Trademark Appeal Case
称呼の類似性と鼻音・末尾音
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 平成11年審判第5392号 |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「BANNER’S」と横書きしてなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バント,ベルト,履物,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成9年10月2日に登録出願されたものである。
2 原査定の引用登録商標
原査定において本願の拒絶の理由に引用した登録第2673073号商標(以下「引用商標」という。)は、「BUMMERS」の欧文字を横書きしてなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として平成4年2月4日登録出願、同6年6月29日に設定登録されたものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記した構成よりなるものであるから、これより「バナーズ」の称呼を生ずるものである。
これに対して、引用商標は、前記した構成よりなるものであるから、これより「バマーズ」の称呼を生ずるものである。
そこで、本願商標より生ずる「バナーズ」の称呼と引用商標より生ずる「バマーズ」の称呼を比較するに、両称呼は、いずれも長音を含めた4音よりなり、第2音目において「ナ」と「マ」の音の差異を有するものである。
そして、差異音「ナ」と「マ」は、いずれも口腔を閉塞して呼気を鼻腔に放出して調音され、それ自体明瞭に発音、聴取され難い通鼻音「n」と「m」を子音とするのに対して、帯同する母音「a」は、口を大きく開けて発音され、明瞭に聴取されるものであるから、子音の相違が明瞭に響くというより、母音「a」が強く響く音といえる。しかも、「ナ」と「マ」が長音を伴っているところから、これらの母音「a」が1音分長く発音される形となって、「ア」の音が強く印象に残り、該差異音が両称呼全体に及ぼす影響は決して大きいものとはいえず、これら差異音の前に強く響く濁音「バ」の音が位置することも相俟って、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、互いに聞き誤られるおそれがある。
また、請求人は、引用商標からは、前記「バマーズ」の称呼のほか、「バマース」の称呼をも生ずると主張するので、この点についてみるに、引用商標が「バマース」とも称呼され、本願商標より生ずる「バナーズ」の称呼との間に、前記した差異に加え、末尾における「ズ」と「ス」の差異があるとしても、前記したとおり、第1音目の濁音「バ」、及び「ナ」と「マ」の母音「a」が2音分強く発音される関係から、それに続く「ズ」と「ス」の音は、自然弱く発音されるものであり、末尾に位置することも相俟って、明瞭には聴取され難いものであるから、両称呼をそれぞれ一連に称呼するときは、その語調、語感が極めて近似したものとなり、相紛れるおそれがあるというのが相当である。
してみると、本願商標と引用商標とは、称呼上類似する商標といわざるを得ない。
さらに、本願商標と引用商標の観念及び外観を含めて、両商標の類否についてみるに、本願商標中の「BANNER」が「旗」などの意味を、また、引用商標中の「BUMMER」が「怠け者」などの意味を有する英語であることは認め得るとしても、これらの英語は、わが国においては親しまれているものとは認め難いところであるから、両商標の有する観念の相違が、両商標より生ずる称呼を識別する上で大きな影響を及ぼすものとは認められないところである。また、本願商標と引用商標は、いずれも欧文字よりなるものであって、この点においては共通するものであり、いずれも親しまれた英語とはいえないこと前記のとおりであるから、これらの綴り文字等の外観的要素を記憶に留めにくいとみるのが相当である。
してみれば、本願商標と引用商標は、観念及び外観において差異を有するものであるとしても、その差異は、両商標より生ずる称呼の類否を判断する上で大きな影響を及ぼすものとはいえないものである。
したがって、本願商標と引用商標は、称呼上類似する商標であり、かつ、本願の指定商品は、引用商標の指定商品と同一又は類以のものと認められるから、本願商標が商標法第4条第1項第11号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、これを取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
次の一手につながるサービス
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。