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Trademark Appeal Case

使用商標と登録商標の同一性

本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。

基本情報

審判番号取消2003−31253(T2003−31253/J2)
審判種別取消
結論敗訴(請求棄却)

結論テキスト

本件審判の請求は、成り立たない。
審判費用は、請求人の負担とする。

理由テキスト

第1 本件商標

本件登録第1389268号商標(以下「本件商標」という。)は、別掲のとおりの構成よりなり、第17類「被服(運動用特殊被服を除く)布製身回品(他の類に属するものを除く)寝具類(寝台を除く)」を指定商品として、昭和49年3月5日に登録出願、同54年8月30日に設定登録され、現に有効に存続しているものである。

第2 請求人の主張

請求人は、本件商標の指定商品中の「被服(運動用特殊被服を除く)」についての登録を取り消す。」との審決を求めると申し立て、その理由及び答弁に対する弁駁を次のとおり述べ、本件商標の商標登録原簿(写し)を提出した。

1 請求の理由

本件商標は、本件審判の請求時以前に継続して3年以上、日本国内において商標権者、専用使用権者又は通常使用権者のいずれもがその指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」について使用をしていないものであるから、商標法第50条第1項の規定によりその登録は取り消されるべきである。

2 答弁に対する弁駁

(1)被請求人は、本件商標は「2001年6月30日」を有効期限とする被請求人発行のカタログ「Rapty 2001春増刊号」に掲載の商品に使用されている旨主張し、上記カタログの表紙(以下「乙第1号証の1」という。)、同裏表紙(以下「乙第1号証の2」という。)、本件商標が使用されているという商品「トレーナーR−160」が掲載されている頁(以下「乙第1号証の3」という。)及び商品「TシャツF−200」が掲載されている頁(以下「乙第1号証の4」という。)の各写しを提出しているが、該カタログによる本件商標の使用の証明は不適切である。

すなわち、乙第1号証の1及び2と、乙第1号証の3及び4との関係が不明確であり、これらが同一のカタログから複写されたものであることは、確認することができない。

また、乙第1号証の1及び2と乙第1号証の3及び4が同一のカタログを複写したものであったとしても、その大きさが極端に異なっていることから、乙第1号証の1及び2が本来の大きさと仮定しても、乙第1号証の3及び4は、実際の大きさよりも著しく拡大されていることが容易に推認できる。加えて、乙第1号証の3及び4は、JIS規格のA3用紙一面にわたっているが、掲載されている商品や文字、表等が途中で切れているのが確認できることから、カタログ自体は本来JIS規格のA3サイズのものではない上、当該カタログの一部分をかなりの倍率で引き延ばしたものであることは明らかである。

このような前提のもとで、使用に係る商品をみると、商標が付されていると思われる商品のタグの部分の写真は非常に小さいものであり、そのタグ中の文字は、辛うじて何らかの文字が表されていると視認できる程度のものである。

つまり、乙第1号証の3及び4をここまで拡大して辛うじてタグの文字の存在を視認できる大きさであるものが、実際のカタログにおいて、商標の文字が無理なく明確に確認できる程度の大きさで表されているとは到底考えられない。

このように、実際のカタログに掲載されたタグ及び文字の大きさでは一体何の文字が書いてあるか、ひいては商標自体が記載されているか否かが容易に認識できないようなものを商標の使用の証拠とするのはきわめて不適切であり、そのようなカタログの拡大コピーをもって証拠とすることも妥当ではないことは明らかである。

したがって、乙第1号証の1ないし4は、本件商標の使用を裏付ける明確な証拠とはならない。

(2)使用に係る商標は、「Amical」の筆記体と認識することが困難であるばかりでなく、通常よりかなり崩した態様の筆記体の文字が表されているように思われる。一方、本件商標は、全体としてやや図案化された態様のものであり、特に「A」、「m」、「a」等の文字は、一般的に使用されている活字体とは明らかに異なる態様である。

このように、商標を構成する文字に特徴がある態様の本件商標の態様と、使用に係る商標の態様は、社会通念上同一といえるかどうか甚だ疑問であり、そのような社会通念上同一かどうか疑わしい商標の使用をもって、本件商標を使用しているとはいえず、また、そのような商標が記載された商品が掲載されたカタログを使用の証拠とすることも妥当性に欠けると思われる。

(3)以上のように、被請求人によって提出された証拠によっては、本件商標を使用しているとの証明にはならず、本件商標は、依然としてその使用の事実が立証されたとはいえないことは明らかである。

第3 被請求人の答弁

被請求人は、結論同旨の審決を求めると答弁し、その理由を次のように述べ、証拠方法として、通販カタログ「Rapty 2001春増刊号」の表紙(乙第1号証の1)、同裏表(乙第1号証の2)、同47頁の商品「トレーナーR−160」(乙第1号証の3)、同48頁の商品「TシャツF−200」(乙第1号証の4)の、いずれも写しを提出した。

本件商標は、2001(平成13)年6月30日を有効期限とする被請求人発行の通販カタログ「Rapty 2001春増刊号」の、商品名「トレーナーR−160」(47頁)及び商品名「TシャツF−200」(48頁)に「被服(運動用特殊被服を除く)」について使用されており、商標法第50条第1項の規定に該当しない。

第4 当審の判断

1 乙第1号証の1ないし4によれば、以下の事実が認められる。

(1)乙第1号証の1は、上部に「Rapty」との表題があり、その右に「ラプティ・シーズンプレス/SPRING/2001/春増刊号」との記載がある。また、その左下には、「ムトウカタログショッピングなら/3回・ボーナス一括払いは金利・手数料なし。・・詳しくは、巻末の【ご利用ガイド】をご覧下さい。」などの記載があり、同じく右下には、「カタログ有効期限/2001年6月30日」、「ムトウ」、「カタログコード01424」の記載がある。

