Trademark Appeal Case
カテキン商標の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2000−18781(T2000−18781/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
第1 本願商標
本願商標は、構成を「ハイブリッド カテキン」の片仮名文字と「Hybrid Catechin」の欧文字とを上下二段に併記してなり、指定商品を第11類「電球類及び照明用器具,あんどん,ガスランプ,石油ランプ,ちょうちん,ほや,工業用炉,火鉢類,ボイラー,ガス湯沸かし器,調理台,流し台,加熱器,業務用揚物器,業務用食器乾燥機,業務用炊飯器,業務用煮炊釜,業務用焼物器,業務用レンジ,冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,飼料乾燥装置,牛乳殺菌機,乾燥装置,換熱器,蒸煮装置,蒸発装置,蒸留装置,熱交換器,暖冷房装置,便所ユニット,浴室ユニット,美容院用又は理髪店用の機械器具(いすを除く。),太陽熱利用温水器,浄水装置,家庭用電熱用品類,浴槽類,家庭用浄水器,水道蛇口用座金,水道蛇口用ワッシャー,水道用栓,タンク用水位制御弁,パイプライン用栓,汚水浄化槽,家庭用汚水浄化槽,家庭用し尿処理槽,ごみ焼却炉,し尿処理槽,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,あんか,かいろ,かいろ灰,化学物質を充てんした保温保冷具,湯たんぽ」、第17類「ゴム,糸ゴム及び被覆ゴム糸(織物用のものを除く。),ゴム製又はバルカンファイバー製の座金及びワッシャー,ゴム製又はバルカンファイバー製のバルブ(機械要素に当たるものを除く。),ゴムひも,石綿ひも,ゴム製栓,ゴム製ふた,ゴム製包装用容器,プラスチック基礎製品,化学繊維(織物用のものを除く。),化学繊維糸(織物用のものを除く。),雲母,岩石繊維,鉱さい綿,石綿,石綿網,石綿糸,石綿織物,石綿製フェルト,石綿の板,石綿の粉,コンデンサーペーパー,石綿紙,バルカンファイバー,電気絶縁材料,オイルフェンス,ガスケット,管継ぎ手(金属製のものを除く。),消防用ホース,石綿製防火幕,絶縁手袋,蹄鉄(金属製のものを除く。),農業用プラスチックフィルム,パッキング,防音材(建築用のものを除く。)」、 第22類「原料繊維,編みひも,真田ひも,のり付けひも,よりひも,綱類,網類(金属製又は石綿製のものを除く。),衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿,布製包装用容器,わら製包装用容器,ターポリン,帆,雨覆い,天幕,日覆い,日よけ,よしず,ザイル,登山用又はキャンプ用のテント,靴用ろう引き縫糸,おがくず,カポック,かんなくず,木毛,もみがら,ろうくず,牛毛,人毛,たぬきの毛,豚毛(ブラシ用のものを除く。),羽,馬毛」、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け,どん帳,織物製トイレットシートカバー,遺体覆い,経かたびら,黒白幕,紅白幕,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」、及び、第30類「コーヒー及びココア,コーヒー豆,茶,調味料,香辛料,食品香料(精油のものを除く。),米,脱穀済みのえん麦,脱穀済みの大麦,食用粉類,食用グルテン,穀物の加工品,ぎょうざ,サンドイッチ,しゅうまい,すし,たこ焼き,肉まんじゅう,ハンバーガー,ピザ,べんとう,ホットドッグ,ミートパイ,ラビオリ,菓子及びパン,即席菓子のもと,アイスクリームのもと,シャーベットのもと,アーモンドペースト,イーストパウダー,こうじ,酵母,ベーキングパウダー,氷,アイスクリーム用凝固剤,家庭用食肉軟化剤,酒かす,ホイップクリーム用安定剤」として、平成11年10月15日に登録出願されたものである。
第2 拒絶査定の理由
原審は、次の拒絶理由を示し、出願人の意見に対し、「本願は、平成12年7月19日付けで通知した理由によって、拒絶をすべきものと認めます。なお、出願人は、意見書において種々述べていますが、さきの認定を覆すことはできません。」として、本願を拒絶したものである。
<拒絶理由>
1 本願商標は、「Hybrid Catechin」及びその表音「ハイブリッド カテキン」の各文字より構成されている。
