Trademark Appeal Case
記号と工法の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成10年審判第19839号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、別紙に示すとおり、「ST工法」および「エスティコウホウ」の文字を二段に書してなり、第6類「鉄及び鋼,非鉄金属及びその合金,金属鉱石,建築用又は構築用の金属製専用材料,金属製建具,金庫,金属製金具,金属製建造物組立てセット,液体貯蔵槽,工業用水槽,液化ガス貯蔵槽,ガス貯蔵槽,ガス貯蔵槽又は液化ガス貯蔵槽用のアルミニウム製の浮中ぶた,滑車、ばね,バルブ,金属製包装容器(「金属製栓・金属製ふた」を除く。),金属製栓,金属製ふた,金属製荷役パレット,荷役用ターンテーブル,荷役用トラバーサー,金属製人工魚礁,金属製の可搬式家庭用温室,金属製の吹付け塗装用ブース,金属製養鶏用かご,金属製航路標識(発光式のものを除く。),金属製道路標識(発光式又は機械式のものを除く。),てんてつ機,金属製管継ぎ手,金属製フランジ,キー,コッタ,いかり,金属製ビット,金属製ボラード,かな床,金属製締付け金具,はちの巣,金網,ワイヤロープ,犬用鎖,金属製家庭用水槽,金属製工具箱,金属製貯金箱,金属製のきゃたつ及びはしご,金属製のネームプレート及び標札,金属製のタオル用ディスペンサー,金属製帽子掛けかぎ,金属製郵便受け,金属製靴ぬぐいマット,金属製ブラインド,金属製立て看板,金属製彫刻,金属製の墓標及び墓碑用銘板,金属製のバックル,つえ用金属製石突き,アイゼン,カラビナ,ハーケン,金属製飛び込み台,金属製あぶみ,拍車」を指定商品として、平成9年4月24日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の規格、品番等を表す記号又は符号として類型的に用いられているローマ文字の二文字である『ST』の文字と『加工・工事などにおける造り方・組み立て方』を意味する『工法』の文字とを結合させて『ST工法』と書し、その下段にその字音である『エスティコウホウ』の文字を添えてなるにすぎないものであることから、これをその指定商品に使用したときは、需要者をして、その商品を製造するための工法かその商品を用いて何かを造る工法を表す記号又は符号のひとつ程度に認識することはあっても、何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものと認める。したがって、この商標登録出願に係る商標は、商標法第3条第1項第6号に該当する。」旨認定し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、その構成別紙に示すとおり、欧文字の「ST」の2文字及び漢字「工法」とを連結して「ST工法」と表し、同文字下部に、その表音と認められる「エスティコウホウ」の片仮名文字を表してなるものである。
ところで、欧文字の2文字は、商品の規格、品番等を表すための記号又は符号として一般の商取引上類型的に採択使用されており、本願指定商品を取り扱う業界においても例外でなく、この種建設、建築関連の業界においては、当該取り扱いに係る製品(建材等)に付して取引上普通に使用しているのが実情である。
また、本願商標の構成中、後半部分の「工法(コウホウ)」の文字(語)は、一般に「土木・建築工事などの技術的方法」(株式会社三省堂発行「大辞林」)、「加工・工事などにおける造り方・組立て方」(株式会社岩波書店発行「広辞苑 第五版」)を意味するものとして理解される語であり、かつ、建築関連の業界紙、建材メーカー総覧’93年版(財団法人経済調査会発行)、月刊建設物価平成7年6月号(財団法人建設物価調査会発行)によれば、例えば、「防水工法」、「アンカー工法」、「緑化工法」、「客土注入工法」、「補強土壁工法」等の用例の如く、工事内容・施工方法等を端的に表わすものとして用いられ、さらには、「RR工法(株式会社大阪防水建設社)」「CG工法(神東塗料)」「SS工法(富士川建材工業株式会社)」「R−T工法(三晃金属工業株式会社)」「GP工法(大東スレート株式会社)」等の如く、欧文字の1文字乃至2文字と「工法」の文字とを組み合わせた用例が多数見受けられるところである。
ところで、これら工法と当該工法に供される部材すなわち建築、構築用の各種部材とが密接に関連するものであることは、建材メーカー各社の取り扱いに係る製品広告において、例えば、「ステンレス防水工法」なる工法の専用部材として「ステンレス薄板」が紹介され、また、「多数アンカー工法」なる工法専用品として「コンクリートブロック、アンカープレート、サブプレート、アングル」等の部材が紹介され、或いは「法面緑化工法」なる工法の専用部材として「緑化基盤材」が紹介されている如く、各々の工法に適合する専用部材が存する実情よりすれば、工法の文字は、当該部材の用途、用法を表示するに止まり、それ自体は商品識別の機能を有しないか、極めて識別機能の弱いものとして認識し、把握されるとみるのが相当である。
そして、これら「工法」に冠して用いられる前記欧文字の1文字乃至2文字は、当該工法に適合させた専用部材であること、すなわち、前述建材に係る一般的用例と同様に、規格、形式を表すために類型的に用いられる記号、符号と理解されるに止まるものといわなければならない。
しかして、本願商標は、その構成別紙に示すとおり、「ST工法」、「エスティコウホウ」の文字よりなるものであって、下段の片仮名文字部分は、上段の文字の表音を振り仮名風に表示するに止まり、それ自体に商品識別の機能はないものであり、ほかにその態様等において格別特異な点も見出せないから、本願商標をその指定商品について使用した場合、これに接する取引者、需要者は、前記事情よりして、建築、構築に関し、当該工法に供される専用部材の記号、符号として、或いは、当該部材(建材等)の用途、用法(品質)を表したものと理解するに止まり、それをもって、当該商品の出所を示す識別標識とは認識し得ないものであるから、結局、本願商標をその指定商品について使用しても、取引者、需要者は何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものといわなければならない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号に該当するものとして本願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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