(2)乙第1号証の2は、その右下に「発行/株式会社ムトウ」、「住所/〒430−0807 静岡県浜松市佐藤2丁目24−1」、「発行日/2001年2月10日」、「カタログコード 01424」などの記載があり、さらにその右に「2001春 ラプティ増刊号」の文字とバーコードが表示されている。

なお、乙第1号証の1及び2は、B4サイズの用紙にA4サイズよりやや大きく複写して表されている。

(3)乙第1号証の3は、使用に係る商品「トレーナーR−160」が4種類掲載されているところ、これらのトレーナーの襟吊りには、筆記体で横書きした「Amical」の文字が表示されている。また、その右下には、頁を表す「47」が記載されている。

(4)乙第1号証の4は、使用に係る商品「TシャツF−200」が3種類掲載されているところ、これらのTシャツの襟吊りには、筆記体で横書きした「Amical」の文字が表示されている。また、乙第1号証の4の最下部の頁を表す「48」の右には、長方形輪郭内に「ムトウのショッピングなら3回払い・ボーナス一括払いは金利手数料なし。(巻末のご利用ガイドをご覧下さい。)」の記載がある。

なお、乙第1号証の3及び4は、A3サイズの用紙に複写して表されている。

2(1)前記1で認定した事実によれば、乙第1号証の1及び2は、被請求人(商標権者)の取扱いに係る商品に関する、2001年2月10日発行の通信販売カタログの表紙及び裏表紙であると認められる。

また、乙第1号証の3及び4は、頁を表す数字の大きさ・書体の同一性、商品の価格表示及び「カラー」、「サイズ」等の表示の仕方の同一性などからみて、いずれも同一のカタログからの写しと認められるものであり、乙第1号証の4の最下部に記載された「ムトウのショッピングなら3回払い・ボーナス一括払いは金利手数料なし。(巻末のご利用ガイドをご覧下さい。)」と、乙第1号証の1に記載された「ムトウカタログショッピングなら/3回・ボーナス一括払いは金利・手数料なし。詳しくは、巻末の【ご利用ガイド】をご覧下さい。」との文言がほぼ符合することからみて、乙第1号証の3及び4は、乙第1号証の1及び2と同一のカタログの写しとみて差し支えないものである。

そして、乙第1号証の3及び4に示された使用に係る商品「トレーナー、Tシャツ」は、「被服(運動用特殊被服を除く)」の範疇に属する商品である。

(2)上記(1)に関し、請求人は、乙第1号証の1及び2と、乙第1号証の3及び4との関係が不明確であり、これらが同一のカタログから複写されたものであることは、確認することができない旨主張し、さらに、乙第1号証の1及び2と乙第1号証の3及び4が同一のカタログを複写したものであったとしても、乙第1号証の3及び4は、実際の大きさよりも著しく拡大されているにもかかわらず、表示されている商標を確認することができないものであるから、実際のカタログに掲載された商標は、文字が無理なく明確に確認できる程度の大きさで表されているとは考えられず、したがって、乙第1号証の1ないし4をもって、商標の使用の証拠とするのはきわめて不適切である旨主張する。

しかし、上記(1)で認定したとおり、乙第1号証の1ないし4は、その記載内容からみて、同一のカタログの写しと推認し得るものであり、これに反する証拠は見出せない。

また、乙第1号証の1及び2と乙第1号証の3及び4とのコピーサイズが異なるのは、使用に係る商標をより明確に把握することができるようにとの配慮からであろうことは容易に窺うことができるところ、不使用取消審判においては、取引の実際において、当該登録商標が使用されているか否かを問題とすべきであって、カタログ上での商標の表示の大きさが問題となるものではない。とりわけ、通信販売においては、表示された商標が他の商品と区別する上で重要な働きを有するものであることは、疑いのない事実であるとしても、購入者が商品を選択し、購入する際には、乙第1号証の2ないし4にあるように、「申込番号」をもって商品の取引に当たる場合が多いといえる。したがって、本件審判においては、提出された証拠により、使用に係る商標「Amical」(筆記体)が十分に把握し得るものであるから、乙第1号証の1ないし4は、登録商標の使用の証拠となり得るものである。

(3)以上によれば、商標権者(被請求人)は、本件審判の請求の登録日(平成15年10月22日)前3年以内に日本国内において、請求に係る指定商品中の「トレーナー、Tシャツ」について、筆記体で横書きした「Amical」の商標を使用していたというべきである。

3 使用に係る商標について

本件商標は、別掲のとおり、やや図案化した活字体で「Amical」と横書きしてなるものである。

これに対して、使用に係る商標は、前記したとおり、筆記体で「Amical」と横書きしてなるものである。

そうすると、本件商標と使用に係る商標とは、同一の綴り文字よりなるものであるから、「アミカル」なる同一の称呼を生ずるものである。また、両商標は、フランス語の「amical」(友情のある)に通ずるものであるから、同一の観念を有するものである。

したがって、使用に係る商標は、外観において多少異なるものであるとしても、本件商標と社会通念上同一と認められる範囲内の商標というべきである。

4 むすび

以上のとおり、被請求人は、商標権者が本件商標と社会通念上同一と認められる商標を請求に係る指定商品中の「トレーナー、Tシャツ」について、本件審判の請求の登録前3年以内に日本国内において使用していたことを証明したものと認め得るところである。

したがって、本件商標の指定商品中「被服(運動用特殊被服を除く)」についての登録は、商標法第50条の規定により、取り消すことはできない。

よって、結論のとおり審決する。

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