結論テキスト
審判費用は、請求人の負担とする。
Trademark Appeal Case
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
| 審判番号 | 取消2002−30552(T2002−30552/J2) |
|---|---|
| 審判種別 | 取消 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
本件登録第1995442号商標(以下「本件商標」という。)は、「シャルレ」の文字を横書きしてなり、昭和58年6月6日に登録出願、第4類「化粧品(薬剤に属するものを除く)せっけん類(薬剤に属するものを除く)その他本類に属する商品」を指定商品として、昭和62年10月27日に設定登録、その後、平成9年7月15日に商標権存続期間の更新登録がされたものである。
請求人は、「本件商標の指定商品中『化粧品(薬剤に属するものを除く)せっけん類(薬剤に属するものを除く)香料類』についての登録を取り消す、審判費用は被請求人の負担とする」との審決を求めると申立て、その理由及び被請求人の答弁に対する弁駁を要旨次のように述べ、証拠方法として甲第1号証を提出している。
本件商標は、指定商品「化粧品(薬剤に属するものを除く)せっけん類(薬剤に属するものを除く)香料類」について不使用状態と推定するので、本件商標は、商標法第50条第1項の規定により上記指定商品に係る登録を取り消すとの審決を求める。
(1)乙第1号証ないし同第8号証の証拠力について
甲第1号証の記載によると、被請求人は平成13年9月に設立された。しかるに乙第1号証は、現商標権者が印刷会社に依頼して乙第2号証のように平成13年4月27日に作成されて印刷されたものと主張しているが、平成13年4月27日の時点では被請求人は存在していなかったと解される。
そのため、乙第1号証及び同第2号証の証拠力がなく、乙第3号証についても疑わしい。
同じく乙第4号証ないし同第7号証についても、被請求人が乙第8号証のように平成13年2月28日の請求書で立証しているが、当時点では被請求人は存在していなく、乙第4号証ないし同第8号証も証拠力がない
このように乙第1号証ないし同第8号証には証拠力はないと解されるが、次のように弁駁しておく。
(2)乙第1号証について
乙第1号証の第1頁と2頁には「敏感な肌に、シャルレのやさしい思いやり・・・」、「・・・やさしくいたわるシャルレのシリーズ・・・」、「敏感肌をやさしくいたわるシャルレのスキンケア」のように記載されているもので、パンフレットのフレーズの一部における記載にすぎず、いわゆる商標の使用とはいい難い。
また、「シャルレ NPパウダー」、「シャルレ NPローション」、「シャルレ NPミルク」、「シャルレ NPクリーム」と記載されているが、本件商標の「シャルレ」単独の表示のものは全く記載されていない。
(3)乙第2号証について
乙第2号証は納品書で、「シャルレ A4両面 パンフレット」と記載されている。上記したパンフレットの納品書と主張されるが、被請求人の作成、使用のものでなく、使用許諾契約のない第三者が作成した使用に係るものにすぎない。
(4)乙第3号証について
乙第3号証は、乙第1号証が配布されたとの内容にすぎない。
(5)乙第4号証ないし同第7号証について
乙第4号証ないし同第7号証には、パッケージに「シャルレ NPミルク(乳液)」、「シャルレ NPローション(化粧水)」、「シャルレ NPクリーム(エモリエントクリーム)」、「シャルレ NPパウダー(洗顔料)」と記載されているが、本件商標の「シャルレ」単独の表示のものは記載されていない。
(6)乙第8号証について
乙第8号証には、「シャルレ NPクリーム40g用」、「シャルレNPミルク100ml用」、「シャルレ NPミルク・NPローション」、「シャルレ NPローション」、「シャルレシリーズ」等と記載されているが、ここにも本件商標の「シャルレ」単独の表示のものは記載されていない。また、被請求人の作成、使用のものでなく、使用許諾契約のない第三者が作成した使用に係るものにすぎない。
(7)乙第9号証について
乙第9号証にも「シャルレ NPローション」、「シャルレ NPクリーム」と記載されているが、これらについても前述したように本件商標権者の作成、使用のものでなく、上記したように本件商標の「シャルレ」単独の表示のものは記載されていない。
