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Trademark Appeal Case

称呼の類似性と要部抽出

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号異議2002−90857(T2002−90857/J7)
審判種別異議
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4612111号商標の商標登録を取り消す。

理由テキスト

1 本件商標

本件登録第4612111号商標(以下「本件商標」という。)は、平成14年2月12日に登録出願、「穂先やわらぎ」の文字を横書きしてなり、第29類「加工野菜及び加工果実」を指定商品として、同14年10月11日に設定登録されたものである。

2 登録異議の申立ての理由

(1)登録異議申立人(以下「申立人」という。)は、以下の登録商標(以下「引用商標」という。)を引用して、本件商標は、商標法第4条第1項第11号、第15号及び第19号に該当すると申立て、その理由を要旨(2)ないし(4)のとおり述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし同第36号証を提出している。

<引用商標>

登録第1747237号商標は、「やわらぎ」の文字を書してなり、昭和54年2月22日に登録出願、第32類「食肉、卵、食用水産物、肉製品、加工水産物(かつお節、削り節、とろろこんぶ、干しのり、焼きのり、干しわかめ、干しひじき、寒天を除く)加工野菜および加工果実、すし、べんとう、サンドイツチ、乾燥卵、即席菓子のもと、カレーライスのもと、スープのもと、ふりかけ、お茶づけのり、なめ物、豆乳、麦芽、酒かす」を指定商品として、同60年2月27日に設定登録され、その商標権は、平成7年1月30日に存続期間の更新登録がされ、現に有効に存続するものである。

(2)商標法第4条第1項第11号に該当することについて

本件商標は、前項1で述べたとおり「穂先やわらぎ」の文字からなるところ、その構成中の「穂先」は、「植物の穂の先」を意味し、商品「めんま」などにおいては竹の子の穂先が原料となっていることから、商品の原材料を表示したものである。したがって、本件商標は、「やわらぎ」の部分が自他商品識別機能を有する部分であり、その文字に相応して「ヤワラギ」の称呼を生じものであり、他方、引用商標は、「やわらぎ」の文字に相応して「ヤワラギ」の称呼を生じことから、本件商標は、引用商標と称呼上類似するものであり、その指定商品も同一又は類似するものである。

(3)商標法第4条第1項第15号に該当することについて

申立人は、引用商標を付した商品「めんま」を1989年4月以降現在に至るまで、継続的に販売しており、その累計本数は約6990万本にもおよび、売上も約132億8086万円であり、当該商品は、申立人のヒット商品である。

また、申立人は、その商品について折込チラシ、POP広告や新聞・雑誌への広告の掲載のほか、テレビCMを数多く行うなど広告宣伝活動を盛大に行っていることから、引用商標は、需要者間に広く親しまれているものとなっている。そして、申立人は、その商品包装には、発売当初より、「穂先」の文字を使用しており、「穂先/やわらぎ」と認識されているものである。

以上述べたとおり、申立人は、商標「やわらぎ」は、15年以上長期にわたり販売し、宣伝活動も行ってきたことから、本件出願時までには需要者間に広く知られている著名商標というべきであり、本件商標の指定商品、とりわけ「めんま」について使用するときは、申立人の業務に係る商品と混同を生じるおそれがあること明かである。

(4)商標法第4条第1項第19号に該当することについて

本件商標は、申立人の業務に係る商品を表示するものとして需要者間に広く知られている引用商標と類似する商標であって、申立人の引用商標の使用態様に近似した商標にしようとする商標採択の不正の意図が窺え、商標権者は不正の目的をもって本件商標を使用するものである。

3 当審で通知した取消理由

(1)申立人の提出に係る甲第3号証(小学館発行「大辞泉」1999年12月20日第1版第3刷発行)によれば、本件商標中の「穂先」の文字は、「植物の穂の先」を意味する語であることが認められる。また、同じく甲第4ないし第9号証によれば、商品「めんま」等の竹の子を加工した商品において、竹の子の穂先が商品の原材料として使用されており、そのような商品について、この種業界においては、「穂先」の文字が普通に用いられている事実がある。

してみれば、「穂先」の文字は、少なくとも上記商品との関係においては自他商品識別力がないか又は極めて弱いものというべきであるから、本件商標は、「やわらぎ」の文字部分が自他商品の識別標識としての機能を果たすものというべきであって、この文字部分より単に「ヤワラギ」の称呼をも生ずるというのが相当である。

他方、引用商標は、「やわらぎ」の文字を書してなるところ、その構成文字に照らし、「ヤワラギ」の称呼を生ずること明らかである。

そうすると、本件商標及び引用商標の指定商品中の竹の子を加工した商品との関係からすれば、本件商標と引用商標とはその称呼を共通にする類似の商標というべきであり、また、両者の指定商品も同一又は類似のものである。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものである。

(2)申立人の提出に係る甲第11ないし第36号証によれば、申立人は商品「めんま」について、引用商標を1987年4月以来現在に至るまで継続的に使用しており、引用商標は本件商標の出願時には既に取引者、需要者の間に広く認識されていたと認められるものである。

かかる事情の下に、本件商標をその指定商品について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、構成中の「やわらぎ」の文字に注目して引用商標を連想、想起し、該商品が恰も申立人若しくは申立人と何らかの関係を有する者の商品であるかの如く、その出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は商標法第4条第1項第15号に違反して登録されたものである。

(3)以上のとおりであるから、本件商標の登録は取消されるべきである。

4 商標権者の意見

所定の期間を指定して、前項で述べた取消理由を通知したが、これに対し、商標権者は何らの意見を述べるところがない。

5 当審の判断

本件商標は、前項3で述べたとおり、その指定商品中の竹の子の穂先を加工した商品との関係からすれば、引用商標とその称呼を共通にする類似の商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似のものである。また、その指定商品中の竹の子の穂先を加工した商品以外の商品との関係では、その出所について混同を生ずるおそれがあるとみるのが相当である。

したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び第15号に違反して登録されたものであり、同法第43条の3第2項により、その商標登録を取り消すべきものとする。

よって、結論のとおり決定する。

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