結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2003−30176(T2003−30176/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第747778号商標(以下「本件商標」という。)は、「CRUISER」の欧文字と「クルーザー」の片仮名文字を二段に横書してなり、第22類「はき物(運動用特殊ぐつを除く)かさ、つえ、これらの部品及び附属品 」を指定商品として、昭和40年10月30日に登録出願、同42年7月14日に設定登録、同52年8月3日、 同62年8月20日及び 平成9年7月15日に商標権存続期間の更新登録、同15年3月12日に本件審判の請求の登録がされたものである。
請求人は、本件商標の指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」について登録を取消す、審判費用は被請求人の負担とする、との審決を求め、その理由を要旨次のとおり主張し、証拠方法として甲第1号証を提出した。 被請求人は、本件商標を、その指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」について、継続して3年以上日本国内において使用していない。
また、本件商標の登録原簿(甲第1号証)に示すとおり、本件商標について専用使用権者は存在せず、また通常使用権者として本件商標を使用している者も存在しない。
したがって、本件商標は、継続して3年以上日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれによってもその指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」について使用されていないものである。
よって、商標法第50条第1項の規定に基づき、請求の趣旨どおりの審決を求める。
被請求人は、結論同旨の審決を求め、その理由を要旨次のように主張し、証拠方法として、乙第1号証ないし乙第10号証を提出した。
本件商標は適法に使用されている。
(1)乙第1号証は、被請求人が配布する2003年の商品カタログであり、当該資料には、本件商標が、その指定商品中「はき物(長靴)」の銘柄(商標)として記載されていることが分かる。
換言すれば、本件商標は、アルファベット大文字の「CRUISER」と片仮名の「クルーザー」を併記してなるところ、使用商標は商品名に「CR」を使用し、且つ商品の胴サイド面に飾りパッチの上段に書体のみ変更を加えた筆記体の「Cruiser」だけであるが、これを本件商標の使用と同一視してなんら問題はないと思料する。
(2)前記カタログの商品写真は、胴サイド面に飾りパッチが小さく判り難いので、1足包装箱と一緒の商品写真を提出する(乙第2号証)。
当該資料により明らかなことは、本件商標は、商品の胴部サイド面に、書体のみ変更を加えた筆記体の「Cruiser」飾りパッチを貼り付けており、商標法第2条第3項第1号にいう「使用」に該当する。
また、1足包装箱には、「SLB CR」と記載されているが、2003年度カタログの商品コード「13230463」と同一であることより、「スカーレットブーツCR」の省略である。
(3)商標法第50条第1項は、使用されている商標が登録商標と同一かどうかの判断において、同一性の概念を取り入れ、「書体のみ変更を加えた同一の文字からなる商標、平仮名、片仮名及びローマ字の文字の表示を相互に変更するものであって同一の称呼及び観念が生ずる商標」を、登録商標と同一視する旨規定している(乙第3号証)。
本件の場合、本件商標がアルファベット大文字の「CRUISER」と片仮名文字文字の「クルーザー」からなるが、たとえば、新カタカナ語ポケット辞典の「クルーザー」の項をみても、本件商標と同じ綴りの「cruiser」の単語だけが見受けられる事実をみても、「CRUISER」が「クルーザー」とのみ称呼されることが明らかである(乙第4号証)。
そうであるとすれば、本件商標が商品の飾りパットに書体のみ変更を加えた筆記体の「Cruiser」と使用されても、登録商標の同一性が認められてしかるべきである。
(4)さらに、1999年度ないし2002年度のカタログを提出する(乙第5号証ないし乙第8号証)。
1999年度カタログには、商品名に「スカーレットブーツ クルーザー」と使用していたが、商品名として長過ぎるので2000年度カタログより商品名を「スカーレットブーツCR」に変更し、且つ商品の胴サイド面に飾りパッチの上段に書体のみ変更を加えた筆記体の「Cruiser」に変更した。飾りパッチに筆記体の「Cruiser」を使用した商品を「CR」と省略したのは、経過及び商品の商標使用状況から、「スカーレットブーツ」を「SLB」と省略したのと同じと判断できる。2000年度ないし2002年度のカタログにも、継続的に該商品を販売しており、2003年度のカタログにも同じように「CR」の使用がされており、登録商標「CRUISER」の使用を認められるべきは当然である。
(5)また、全てのカタログには、商標権利者の名称、住所が記載されているので、本件商標が本件商標権者である被請求人によって使用されていることが明白である。
