Trademark Appeal Case
e-と商品名の結合の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−5472(T2002−5472/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「e―Film」の文字を標準文字で表してなり、願書記載のとおりの商品及び役務を指定商品及び指定役務として、平成12年8月4日に登録出願されたものであるが、その後、指定商品及び指定役務については、平成13年10月31日付提出の手続補正書により、第1類「グラフィックアーツ用写真フィルム」及び第35類「インターネット等の通信回線を利用した商品の販売に関する情報の提供」と補正されたものである。
2 原査定の拒絶の理由
原査定は、「本願商標は、商品の型式、種別等を表す記号として使用されているローマ字一字の類型と看取される『e』と写真フィルムを認識させる『Film』の文字とをハイフンを介して横書きした『e―Film』の構成よりなるものであるから、これを指定商品中のフィルムに使用しても全体として写真フィルムであることを認識させるにすぎない。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当し、前記フィルム以外の写真材料に使用するときは、商品の品質について誤認を生ずるおそれがあるので、同法第4条第1項第16号に該当する。」と認定、判断し、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、前記1のとおり、「e―Film」の文字を標準文字により表してなるところ、構成中の「e」の文字は、商品の型式、種別等を表す記号として使用される場合もあるが、最近においては、「electronic」の頭文字の「e」にハイフン(「−」)を付した「e−」が、「電子の、インターネットの」という意味を表す略語として使用されていることが、例えば、以下のような辞書、新聞記事等の記載により認められる。
(a)「e−」の見出しで、「電子的な.(インターネットを利用して)電子的に行われる...《略》←E(LECTRONIC)」(研究社 新英和大辞典 第6版(株)研究社、2002年3月発行)との記述、
(b)「E−/e−」の見出しで、「(electronic)電子の。インターネットの。...」(現代用語の基礎知識2003 (株)自由国民社、2003年1月1日発行)との記述、
(c)「99読者が選ぶネーミングベスト10(3)ネーミングは時代を映す鏡−その傾向を見る」の見出しで、「『e』を冠したネーミングも多い。『e−business』、『e−commerce』『E−ファイナンス』など続々と登場している。『e』は『electronic(電子化)』の意味である。インターネット関連のビジネスには今、この『e』を使うことがブームになっている。」(流通サービス新聞 2000年2月1日)との記述がある。
そして、前記(c)にもあるように、普通名詞に「e−」の文字を冠して、例えば、「電子メール」を「e−mail」、「電子商取引」を「e−commerce」、「電子出版物」を「e−book」及び「電子マネー」を「e−money」等のように熟語を構成し、それがインターネットを利用して行われるものであることを表すものとして、広く一般に使用されている。
また、本願商標の構成中「Film」の文字は、出願人が主張するように、「写真フィルム」に限定されず、「薄皮、薄膜」等多くの意味を有する語であるとしても、これをその指定商品に使用するときは、商品「グラフィックアーツ用写真フィルム」そのものを表したものと認識されるものというべきであり、本願商標は、前記意味合いを有し、他の語に冠して熟語を構成する「e−」の文字と、本願の指定商品を認識させる「Film」の文字とを組み合わせたものと理解されるものである。
ところで、インターネット上において商品が取引きされる場合、「e−」の文字に販売の客体となる商品の名称を付したものをもって取引に資することも少なくなく、インターネットのホームページの商品情報においては、例えば、以下のように使用されている。
(d)商品「書籍」を取り扱うホームページにおいて、「e−hon」(http://www.e-hon.ne.jp/bec/EB/Top)との記述、
(e)商品「絵画用材料」を取り扱うホームページにおいて、「e−gazai」(http://www.e-gazai.com/gazai/index.htm)との記述、
(f)商品「自動車の窓用フィルム」を取り扱うホームページにおいて「e−carfilm」(http://www.e-carfilm.com/)との記述、
(g)商品「おもちゃ」を取り扱うホームページにおいて「e−toy」(http://e-toy.co.jp/)との記述がある。
以上のように、「e−」の文字に商品の名称を付したものが、その商品がインターネット上で取引きされる商品であることを表すものとして普通に使用されていることからすると、「e−Film」の文字からなる本願商標もこれらと同様に認識され、これをその指定商品に使用するときは、これに接する取引者、需要者が、インターネット上で取引きされる「グラフィックアーツ用写真フィルム」であることを記述的に表したものと認識、理解するに止まるとみるのが相当である。
そうすると、本願商標は、その指定商品の品質を普通に用いられる方法で表したにすぎないというべきであり、自他商品の識別機能を果たし得ないものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第3号に該当するものとして、本願を拒絶した原査定は、妥当であって、取り消すことができない。
なお、本願商標は、その指定商品が上記1のとおり「グラフィックアーツ用写真フィルム」と補正されたものであるから、本願商標が商標法第4条第1項第16号に該当するとした原査定の拒絶理由は解消している。
よって、結論のとおり審決する。
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