(8)乙第10号証について
乙第10号証にも、「シャルレ NPミルク」や、「シャルレ NPクリーム」、「シャルレ NPパウダー」が記載されているが、上記したように本件商標の「シャルレ」単独の表示のものは記載されていない。
このように、本件商標は、その同一の商標について指定商品「化粧品(薬剤に属するものを除く)せっけん類(薬剤に属するものを除く)香料類」について不使用である。
被請求人は、結論と同旨の審決を求めると答弁し、その理由を要旨次のように述べ、証拠方法として乙第1号証ないし同第10号証を提出している。
本件商標は、平成14年1月28日に「株式会社アサバ研究所」から「株式会社ジョイフル」に譲渡され、平成14同年2月15日付で移転の登録がされたものである。
(1)乙第1号証は、本件商標の現商標権者である株式会社ジョイフルが日本国内において頒布している宣伝広告用の化粧品に関するパンフレットである。
このパンフレットの表面には、その上段に「シャルレのやさしい思いやり」と表されており、更に下段に「デリケートな肌をやさしくいたわるシャルレのシリーズ」と記載されている。また、このパンフレットの裏面には、商品に関する説明が記載されており、その説明には「シャルレ NPパウダー」、「シャルレ NPローション」、「シャルレ NPミルク」又は「シャルレ NPクリーム」とそれぞれ記載されている。ここで、「NPパウダー」等は化粧品を示すものである。すると、それらの前に間隔をあげて記載されている「シャルレ」は、商品である化粧品を他から識別するための標章として使用されている。このことは表面における「デリケートな肌をやさしくいたわるシャルレのシリーズ」との記載からも明らかにされる。ここで、「シャルレ」なる文字は本件商標と同一であり本件商標が表されているといえる。
一方、乙第1号証のパンフレットに対する印刷会社からの納品書を乙第2号証として添付する。また、このパンフレットが頒布されている事実を乙第3号証において証明する。この乙3号証によれば、このパンフレットは平成14年2月1日から平成14年5月20日までの間に現商標権者により頒布されている。
ここで、後述するように、移転の登録(平成14年2月15日)以前における現商標権者は前商標権者の通常使用権者としての地位を有する。
(2)乙第1号証のパンフレットに表された「ミルク」、「ローション」、「クリーム」及び「パウダー」の販売の際に用いられる包装箱を乙第4号証ないし同第7号証として添付する。
これらの包装箱の裏面には、内容物を示す「ミルク」、「ローション」、「クリーム」及び「パウダー」の表示とともに、本件商標である「シャルレ」の文字がそれぞれ印刷されている。そしてこれらの包装箱には現商標権者の名称が販売元として、前商標権者が製造元として印刷されている。
乙第4号証ないし同第7号証の包装箱に対して印刷会社から平成13年2月28日に送付された請求書を乙8号証として添付する。
この乙8号証が送付された時点における商標権者は、販売元として包装箱に印刷されているように、前商標権者の製造する商品の販売を担当する通常使用権者としての地位を有する。
(3)乙第9号証は、本件商標の現商標権者が平成14年4月20日に譲渡先に送付した請求書である。記載されている「シャルレ NPローション」及び「シャルレ NPクリーム」は乙第1号証のパンフレットに記載された化粧品である。記載されている「シャルレ」は、「ローション」及び「クリーム」を他のローション等から識別するための標章として使用されている。
(4)乙第10号証は、本件商標の前商標権者である株式会社アサバ研究所が平成13年3月に当時の譲渡先に送付した請求書である。この請求書に記載されている「シャルレ」は他の化粧品から識別するための標章として使用されている。
なお、該証拠には、被請求人を示す名称として「ジョイフル」と「株式会社ジョイフル」の名称が使用されているが、以下、これらを区別せずに一括して「被請求人」と記載する。