ところで、(株)東洋医学舎発行の「健康・栄養食品事典」には「カテキン(Catechin)」について次のような記述がある。
「緑茶の渋みや柿渋の成分としてよく知られているタンニンは、高等植物のほとんどに分布する多様な芳香族化合物の総称であるが、緑茶タンニンは緑茶の持つ優れた効能の研究課程で、他のタンニン類と区別して化学名『カテキン Catechin』の名で呼ぶのが通例となった。緑茶カテキンは乾燥葉重量の8〜15%含まれている(上級煎茶の含有量が最大で、さらに上級の玉露や下級の番茶では少ない)が、それらをさらに分類すると、約半量以上を占めるエピガロカテキンガレートを筆頭に、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキン、カテキンなどが数えられ、それぞれの効能に違いがある。また、その効能は紅茶カテキンに固有で、紅茶や烏龍茶などには当てはまらないが、それには製茶時の発酵によってカテキンが酸化するためであることも次第にはっきりしてきている。緑茶カテキンの効能研究は発癌抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の抑制、血圧上昇の抑制、血栓予防、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭防止、腸内細菌叢正常化効果など、非常に多くの分野に及び、それぞれ優れた研究成果が学会で発表されてきたが、中でも近年特に話題を集めているのが、活性酸素やフリーラジカルの消去作用、抗酸化作用である。・・・」
2 そして、ホームページでは次のような記述がある。
(1)名古屋市中区丸の内2−3−1の愛知県薬剤師会のホームページで「緑茶成分のカテキンについて」の見出しのもとに「・・・カテキンは、ツバキ科TheaceaeのチャCamellia sinensisの葉や葉芽に含まれている渋味の成分で、緑茶中に10〜15%含有している(煎茶で約15%、番茶で約13%、玉露で約10%)。・・・なお、ある種のカテキンは他の植物にも含まれるが、茶カテキン類は茶に特有である。紅茶やウーロン茶では製造過程で、カテキン類が縮重合し、赤みを帯びたカテキン2量体などになるが、それらの生理活性はカテキンに準じる。緑茶を熱湯抽出し、この熱水可溶分からカテキン以外の成分を除去すると、次の5種類のカテキンが含まれている。・・・茶カテキンは茶固有であるが、その他のカテキンはワインやココアなどに含まれている。また、カテキン類は容易に自動酸化や酵素酸化を受けるので、紅茶、ウーロン茶などの発酵茶、半発酵茶はカテキンの酸化重合体を含有している。紅茶にはカテキンが約5%含まれ、カテキン2分子が酸化縮合したテアフラビンなどが約5%、その他、高分子ポリフェノールが約11%と含まれている。・・・」
(2)三重県のホームページで「植物成分の皮膚発癌阻止作用および癌細胞の増殖抑制のメカニズム」の見出しのもとに「渋柿や緑茶からのカテキン抽出物、それらの構成成分であるカテキン、エピカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレード等についてマウス皮膚発癌、白血病細胞および胃癌細胞の増殖におよぼす作用について検討した。・・・」
(3)鹿児島市鴨池新町5−22の(株)南日本情報処理センターのホームページで「驚異の茶カテキン」の見出しのもとに「緑茶の特徴として渋味があります。この渋味のもとになるのが茶カテキンです。タンニンの一種で、カテキン、ガロカテキン、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピガロカテキンガレートなどの種類があり、総称して茶カテキンと呼びます。緑茶の成分の15%を占め、その中ではエピガロカテキンガレートが半分以上を占めます。・・・」
3 これらの記述より、「Catechin」「カテキン」といわれているものは、
(1)「エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキン、カテキン」と分類されること。
(2)緑茶、紅茶、烏龍茶以外のワインやココアさらにリンゴ(これについては下記の(2000.1.21日経産業新聞) 参照)にも含まれていることが認められる。
