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Trademark Appeal Case

不使用取消の証拠能力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2001−31199(T2001−31199/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第1875702号商標(以下「本件商標」という。)は、「アイヨン」の文字を書してなり、昭和58年9月6日に登録出願され、第9類「産業機械器具、動力機械器具(電動機を除く)風水力機械器具、事務用機械器具(電子応用機械器具に属するものを除く)その他の機械器具で他の類に属しないもの、これらの部品および附属品(他の類に属するものを除く)機械要素」を指定商品として、同61年7月30日に設定登録され。平成8年6月27日に存続期間の更新登録がされたものである。

2 請求人の主張及び弁駁の概要

本件商標は、その指定商品中「金属加工機械器具、化学機械器具、食料または飲料加工機械器具、印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」について登録を取り消す。審判費用は被請求人の負担とする。」との審決を求め、その理由及び弁駁を概要次のように述べ、証拠方法として甲第1号証ないし甲第3号証を提出している。

(1)本件商標は、その指定商品中「金属加工機械器具、化学機械器具、食料または飲料加工機械器具、印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」について、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれも使用した事実がない。

また、本件商標の登録原簿(甲第2号証)には、使用権設定の記載がない。

よって、本件登録商標は商標法第50条第1項の規定により取消されるべきものである。

(2)被請求人の平成13年12月28日付「答弁書」に対して、以下の通り弁駁する。

ア 乙第1号証の時期的な証拠能力に関して。

被請求人運営のインターネット上のウェブサイト(甲第3号証)には、被請求人の、業務内容、変遷、油圧ブレーカーの商品が掲載されており、その甲第3号証の5枚目の「事業内容」には、『昭和58年に「オカダアイヨン」と社名を変更し、CIの導入を図り...・』と記載されている。

一方、乙第1号証の商品カタログの最終頁に「オカダ鑿岩機株式会社」と有るので、このことからすると乙第1号証の商品カタログは少なくとも昭和58年より前の時期に発行されたものであって、さらに、乙第1号証の商品カタログの最終頁には「57.1.5K.SOEI.K.」と記載されていることからすれば、昭和57年に印刷されたものである可能性が非常に高いものである。

このように、被請求人が本件商標を本件審判請求の登録前3年以内に使用していることの証拠として提出された乙第1号証の商品カタログは20年も昔のものであって、そのカタログに掲載されている商品(以下「大型ブレーカー」と称す。)、詳しくは『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』(請求人は、『UB−2、UB−5、UB−8、UB−8、UB−11』と記載しているが誤記と認められるから、以下前記のようにする。)の5種類の「大型ブレーカー」が未だに販売され、しかも被請求人主張のような「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」への使用として未だに(本件審判請求の登録前3年以内に)販売されているかどうか、また、未だに(本件審判請求の登録前3年以内に)「油圧アイヨン」という商標が乙第1号証の『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』の5種類の「大型ブレーカー」に使用されているものかどうかは、極めて疑問である。

甲第3号証によれば、被請求人が取り扱う「ブレーカー」は甲第3号証の8枚目から11枚目に記載されているように現在では「OUB」シリーズと「TOP」シリーズに商品構成が変わっているようであり、また、被請求人の事業内容も甲第3号証の特に1枚目の「取扱品目」、5枚目と6枚目の「事業内容」「オカダアイヨン(株)半世紀の歴史」を見れば建築機械関連の分野の範囲内であって、被請求人が「答弁書」の4頁に記載している『...業務範囲の拡大に伴って取り扱う商品が鑿岩機に限らず金属加工機械器具にも及んできたところから...』というような事実は記載されておらず、被請求人の上記主張には疑問が残る。

このように、乙第1号証からは、確かに20年前には、『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』の5種類の「大型ブレーカー」に「油圧アイヨン」という商標が使用されていたことは判るが、甲第3号証によれば、現状の製品は大きく変わっているようであり、また業務範囲は建築機械関連の分野の範囲内であることからすれば、はたして、乙第1号証に掲載されている『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15、』の5種類の「大型ブレーカー」が未だに存在して、未だに(本件審判請求の登録前3年以内に)「油圧アイヨン」という商標が乙第1号証の『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』の5種類の「大型ブレーカー」に使用されているものかどうか、しかも被請求人主張のような「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」への使用として末だに(本件審判請求の登録前3年以内に)販売されているかどうかは、極めて疑問である。