(1)平成13年4月27日に株式会社ピスコより納品された「シャルレA4パンフレット」には、その表の上部に「敏感な肌に、シャルレのやさしい思いやり」として「シャルレ」の文字が他より大きな文字で表されている。その下部には「デリケートな肌をやさしくいたわるシャルレのシリーズ」と記載されている。また、このパンフレットの裏面には、「敏感肌をやさしくいたわるシャルレのスキンケア」として化粧品に関する記述がされ、「洗顔」、「化粧水」、「乳液」のそれぞれに「シャルレ NPパウダー」、「シャルレ NPローション」、「シャルレ NPミルク」又は「シャルレ NPクリーム」とそれぞれ記載されている(乙第1号証及び同第2号証)。
(2)このパンフレットは、平成14年2月1日より同5月20日にかけて、被請求人より宮崎市在の「有限会社フェイス」に頒布された(乙第3号証)。
(3)化粧品の包装箱の裏面には、「NPミルク」、「NPローション」、「NPクリーム」又は「NPパウダー」の表示の上段に「シャルレ」の文字が表され、かつ、製造元として本件商標の前商標権者の「アサバ研究所」が、販売元として被請求人の名称が記載されていた(乙第4号証ないし同第7号証)。
(4)平成13年2月28日付けで株式会社ピスコより被請求人に対し、包装箱の印刷について請求書が送付された(乙第8号証)。
(5)化粧品の製造元であるアサバ研究所は、平成13年3月に被請求人に対し請求書を送付した。該請求書には、「シャルレ NPミルク」、「シャルレ NPローション」、「シャルレ NPクリーム」及び「シャルレ NPミルク」と記載されていた(乙第10号証)。
(6)化粧品の発売元である被請求人は、平成14年4月20日にジョイフル鹿沼店に請求書を送付した。該請求書には「シャルレ NPローション」及び「シャルレ NPクリーム」とそれぞれ記載されていた(乙第9号証)。
裏面に「シャルレ」の文字からなる商標が表され、かつ、製造元として本件商標の前商標権者の「アサバ研究所」が、販売元として被請求人の名称が記載された化粧品の包装箱が平成13年2月28日付けで印刷会社より被請求人に納品された。
一方、「シャルレ」の文字からなる商標の化粧品は、平成13年3月3日から同30日にかけて、製造元の「アサバ研究所」より被請求人に納品され、他方、「ローション」と「クリーム」については、平成14年3月にシャルレ鹿沼店に販売された。
以上の事実を認定することができる。
そして、これらの化粧品に付された「シャルレ」の文字からなる商標は、本件商標と社会通念上同一の商標と認められる。
これらの化粧品の包装箱に、製造元として本件商標の前権利者が、販売元として被請求人が表示されていたことからすると、本件商標について前権利者から被請求人への移転登録がされた平成14年2月15日前は、被請求人は、通常使用権者としての立場にあったものと判断するのが相当である。
してみれば、本件商標の商標権者又は通常使用権者は、日本国内において、本件審判請求の登録前3年以内に、本件商標と同一と認められる「シャルレ」の文字からなる商標の化粧品を掲載した商品カタログを作成、頒布し、かつ、該商品カタログに掲載されている化粧品を販売したものと判断するのが相当である。
請求人は、被請求人は平成13年9月に設立された会社であり、乙第1号証ないし同第8号証は証拠力がないと述べる。
確かに、乙第1号証ないし同第8号証及び同第10号証には被請求人の名称として「ジョイフル」とのみ記載されていて「株式会社」の文字がない。仮に、被請求人が平成13年9月に設立された会社であるとすると、これらの書証は、会社を設立する前には、被請求人は「ジョイフル」の名称で事業活動をしていたことを意味するものと解することができる。そうすると、被請求人の会社設立前は、本件商標の通常使用権者は被請求人会社の前身である「ジョイフル」であったというに止まるから、被請求人が平成13年9月に設立された会社であるという事由は、上記乙各号証の証拠力に影響を及ぼすものでないことは明らかである。
したがって、本件商標の指定商品中「化粧品(薬剤に属するものを除く)せっけん類(薬剤に属するものを除く)香料類」についての登録は、商標法第50条の規定により取り消すべき限りでない。
よって、結論のとおり審決する。
Next Action
類似審決の追加調査から中間応答、新規出願の費用確認まで、この審決を起点に次のアクションへ進めます。
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