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Trademark Appeal Case

称呼と観念の相違

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−19305(T2000−19305/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「TOSHIN ICHIBA」の欧文字を標準文字で表してなり、第36類及び第42類に属する願書記載のとおりの役務を指定して、平成11年6月16日に登録出願されたものであり、その後、指定役務については、同12年10月11日付手続補正書により、第36類「通信ネットワーク上で行う投資信託会社・証券会社の紹介,通信ネットワーク上で行う投資信託に関する情報の提供,通信ネットワーク上で行われる投資信託業務の媒介又は取次ぎ」及び第42類「投資信託に関するホームページ開設のためのサーバのエリアの貸与,投資信託に関するホームページの作成」と補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『投信市場』に通ずる『TOSHIN ICHIBA』の文字を普通に書してなるところ、その文字より、投資信託を行うための場所、投資信託のための情報を交換するための場所のような意味を容易に認めることができるので、これを本願指定役務に使用しても単に上記の意味を認識し役務の質(内容)を表すにすぎないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記役務以外の役務に使用するときは、役務の質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記構成のとおり、「TOSHIN ICHIBA」の欧文字よりなるところ、「TOSHIN」の文字からは、投資信託の略語としての「投信」の文字を、また、「ICHIBA」の文字からは、「市場」の文字を想起させることは原審説示のとおりである。

ところで、例えば、株式会社小学館発行の国語大辞典によれば、「市場」の語は、「いちば」の見出し語の欄には、「毎日または定期に商人が集まって商品の売買、取引をする特定の場所、青物市場。食料品、日用品などの小売店が集まって常設する共同の販売施設、マーケット」と記載されており、「しじょう」の見出し語の欄には、「特定の物品や有価証券が定期的に取引され、その需要と供給の関係によって価格決定の働きをする場所。証券取引所、商品取引所、中央卸売市場など。財貨やサービスのすべての需要と供給との間にある関係を総合的にとらえたことば。国内市場、国際市場、金融市場など。」と記載されている。

そして、現実の金融・証券業界においても、「金融市場」、「株式市場」、「先物市場」、「為替市場」等々のように、取引の種類を表示する語と「市場」の語とを結合させ、それら各種金融・証券取引を行う場所等の意味で用いることが一般的に行われているところ、これらの用語中の「市場」の語は、「キンユウシジョウ」、「カブシキシジョウ」、「サキモノシジョウ」、「カワセシジョウ」のように、いずれも「シジョウ」と称呼されているのであって、これらを「キンユウイチバ」、「カブシキイチバ」、「サキモノイチバ」、「カワセイチバ」のように「イチバ」と称呼されることはない。

そうとすれば、本願商標を構成する各文字から「投信」及び「市場」の各文字を想起させるとしても、これを結合した「投信市場」の語が原審説示のような投資信託を行うための場所、投資信託のための情報を交換するための場所のような意味を表すための用語を表示するのであるならば、そのローマ字表記は、「TOSHIN SHIJOU」と表記されていなければならないものというべきである。しかるに、本願商標は、「TOSHIN ICHIBA」の文字をもって表されているものであるから、上記辞典の記載からみても、本願商標における「ICHIBA」の文字に相応する「市場」の文字から生ずる観念は、あくまでも「毎日または定期に商人が集まって商品の売買、取引をする特定の場所。例えば、青果市場、魚市場など」等を意味する「市場(いちば)」であって、証券取引所等を表す「市場(しじょう)」を意味するものということはできない。

してみれば、本願商標から原審が説示するような意味合いを間接的に想起し得るとしても、上記した金融・証券業界における用語の使い方の実情に照らしてみれば、その役務の提供の場所等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標ということはできないから、本願商標は、これをその指定役務に使用しても、自他役務の識別標識としての機能を果たし得るものであり、また、これを補正された指定役務中のいずれの役務について使用しても役務の質(内容)について誤認を生じさせるおそれはないものというべきである。

したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当ではなく、取消しを免れない。

その他、本願を拒絶すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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