Trademark Appeal Case
有機和牛の品質表示性
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第4891号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「有機和牛」の文字を横書きしてなり、第29類「牛肉」を指定商品として、平成9年1月16日に登録出願されたものである。
2 原査定の理由
原査定は、「本願商標は、有機飼料で飼育された国産牛の肉であることを理解させるものであるから、これを指定商品中の和牛肉に使用しても、単に商品の品質を表示するにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外に使用するときは商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるから、商標法第4条第1項第16号に該当する。出願人は『有機和牛』の文字が品質表示として使用されていないと述べているが、欧米各国ではオーガニック(有機、無農薬)食品として野菜、食肉、乳製品等が流通していることが日本アイスクリーム新聞1998年1月1日の記事中に紹介され、また、日本でも有機飼育牛肉(オーガニックビーフ)の生産があちこちで始まっていることが商業界『飲食店経営』1996年1月号に掲載されている。」旨、認定判断して本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「有機和牛」の文字を横書きしてなり、「牛肉」を指定商品としているところ、近年、消費者は、農産物が有機農法により生産されたものであるかどうかについて関心を持っていることは、顕著な事実といえる。そして、有機米や有機野菜が販売されている。また、原査定において示されている前記日本アイスクリーム新聞の記事には、欧米では野菜果実や穀物ばかりでなく、食肉、ハム、牛乳などについても基準に従ったオーガニック(有機、無農薬)食品が流通していることが紹介されているし、前記商業界『飲食店経営』の記事には、日本でも有機飼育牛肉(オーガニックビーフ)の生産があちこちで始まっていることが記載されており、同記事中に「有機牛肉」という用語が使用されている事実も認められる。
そして以上の事実からすると、本願商標を構成している「有機和牛」の文字より食肉の取引者・需要者は、「有機飼育した和牛」の意を直ちに認識するものと認められる。
この点について、請求人は、「有機和牛」の文字より「有機化学の和牛」又は「有機化合物の和牛」を想起することがあるものと主張するが、そのような不自然な観念を想起することがあるとは認め難く、この主張は採用できない。
そうすると、本願商標は、「有機和牛」の文字よりなり、前記認定のとおり「有機飼育した和牛」の意を直ちに認識させるものであるから、これを指定商品である「牛肉」に使用した場合、それが有機飼育した和牛の肉であることを示す文字として理解されるものであって、その商品の品質を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標といわなければならない。また、有機飼育した和牛の肉以外の牛肉に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがある。
したがって、本願商標は商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するとした原査定は、妥当であって取り消すことができない。
よって、結論のとおり審決する。
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