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Trademark Appeal Case

カードゲームとテレビゲームの類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2003−5406(T2003−5406/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、別掲(1)のとおり「ビッグウイング」及び「BIG WING」の文字を二段に横書きしてなり、第9類「電子応用機械器具及びその部品,遊園地用機械器具,業務用テレビゲーム機,家庭用テレビゲームおもちゃ」を指定商品として、平成13年10月31日に登録出願されたものである。

2 引用商標

原査定において、本願の拒絶の理由に引用した登録第4529437号商標(以下「引用商標」という。)は、別掲(2)のとおり「ビッグウイング」及び「BIG WING」の文字を二段に横書きしてなり、平成12年12月5日に登録出願、第16類「紙類,紙製包装用容器,家庭用食品包装フィルム,紙製ごみ収集用袋,プラスチック製ごみ収集用袋,衛生手ふき,型紙,紙製テーブルクロス,紙製テーブルナプキン,紙製タオル,紙製手ふき,紙製のぼり,紙製旗,紙製ハンカチ,紙製ブラインド,裁縫用チャコ,荷札,雑誌,新聞,書画,写真,写真立て,遊戯用カード,文房具類,事務用又は家庭用ののり及び接着剤,青写真複写機,あて名印刷機,印字用インクリボン,こんにゃく版複写機,自動印紙はり付け機,事務用電動式ホッチキス,事務用封かん機,消印機,製図用具,タイプライター,チェックライター,謄写版,凸版複写機,文書細断機,郵便料金計器,輪転謄写機,観賞魚用水槽及びその附属品」及び第32類「ビール,清涼飲料,果実飲料,飲料用野菜ジュース,乳清飲料」を指定商品として平成13年12月14日に設定登録されたものである。

3 当審の判断

(1)本願商標は前記1のとおり、また、引用商標は前記2のとおりであるところ、両商標は、ともに、下段には「BIG WING」の欧文字を、その上段には欧文字部分の表音と認め得る「ビッグウイング」の片仮名文字を書してなる点で、外観上、共通の構成よりなるものであり、さらに、その称呼及び観念においても、「BIG」及び「ビッグ」の文字が「大きい」を意味する語として、また、「WING」及び「ウイング」の文字が「翼」を意味する語として親しまれたものであることから、両商標とも、全体として「ビッグウイング」(大きい翼)の共通の称呼、観念が生ずるものである。

そして、請求人自身も、本願商標と引用商標の商標については、審判請求の理由において「因みに商標は両者『BIG WING』で同一であります。」と述べ、両商標が同一であることを認めている。

してみれば、本願商標と引用商標は、その外観、称呼及び観念のいずれもが共通するものであり、同一といっても差し支えない程に近似した類似の商標といえるものである。

(2)本願商標と引用商標の指定商品をみるに、引用商標の指定商品中の「遊戯用カード」は、具体的には「かるた」、「歌がるた」、「トランプ」、「花札」、さらには、近年、子供たちの間で流行しているカードゲームのカードなどを含むものであるところ、これらの商品と本願指定商品中の「家庭用テレビゲームおもちゃ」は、ともに子供などが遊び、楽しむための道具である「おもちゃ」の一つといえるものであり、その主たる需要者層や販売店舗も共通にするものである。

さらに、近年においては、例えば、2002年1月11日付け「読売新聞(大阪朝刊)」の10頁に「任天堂新戦力は『どうぶつの森』ポストポケモン、ほのぼのゲーム カード発売」の見出しの下に「任天堂は10日、・・・新しい分野のゲームとしてテコ入れする方針を明らかにした。このソフトには266種類の動物のキャラクターがあり、紙に画像や音声のデータをバーコードの形で印刷したキャラクターカードを1月末にも発売し、家庭用ゲーム機とも連動させる。・・・このため、昨年末に新型機『ニンテンドーゲームキューブ』向けに『どうぶつの森+(プラス)』を投入し、携帯ゲーム機『ゲームボーイアドバンス』と連動させて遊べる最初のソフトにもした。今夏にはアメリカでも発売する方針だ。キャラクターカードは五枚一組を二百円程度で売る予定で、カードに書かれた文字をキューブ版ソフトに入力すると、テレビ画面上にキャラクターのメッセージが登場する仕掛けも。」と、また、2001年3月16日付け「読売新聞(東京夕刊)」の5頁に「進化する携帯ゲーム機 家庭機の低迷しり目に販売好調」の見出しの下に「任天堂『ゲームボーイアドバンス』処理能力パソコン並みカードゲームとも“結合”・・・『アドバンス』のもう一つの特徴は、子供の人気を集めるカードゲームや家庭用ゲーム機と“結合”できる新機能を備えた点だ。例えば、『ポケモン』の磁気付きカードゲーム(今秋発売)のデータを読み込み、カードのキャラクター同士を携帯機上で対戦させることもできる。」と記載されているとおり、カードゲームのカードを取り入れた家庭用テレビゲーム機や、そのソフトウェアが登場したことにより、より両者の関係が密接になったといえる。

