Trademark Appeal Case
インテリジェントホームの識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第13064号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「インテリジェントホーム」の文字(標準文字による商標)を書してなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築物の点検・修理又は保守,建築工事の取次ぎ,建設情報の提供,建築工事の施行管理,建築又は土木に関する技術指導,建築工事に関する助言,建築設備の運転,エレベーターの修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,機械式駐車装置の修理又は保守,自動販売機の修理又は保守,浄水装置の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置・換気装置・空気調和装置の修理・保守又は清掃,バーナーの修理又は保守,ボイラー・ポンプその他の動力機械器具・風水力機械器具の修理・保守又は清掃,冷凍機械器具の修理又は保守,貯蔵槽類の点検・修理又は保守,荷役機械器具の修理又は保守,救命用具・消火器・消火栓の修理又は保守,盗難警報装置の取付け・修理又は保守,家庭用電熱用品類及びその他の民生用電気機械器具の修理又は保守,配電用又は制御用機械器具・発電機又は電動機の修理又は保守,室内照明設備その他の照明装置の修理又は保守,電気通信機械器具の修理又は保守,業務用食器洗浄機の修理又は保守,業務用調理機械器具の修理又は保守,ガス湯沸かし器の修理又は保守,床洗浄機の修理又は保守,汚水排水管・排水槽の点検・保守又は修理,飲料水給水配管の点検・保守又は修理,家具の修理,建具の修理又は調整,金庫の修理又は保守,錠前の取付け又は修理,時計の修理又は保守,浴槽類の修理又は保守,畳類の修理,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,家具・建具の掃除,汚水排水管・排水槽・ポンプ式貯水槽その他の貯水槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」を指定役務として、平成9年12月18日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『インテリジェントホーム』の文字を普通に用いられる方法で書してなるところ、高度情報通信システムを備えたビルを『インテリジェントビル』、ホームオートメーションシステム等を備えた住宅を『インテリジェントハウス』と称していることからすれば、『防犯・防災・情報通信システム等を備えた住居』の意味合いを容易に認識させるから、これをその指定役務中『前記システムを備えた住宅の建築工事,同住宅用の設備・機器類の修理・保守』等に使用しても単に役務の質・用途等を表示するにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「インテリジェントホーム」の文字よりなるところ、当該構成中の「インテリジェント」の文字部分は、「インテリジェント[intelligent](1)知的なさま。知能の高いさま。(2)情報処理機能のあるさま。」(株式会社岩波書店発行「広辞苑第五版」209頁)といった意味合いを有する英語「intelligent」に由来する外来語として、また、「ホーム」の文字は、「ホーム[home]家庭。自宅」等(同2447頁)の意を有する英語「home」に由来する外来語として、それぞれよく知られているものであり、これらを結合してなる本願商標からは、「知的な(情報処理機能のある)家(自宅)」といった意味合いを容易に想起し得るものと認められる。
しかして、本願指定役務中の「電気通信工事・電気工事をはじめとする各種工事」あるいは「電気通信機械器具・電子応用機械器具をはじめとする各種機械器具の修理又は保守」のような業界のみならず、これらと密接な関連性を有する商品の業界(例えば、「電気通信機械器具、電子応用機械器具」等)においては、インターネットや携帯電話などを通じて、家庭内の電化製品などを全てコントロールできるようなシステムを備えた家(自宅)を指す言葉として「インテリジェントホーム」の語が普通に用いられているのが実情である。
そのことは、下記の新聞やインターネット関連の記事・情報の記載からも裏付けられる。
(1)1991年11月16日付け 読売新聞 大阪夕刊6頁「わくわく企業のショールーム あふれる刺激 最先端の情報『体験』を」という見出し下の「企業のショールームがおもしろい。インテリア、家電、コンピューター、車・・・二階にはパソコンや衛星放送、未来のハイビジョンテレビなどが並び、三階は最新のOA機器の展示場になっている。・・・二階にある未来の家をイメージしたインテリジェントホームゾーン。」との記載、