4 さらに、「Catechin」「カテキン」は、発癌抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の抑制、血圧上昇の抑制、血栓予防、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭防止、腸内細菌叢正常化効果があることから、次のように色々な商品分野で応用されているところである。
(1)「カルシウムとカテキン配合、チャレン(新製品)」の見出しのもとに「カルシウムと殺菌効果があると言われるカテキンを配合した『カルシウム入り緑茶カテキン配合むぎ茶』。・・・」(2000.6.13日経流通新聞)
(2)「健康志向の緑茶入りパン、敷島製パン、洋菓子も。」の見出しのもとに「・・・発売するのは、菓子パン4品と洋菓子3品で、商品名は『緑茶シリーズ2000』 健康によいとされるカテキンを含む緑茶と相性のいい具材を入れることで・・・」(2000.4.26日経産業新聞)
(3)「除湿機、比べてみると...−売価は3万円前後、ホコリ除去機能も人気。」の見出しのもとに「・・・松下の『ツイン・カラットくん』や三洋の『乾短カラリ』は、ウイルスを抑制する物質『カテキン』を添着したフィルターを搭載。・・・」(2000.4.15日経プラスワン)
(4)「エコライフラボ−茶成分生かした雑貨販売(新潮流攻めるベンチャー)」の見出しのもとに「・・・製品用の茶葉は、自社の農場で生産し、・・・これまでに売り出した商品はうちわや扇子、便せん、ティッシュ、まくらなど15品目。人気商品は緑茶の成分を含んだ油取り紙で、・・・今後、壁紙や塗料など工業用の製品も開発・・・」(2000.4.13日本経済新聞)
(5)「緑茶−缶飲料や健康志向で消費急増(やさしい商品知識)」の見出しのもとに「・・・最近では緑茶の成分『カテキン』が酸化防止や消臭に効果を発揮することも一般に認知され始めた。カテキンを抽出して、エアコンのフィルターやトイレットペーパー、マスクなどに使用する技術開発も進みつつあり、飲料以外の用途も広がってきた。・・・」(2000.3.18日経流通新聞)
(6)「捨てられる緑茶が『商品』に変身 袋井の倉元さん兄弟/静岡」の見出しのもとに「・・・緑茶を刷り込んだ靴のにおい消しや便せん、あぶら取り紙、ティッシュ...。いずれも消臭・抗菌効果の高いカテキンを使用し・・・」(2000.1.31朝日新聞東京地方版/静岡 静岡版)
(7)「エレクトロニクス−日本ビクター、松下電器産業、三洋電機、松下電池工業。」の見出しのもとに「・・・▽フローリングの床をからぶきする掃除機『もっと軽(かる)チャーローラー2段取り SC−WR7A』・・・本体内部のフィルターにはリンゴから抽出した天然成分のカテキン入り抗菌・抗ウイルス剤を使用したHEPAフィルターを採用した。・・・」(2000.1.21日経産業新聞)
(8)「布団のほか衣類や靴も乾かす−松下精工(ニューフェース)」の見出しのもとに「・・・『衣類乾燥ケース』や『靴乾燥アタッチメント』を装備しており、衣類や靴も手早く乾燥できる。フィルターに天然成分のカテキンを添着、花粉やほこりを除去した清潔な温風で乾かせる。」(1999.12.10日本経済新聞)
(9)「ブーツの臭い対策 中敷やふりかけで(いまどきモノ語り)マリオン」の見出しのもとに「女性向けの足の消臭、むれ軽減商品が目に付く。・・・中敷は緑茶に含まれるカテキン入りや銅板を埋め込んだものなど。・・・」(1999.10.22朝日新聞夕刊)
(10)「オンワード樫山、ゴルフウエアを強化−−『23区スポーツ』売り場拡大。」の見出しのもとに「・・・『レイクランド』は、消臭効果があるカテキンを配合したり、縦方向の伸縮率を従来の2倍の30%に高めたりしたポロシャツを発売する。・・・」(1999.10.15日経産業新聞)
(11)「愛知県西尾市上町(アベニュー・アベニュー)」の見出しのもとに「・・・健康に役立つお茶の成分はカテキン、アミノ酸、カロチン、ビタミン、食物繊維など。中でも、渋みの成分、カテキンは、あらゆる分野で力を発揮する優れものという。消臭、殺菌、抗菌作用などがあるそうだ。新製品として発売されている殺菌石けん、抗菌性シーツ、入浴剤、消臭スプレーなどは、カテキンを利用した商品だ。・・・10数年前、カテキンの虫歯菌を抑える作用を突き止め、成分を抽出した粉末を、商品化した。大手の菓子メーカーが粉末を買い、ガムやキャラメルなどの入れて、『歯にやさしいお菓子』として市販する。・・・」(1999.4.17朝日新聞名古屋夕刊)