そして、「遊戯用カード」と「家庭用テレビゲームおもちゃ」が主たる需要者である子供たちにとって遊びの一手段として密接な関係にあることは、例えば、2001年11月24日付け「読売新聞(東京朝刊)」の13頁に「[こども発ニッポン]第5部・IT化とともに(4)テレビゲーム(連載)」の見出しの下に「テレビゲーム人気に取ってかわるライバルゲームなどの影響もある。例えば、『遊戯王デュエルモンスターズ』など様々なキャラクターを印刷したカードを集めたり、対戦したりして遊ぶ『トレーディングカードゲーム』。バンダイキャラクター研究所(東京)が昨年十二月、小学三年から中学二年までの男子約千人を対象に『トレーディングカードゲームと携帯ゲームのどちらが楽しいか』と聞いたところ、カード派の方が多かった。テレビゲーム情報誌『週間ファミ通』の浜村弘一編集長は『子どもたちは、テレビゲーム、カードゲーム、サッカーなどを同列に考え、暇つぶしには「スマッシュブラザーズ」がいいか、サッカーがいいか、という発想をする。面白いゲームソフトが一年以上出なかったら、テレビゲームは子どもたちの前からなくなるだろう』と指摘する。」と、2001年3月10日付け「読売新聞(東京朝刊)」の11頁に「“子供”テレビゲーム離れ?好きな遊び、回答10ポイント減る/業界団体調査」の見出しの下に「トップは維持 ポケモン人気一段落、対戦型カードゲームに押され」として「家庭用テレビゲームへの子どもの興味が、この数年の間に薄れて来たことが、ゲーム業界団体のコンピュータエンターテインメントソフトウェア協会(CESA)がまとめた意識調査『2001CESAキッズ調査報告書』で分かった。それによると、好きな遊びとしてテレビゲームを挙げた三歳から小学六年生までの子どもは、66・9%とトップだが、九七年に行った前回調査の77・1%と比べると、10・2ポイントも低下している。一方、キャラクターが印刷されたカードを集めたり友達同士で対戦して遊ぶカードゲームは、九七年調査では37・1%で五位だったが、今回は46・1%と二位になっている。CESAは『カードゲームなどの新しい遊びの登場で、選択肢が拡散した。テレビゲーム需要を引っ張ってきた任天堂のポケットモンスターの人気が一段落したのも要因だ』と見ている。」と記載されていることからも窺うことができるところである。

してみれば、「遊戯用カード」と「家庭用テレビゲームおもちゃ」は、その用途、需要者層、販売店舗、近年の商品の関係等で密接な関係を有するものであり、これらの商品に同一又は類似の商標を使用したならばその商品の出所について混同を生ずるおそれがあるといえるから、これらの商品は互いに類似の商品に当たるとみるのが相当である。

(3)請求人は、本願商標と引用商標の指定商品の類否について、「商標」(網野誠 著)の584頁ないし585頁によれば、「商品の類否は、商品の品質、形状、用途等により観察して判定すべきである」としている(大判昭2.5.28等)とした上で、「これに照らし、本件を考えると、『家庭用テレビゲームおもちゃ』と『かるた』では、上記の品質、形状、用途、機能、作用のいずれにおいても、甚だしく異なるものである。従って、あらゆる点において、両者が似ている、とは通常人であれば、思う人はいないし、この点は上記通説・判例によっても、完全に証明されている。従って、これを類似とする、この査定は商標理論上も、甚だしい誤りである。」旨主張する。

しかし、商品の類否に関しては、請求人主張の「大判昭2.5.28」判決の後の最高裁判所の判決では、「指定商品が類似のものであるかどうかは・・・商品自体が取引上誤認混同の虞があるかどうかにより判定すべきものではなく、それらの商品が通常同一営業主により製造又は販売されている等の事情により、それらの商品に同一又は類似の商標を使用するときは同一営業主の製造又は販売にかかる商品と誤認される虞があると認められる関係にある場合には、たとえ、商品自体が互いに誤認混同を生ずる虞がないものであっても、それらの商標は商標法・・・にいう類似の商品にあたると解するのが相当である。」(昭和33年(オ)第1104号判決 昭和36年6月27日判決言渡)、「商標の本質は、商品の出所の同一性を表彰することにもあるもの、と解するのが相当である。しかして、商標の本質が上記のごときものである以上、商標の類否決定の一要素としての指定商品の類否を判定するにあたっては、所論のごとく商品の品質、形状、用途が同一であるかどうかを基準とするだけではなく、さらに、その用途において密接な関連を有するかどうかとか、同一の店舗で販売されるのが通常であるかどうかというような取引の実情をも考慮すべきことは、むしろ、当然」である(昭和37年(オ)第955号判決 昭和39年6月16日判決言渡)、「両商品は互いに品質・形状・用途を異にするものであっても、それに同一または類似の商標を使用すれば同一営業主の製造または販売にかかる商品と誤認混同されるおそれがある場合には、これらの商品は、前記にいう類似の商品にあたると解すべきこと・・・は、すでに当裁判所の判例とするところである。」(昭和39年(行ツ)第54号判決 昭和43年11月15日判決言渡)などとしており、請求人が主張するような商品の属性で判断すべきとする所謂商品属性説でなく、出所の混同という観点(出所混同説)に立って判断しているところである。

そして、請求人提出の「商標」(網野誠 著)においても、請求人の引用した記載部分は過去の通説・判例の紹介として示してある部分であって、同書でも「商品自体が品質・形状等からして、取引上誤認混同を生じない場合においても、商標法上直ちに非類似の商品であるとはいい得ない。」とした上で、その後の最高裁の判例としては、上記の出所混同説に立った判決を紹介しているところである。

そうすると、請求人の上記主張は、商品の類否に関し近時とは異なる過去の解釈を前提にするものであり、しかも、本願商標と引用商標の指定商品については、その商品に同一又は類似の商標を使用した場合に商品の出所の混同を生ずるおそれがあること上記(2)のとおりであるから、請求人の上記主張を採用することはできない。

(4)以上のとおり、本願商標と引用商標については、商標が同一又は類似の関係にあり、その指定商品においても、一部の指定商品が互いに類似する関係にあるといえるものである。

したがって、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして本願を拒絶した原査定は、妥当であり、取り消すことができない。

よって、結論のとおり審決する。

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