被請求人は「答弁書」の3頁において、『更に、取引書類等本件登録商標を本件審判請求登録の日前3年以内に使用しています。その証拠については、追って提出します。』と述べいる。

乙第1号証に沿って本件商標の使用を立証するためには、本件審判請求登録の日前3年以内に『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』の5種類の「大型ブレーカー」の何れかが、「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」への使用の為に取り引きされたことを示す証拠が必要であることはもちろん、さらには本件審判請求登録の日前3年以内に『UB−2、UB−5、UB−8、UB−11、UB−15』の5種類の「大型ブレーカー」の何れかに「油圧アイヨン」という商標が使用されたことを示す証拠も必要であると考える。

(3)「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」について

乙第1号証の証拠能力につきましては上記のとおりであるが、仮に乙第1号証の証拠能力を認めるにしても、乙第1号証の「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」の記載を以て、乙第1号証に掲載の「大型ブレーカー」が金属加工に使用しているということの証拠にはならない。

乙第1号証の「商品カタログ」表紙には「大型ブレーカーの決定版」と記載されており、また、その5頁には「代表的な使用例」として様々な用途が記載されているが、土木用の大型ブレーカーであることを明確に打ち出しており、常識的にはそれ以外への使用は考えられず、乙第1号証の「大型ブレーカー」は類似商品審査基準における「土木機械器具」である。

乙第1号証の「商品カタログ」の6頁の「現場適合機種」の表の「工場」の欄の「鉄鋼」の項には、「鋳物工場での砂落とし」、「その他」の欄の「各種工場」の項には「たん造機のくさび打込み・打抜」の記載があるが、これらの「鋳物工場での砂落とし」、「たん造機のくさび打込み・打抜」の記載を以て、乙第1号証に掲載の「大型ブレーカー」が金属加工に使用していることの証拠にはならず、使用実体はあくまで土木用の大型ブレーカーである。

まず、「鋳物工場での砂落とし」から述べる。

被請求人は「答弁書」の2頁中で、『被請求人のカタログの商品は、前記したように「油圧ハンマー」であり、本体部分に取り付け様のネジ孔を持ちます。そして当該ネジ孔を介して所定のプラケットを取付け、採石に使用したり、金属加工に使用するものです。』と述べている。

この主張からは、「油圧ショベルカー」以外にも金属加工の場合には何らかの金属加工用の機械部材に「油圧ブレーカー」本体を取り付けることができるというような印象を受ける。

しかしながら、乙第1号証の特に10頁、また7.8頁の記載、及び商品カタログ全体を通して記載されているように、この「大型ブレーカー」は「油圧ショベルカー」への取付けが大前提であり、「油圧ショベルカー」以外への取付けに関する記載が一切見あたらない。

そして、「鋳物工場での砂落とし」とは、溶かした金属を砂型に流し込み、冷却後に砂型を割って取り出した成形物に固着した砂を削り落とす作業を言うものであるが、上記乙第1号証に記載の「鋳物工場での砂落とし」とは、「大型ブレーカー」を取り付けた油圧ショベルカ一で工場内に進入し、比較的大型の鋳物の砂落としを行うものとしか判断できない。

このような使用法が、はたして「金属加工機械器具」といえるかは疑問であり、乙第1号証の「大型ブレーカー」の商品は実体としては「土木機械器具」の域を出ない商品であって、仮に「鋳物工場での砂落とし」への使用があるとしても、「土木機械器具」たる土木用の「大型ブレーカー」を流用した変則的な使用にすぎないものである。

つぎに、「たん造機のくさび打込み・打抜」について述べる。

既述したように乙第1号証の特に10頁、また7.8頁の記載及び商品カタログ全体を通して記載されているように、この「大型ブレーカー」は「油圧ショベルカー」への取付けが大前提であり、「油圧ショベルカー」以外への取付けに関する記載が一切ない。

