Trademark Appeal Case
「ユー」と「ヨー」の称呼類似性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 異議2003−90436(T2003−90436/J7) |
|---|---|
| 審判種別 | 異議 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本件商標
本件登録第4663670号商標(以下「本件商標」という。)は、平成13年11月12日に登録出願され、「EUPARA」の文字を標準文字とし、第5類「薬剤」を指定商品として、平成15年4月18日に設定登録されたものである。
2 登録異議の申立ての理由(要旨)
(1)本件商標は、以下の(ア)及び(イ)の登録商標(以下、併せて「引用商標」という。)と称呼において類似の商標であり、かつ、本件商標の指定商品と引用商標の指定商品とは抵触するものであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する。
(ア)登録第550475号商標は、「ヨーパラ」の文字を縦書きしてなり、昭和34年2月10日に登録出願され、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和35年3月25日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成12年2月17日にした書換登録申請により、第1類「無機酸類,有機酸類,無機塩類,有機塩類,アルカリ,漂白粉(洗濯用のものを除く。),アラビヤゴム,にかわ(事務用又は家庭用のものを除く。),りん,エチルアルコール,グリセリン,硫黄(化学品),オゾン,酸素ガス,しょうのう,しょうのう油(化学品),蒸留水,人造しょうのう,炭酸ガス,はっかのう,はっか油(化学品),竜のう,硫黄(非金属鉱物)」及び第5類「薬剤(蚊取線香その他の蚊駆除用の薫料・日本薬局方の薬用せっけん・薬用酒を除く。),ばんそうこう,包帯,綿紗,綿撒糸,脱脂綿,医療用海綿,オブラート」を指定商品として、平成12年9月6日に書換登録されたものである。
(イ)登録第2311225号商標は、「洋パラ」の文字を横書きしてなり、昭和63年8月6日に登録出願され、第1類「化学品(他の類に属するものを除く)薬剤、医療補助品」を指定商品として、平成3年6月28日に設定登録されたものである。その後、指定商品については、平成13年3月1日にした書換登録申請により、第1類「化学品,のり及び接着剤(事務用又は家庭用のものを除く。),植物成長調整剤類」及び第5類「薬剤,歯科用材料,医療用油紙,衛生マスク,オブラート,ガーゼ,カプセル,眼帯,耳帯,生理帯,生理用タンポン,生理用ナプキン,生理用パンティ,脱脂綿,ばんそうこう,包帯,包帯液,胸当てパッド」を指定商品として、平成13年4月11日に書換登録されたものである。
(2)登録異議申立人(以下、「申立人」という。)の取り扱に係る商品「衣料用防虫剤」の商標として永年にわたって盛大にかつ継続して今日まで使用してきているものであって、既に我が国において著名商標となっていることから、引用商標と類似する本件商標がその指定商品に使用された場合は、申立人により製造・販売された商品であるかの如く、商品の出所について混同を生ずるおそれがあるから、本件商標は商標法第4条第1項第15号に該当する。
3 当審の判断
(1)商標法第4条第1項第11号について
本件商標と引用商標との類否について検討するに、本件商標は、前記したとおり「EUPARA」の欧文字よりなるところ、該文字は特定の読み、意味を有することのない造語と認められるものである。そして、これを英語風の読みに従えば語頭の「EU」の部分は「ユー」に近い読みとなり、全体の構成文字に相応すると「ユーパラ」の称呼を生ずるものと判断するのが相当である。
これに対し、引用商標は、それぞれ前記のとおりであるから、その構成文字に相応して「ヨーパラ」の称呼を生ずる造語よりなるものと認められる。
しかして、本件商標より生ずる「ユーパラ」の称呼と引用商標より生ずる「ヨーパラ」の両称呼は、共に長音を含む3音という短い音構成にあって、称呼を比較する上で重要な要素となる語頭部分において「ユー」と「ヨー」の顕著な差異が認められるものであるから、ぞれぞれを一連に称呼した場合には、該差異音が長音を伴うことにより明瞭に聴別し得るものとなり、両者は称呼上、互いに相紛れるおそれのないものである。
また、本件商標と引用商標とは、それぞれ前記のとおりの構成よりなり、本件商標が欧文字の構成であるのに対し、引用商標は片仮名文字又は漢字と片仮名文字よりなるものであるから、両者は明らかに区別し得るものである。
さらに、観念においては、本件商標と引用商標は造語と認められるから、両者は観念上、比較することができない。
してみれば、本件商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念のいずれからみても類似しない商標といわなければならない。
(2)商標法第4条第1項第15号について
本件商標と引用商標とは、上記3(1)の認定のとおり、その外観、称呼及び観念のいずれからみても明らかに区別できる別異の商標といえるものであり、加えて、申立人より提出された証拠によっては、引用商標(「ヨーパラ」「洋パラ」)が申立人の業務に係る商品「衣料用防虫剤」の商標として、既に、我が国において本願商標の登録出願時において著名商標となっていたものとは到底認められないものであるから、商標権者が本件商標をその指定商品に使用しても、これに接する取引者・需要者が、本件商標から直ちに引用商標を連想、想起するようなことはなく、その商品が申立人又は申立人と何らかの関係を有する者の業務に係るものであるかのように、その商品の出所について混同を生ずるおそれはないものである。
(3)したがって、本件商標は、商標法第4条第1項第11号及び同第15号に違反して登録されたものではないから、同法第43条の3第4項の規定に基づき、その登録を維持すべきものである。
よって、結論のとおり決定する。
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