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Trademark Appeal Case

職務名称の識別力

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成9年審判第21084号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「住まいの検査員」の文字を横書きしてなり、第37類「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築物の点検・修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,火災報知器の修理又は保守,事務用機械器具の修理又は保守,暖冷房装置の修理又は保守,バーナーの修理又は保守,ボイラーの修理又は保守,ポンプの修理又は保守,冷凍機械器具の修理又は保守,電話機の修理,家具の修理,建具の修理又は調整,金庫の修理又は保守,時計の修理又は保守,煙突の清掃,建築物の外壁の清掃,窓の清掃,床敷物の清掃,床磨き,し尿処理槽の清掃,浴槽又は浴槽がまの清掃,電話機の消毒,有害動物の防除(農業・園芸又は林業に関するものを除く。)」を指定役務として、平成6年12月27日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

原査定は、「この商標登録出願に係る商標は、『住まいの検査員』の文字を書してなるものであるところ、これよりは『建物等が建設の基準に合っているか、あるいは異状がないかを調べる人』程度の意味合いを理解させるに止まるものであるから、これをその指定役務について使用するも、これに接する者が何人の業務に係る役務であるかを認識することができない商標と認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」と認定して、本願を拒絶したものである。

3 当審の判断

(1)平成10年6月12日に公布された「建築基準法の一部を改正する法律」により、個々の建築物に対する建築規制においては、資材の材料や寸法を細かく定めている「仕様規定」から、一定の性能さえ満たせば多様な材料・設備・構造方法を採用でき、個別の審査を必要としない「性能規定」に変更され、かつ、住宅の安全性への配慮から、住宅完成前に行われる中間検査を新たに義務付けたこと、及び上記した「性能規定」化で建築基準の規制が緩和され、改正前より精度の高い建築確認・検査が必要になることとなり、これら建築確認・検査事務について、自治体の建築主事に加えて民間にも開放したことが挙げられる。その結果、建築士などが建築主事の資格を取って法人組織をつくり、「指定確認検査機関」の認定を受ければ、建築確認・検査事務に携うことができる、いわゆる民間検査員制度が導入されることとなった。

一方、財団法人住宅保証機構が運営する「住宅性能保証制度」においても、住宅性能保証制度の登録業者(住宅建設業者等)の建築した住宅が、最長10年間の保証をするために必要な構造耐力性能、防水性能が備わっているか等、財団法人住宅保証機構の定める「高耐久性木造住宅」の設計施工基準に照らして、一定の資格を有する検査員が検査を行うものとしている。

また、住宅の建築に関しては、建築士や建築整備士等といった国家資格のほかに、例えば、建設省の指導のもとに昭和60年度に創設された、財団法人日本住宅リフォームセンターが認定する「増改築相談員」なる資格等もあり、住宅建築について適切なアドバイスを専門に行う資格を持った者がいることは、一般に知られているところである。

(2)ところで、本願商標は、前記したとおり、「住まいの検査員」の文字よりなるものであるところ、これよりは「住まい(住宅)に関し、適不適などの有無を調べる人」なる意味合いを表したと容易に理解されるものであり、本願商標をその指定役務中、住宅建築及びこれに付帯する各種工事について使用するときは、これに接する取引者、需要者は、前記(1)に記載した住宅建築関連分野における事情よりして、建築確認・検査事務を行うことができる検査員、もしくは高耐久性木造住宅の検査員、その他住宅の増改築、修理等に関し、適正な基準に合っているか、異状はないかなどを調べる検査員を表したと理解するとみるのが相当であり、一歩進んで、住宅の建築等について、適切なアドバイスを与えることができる資格を有する者等の意味合いをも想起する場合が少なくないものというのが相当であって、自他役務の識別標識する商標とは認識し得ないといわなければならない。

してみると、本願商標をその指定役務中の「建築一式工事,しゅんせつ工事,土木一式工事,舗装工事,石工事,ガラス工事,鋼構造物工事,左官工事,大工工事,タイル・れんが又はブロックの工事,建具工事,鉄筋工事,塗装工事,とび・土工又はコンクリートの工事,内装仕上工事,板金工事,防水工事,屋根工事,管工事,機械器具設置工事,さく井工事,電気工事,電気通信工事,熱絶縁工事,建築物の点検・修理又は保守,エレベーターの修理又は保守,火災報知器の修理又は保守」について使用しても、需要者が何人かの業務に係る役務であるかを認識することができない商標といわざるを得ない。

なお、請求人(出願人)は、審判請求の理由中で、「本願商標は、自他役務の識別力を有するものであるから、これを立証すべく、証拠を提出する。」旨述べていたので、審判長は、平成11年5月24日付審尋書をもって、証拠の提出につき審尋したところ、請求人は、平成11年7月19日付で上申書及び第1号証ないし第5号証を提出し、上申書において、本願商標が識別力を有していることにつき、その理由をさらに補充する旨主張しているが、本願商標は、商標自体の有する意味合い及び本願指定役務の分野における実情よりすれば、前記認定のとおり、自他役務の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当であるから、第1号証ないし第5号証に示した過去の公告例と同等に解することはできないし、請求人は、相当の期間が経過するも、本願商標が自他役務の識別力を有することについての理由補充を提出していないものである。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、登録することはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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