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Trademark Appeal Case

普通名称化の判断

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−15660(T2000−15660/J1)
審判種別不服
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

原査定を取り消す。
本願商標は、登録すべきものとする。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「MARIE」の文字(標準文字)よりなり、平成11年6月16日に登録出願、その指定商品については、平成12年6月21日付けの手続補正書をもって、第30類「茶,コーヒー及びココア,氷,菓子及びパン(ただし氷砂糖,水あめを除く。)」に補正されたものである。

2 原査定の拒絶の理由

原査定は、「本願商標は、指定商品との関係において、「マリービスケット」(例えば、株式会社朝倉書店1981年10月30日発行「製菓事典」210頁【マリー】の項、その他インターネットのホームページ参照)を認識させる「MARIE」の文字を書してなるから、これをその指定商品中、「マリービスケット」に使用しても、単に商品の品質、名称を表示するにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、同法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

本願商標は、前記したとおり「MARIE」の文字よりなるから、これがその指定商品との関係で「マリービスケット」と関連付けられることはその構成綴り字の同一性から十分に予想されるところである。

しかしながら、原審がいう「マリービスケット」が商品の品質、名称を表すものとして一般に理解、認識されているかについては、当審において調査したが、その事実を認めるに足りる証拠は見出し得なかった。

原審摘示の株式会社朝倉書店発行の「製菓事典」には、確かに「マリー」の項が設けられ、「マリービスケット」の名はフランスのルイ14世の王妃マリーアントワネットに由来すること、その材料、調理法、形などが記載されている。しかし、「マリービスケット」については、「マリー」や「MARIE」をも含めて日常用いられる国語辞典、英語辞典、外来語辞典、カタカナ語辞典等の一般の辞書類はもとより、菓子等を中心とした専門の辞書類、例えば、「新編日本食品事典」(発行所 医歯薬出版株式会社)、「総合食品事典 ハンディ版」(同 株式会社同文書院)、「仏英独=和 洋菓子用語辞典」(同 株式会社白水社)、「改訂 調理用語辞典」(発売元 株式会社調理栄養教育公社)、「総合調理科学事典」(発行所 株式会社光生館)、「菓子 新・食品事典10」(同 株式会社真珠書院)、「簡明 食辞林 第二版」(同 株式会社樹村房)、「菓子 改訂食品事典8」(同 株式会社真珠書院)、「洋菓子事典」(同 株式会社主婦の友社)、「飲食事典 全一巻」(同 株式会社平凡社)、「現代洋菓子全書」(同 三洋出版貿易株式会社)にも特定のビスケットの名称または品質表示として記載されているものはない。

また、原審摘示のインターネットのホームページ(5件)にしても、その文面からは請求人(出願人、以下同じ)の商標を指称したものか、商品の品質、名称としての使用かは必ずしも判然とせず、原審の認定事項を的確に証拠立てるものではない。却って、インターネットのホームページ検索によると、「ビスケット」に関する「マリー」の使用例が認められるホームページの数は、およそ80件に上るが、その多くは請求人の商品を指称していることが明らかなものか、明らかとまではいえないがそのように推認できるものであって、請求人の商品と関連付けられないものはわずか1件にすぎない。

そして、請求人提出の甲号証によれば、請求人は、明治32年に創業の我が国有数の製菓企業であり、大正12年に我が国最初のビスケット専門工場を建設、同年6月には16種類のビスケットを発売、このうちの一つが「MARIE」ビスケットであり、当該商品は、爾来今日に至るまで同社の主力商品として位置付けられ、この間幾度となく、パッケージ(商品包装)形態の変遷はあったものの、当初より一貫して「MARIE」商標が付され販売されてきたものである。こうして「MARIE」商標は、請求人製造のビスケットに80年に亘り継続して使用され続け、長期に亘る宣伝広告や売上上位の実績とも相俟って多大な業務上の信用が化体されていると認めうるものである。

以上によれば、本件商標を構成する「MARIE」の文字は、外国においてはともかく、我が国においてはビスケットの品質、名称表示として一般に理解、認識されているものとは認められず、却って、請求人の製造に係るビスケットに使用され、現実に他社の同種商品と区別するための標識として機能していると認めるを相当とするものである。

してみれば、本願商標は、指定商品の品質等を表示するものとはいえず、自他商品の識別標識としての機能を十分に果たし得るものであり、また商品の品質について誤認を生じさせるおそれもないものと認めざるを得ない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものとしてその出願を拒絶すべきでない。

その他、本願について拒絶の理由を発見しない。

よって、結論のとおり審決する。

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