Trademark Appeal Case
品質表示の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2001−8814(T2001−8814/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
理 由
1 本願商標
本願商標は、「革しぼ」の文字を標準文字で書してなり、第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年5月25日に登録出願されたものである。
2 原査定における拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、『革しぼ』の文字を普通に用いられる方法で書してなるが、指定商品との関係において、構成中の『しぼ』の文字が『革をもんで、その表面に生じるシワ。織物の布面一面にあらわれたこまかい縮み皺のこと。』の意に通じる語であり、靴、バッグ等の革製品を取り扱う業界において一般に用いられていることから、『革しぼ』の文字よりなる本願商標からは、『革をもんで、その表面に生じるシワ』の意を容易に想起し得るものと認められる。そうすると、本願商標をその指定商品中の『革製品』に使用するときには、これに接する取引者、需要者は、その商品が『革をもんで、その表面に生じるシワのある商品であること』を表示したものと理解するに止まり、単に商品の品質(内容)、生産の方法を表示するにすぎないものと認められる。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記のとおりの構成よりなるところ、該構成中の「しぼ」について各種の辞典を徴すると、「革や紙に加工したしわのような凹凸」(『広辞苑第五版』岩波書店1998年11月11日)、「皮革や紙につけたしわ」(『大辞林』三省堂1991年7月1日)、「紙や皮革につけられたしわ」(『国語大辞典』小学館1988年11月10日)、「革をもんで、その表面に生じるシワをいう。シワの形によって、ボックス(四角型)、ウイロウ(一方向)、スコッチグレイ(比較的角ばった型)ペブルドグレイン(丸形で小石のような型)などの種類がある」(『靴の商品知識』ぜんしん平成9年10月)、「鞣した後にぎん面にできる模様のこと。また、革を揉んでしぼを出すこともあり、四角形のものを『ボックス』、一方向のみのものを『ウイロー』、丸形で石目のものを『ペブルド・グレイン』、角ばったものを『スコッチ・グレイン』という」(『良いクツの基礎知識』日本靴総合研究会1993年5月20日)等の記載が認められる。また、「革」の文字は、動物の皮をむいて加工したものを意味する語として一般に親しまれているところである。
そうすると、「革しぼ」の文字よりなる本願商標は、「革の表面につけたしわ」の意味合いを容易に理解、認識させるとみるのが相当である。
このことは、例えば「革しぼ」について、インターネットの各種の革製品情報紹介サイトをみると、以下のような記事が掲載されていることからも十分に裏付けられるところである。
(1)「もれなく、牛革ペンポーチを進呈! 発売を記念して丸善が作成したオリジナル・ペンポーチ。手もみによる革しぼを施した上質の革素材の限定品です。」(http://www.maruzen.co.jp/home/tenpo/atenapen.html)
(2)「内装表皮の世界的なトレンドについて『天然皮革を模した“革しぼ”から、芸術性が高い“人工しぼ”へと変わっていくだろう。当社は幾何学模様の表現を得意分野としており、凹凸感をはっきりと出せる新製品の適用範囲が拡大できれば、競争力も高まるだろう』と見ている。」(http://www.kyowale.co.jp/saishin1.html)
(3)「表面は革しぼ調の合成皮革です 両面テープが付いていますので靴の中でズレません」 (http://www.footcare-goods.com/sorubo_hi-rutaipu_001.htm)
(4)「表面はカーフの革しぼ調です 靴の中でズレないように両面テープが付いています」(http://www.footcare-goods.com/sorubo1300.htm)
(5)「リフィール付きのミニ6穴サイズのシステム式のメモです。表紙は合成皮革です。・・・中央上革しぼレッド、中央下革しぼブラック」(http://www8.ocn.ne.jp/~univer/bainder.htm)
(6)「ある中古カメラ屋さんで、なるべく安価なプラクチカスクリューの1眼レフはないか、と尋ねたところ、現れたのがこのZenitーBなのだった。・・・革張りはビニールか布で、日本製のように革しぼはなく、縦線状の幾何学模様が型押ししてある。」(http://www.ex.media.osaka-cu.ac.jp/~d00l001/zenit_b.html)
(7)「ソフト・シュリンクレザーバッグ 革が持つ、”革しぼ”を表現しました。軽さと、しなやかさを表現した独特な革鞣し方法と、仕上方法をこのバッグのために開発しました。」(http://www.vzhyogo.com/~topuniverse/goods/mensbag/soft-sh-bag.html)
(8)「レザーボックス 革しぼ風の型押しで高級感のある素材です。」(http://www.compaq.rakuten.co.jp/wrapping/437962/)
してみると、本願商標をその指定商品中の「革製靴,革製靴中敷き,革製ベルト」等に使用するときは、これに接する取引者、需要者は、その商品が表面にしわを有するものであるという、商品の品質を表示したものと直ちに理解、認識するというべきであり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものといわなければならない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとして、本願を拒絶した原査定は妥当であって、取り消すことはできない。
なお、請求人は、「本件商標は、商品の品質、用途などを表示する際に通常に使用される用語ではなく、また、現にそのような品質表示用語として使用されている事例も見当たらない」旨を主張しているが、前記(1)ないし(8)に記載のとおり、「革しぼ」の文字は、革製品の品質を表示するものとして普通に使用されている事実が認められるから、請求人の主張は採用することができない。
よって、結論のとおり審決する。
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