5 また、「Hybrid」及び「ハイブリッド」は「(1)雑種(2)混成物、混成語」(〔株〕集英社発行「日本語になった外国語辞典」参照)を意味し、例えば、次のように用いられているところである。
(1)ハイブリッド材料(hybrid materials)異なる物質を人為的に原子・分子のレベルで組成制御して、規則正しく配列させた人工材料。
(2)ハイブリッドカーナビ(hybrid car navigation system)GPS(全地球測位システム)と自立航法を併用して測位を行う自動車用航法システム。
(3)ハイブリッドコンピューター(hybrid computer)デジタル型の演算精度のよさと、アナログ型の演算速度の速さを取り入れた混成型コンピューター
(4)ハイブリッドカー(hybrid car)電気モーターとガソリンエンジンを組み合わせたもの。
(5)ハイブリッドIC(hybrid IC)2種以上のICを組み合わせるか、独立したデバイスとICを組み合わせたもの。(いずれも〔株〕集英社発行「情報・知識imidas2000」より)
6 以上のように、カテキンは食品の分野だけではなく色々な商品の分野で応用され、今後も技術革新によりあらゆる分野の製品も開発されていく旨の記載があり、「ハイブリッド」「hybrid」の文字が「混成の」等の意味で複合語を作ることからすると、本願商標をその指定商品に使用しても該商品が「『エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキン、カテキン』中の数種類のものが使用されていること」あるいは「『緑茶、紅茶、烏龍茶、ワイン、ココア、リンゴ』に含まれているカテキン中の数種類のものが使用されていること」を表したものと理解させ、単に商品の品質を表示しているものといわざるを得ない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。
第3 請求人の主張(要旨)
1 本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとの結論は、全く承服できない。というのは、化合物であるカテキンに属する数種類の成分を総称する場合は、単に「カテキン」と呼ぶか「カテキン類」と呼ぶのが自然かつ常識的であり、これを「ハイブリッド カテキン」などとは決して言わない。このことは、たとえばビタミンA、B、C、D、Eなどを総称するときに、単に「ビタミン」とか「ビタミン類」と呼び(英語では「vitamins」と語尾に「s」をつける)、「ハイブリッド ビタミン」などという用語は決して使わないのと同様である。
よって、本願商標が、本願指定商品との関連で、商標法第3条第1項第3号に該当することはありえない。
2 また、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとの結論も、承服できない。本願指定商品(第11、17、22、24、30類の商品)以外の商品は、本願商標「ハイブリッド カテキン/Hybrid Catechin 」と無関係であることはもとより、単なる「カテキン」や「Catechin」とも無関係であるか関係が極めて乏しい。したがって、このような関係の薄い商品が、商品の品質の誤認を生ずるはずがない。
このことは、たとえば「アップル」は第29類の商品に用いた場合には商標法第3条第1項第3号に該当するが、これを第9類の電子計算機に使用しても商品の品質の誤認を生ずることはないのと同様である。
3 本願商標「ハイブリッド カテキン/Hybrid Catechin 」は、出願人が創作した造語である。しかも、本願商標「ハイブリッド カテキン/Hybrid Catechin 」は、商品の取扱者や需要者に、単なる「カテキン」や「Catechin」とは次元の異なる強い印象ないしイメージを与える商標である。
したがって、本願商標は、当然に自他商品の識別性を有している。
よって、本件商標登録出願は、商標法第3条第1項第3号にも同法第4条第1項第16号にも該当するものではないと確信する。
第4 当審の判断
1 本願商標は、「ハイブリッド カテキン」と「Hybrid Catechin」の文字よりなるところ、その構成各文字後半の「カテキン」と「Catechin」の文字部分は、上記拒絶理由に示された辞書及びインターネット上のホームページ情報等によれば、発癌抑制、動脈硬化予防、脂肪代謝異常の抑制、血圧上昇の抑制、血栓予防、抗糖尿病、抗アレルギー、抗ウイルス、抗菌、虫歯予防、口臭防止、腸内細菌叢正常化効果などから、非常に多くの商品分野に利用されている状況が認められる。