(2)(http://www.messe-berlin.jp/mihon/trade/ehome.html)における「e/home 2004 −The Intelligent Homeホームネットワーキング技術専門見本市 場所:メッセ・ベルリン見本市会場会期:2004年9月1日から3日まで」との見出し下の「いかに効率よく家事の手間、エネルギー、費用を抑えるか? 最新の情報通信技術とエレクトロニクスを駆使して、インテリジェント・ホームのための様々なソリューションが、開発され、製品化されて、世界中の市場で販売されている。急成長を遂げている注目の業界分野である。2004年に開催されるe/home 2004−The Intelligent Home(ホームネットワーキング技術専門見本市)では、以下の4点に重点をおいて、業界最前線を紹介する。システム、機器、設備のネットワーク化 コンピュータ制御ネットワーキングにおける音声/イベント/遠隔操作 遠隔モニタリング/メンテナンス/コントロールのための双方向操作 各種サービス/ネットワーク/データ移動をユーザーにやさしいインテリジェント端末機器へ統合。e/homeはインテリジェント・ホームを展示テーマとする世界唯一の専門見本市であり、世界各国から関連業界の専門家達が集まる国際的なプラットフォーム。e/homeは、インテリジェント・ホームのための各種システムや製品を調査、開発、製造、販売する業界関係者、メディア及び一般ユーザーのミーティング・ポイントである。」との記載、
(3)(http://www.zdnet.co.jp/broadband/0202/12/jeita.html)における「ZDNet Broadband:『ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展』の注目は?」との見出し下の「JEITA主催の『ホームネットワーク&情報家電・ベンチャー展』が開幕した。携帯電話から家電をコントロールできるコンパクトなLinuxサーバ『インテリジェント・ホームサーバ』など注目の展示品を紹介。」との記載、
(4)(http://www.argyle.co.jp/presspdf/kigyoujuku0204.txt)における「『起業塾』2002年4月号 総力特集 セキュリティービジネスー目瞭然」との見出し下の「・・・アーガイルでは、LANを使い、頭脳部分となる『基盤』に、電化製品や電話などをケーブルでつなぎ、家全体をネットワーク化。自動制御システムや、センサーをネットワークの中に組み入れることで、家を自動操作、自動制御する。『インテリジェント・ホーム・アーキテクチャー』というこのシステムによって、できることは様々だ。まず、電化製品のスイッチのオン、オフをこれにより自動コントロール。屋内照明、空調を自宅に戻る前からつけることができたり、普段は点いていない玄関やガレージ、廊下などは、人が通るとセンサーが反応し、オン、オフを自動的に切り替えることができる。他、力ーテン、風呂のお湯張り、ポストの中のチェック、庭の水やり、ペットの餌やりなどが自動化。・・・パソコンのモニターでテレビを見たり、居間のオーディオから流れる音楽をパソコンのスピーカーで楽しんだりも可能に。中央集中管理をする基盤には、携帯電話から指令を出すことができ、外出中にも家を管理することができる。」との記載、
(5)(http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/dai14/14siryou9.html)における「IT戦略本部(第14回)資料9−梶原本部員資料−」との見出し下の「・・・インテリジェント・ホーム(家屋内ネット+家屋外ネット)・・」との記載、
(6)(http://www.rsasecurity.com/japan/news/data/200007101.html)における「RSA セキュリティ」との見出し下の「・・・これは、RSA Security,Inc.が2000年7月10日に発表した報道資料の抄訳です。インテリジェント・ホームのSenselがRSA SecurID(R)を採用。インターネットで家庭内の設備機器を制御するためのセキュリティ対策 2000年7月10日・・・RSA Security Inc.(NASDAQ:RSAS)は7月10日、スウェーデンの『インテリジェント・ホーム』のリーディング・プロバイダー、Senselが同社のサービスにRSA SecurID(R)を採用・・・と発表しました。Senselでは、家庭内設備のコントロールをインターネット経由で行うサービスの利用者は約5万人と見込んでおり、これらのユーザーへSecurIDを配布します。今年には、スウェーデンの多くの家庭/オフィスで自宅の監視をはじめ、電力使用量を調べたり盗難予防用の自動警報器、温度調節などをインターネットと電話を使って利用できるようになります。・・」との記載、
(7)(http://www.12c.co.jp/image/info/info.html)における「Information 12C Solutions」との見出し下の「情報家電ベンチャー展 http://www.eclipse-jp.com/jeita/venture/index.html にて弊社開発のインテリジェントホームサーバを出展。」との記載、
(8)(http://www.argyle.co.jp/press.htm)における「プレス」との見出し下の「インテリジェントホーム マルチメディアの通信、映像を生活にいかした高気密、高断熱、高耐震、全館換気の快適な電化住宅」との記載、
(9)(http://www.national.com/JPN/news/item/0,4140,143,00.html)における「<WebPAD>・・・6月18日から20日に開催されたデジタル・リビングルーム・コンファランスで、Home Director社は同社のHome Network Controllerインテリジェント・ホーム・マネジメント・システムを組み込んだWebPADのデモを行いました。」との記載、
