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Trademark Appeal Case

記述的商標の識別性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号不服2000−20821(T2000−20821/J1)
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

本願商標は、「EARTHING SYSTEM」(「EARTHING」と「SYSTEM」の文字の間にスペースがある。)の欧文字を標準文字とし、平成11年11月30日に登録出願、第12類「自動車並びにその部品及び付属品」を指定商品として登録出願されたものである。

2 原査定の拒絶理由

本願商標は、「EARTHING SYSTEM」の文字を書してなるが、これは指定商品との関係では「自動車等の走行時エンジンやボディから直接バッテリーのマイナス端子にアースを導き車の中の電気をスムーズに流し、アイドリングの安定、燃費向上、クリーンな排気等の効果をあげるシステム」を意味する語であるので、これを指定商品中、上記システムを搭載した自動車、同システム用部品附属品に使用しても、単に商品の品質を表示したにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。

3 当審の判断

本願商標は、前項1で述べたとおり、「EARTHING SYSTEM」の欧文字からなり、「EARTHING」と「SYSTEM」の文字の間にスペースを介して一連に表されている構成であるところ、その前半部の「EARTHING」の欧文字は、英語の「EARTH」の綴りに「ING」の文字を付加したものであり、その「EARTH」の英語は「接地、アース」又は「接地する、アースする」をも意味し、「接地、ラジオ・洗濯機などと地面との間に電路を作る装置」を意味する外来語「アース」(コンサイス外来語辞典)の原語として親しまれているものであって、「EARTH」の英語を「EARTHING」とすることによって分詞形をなし、容易に「接地する」を意味するものと理解されるものといえる。また、後半部の「SYSTEM」の欧文字は、「系統、方式」を意味する英語であり、外来語の「システム」の原語として親しまれているものであることから、両語を一連に表示したときは、容易に「接地する方式(アースするシステム)」の意味合いを理解させるといい得るものである。

そして、本願商標の指定商品等との関係で、「EARTHING」の欧文字及びその読みといえる「アーシング」又は「アースイング」の片仮名文字の表示について、インターネット情報を調査したところ、例えば、以下の情報が公開されている。

(1)「yowdow.com」(http://www.yowdow.com/)において、そのMENU中に「Earthing Website(アーシングの伝道師)」が設けられ、そのMENUのリンク先ウェブサイト(http://www.yowdow.com/earth/)によると、「『ワッキーの自動車実験教室』謹製アーシングケーブルキット」の見出しの下、「皆様からのご要望を受け 当HPオリジナル アーシングキットを製品化しております。」等と説明、また商品の「ラインナップ」のウェブサイト(http://www.yowdow.com/earth/)によると、「アーシング ラインナップのご紹介のページです」と説明し、車種別の商品のリスト、そして「●現在までにワンオフ製作した車両(未キット化)」の見出しの下に、車種が記載され、更に、「車両持込によるワンオフ製作、及びキットの取り付けをご希望の方はメールにてご相談ください。既にワンオフ製作した車両(未キット化)への装着についてのご相談もメールにて承ります。」等と記載している。

(2)「ap−japan.com」(http://www.ap-japan.com/index.htm)において、「高性能AEX線を使用した、高級アーシングケーブル2000円台で、確実なアース強化を実施できます。」と「AEX DIY Earthing Kit From Japan」と説明し、そのリンク先のウェブサイト(http://www.ap-japan.com/earthing/index.htm)では、「Welcome to DIY EARTHING」のタイトルの下、「この度、電線卸元と契約を行いまして、お求めやすい価格にてアーシングパーツをご提供する事が可能となりました。」等と説明、更に「KIT&PARTS」「キットの解説とラインナップ」のメニューのリンク先のウェブサイト(http://www.ap-japan.com/earthing/lineup.htm)では、「製品特徴」の項で製品の説明をし、そして「ラインナップと価格」の項で「Earthing DIYSYSTEM KIT」「¥3,000」と記載し、その「システム内容」としてパーツの内容、数量等をリストにより掲載している。

(3)「ランドパワー」(http://www.twinland.co.jp/landpower.html)において、「ツインランドオリジナルアース新登場!」のタイトルの下、その効果について説明し、その内容について「電気の流れにおいて、プラスから多くの電流が流れていながら帰るマイナスアースは抵抗をうけ戻りきらずに帯電しているため車は本来の性能を発揮できずにいました。そこで開発されたのがアースイングシステムです。」等と説明し、商品名と価格、部品として使用されるケーブルの説明等を掲載している。

(4)「iPROS」の「自動車用アーシングケーブル」(自動車部品・装置、電装備部品)のウェブサイト(http://www.ipros.jp/contents/product/033205001.html)によると、「車が生まれ変わるアーシングシステム」の見出しの下、「ハイパフオーマンスアーシングケーブル」、「価格:オープン」と記載し、その説明として「アーシングシステムは既存のアースを強化するものです。」等と記載している。そして、そのリンク先のウェブサイト(http://www.ipros.jp/bookmark.as)では、商品説明、資料請求先「有限会社ビジィービー」、「型番:ハイパフオーマンスアーシングケーブル」、「価格:オープン」と記載し、「当社製品は主に、自動車ディーラーに納入しております。」等と説明している。