また、「カテキン」が「エピガロカテキンガレート、エピガロカテキン、エピカテキンガレート、エピカテキン、ガロカテキン、カテキン」と分類され、緑茶、紅茶、烏龍茶以外のワインやココアさらにリンゴにも含まれていることの記述がある。
2 そして、本願指定商品との関係からみても、上記新聞報道記事にある「除湿機、エアコン、衣類乾燥器」等の「家庭用電熱用品類」の附属品としてカテキンを添着したフィルターへの使用、「抗菌性シーツ」の繊維への配合製品、及び「むぎ茶」、「菓子及びパン」等の食品分野での利用のほか、直接的には本願指定商品ではないとしても「うちわや扇子、便せん、ティッシュ、まくら、靴のにおい消し、あぶら取り紙、トイレットペーパー、マスク、ポロシャツ」等、消臭・抗菌効果の高いカテキンを使用した商品が開発され販売している実情があるということができる。
3 また、その構成各文字前半の「ハイブリッド」と「Hybrid」の文字は、本来、「雑種」「混成」といった意味の語ではあるが、近時においては、新しい技術・材料等を表す複合語をつくる語として使用され「ハイブリッドカー」、「ハイブリッドIC」、「ハイブリッド コンピューター」、「ハイブリッド材料」及び「ハイブリッド カーナビ」等と称しているところであって、その使用状況を一般紙ないし業界紙の新聞記事によりみれば、例えば、「シルク開発センター キュプラ複合『キュプラトシルク』開発」の見出しのもと「・・・蚕糸科学研究所が化合繊との複合化による『ハイブリッドシルク』の一環として考案し・・・」の記事(2000.01.26繊研新聞4面)、「[テクノトレンド]“進化”する絹 ハイブリッドシルク 繊維複合させ多機能に」の見出しのもと「・・・新たな素材として注目されている『ハイブリッドシルク』もその一つ。ハイブリッドを辞書でひくと『混成物』とか『雑種』などの訳語があてられているが、ハイブリッドシルクもやはり複合繊維。・・・綿や毛とより合わせたハイブリッドシルクを使って仕立てたスーツやブラウスも・・・繊維、衣料メーカーはハイブリッドシルクを使った商品開発に力を入れている。・・・」の記事(1992.03.04読売新聞東京夕刊10頁)、「関西発ナノテクの衝撃(32)荒川化学工業−ポリマーとシリカの複合材製造技術進展」の見出しのもと「・・・エポキシ樹脂―シリカ、ポリアミドイミド―シリカのハイブリッド材料も開発し、同技術を用いた製品を・・・」の記事(2001.09.05日刊工業新聞社35頁)、「名古屋大学、分子レベルで化学結合の機能性無機微粒子と有機マトリックス材料を合成」の見出しのもと「・・・機能性無機微粒子と有機マトリックスの複合材料である無機/有機ハイブリッド材料を・・・」の記事(1999.08.27日刊工業新聞7頁)、「明治大学ラグビー部、人工芝で練習(芝生でボールを)/東京」の見出しのもと「・・・サッカーや野球で使う芝より2〜3倍丈の長いラグビー用の『ハイブリッドターフ』・・・」の記事(2003.09.13朝日新聞東京地方版/東京30頁)、「ふさふさ人工芝増殖中 疲れず、やけどしにくい サッカーにも」の見出しのもと「・・・住友ゴムグループ(本社・神戸市)は00年春、廃タイヤをゴムチップに再利用するなどした『ハイブリッドターフ』を開発した。サッカーの全国トレーニングセンター、Jヴィレッジ(福島県)の練習場など約50カ所で採用・・・」の記事(2003.08.02 朝日新聞東京夕刊1頁)、「ゴルフ用ハイブリッドシューズ、4種追加して発売/日本ダンロップ」の見出し報道(1998.10.31読売新聞東京朝刊11頁)、「GOLFライフ 新製品 飛びと柔らかさ ダンロップ『ハイブリッドボール』」の見出し報道(1998.04.05日刊スポーツ23頁)、「『茂原産』ハイブリッド米を商品化 “21世紀の米”を目指す=千葉」の見出しのもと「・・・ハイブリッド米は、収穫量の増加を目的に、米の品種を交配してつくる米の雑種。・・・」の記事(2003.01.12読売新聞東京朝刊33頁)、及び「ハイブリッドライス『みつひかり』(人もよう金もよう) /栃木」の見出し記事などの各紙の新聞報道。