(6)さらに、最新のカタログには表紙に2003年として「2003 SHOES COLLECTION SPRING&SUMMER」と記載されているうえ、裏表紙には「平成14年9月」と記載されている。そして、当該カタログはその日以後に被請求人が配布しているが、本件審判請求登録前3年以内に配布されているので、適法な時期の使用であることも明らかである。
(7)被請求人は、最新のカタログの配布に前後して、本件商標を付した靴を販売してきている。その証拠として納品請求書を提出する(乙第9号証及び乙第10号証)。
商品名は、2003年度のカタログには「スカーレットブーツCR」と記載されているが、納品請求書には「スカーレットブーツ」を「SLB」と省略して、1足包装箱と同じように「SLB CR」と記載されている。
それにより、本件商標を付したはき物が、本件審判請求登録前3年以内に、現実に取引されたことが明らかである。
(8)以上の次第で、本件商標は、本件審判請求登録前3年以内に、その指定商品中のはき物について、商標権者(被請求人)によって使用されていることが明らかである。
(9)よって、本件審判請求は成り立たないと思料するので、答弁の趣旨どおりの審決を求める。
被請求人の提出した乙各号証によれば、被請求人の本件商標の使用に関して、以下の事実が認められる。
(ア)被請求人の2000年版ないし2003年版の商品カタログ「SHOES COLLECTION SPRING&SUMMER」(乙第1号証、乙第6号証ないし乙第8号証)によれば、右上部に「ブーツ」と表示された頁の「スカーレットブーツCR17」又は「Scarlet」「 スカーレットブーツCR17」と二段に表された欄には、カラー「レッド、ネービー、マスタード」、サイズ「19.0ないし23.5」、素材「ラバー」等の記載がされているとともに、前記三色に対応する左足用「長ぐつ」(以下「本件使用商品」ともいう。)の形状が表わされ、その胴外側上部中央には、文字が小さいため判読は困難であるが、文字表記を含む標章(被請求人が「飾りパッチ」と称するもの)が付されていること、最終頁末行には、2000年版には「平成11年10月」、2001年版には「平成12年10月」、2002年版には「平成13年9月」及び2003年版には「平成14年9月」の各年月が記載されているほか、いずれの版にも被請求人の名称、住所及び電話番号が記載されていること、
(イ)商品及び包装箱の写真(乙第2号証)によれば、撮影された本件使用商品は、マスタードカラーのゴム長ぐつであること、前記標章は別掲のとおりの構成であり、その構成中には「Cruiser」の欧文字が筆記体で表されている(以下「本件使用商標」という。)こと、同文字は本件使用商品に付された状態で肉眼により判読し得ること並びに本件使用商品を収納する包装箱には「SLB CR17」「マスタード」「23.5」及び「13230463」の表示がされていること、
(ウ)被請求人が株式会社カゴシマ月星に宛てた2003年1月11日付け納品請求書(乙第9号証)によれば、「下記の通り,納品請求申し上げます。」として、整理No、整理日、品名及び数量の各欄には「638412/13230462、20030110、SLB CR17 レッド、24」「638407/13230465、20030110、SLB CR17 ネービー、23」「638417/13230463、20030110、SLB CR17 マスタード、22」等の記載がなされていること。 以上の認定事実によれば、被請求人は、本件使用商品にその出所を識別し得る態様で本件使用商標を付して製造し、少なくとも本件審判請求の登録(平成15年3月12日)前3年以内である平成15年1月11日ころ、日本国内において同商品の販売をしていたことが認められる。
本件商標と本件使用商標との同一性について検討してみるに、本件商標が「CRUISER」の欧文字と「クルーザー」の片仮名文字を二段に横書してなるのに対して、本件使用商標は、「Cruiser」の欧文字を筆記体で表わしてなるもので、片仮名文字がない点及び欧文字部分の第2文字以下「RUISER」を小文字で表している点において本件商標と相違するが、「cruiser」「クルーザー」の各語が我が国において「巡洋艦。外洋を航海できるように設備を整えた大型のモーターボート又はヨット。」を意味する英語又は外来語として広く知られており、いずれの商標も「クルーザー」の称呼、観念を生ずるものであるから、本件商標と本件使用商標とは社会通念上同一といって差し支えないものである。
また、本件審判請求に係る指定商品と本件使用商品との関係について検討してみるに、本件使用商品は、本件審判請求に係る指定商品「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」に包含される商品である。
以上のことよりすれば、被請求人(本件商標の商標権者)は、本件審判請求の登録前3年以内に日本国内において本件審判請求に係る指定商品中の「長ぐつ」についての本件商標の使用をしていたというのが相当である。
したがって、本件商標の登録は、その指定商品中「はき物(運動用特殊ぐつを除く)」について、商標法第50条の規定により、取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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