また、被請求人は乙第5号証を示して、乙第1号証の「大型ブレーカー」が「油圧ハンマー」であり「たん造機械たるハンマー」であると主張している。

まず、乙第1号証の「商品カタログ」の6頁の「現場適合機種」の表の「その他」の欄の「各種工場」の項には「たん造機のくさび打込み・打抜」とあるが、鍛造機におきまして「くさび」という部材はどのようなものであるかが、調査を行いましても判明せず、「たん造機のくさび打込み・打抜」という用途が具体的にどのようなことを行うのかが理解は出来なかった。

この「たん造機のくさび打込み・打抜」という記載からは、「大型ブレーカー」を鍛造機のハンマーとして使用するのではなく、鍛造機に関する何らかの「クサビ」を打ち込み・打ち抜く作業に使用するものともとることが出来る。

この点、被請求人より説明を頂きたい。

仮に「たん造機のくさび打込み・打抜」という記載を「大型ブレーカー」を「鍛造機のハンマー」として使用するという意味として進めます。

被請求人の「答弁書」における主張によりますと、鍛造の中でも厳密にはプレスではなく「打撃鍛造」のことを主張しているようであり、「大型ブレーカー」を鍛造のハンマーとして使用するという内容であり、鍛造機に「大型ブレーカー」を取り付けて使用するというものであるが、被請求人提示の乙第5号証に記載されているように、鍛造機における打撃回数、打撃力に関して『蒸気ハンマの場合、普通の鋼材120mm角に対して約lt、250mm角に対して約5tを要し、また、プレスの場合...』(乙第5号証 80頁、7行目から9行目)という記載、また、『(a)ばねハンマ...ハンマの打撃回数は、大物の場合毎分約70回で、小物になると200〜300回とする。...』(乙第5号証 80頁)という記載、また、『(d)蒸気ハンマ...1分の打撃回数は350回くらいまでである。片柱形のものは1/8から3t程度の容量をもち...』(乙第5号証 80頁から82頁)との記載からしますと、乙第1号証の6頁の仕様の欄記載の如く、「たん造機のくさび打込み・打抜」としては使用できない「UB−15」の製品を除いて、最低打撃回数はUB−11の400回であり、最高打撃数はUB−2の800回に達し、鍛造機として使用するには、打撃回数が多すぎる。

また、最高打撃力はUB−11の340 kg・mでありますが、被請求人が「答弁書」の3頁の15行目から16行目おいて主張している『本件登録商標にかかる「油圧ハンマ」は、衝撃力を強化するために油圧とし、かつ、大型化したもので...』という主張とは矛盾して、鍛造機の分野ではUB−11の最高打撃力340 kg・mは強力というものではない。

さらには、鍛造機に「大型ブレーカー」を取り付けることが可能かどうかも、極めて疑問であって、常識的には鍛造機というものはハンマー部分も含めた全体で鍛造機という製品として成り立っているものであり、乙第1号証の「大型ブレーカー」を代わりに取り付けるという余地が無いものである。

これらのことから判断すると、「たん造機のくさび打込み・打抜」もまた、上記した「鋳物工場での砂落とし」の場合と同じく、「大型ブレーカー」を取り付けた油圧ショベルカーで工場内に進入し、上記で疑問を呈した、鍛造機に関する何らかの「クサビ」を打ち込み・打ち抜く作業に使用するものと考えられ、或いは、一般的に、商品カタログ等には発行者の事業内容や製品をやや誇大に記載していることが稀ではなく、乙第1号証の「たん造機のくさび打込み・打抜」の記載もまた(「鋳物工場での砂落とし」の記載も含めまして。)、このような用途も考えられるという可能性を示したにすぎないのであって、その実体は「土木機械器具」であると考える。

(4)以上のことからすると、乙第1号証によっては、本件審判請求に係る指定商品中「金属加工機械器具、化学機械器具、食料または飲料加工機械器具、印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」のいずれかについて、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件登録商標を使用していることの証明をしているとはいえない。

(5)なお、乙第1号証、日付が明確に記載されておらず本件登録商標の使用時期が特定できない。

仮に本件審判請求の登録前3年以内の使用であるとしても、その証拠内容は上述の如くであり証拠能力はないものである。

(6)以上述べたように、本件審判請求に係る指定商品中「金属加工機械器具、化学機械器具、食料または飲料加工機械器具、印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」のいずれかについて、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれかが本件登録商標を使用していることの証明をしているとはいえない。