(5)「TEAM KUNIMITSU」の「TK−SPORTSの新製品・技術情報」のウェブサイト(http://www.9231.com/product/productnews/vol08.htm)では、「TK−SPORTS EARTHING SYSTEM」のタイトルの下、「電導性に優れる抵抗値0.082Ω/Kmというほぼ100%の伝導率を発揮する特殊加工ワイヤーを採用。その芯線を耐熱ビニールでコーティングすることでマイナス電流のリークを防止し、高い信頼性と安全性を確保。」等と説明し、「車種専用キットラインナップ」の項に価格と、その下段に車種、排気量、型式、エンジン型式をリストにより掲載している。

(6)「RALLI ART」の「SPORTS EARTHING SYSTEM KIT」のウェブサイト(http://www.poweraxel.com/ralliart/catalogue/earthingsys/ear2.html)では、「SPORTS EARTHING SYSTEM KIT」「スポーツアーシィングシステムキット」のタイトルの下、「バッテリーのマイナス端子から電装部品やエンジンブロックなどに直接アースを取り、電気の流れをスムーズにし、クルマが本来持っているポテンシャルをより発揮させるシステム。本キットを装着することにより、点火系、モーター類、ランプ類等の各電気系統に必要な電力を安定供給することが可能になる。」等と説明し、「■スポーツアーシィングシステムキット内容」の項に、商品名として「スポーツアーシィングシステムキット」、部品番号、価格等が掲載されている。

(7)「K−CARショップ テクニカ」のホームページの「オリジナルパーツ紹介」のウェブサイト(http://www.kc-technica.com/parts.htm)では、「点火系パーツ」の一つに「シャトル アースイングシステム」が掲載されており、それを詳細に説明したウェブサイト(http://www.kc-technica.com/parts/tenka/earth.htm)によると、「エンジン、ボディー、ハーネスのターミナル、カプラーの合わせ目には必ず接点があり、同時に『抵抗』が存在します」「この『抵抗』は電気系統のロスとなり、パワーロスの原因となっています」「アースイングシステムはパーツへのスムーズな電気サーキットを作るので、『抵抗』を少なくしトルク&パワーUPが体験できます」等と説明し、車種、価格等を掲載している。

(8)「D Jac」の「Dforce」のウェブサイト(http://www.djac.co.jp/dforce/index.shtml)中に「EARTHING SYSTEM」の項目でメニューを設けており、その先のウェブサイト(http://www.djac.co.jp/dforce/item/earthing.htm)に「Dforce アースイングシステム」のタイトルの下、車種、品番、価格が記載されている。

上記情報によると、「EARTHING」の欧文字、及びその欧文字の読みを片仮名文字で表示したものとみられる「アーシング」又は「アースイング」の文字は、いずれも、自動車のエンジンを中心とした電気系統において、「アースすること」を意味し、特別の部品を用いて、そのアース部分における通電性を強化する場合に用いられている語とみられるものであり、それらの語は、例えば、「アーシングケーブル(キット)」、「アースイングシステム」、「EARTHING SYSTEM」等と「ケーブル(キット)」や「SYSTEM/システム」等の語と結合させて、「アースするケーブル(のセット)」を意味し、又は「アースする方式(方法)」の如き意味合いのものとして用いられている実情があることが窺える。

してみると、「EARTHING SYSTEM」の文字からなる本願商標は、自動車を製造、販売及び修理を行う業界においては、エンジンを中心とした電気系統におけるアース系統の通電性を強化する方式を表している商品の品質表示と容易に理解し、認識されるものとみるのが相当であって、自他商品を識別する標識として機能し得ないものというべきである。

なお、請求人は、請求書で本願商標の構成中の「EARTHING」の語は特定の意味を発生させない造語であり、本願商標は商品の品質を表示するものではない旨主張している。しかしながら、わが国の一般的英語知識程度及び「アース」の語が「接地、ラジオ・洗濯機などと地面との間に電路を作る装置(こと)」を意味する語としてよく知られていることを考慮すると、「EARTH」の英語が「アース」の外来語と同様の意味を持つ語であり、その英語に「・・ING」の綴り文字を付加することにより、次に続く語(名詞)を修飾する意味をもつことは容易に理解されるとみられるものであり、かつ上記インターネット情報からすると、「EARTHING」の語は造語ということはできないので、上記請求人の主張は採用できない。

また、当審において上記インターネット情報を調査した結果について請求人へ通知したが、請求人はこれについて意見書を提出していない。

してみれば、本願商標をその指定商品中「自動車のアース用の部品又は付属品」について使用したときは、その商品の品質を表示しているにすぎないものであり、かつその商品以外の指定商品について使用するときは、その商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわなければならない。

したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号及び同法第4条第1項第16号に該当し、原査定を覆すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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