Trademark Appeal Case
チョレギの普通名称性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2002−90813(T2002−90813/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 勝訴(請求認容) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4604064号商標(以下、「本件商標」という。)は、「チョレギ」の文字を標準文字で横書してなり、平成13年9月18日に登録出願され、第30類「調味料」を指定商品として、同14年9月13日に設定登録されたものである。
2 取消理由通知
本件商標について、登録異議申立人より登録異議の申立てがあった結果、商標権者に通知した登録の取消理由は、以下のとおりである。
登録異議申立人の提出に係る甲第2号証(「韓国料理 焼肉」2000年8月1日株式会社柴田書店発行)によれば、前菜・サラダの項において「チョレギサラダ」が紹介されており、「酢じょう油と砂糖、唐辛子のペーストで味つけした、やや辛めのサラダ。使用食材は、サニーレタス、キュウリ、春菊、サラダ菜、長ネギなど。」と説明されており、甲第62号証(玄人の世界/各業界特有の言い回し辞典/韓国焼き肉屋さん編 97/03/12)によれば、「チョレギ」とは「サラダ。ちぎって混ぜた野菜。ドレッシングはその店独自であり、またドレッシングの味もあまり一定していない場合が多い。」旨記載されていることを認めることができる。また、甲第3号証ないし同第59号証(甲第56号証は02年3月28日打出し、その他は02年4月3日あるいは4日打出しのイン ターネット上で公表されている店舗のメニュー)によれば、数多くの店舗において「チョレギ・・韓国風の辛いサラダ」、「チョレギ(グリーンレタス・キュウリ・わかめを和えた韓国風サラダ)」、「チョレギ 韓国風チシャサラダ)」、「チョレギ(韓国風サラダ)」、「チョレギサラダ」あるいは単に「チョレギ」とのみ表示して、韓国風のサラダを表すものとして商品を提供しており、甲第60号証(2002.01.30付日本食糧新聞、2001.12.03付日本外食レストラン新聞)及び甲第61号証(2002年1月9日付イオン株式会社 冬の「韓国フェア」開催について)においても「チョレギサラダ」が紹介されており、甲第64号証(マルサンアイ株式会社の販売する02.09.06の日付が表示されたドレッシングの包装用袋)によれば、「レタスで韓国風サラダ」と大きく表示されたドレッシングの包装用袋に「チョレギ/レタス、きゅうり、ミニトマト ちぎってあえるだけ!」のごとく記載されていることを認めることができる。さらに、甲第63号証(「コリアうめーや!!メルマガバックナンバー第18号」)には、「チョレギとは慶尚道の方言で、標準語ではコッチョリという。コッチョリは直訳すると外側だけ漬けたという意味で、発酵期間をおかない浅漬けのキムチのことである。ヤンニョム(唐辛子、ニンニクなどの合わせ調味料)をまぶして、もみこむだけという手軽さで、作ったらすぐに食べることができるのが特徴。酸味もなく野菜のみずみずしさを楽しむことができる独特の美味しさが魅力だ。」との記述があり、甲第65号証の1ないし同号証の14(証明書)によれば、料理家、出版社、大手焼肉チェーン及び料理店から「チョレギ、チョレギサラダ」の語は自他商品識別機能を有しない旨の証明書も提出されている。
以上の甲各号証を総合してみれば、「チョレギ」の語は、本件商標の登録査定時においては、「サニーレタス、キュウリ、サラダ菜等の野菜に酢じょう油、砂糖、唐辛子、ニンニク等のペーストで味つけした、やや辛めの韓国風野菜サラダ」を表すものとして取引上普通に使用されていたものということができ、需要者の間においても広く認識されていたものといわなければならない。
この点について、商標権者は、本件商標に係る審査の過程において、「チョレギ」の語は商標権者が作った造語であり、平成13年2月に初めて、「チョレギサラダ」の商標を付した焼肉屋等を対象にした営業用のドレッシングの販売を開始し、同年8月に一般家庭用のドレッシングを発売するとともに大々的に宣伝した結果、「チョレギ」の語が有名になったものである旨主張しているが、少なくとも、上記した甲第2号証及び甲第62号証によれば、商標権者が「チョレギサラダ」の商標を付したドレッシングを発売する以前から、既に、「チョレギ」あるいは「チョレギサラダ」の語は使用されていた事実が認められる。
してみれば、本件商標は、これをその指定商品中「酢じょう油、砂糖、唐辛子、ニンニク等を混合してなる韓国風野菜サラダ用調味料」について使用しても、これに接する取引者・需要者をして、単に商品の用途、品質を表したものと理解・認識させるにすぎないものであり、また、上記商品以外の「調味料」について使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものである。
3 商標権者の意見
上記取消理由に対する商標権者の意見は、次のとおりである。
(1)甲第2号証に対して
この称呼は「韓国料理」と題する雑誌に「チョレギサラダ」のメニューが掲載してある。しかし、この甲第2号証は料理の「辞書」ではなく、提出された唯一の雑誌に掲載されていることをもって、「チョレギ」または「チョレギサラダ」が商品の用途、品質を表しているものとは理解できない。
(2)甲第62号証に対して
この証拠のホームページには、URLの記載がなく、作成者の名前も不明であるから証拠能力がない。
(3)甲第3号証〜甲第59号証に対して
この証拠はいずれもホームページであるが、何時作成されたかは不明であり、証拠能力に疑問がある。
(4)甲第60号証、甲第61号証に対して
いずれも本件商標の出願後のもので、これらの証拠が発行された当時は、本件商標権者が本件商標の宣伝を大々的におこなっていた頃のもので、そのため、本件商標が著名な状態になっていたものである。
(5)甲第63号証、甲第64号証に対して
いずれも本件商標の出願後のもので、これらの証拠が発行された当時は、本件商標権者が本件商標の宣伝を大々的におこなっていた頃のもので、そのため、本件商標が著名な状態になっていたものである。
(6)甲第65号証に対して
いずれも個人的な証明書であって、証拠価値に乏しいものである。
(7)取消理由通知書に対して
前記したように、甲第2号証は提出された唯一の雑誌であって、これは辞書ではなく、甲第62号証にはURLの記載がなく、作成者の名前も不明であり、証拠価値は極めて乏しい。仮に、商標権者が「チョレギサラダ」の商標を付したドレッシング発売する以前から、既に、「チョレギ」あるいは「チョレギサラダ」の語は使用されていたとしても、「チョレギ」あるいは「チョレギサラダ」の語が、甲第2号証、甲第62号証によって、取引者、需要者が商品の用途、品質を表していたものと理解するとは考えられない。
4 当審の判断
本件商標は、上記1のとおりであり、これに対する取消理由は、上記2のとおりである。
そして、商標権者の意見を検討したが、上記取消理由は、これを覆すべき理由がない。
したがって、本件商標の登録は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に違反してされたものと認め、商標法第43条第2項の規定により、その登録を取り消すべきものとする。
よって、結論のとおり決定する。
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