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Trademark Appeal Case

称呼類似と初頭音の近似

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号平成11年審判第5384号
審判種別不服
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。

理由テキスト

1 本願商標

本願商標は、「ラキサール」の片仮名文字を書してなり、第5類「薬剤、歯科用材料、医療用油紙、衛生マスク、オブラート、ガーゼ、カプセル、耳帯、眼帯、生理帯、生理用タンポン、生理用ナプキン、生理用パンティ、脱脂綿、ばんそうこう、包帯、包帯液、医療用腕環、失禁用おしめ、人工授精用精液、乳児用粉乳、乳糖、はえ取り紙、防虫紙」を指定商品として、平成9年8月4日に登録出願されたものである。

2 原査定の理由

本願商標の拒絶の理由に引用された登録第1295466号商標(以下、「引用商標」という。)は、「ナキサール」の片仮名文字と「NAXAL」の欧文字とを上下二段に書してなり、第1類「化学品、薬剤及び医療補助品」を指定商品として、昭和48年7月14日に登録出願、昭和52年9月1日に登録、その後、昭和62年10月19日及び平成9年7月15日の2回に亘り商標権の存続期間の更新登録がなされているものである。

3 当審の判断

本願商標と引用商標との類否について判断するに、本願商標は、「ラキサール」の文字を書してなるから、その構成文字に相応して「ラキサール」の称呼を生ずるものである。

一方、引用商標は、「ナキサール」の文字と「NAXAL」の文字とを上下二段に書してなるから、その構成文字に相応して「ナキサール」の称呼を生ずるものである。

そこで、本願商標より生ずる「ラキサール」の称呼と引用商標より生ずる「ナキサール」の称呼とを比較するに、両称呼は、いずれも長音を含む5音構成よりなるところ、第1音目において「ラ」と「ナ」の音の差異を有し、第2音目以下の「キサール」の音を共通にするものである。

しかして、該差異音中「ラ」の音は、舌面を硬口蓋の方に持ち上げ、呼気を出しながら舌先で上歯茎を弾くようにして出す有声子音「r」と母音「a」との結合した音節であるのに対し、「ナ」の音は、舌先及び舌の側面を上歯茎に密着させ、呼気を鼻に抜くと同時に密着した舌先で上歯茎を軽く弾くようにして出す有声子音「n」と母音「a」との結合した音節である。そして、両者は、いずれも歯茎を調音点とし、舌を調音者とする点において共通するばかりでなく、母音「a」を帯同するものであるから、音感、音質において近似しているものといえる。

しかも、次に続く「キ」の音は強く響く破裂音であって、また、第3音目の「サ」の音が長音を伴っているところから、「サ」の母音「a」が1音分長く発音され、「サア」の如く口を大きくあけて発音される関係からして、「ラ」と「ナ」の差異音は、聴者に与える印象においても弱いものといえる。

そうとすれば、「ラキサール」及び「ナキサール」の両称呼をそれぞれ一連に称呼する場合は、共に特定の意味合いを有しない造語よりなることとも相俟って、その全体の語調、語感が相似たものとなり彼此聴き誤らせるおそれがあるものというのが相当である。

してみると、本願商標と引用商標とは、その外観及び観念を考慮しても称呼において類似する商標というべきであり、かつ、本願商標の指定商品は引用商標の指定商品と同一又は類似の商品を包含しているものであるから、本願商標は商標法第4条第1項第11号に該当し、登録することができない。

なお、請求人は、本願商標と同一の称呼を生ずる「ラキサール」の文字よりなる商標(登録第793714号)が引用商標と併存していたから、本願商標と引用商標とは称呼上、非類似の商標である旨主張し、「ラ」と「ナ」の差異音を含む商標が非類似と判断された審決例を提出している。

しかしながら、本願商標及び引用商標より生ずるそれぞれの称呼は、前記したとおり、「キサール」以外の音である「ラ」と「ナ」の音が近似した音であり、全体としての称呼は相紛れるおそれがあるとするのが相当である。また、過去に本願商標と同一の称呼を生ずる登録商標が引用商標と併存していた事実があるとしても、過去の審査、登録例に表れた判断が本件の商標類否の判断を拘束するものではなく、本願商標と引用商標とが類似することをもつて足りると解するのが相当である。さらに、請求人の挙げた審決例は、称呼の音構成、構成音数等において、本件とは事案を異にするものであるから、上記該審決例の判断の結論に左右されるものではない。

したがって、請求人の主張は採用できない。

よって、結論のとおり審決する。

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