(10)(http://www.sc.isc.tohoku.ac.jp/class/ComputerEng2003/04112003.pdf)における「[PDF] 計算機工学 計算機工学」との見出し下の「21世紀の情報化社会インテリジェントホーム」との記載、
(11)(http://ascii24.com/news/i/topi/article/1997/12/22/600992-000.html)における「大成建設、日本IBM、NTTの3社がIHA研究部会を発足」との見出し下の「1997年12月22日・・・大成建設(株)、日本アイ・ビー・エム(株)、日本電信電話(株)の3社は、“インテリジェント・ホーム・アーキテクチャ研究部会(IHA研究部会)”を、12月24日に発足する。」との記載、
(12)(http://www.shiratori.riec.tohoku.ac.jp/dynamicNetwork-j.html)における「未来開拓プロジェクト」との見出し下の「2.研究内容」との小見出し下の「・・・(3)評価用アプリケーション 動的ネットワーキングの評価を行うために・・・インテリジェントホームなどのアプリケーションを本アーキテクチャを用いて構築する。」との記載、
(13)(http://www.sfcom.com/Japanese/china2002/tenji/tenji12.htm)における「2001−1」との見出し下の「展示会名:第4回 華南国際都市建築展 会期:2002年12月下旬 ・・・<展示内容>・・・4.インテリジェントホーム、インテリジェント建築、セキュリティ設備」との記載、
(14)(http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20001121/canon.htm)における「Canon Expo 2000 @Tokyo会場レポート」との見出し下の「その他には、いわゆるホームサーバーを実現する『DTVシステム』と、『iHS(インテリジェント・ホーム・ステーション)』が公開された。」との記載、
(15)(http://www.mot.co.jp/SPS/html/ad/2001/hip7-0411.html)における「hip7−0411」との見出し下の「モトローラではこの技術を活用して、・・・インテリジェント・ホーム、輸送などの市場におけるお客様ニーズに応える数々の新製品を展開する計画です。」との記載、
(16)(http://www.zentek.com/)における「ZENTEK」との見出し下の「・・・独自のプラットフォーム、Amosによってコントロールされています。ソーマ・システムは、各家庭に設置されるインテリジェント・ホーム」との記載、
(17)(http://www.national.com/JPN/news/item/0,4140,168,00.html)における「<WebPAD>初の市販用National Geode WebPADデバイス CeBIT・・・」との見出し下の「このようなアプリケーションとしては、・・・さらには『インテリジェント・ホーム』のコントロール・パッドなどがあります。」との記載、
(18)(http://www.watch.impress.co.jp/internet/www/digest/backno/9712/22.htm)における「ダイジェストニュース」との見出し下の「NTTら3社で『インテリジェント・ホーム・アーキテクチャ研究部会』を発足・・・」との記載、
(19)(http://www.jetro.go.jp/ove/yok/localtolocal/localtolocal/biomedical.PDF)における「日英バイオメディカル・セミナー」との見出し下の「インテリジェントホームで電子的健康管理サービスがより充実したものになろう。」との記載、
(20)(http://www.tabifan.com/departure/news/n0007.html)における「Departure:今月のトラベルニュース」との見出し下の「未来の家でコンピュータがどう使われていくのかを体験できる『インテリジェント・ホーム』・・・」との記載、
(21)(http://plaza2.mbn.or.jp/~koubou_syusui/vr0-2.html)における「ミノタウロスの花の夢 序章―2」との見出し下の「なぜなら二年前にパソコンと・・・機器をリニューアルしたときに、IHS(インテリジェント・ホーム・システム)を導入していたからだ。」との記載、
(22)(http://www.japan-retail.or.jp/retail/vol55/kore.htm)における「日本小売業協会:Retail Shop」との見出し下の「2004年ぐらいには、インテリジェント・ホーム構想ということで、家庭に今の100倍のスピードで・・・」との記載等々、
以上の事実を総合勘案すると、本願商標「インテリジェントホーム」をその指定役務中、上記に照応する役務に使用した場合には、これに接する取引者、需要者は、単に「知的な(情報処理機能のある)家(自宅)」に関わりのある役務あるいは当該役務の提供の用に供される物を表示したにすぎないもの、すなわち、役務の質(内容)等を表示したものと把握するに止まり、自他役務識別標識としての機能を果たすものとは認識しないというのが相当である。また、上記に照応する役務(又は商品)以外の役務(又は商品)に使用するときには、役務(又は商品)の質(又は品質)について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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