャル放映も行い(資料10ないし18)、現在では九州は勿論、全国的に知られるようになっている(審判請求書添附意見書の資料5ないし7、資料11)。

したがって、本願商標は、商標法第3条第2項に該当するものになっているから、登録されるべきである。

4 当審の判断

(1)本願商標は、「塩豆大福」の漢字を普通に用いられる書体をもって横書きした構成からなるところ、その指定商品は、前記のとおり、「皮に塩豆の入った大福もち菓子」と補正された結果、商品の品質について誤認を生じさせるおそれはなくなったものと認められるから、商標法第4条第1項第16号に該当するとした拒絶の理由は解消した。

ところで、広辞苑(岩波書店発行)によれば、「塩豆」とは「乾燥したエンドウなどを塩水につけたのち、炒ったもの」と記載されており、「大福」とは「大福餅」の略語と記載されている。また、新・食品事典「菓子」(真珠書院発行)の「大福餅」の項によれば、「餅菓子の一種。あんをついた餅の皮で包んだ大型のあん餅。・・中略・・一般的に大福餅といえば白い餅にあんを包んだものをいう。その他に豆大福(餅の部分に赤エンドウ豆を入れたもの)、ヨモギ大福(ヨモギ餅であんを包んだもの)などがある。」と記載されている。

そうとすれば、本願商標は、その指定商品との関係からみれば、容易に「皮(餅の部分)に塩豆の入った大福餅」であることを理解・認識させるものであり、この点については、請求人も争っていない。

(2)請求人は、資料1ないし18を提出して、本願商標は商標法第3条第2項に該当するものになっている旨主張している。

請求人の提出に係る各資料によれば、請求人は、「福」の文字の態様を本願商標とはやゝ異にするも「塩豆大福」の文字からなる商標を付した大福もち菓子を本件商標の登録出願当時より、相当量販売し、新聞、テレビによる広告や店頭広告ポスター等により広告宣伝を継続して行っていたものと認めることができる。

しかしながら、上記各資料において、広告を掲載している新聞は、主に福岡県内を主要発行地域とする地方紙あるいは地方版と認められるものであり、また、テレビ放映による広告も九州地方のテレビ放映と認められるものであって、限られた地域の視聴者を対象とするものである。

そうとすれば、請求人の提出に係る各資料を総合勘案しても、本願商標がその指定商品に使用された結果、需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識できるものとなっていたものとは認められない。

加えて、インターネットのホームページ情報によれば、以下のように、「塩豆の入った大福もち菓子」について「塩豆大福」と表示して使用されている例を数多く見受けることができる。

(a)http://www.taroan.co.jp/wagashi/shiomamedaifuku.html

お菓子の蔵 太郎庵 福島県河沼郡会津坂下町字福原前

「塩豆大福」太陽と風の力で海水を濃縮し、天然ミネラルが豊富に含まれている塩を低農薬有機栽培の会津黄金米の中と粒餡の中に使用している為、味がとてもまろやかです。海の塩と黄金米と赤えんどう豆のバランスが絶品です。

(b)http://www.futabado.com/siomame.htm

二葉堂 吉田本店 長野市吉田

「塩豆大福」ふっくら煮あげた塩豆をおもちの中にたっぷりとあの「鐘楼最中」の大納言を炊きあげる技術で煮あげたほんのり塩味の利いた塩豆と甘さをおさえたこしあんの相性が抜群です。二葉堂自信の逸品がまたひとつ完成しました。

(c)http://www6.ocn.ne.jp/~shyo/index.html

庄籠製菓舗 熊本県球磨郡

「塩豆大福」自家製粒アンを塩味をつけた赤えんどう入り大福生地で包んだ1番人気の商品です。

(d)http://www.rakuten.co.jp/yoneya/449858/

米屋株式会社 千葉県成田市上町

「塩豆大福」餅米からつきあげた程良い塩味のお餅に赤えんどう豆を練り込み、北海道小豆を包みました。餡・餅・豆の絶妙なバランスをお楽しみください。

(e)http://www.ssctnet.or.jp/kanko/tokusan/tokusan2.html

西根屋 高根沢町文挟

「塩豆大福」大福生地に塩味をきかせた豆を入れ、甘味をおさえました。

(f)http://www.masdac.co.jp/user/mitutomi/user_mitutomi.html

三富株式会社 福岡県八女郡広川町大字新代

代表菓 「酒まんじゅう、どら焼、塩豆大福、朝生物全般」

(g)http://www.tokyu-dept.co.jp/corporate/pr/03_04/09.pdf

株式会社東急百貨店 吉祥寺店第19回江戸老舗店

岡埜栄泉「塩豆大福」

(h)http://www.page.sannet.ne.jp/tm-sano/bucks/link/favorites.htm

すずらん本舗 栃木県立中央公園(栃木県立博物館)の真向かいに「甘納豆、すずらん」の大きな赤い看板・・・記憶にありませんか?甘納豆だけでなく、塩豆大福が絶品です。厳選した素材を使っているのはもちろんですが、それ以上に食感をとても大切にしているこだわりの和菓子屋さんです。

(i)http://www.hamakaji.com/10min/gourmet_05conf.html

横浜最新情報サイト YOKOHAMA10min

和菓子江戸屋 大ぶりの「塩豆大福」やこがし黄粉をつけて食べる「名物の草餅」はヨモギ100%で年間を通しての人気商品。

(3)上記した取引の実情よりすると、「塩豆大福」の文字からなる標章は、請求人のみが使用しているものではなく、多くの菓子製造・販売業者によって使用されているものであるから、これに接する取引者・需要者は、「皮に塩豆の入った大福餅」を表したものと容易に理解・認識するにとどまるものというべきである。

してみれば、本願商標は、これをその指定商品である「皮に塩豆の入った大福もち菓子」について使用しても、単に、その商品の原材料、品質を表示するにすぎないものであり、商標法第3条第2項に該当する要件を具備するに至ったものとも認められない。

(4)まとめ

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するものであるから、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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