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Trademark Appeal Case

著名人名商標の類否

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号無効2002−35525(T2002−35525/J3)
審判種別無効
結論勝訴(請求認容)

結論テキスト

登録第4233255号の指定商品中「布製ラベル」についての登録を無効とする。
審判費用は、被請求人の負担とする。

理由テキスト

1 本件商標

本件審判請求に係る登録第4233255号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲(1)のとおりの構成よりなり、第24類「織物(畳べり地を含む。),メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製ラベル,ビリヤードクロス」を指定商品として、平成11年1月22日に設定登録されたものである。

2 請求人の主張

請求人は、結論同旨の審決を求めると申立て、その理由を要旨以下のとおり述べ、その証拠方法として甲第1号証ないし同第9号証を提出している。

(1)無効理由に引用する登録商標

登録第926350号商標(以下「引用商標」としいう。)は、別掲(2)のとおりの構成よりなり、昭和44年2月18日に登録出願し、第25類「絵画用材料」を指定商品として、同46年8月23日に設定登録され、その後、この商標権は、昭和57年2月26日、平成3年12月24日及び同14年1月29日の3回にわたり存続期間の更新登録がされているものである。

(2)本件商標は、別掲のとおりの構成よりなり、引用商標は、「VANGOGH」の欧文字を書してなるところ、本件と引用の両商標に共通する「VANGOGH」について述べるに、オランダの著名な画家「ゴッホ」のフルネームは「Vincent VAN GOGH」といい、「GOGH」はオランダ語で「ホッホ」と発音されるが、国内では一般にドイツ語読みの「ゴッホ」で定着しており、その知名度から「GOGH」を判読不能とするのは失当と考える。

したがって、両商標は「ファン・ゴッホ」又は単に「ゴッホ」の共通の称呼が生ずる互いに類似の商標であり、また指定商品「布製ラベル」と「絵画用材料」等とは共に「文房具」に含まれる類似する商品であり、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当する商標である。

なお、本件商標は請求人の国際登録第208537号の審査において拒絶の理由として引用されている(甲第9号証)。

以上のとおりであるから、本件商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、同法第46条第1項の規定により、その登録を無効にすべきものである。

3 被請求人の主張

請求書の副本を送達し、相当の期間を指定して、答弁書を提出する機会を与えたが、請求人は答弁書を提出していない。

4 当審の判断

(1)本件商標と引用商標の類否について

本件商標は、別掲(1)のとおり、「V」「V」「C」の欧文字3文字を組み合わせたと思しき図形の下段に「VAN GOGH」の欧文字を横書きした構成よりなるところ、その図形部分と欧文字「VAN GOGH」は構成上分離しているものであって、かつ常に一体のものとして把握すべき理由は見出し得ないので、欧文字「VAN GOGH」の部分も独立して把握され得るとみられものである。それからすると、本件商標は、その構成中の「VAN GOGH」の欧文字に着目して商取引に当たることも少なくないものといえる。

これに対し、引用商標は、別掲(1)のとおり、容易に「VANGOGH」の欧文字からなるものと把握されるものと認められる。

しかして、「VAN GOGH」の欧文字について、請求人提出の甲第5号証(「広辞苑」(第4版)岩波新書発行)、同第6号証(「世界美術辞典」新潮社発行)、同第7号証(「KENKYUSHA’S NEW ENGLISH−JAPANESE DICTIONARY」(新英和大辞典)研究社発行)及び同第8号証(「独和大辞典」小学館発行)によると、「VAN GOGH」の欧文字は、オランダの画家「ゴッホ」の名前を表したものであり、その原語による名前が「Vincent Van Gogh」また「Van Gogh」と書き表されることが認められ、わが国において、「ゴッホ」はオランダの画家としてよく知られているところであり、またその原語による名前が「Vincent Van Gogh」また「Van Gogh」と書き表されることも知られているものと認められる。

してみると、本件商標の構成中「VAN GOGH」の欧文字及び引用商標「VANGOGH」の欧文字に相応して、両者は、共に「ヴァンゴッホ」の称呼を生じ、またオランダの画家の「ゴッホ」を観念させるものであるから、両商標は、外観上差異があるとしても、称呼及び観念を共通にする相紛らわしい類似する商標といわなければならない。

(2)商品「布製ラベル」と「絵画用材料」との類否について

次に、本件商標の指定商品中の第24類(平成3年通商産業省令70号をもって改正された商標法施行規則第3条の商品及び役務の区分)「布製ラベル」と引用商標の設定登録時における指定商品である第25類(昭和35年通商産業省令13号をもって改正された商標法施行規則第3条の商品の区分)「絵画用材料」の類否について検討する。

a)本件商標の指定商品である「布製ラベル」は、布製の「ラベル」であるところ、「ラベル」とは、その表面に任意に記載し、目印のために物品に取り付け又は貼り付けて使用する表示用品の一種であつて、文房具又は事務用品といえるものである。そして、この商品は、ラベルの表面に表示する方法、例えば、ペンで手書き、プリンターで印字する等に適した材質やサイズが多種あり、またプリンターで印字するのに適するようにラベルが台紙に仮止めされシート状になっているもの等がある。そして、これらの「ラベル」は、文房具又は事務用のものに限らず、例えば、展示される絵画の名称や著作者名等の表示として使用される等、広範囲に利用されており、その被表示物又は表示する方法により、耐久性や柔軟性を考慮して、その材質が、紙製、プラスチック製、金属製等のほか、布製のものも製造販売されているところである。

そして、「布製ラベル」は、他の素材のものを含め、文房具や商品等に使用するラベルとして、主に文房具店又は文房具類売場で販売されている商品といえる。

b)他方、引用商標の指定商品である「絵画用材料」は、昭和35年通商産業省令70号をもって改正された商標法施行規則第3条の商品の区分第25類の「文房具類」に含まれる商品(三 絵画用材料)であり、その商品の区分を規定する同法施行規則(第3条)の別表によると、「三 絵画用材料」に含まれる具体的商品として「クレヨン、パステル、絵の具、絵の具溶き油、絵画用木炭、パレット、パレットナイフ、カンバス、絵絹」が例示されていて、それらの商品は、絵を描く際に使用される道具又は材料であり、いずれも、主に文房具店又は文房具類売場で販売されている商品といえる。

c)そうとすれば、「布製ラベル」と「絵画用材料」とは、いずれも、主に文房具店又は文房具類売場で販売される商品であることから、その主な流通経路、販売店(販売部門)を共通にする類似する商品と認められるものである。

(3)以上からすると、本件商標は、引用商標と類似する商標であり、かつ、その指定商品中「布製ラベル」は、引用商標の指定商品中「絵画用材料」と類似することから、商標法第4条第1項第11号に違反して登録されたものといわざるを得ないものであり、同法第46条第1項の規定により、本件商標の指定商品中「布製ラベル」の登録を無効にすべきものとする。

よって、結論のとおり審決する。

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