よって、登録第1875702号商標の指定商品のうち「金属加工機械器具、化学機械器具、食料または飲料加工機械器具、印刷または製本機械器具、半導体製造装置、石材加工機械器具、風水力機械器具、塗装機械器具」に係る商標登録は取り消されるべきである。

3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求め、その答弁及び第2答弁を概要次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし乙第6号証を提出している。

(1)被請求人は、本件審判請求登録の日前3年以内に本件登録商標をその指定商品中金属加工機械器具に含まれる金属加工油圧ハンマーに使用している。

以下この事実について説明する。

(2)被請求人は、使用の事実を証するため、カタログを乙第1号証として提出する。

カタログの表紙には「大型ブレー力の決定版US 油圧アイヨン」と記載されている。ここで、「大型ブレーカー」と記載されているが、実際の商品は「土木用又は金属加工用油圧ハンマー」であり、「土木機械器具」と「金属加工機械器具」の双方に分類されるものである。

すなわち、カタログ(乙第1号証)の第5頁には油圧ハンマーの写真が表示され、同第6頁下段の表に現場別適合機種として、「土木」「採石」「工場」「その他」と記載されている。この中で、前者の「土木」「採石」は「土木機械器具」に属するものでありますが、後者の「工場」「その他」は、「金属加工機械器具」として使用する用途である。

カタログの商品は、前記した様に「油圧ハンマー」であり、本体部分に取り付け様のネジ孔を持つ。そして当該ネジ孔を介して所定のブラケットを取付け、採石に使用したり、金属加工に使用するものである。

カタログに当該商品を金属加工に使用することを明記している。

まず、前記した6頁下段の表の「工場」の欄に「鋳物工場での砂落とし」と明記されている。ここで「鋳物工場での砂落とし」とは、鋳物の後処理作業の一つであり、鋳物とは砂で作った鋳型に溶融した鉄を流し込んで所定の製品を作る金属加工方法であります。そして鋳型内の鉄が冷却して固まると、鋳型を割って製品を取り出す。しかし、前記した様に鋳型は砂でできており、金属製品の表面に砂粒が残ります。そこで添付の資料の様に「チッピングハンマー」と称される機械によって金属表面の砂を落とす。前記カタログに記載された「鋳物工場での砂落とし」とは、カタログの商品を「チッピングハンマー」として使用することを明記したものである。

なおここで「チッピングハンマー」とは、添付の乙第2号証から明らかな如く、「手動又は空気で作動する、のみ形又は尖った形のハンマー、金属表面からさびやスケールを除去するのに用いられる」ところの機械器具である。より具体的には、添付の乙第3号証に記載されているところであり、その形状・構造としては「複雑な形のものまたは大きいものは、圧縮空気を利用する空気ピッチングハンマー」があります。本件商標の使用にかかる油圧ハンマーは、衝撃力を強化するために油圧とし、かつ、大型化したものである。

上記のところから明らかなように、この油圧ハンマーが、「チッピングハンマー」として使用されることを用途とする以上、商標法上の「金属加工機械器具」に属することは明らかである。

つぎに、前記したカタログの6頁下段の表の「各種工場」の欄には、「たん造機のくさび打込み・打抜」と記載されてる。ここで「たん造」とは、金属を加熱し金槌または水圧機で打ち延して所定の形状と靭性与をえる作業をいい、鍛造機械は、落しハンマー・蒸気ハンマー・水圧プレスなどのように、金属に打撃を加え、鍛造物を製作する機械をいう(乙第4号証)。その形状・構造としては、鍛造用工具から鍛造用機械に至る多くの種類がある。「たん造」に使用する「ハンマー」としては、添付の乙第5証に記載されているように「バネハンマー」「空気ハンマー」「蒸気ハンマー」等がある。本件商標の使用にかかる「油圧ハンマー」は、衝撃力を強化するために油圧とし、かつ、大型化したもので、カタログ(乙第1号証)に記載された「たん造機のくさび打込み・打抜」とは、カタログの商品を「たん造機械たるハンマー」として使用することを明記したものである。

