Trademark Appeal Case
称呼の近似性と混同
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第14902号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり、「TNCS」の欧文字を横書きしてなり、平成8年9月3日登録出願、指定商品については、原審において、願書記載の指定商品を同10年5月15日付手続補正書によって、第11類「ボイラー,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,パッケージ型空気調和装置,その他の空気調和装置,空気調和装置用及び換気装置用送風機,空気ろ過装置,空気浄化装置,業務用換気装置,ガス洗浄装置,工業用塵埃除去装置,空気脱臭装置,ガス洗浄装置用及び工業用塵埃除去装置用及び空気脱臭装置用送風機,煙突用煙道,煙道用送風機,暖冷房装置」と減縮補正しているものである。
2 引用商標
原査定において、本願商標の拒絶の理由に引用した登録第2096592号商標(以下、「引用A商標」という。)は、別紙に示すとおり「TMCS」の欧文字を横書きしてなり、昭和61年9月30日登録出願、第9類「内燃機関,その他本類に属する商品」を指定商品として、同63年11月30日に登録、その後、平成10年7月14日商標権存続期間の更新登録がなされているものである。同じく、登録第4021304号商標(以下、「引用B商標」という。)は、別紙に示すとおり「TMCS」の欧文字を横書きしてなり、平成8年1月25日登録出願、第12類「船舶並びにその部品及び附属品(「エアクッション艇」を除く。),航空機並びにその部品及び附属品,自動車並びにその部品及び附属品,陸上の乗物用の動力機械器具,陸上の乗物用の機械要素,陸上の乗物用の交流電動機又は直流電動機,乗物用盗難警報器」を指定商品として、同9年7月4日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「TNCS」の欧文字を横書きしてなるところ、該文字は、「T」「N」「C」「S」の欧文字4文字を、同書・同大・等間隔に表してなるものであって、何ら特定の事物・事柄等を想起させることのない造語と認められるものであるから、その構成文字に相応して生ずる「ティーエヌシーエス」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
他方、引用A商標及び同B商標は、その構成別紙に示すとおり、共に「TMCS」の欧文字を横書きしてなるところ、本願商標と同様に、欧文字4文字を、同書・同大・等間隔に表してなるものであって、何ら特定の事物・事柄等を想起させることのない造語と認められるものであるから、その構成文字に相応して生ずる「ティーエムシーエス」の称呼をもって取引に資されるものと認められる。
そこで、本願商標より生ずる「ティーエヌシーエス」の称呼と引用各商標より生ずる「ティーエムシーエス」の称呼とを比較するに、両称呼は、共に全8音という比較的冗長に亘る音構成にあって、前半の「ティーエ」及び後半の「シーエス」の各音を悉く同じくし、異なるところは、称呼の識別上比較的聴取し難い中間音(第4音)の、「ヌ」、「ム」の音の差異にすぎない。そして、「ヌ」は舌尖を前硬口蓋に接触して発する鼻子音(n)と母音(u)との結合した音節であるのに対して、「ム」は両唇を密閉し有声の気息を鼻腔に通じて発する鼻子音(m)と母音(u)との結合した音節であって、これら音の差異は、いずれも響きの弱い鼻子音であり、かつ、母音も共通にする点で近似した音といえるものである。
そうすると、前記音構成にあって、この音の差異が称呼全体に及ぼす影響は決して大きいということはできないから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、全体の語調・語感が近似したものとなり、彼此聴き誤るおそれのあるものといわなければならない。
また、両商標は、共に造語とみられること前記のとおりであって、観念において両者を区別し得るとする事情はなく、また、その外観も4文字中3文字を同じくし、全体として近似した印象を与えるものである。
してみれば、本願商標と引用商標とは、外観、称呼及び観念の各点を総合判断するに、その出所について混同を生ずるおそれのある類似の商標というべきであり、かつ、その指定商品も同一又は類似と認められるものであるから、結局、本願商標を、商標法第4条第1項第11号に該当するとしてその出願を拒絶した原査定は妥当なものであって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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