Trademark Appeal Case
性能表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第11423号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「パワークローラ」の片仮名文字を横書きしてなり、第7類「土木機械器具,荷役機械器具,化学機械器具,食料加工用又は飲料加工用の機械器具,動力機械器具(陸上の乗物用のものを除く。),農業用機械器具,起動器,交流電動機及び直流電動機(陸上の乗物用の交流電動機及び直流電動機(その部品を除く。)を除く。),交流発電機,直流発電機,芝刈機,機械要素(陸上の乗物用のものを除く。)」を指定商品として、平成9年2月19日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『力、能力、強さ』等の意味を有する外来語として、各種機器に性能を誇示するため使用される『パワー』の文字と、『無限軌道装置』を理解させる『クローラ』の文字とを『パワークローラ』と書してなるにすぎず、全体としても『パワーのある(性能が優れた)無限軌道装置』程度の意味合いを認識するに止まるから、これを指定商品中無限軌道装置を備えてなる土木機械、荷役機械、農業用機械等に使用しても、単に、商品の品質(機構・構造)を誇示的に表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおり「パワークローラ」の文字よりなるところ、その構成中後半部の「クローラ」(crawler クローラー)の文字は、「無限軌道装置」(車輪のかわりに前後輪にベルト状の帯をわたし回転させて走るようにした装置)を指称する語として各種辞書及び新聞に掲載されていることが認められる(例えば、「ランダムハウス英和辞典」、「朝日新聞(1993.3.16東京朝刊、1994.4.14東京朝刊及び1999.5.7東京朝刊」、「日刊工業新聞2003.1.31及び2003.11.19」)。また、その構成中前半部の「パワー」の文字は、「力、能力」等の意味を有する語として、広く一般に親しまれている語と認め得るところである。そして、「クローラ」(無限軌道装置)は、「車輪のかわりに前後輪にベルト状の帯をわたし回転させて走るようにした装置」であることから、強力な力(パワー)を求められる商品であるといえる。
しかして、本願商標は、これらの語を普通に用いられる方法で「パワークローラ」と連綴してなるにすぎないものであるから、これを本願指定商品中「土木機械器具,荷役機械器具,農業用機械器具,芝刈機」等の商品について使用しても、これに接する取引者、需要者は、その商品が「力(パワー)のあるクローラ(無限軌道装置)を備えたの商品(機械器具)」であることを容易に認識するに止まるものとみるのが相当である。
してみれば、本願商標は、結局のところ商品「クローラ」の性能が良いことを理解させるに止まるものと認められるから、これをその指定商品中「無限軌道装置付きの土木機械器具,無限軌道装置付きの荷役機械器具,無限軌道装置付きの農業用機械器具,無限軌道装置付きの芝刈機」に使用しても、単に、その商品の品質を表示してなるにすぎないものとみるのが相当であり、また、上記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
なお、請求人は、本願商標中の「パワー」の文字について、機械器具類においては「パワー」の語は「(手動と区別して)動力、機械力」を意味し、原査定の拒絶の理由のような「パワーのある(性能の優れた)」の意味で捉えるべきではなく、本願商標は、特定の品質を直感できない単なる造語商標である旨主張している。
しかしながら、本願商標は、前記認定のとおり、「強力な力(パワー)のあるクローラ(無限軌道装置)を備えたの商品(機械器具)」であることを容易に認識するに止まるものと判断するのが相当であるから、請求人(出願人)の主張は採用することはできない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして拒絶した原査定は、妥当なものであって、取り消すことはできない。
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