上記のところから、この「油圧ハンマー」が、「たん造機のくさび打込み.打抜」を用途とする以上、商標法上の「金属加工機械器具」に属することは明らかである。

カタログ(乙第1号証)の表紙の上欄には「油圧アイヨン」と記載されている。「油圧」とは、加圧方式を意味するから、自他商品識別力は「アイヨン」の片仮名文字にあり、この片仮名文字は、本件登録商標と同一である。

上述のところから、本件登録商標を金属加工機械器具である油圧ハンマーに使用していることが明らかである。

(3)カタログ(甲第1号証)の裏表紙下段には、「オカダ鑿岩機株式会社」と記載されているが、業務範囲の拡大に伴って取り扱う商品が鑿岩機に限らず金属加工機械器具にも及んできたところから、本件登録商標を商号に採り入れて、現在の「オカダアイヨン株式会社」に変更し、油圧ハンマー(油圧ブレーカー)「アイヨン」の普及に努めてきた。

したがって、本件商標を使用する者は、商標権者である「オカダアイヨン株式会社」でる。

(4)上述のところから、商標権者が、本件商標をその指定商品中の金属加工機械器具の範疇に属する油圧ハンマー(油圧ブレー力ー」)について、本件審判請求登録前3年以内に使用していることが明らかである。

4 当審の判断

被請求人の提出した乙各号証をみるに以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証の商品「大型ブレーカー」の商品カタログによれば、その表紙及び2頁に「油圧アイヨン」の表示があり、油圧の部分が大型ブレーカーの加圧方式であることから、「アイヨン」の文字部分が要部といい得るから、社会通念上本件商標と同一のものとみることができる。

(2)前記商品カタログの5頁には、「代表的な使用例」として、採石場、鉱山、岩石の破砕用・・・・。工場でのノロ、スラッグなどの小割・・・。多方面でご使用になれます。」の記載及び6頁「現場別適合機種」の表中「用途」の項目の「工場」の使用現場「鉄鋼」の「現場での詳しい用途」には「フェロクローム・フェロタングステン等の小割、・・・鋳物工場内の砂落とし」の記載、同じく「用途」の項目の「その他」の使用現場「各種工場」の「現場での詳しい用途」には「たん造機のクサビ打込・打抜」の記載や、同6頁には、「鋳物工場の砂落し」として使用可能との記載が認められる。

以上よりすれば、該カタログに記載の商品「大型ブレーカー」は、多方面で使用可能な汎用性を有する商品であること、「フェロクローム・フェロタングステン等の小割、鋳物工場内の砂落し、たん造機のクサビ打込・打抜」などの金属加工の用途にも使用可能な商品であると認められる。

請求人は、商品「油圧ブレーカー」について、「金属加工機械」とはいえず「土木機械器具」である旨述べるが、前記のとおり、使用商品は汎用性を有する商品であって「金属加工機械」としても使用可能な商品であるというべきであるから、この点についての請求人の主張は採用できない。

また、請求人は、乙第1号証のカタログについて、その制作日付けが古いことについて指摘するが、これが現在も使用しているという被請求人の答弁に不自然な点はない。

さらに、請求人は、乙第6号証の商品名欄には品番、型番のみしのか記載されていないこと、取引先が建築関連会社である点を指摘するが、この種の大型機械の取引において品番、型番での取引は一般に行われていることであり、取引者が建築関連会社であるとしても、この点をもって、使用商品が「土木機械」であるとする理由とはなり得ず、また、「金属加工機械」でないとする理由ともなり得ない。

なお、本件使用商品が仮に「土木機械器具」と判断され得べき性質を有するとしても、そのことが本件使用商品を「金属加工機械」と認めることの妨げにならないことは、前記のとおりである。

してみると、本件商標は、本件審判請求予告登録日前3年以内に継続して商標権者により、日本国内において本件取消に係る指定商品に含まれる「金属加工機械」について使用されていたと認め得るものである。

したがって、本件商標は商標法第50条の規定によっては取り消すことができないものである。

よって、結論のとおり審決する。

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