また、各種製品等を紹介するインターネット上のサイトによれば「ZOJIRUSHI ハイブリッド式加湿器 EV-AS50」(http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/B0000TP5BA/250-5626388-9535429)、「・・・緑茶の有効成分カテキンをシリカゲルに含浸させたハイブリッドカテキンのシートです。・・・」(http://www.ipros.jp/bookmark.asp)、「・・・カテキンとセラミックを結合したハイブリッドカテキンフィルターを用いて、・・・」(http://www.s-iri.pref.shizuoka.jp/tech/foodbio/fb120401.htm)、「・・・アスコルビン酸(ビタミンC)誘導体に関する研究/・・・水溶性であるビタミンCと脂溶性ビタミンであるE、D、レチノイン酸等を二塩基酸を介して結合させたハイブリッドビタミンの合成とその性質について研究を進めている。・・・」(http://www.bioindustry.nodai.ac.jp/~seika/t-oyama/Gaiyou.htm)、「・・・ザ・ウールマーク・カンパニーが実用化したハイブリッドウール素材で・・・」(http://www.wool.co.jp/release/release_0102.html)等のホームページ情報からもその使用状況が窺えるものである。そうすると、本願指定商品の需要者ないし取引者も「ハイブリッド」の文字からは、各種製品において異なる機能・機構及び材料等を混成させたものを表す語として理解するものとみて差し支えないものといえる。
4 してみれば、「ハイブリッド カテキン」と「Hybrid Catechin」の各文字を表記してなる本願商標は、発癌抑制、動脈硬化予防などのほか、消臭・抗菌効果の作用があるとする「カテキン」「Catechin」の文字に、新しい技術・材料等を表す複合語をつくる語である「ハイブリッド」「Hybrid」の文字を冠したものと容易に看取させるものである。そして、かかる2語を結合してなる本願商標からは、その具体的成分の組み合わせは明らかでないとしても、「効果の異なるカテキンを混成(ハイブリッド)させたもの」ないしは「カテキンとある物質を混成(ハイブリッド)させた素材又は原材料」程度の意味合いを理解し認識するというのが相当である。
結局、本願商標を少なくとも上記の「除湿機、エアコン、衣類乾燥器」等の「家庭用電熱用品類」、「抗菌性シーツ」の繊維製品、及び「むぎ茶」、「菓子及びパン」ほか、衛生面を意識しカテキンの消臭・抗菌作用を応用できる商品、例えば「冷凍機械器具,アイスボックス,氷冷蔵庫,浴槽類,家庭用浄水器,洗浄機能付き便座,洗面所用消毒剤ディスペンサー,便器,和式便器用いす,衣服綿,ハンモック,布団袋,布団綿,布製包装用容器,織物,メリヤス生地,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,シャワーカーテン,テーブル掛け」及び健康志向を意識する「コーヒー及びココア,コーヒー豆」等の食品に使用するときは、ハイブリッド(混成)されたカテキンを原材料の一としていることを特長とする商品であること端的に表現したもの、すなわち、品質表示と把握させるに止まり、それをもって商品の出所を識別する標識とは認識し得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当するといわざるを得ない。
5 また、本願商標を上記商品以外のカテキンの消臭・抗菌作用を応用できる商品、又は酸化防止、健康志向を意識させることのある食品等について、カテキンを原材料の一としない商品について使用するときは、恰も抗菌などのためにカテキンを原材料の一として使用していると理解し、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるから、本願商標は商標法第4条第1項第16号に該当するというべきである。
6 以上のとおり、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当するものというべきであるから、これと同趣旨をもって本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消す理由はない。
よって、結論のとおり審決する。
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