Trademark Appeal Case
「軽・快・乾」の識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2002−7079(T2002−7079/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「軽・快・乾」と標準文字で表してなり、第24類「織物,メリヤス生地,フェルト及び不織布,オイルクロス,ゴム引防水布,ビニルクロス,ラバークロス,レザークロス,ろ過布,布製身の回り品,織物製テーブルナプキン,ふきん,かや,敷布,布団,布団カバー,布団側,まくらカバー,毛布,織物製いすカバー,織物製壁掛け,織物製ブラインド,カーテン,テーブル掛け,どん帳,シャワーカーテン,織物製トイレットシートカバー,布製ラベル,ビリヤードクロス,のぼり及び旗(紙製のものを除く。)」及び第25類「被服,ガーター,靴下止め,ズボンつり,バンド,ベルト,履物,仮装用衣服,運動用特殊衣服,運動用特殊靴」を指定商品として、平成12年12月28日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由の要点
原査定は、「本願商標は、『軽くて、快く、乾きが良い』商品であることを認識させる『軽・快・乾』の文字を一連に普通に用いられる方法で書してなるものであるから、これをその指定商品に使用するときは、単に商品の品質を表したにすぎないものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第3号に該当する。」旨認定、判断して、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
本願商標は、「軽・快・乾」の文字を書してなるところ、「軽」の文字は、「かるい」などの意味を有する漢字であり、「快」の文字は「こころよい」など意味を有する漢字であり、「乾」の文字は「かわく」の意味を有する漢字であって、いずれも一般に親しまれているものである。
また、本願商標の指定商品を取り扱う業界においては、原材料の一つとする素材について、その軽さ、快適さ、速乾性などを追求した商品が研究開発され、それらの特性を有した素材を使用した製品あるいはそのような特性を追求した製品が販売されていることも良く知られている。
してみれば、本願商標をその指定商品に使用した場合、本願商標の構成中、「軽」の文字部分は「軽い」ことを、「快」の文字部分は「快い」ことを、また、「乾」の文字部分は「乾きが良い」ことをそれぞれ容易に認識させるものであるといえる。
この点については、請求人(出願人)も意見書及び請求の理由において、「『軽』、『快』、『乾』の語を1語のみ用いた場合には、それぞれ『軽くて』、『快く』、『乾きが良い』という意味が想起される」旨認めているところである。
そうすると、これらの文字を単に「・」をもって組み合わせたにすぎない本願商標は、当該商品が軽くて、快く、乾きが良いこと、すなわち商品の品質を表示するに止まり、自他商品の識別標識としての機能を果たし得ないものというのが相当である。
なお、請求人(出願人)は、「本願商標は、『軽・快・乾』と各文字の間に『・』を挿入した態様であるから、『軽くて』、『快く』、『乾きが良い』という意味を暗示的(間接的)に想起されるにとどまる。また、指定商品を取り扱う業界並びに購買される一般消費者において一般的に商品の特性を表示するものとして取引上使用されていない」ことなどを理由として、本願商標の登録性を主張している。
しかしながら、新聞記事情報やインターネットの情報を見ると、たとえば次のような情報が見受けられる。
(1)「500グラムのスーツ上陸 大栄既製服04年春夏 メッシュ裏地で“清・軽・涼”」の見出しで、「...中央毛織が開発した『3Dクーロンサマー』(120番単糸のポリエステル50%・ウール50%混)や『スーパーアズーラ』(60双糸でウール70%・ポリエステル30%混)の極細、超極細強撚糸の生地を使い、裏地にメッシュや接着縫製で“清・軽・涼”を備えたスーツ。...軽さ・涼しさに特殊三つ杢糸(カラーウールに白・黒フィラメント)効果による立体感や杢調の高級感を出す。」の記載がある(2003.06.23 繊研新聞)。
(2)「【メンズリポート・ホットライン】 秋に大型ブランド導入も ワキタ常務営業本部長高井修」の見出しで、「...今秋冬では、30〜40歳代の着用率が高いスリーピースや、軽・暖トラベルジャケットなどを充実していく考えです。」の記載がある(2003.02.28 繊研新聞)。
(3)「快適シャツ・2年目の夏 “軽・涼”で人気は定着」の見出しで、「トミヤアパレルの快適シャツは、...売れたのはやはり『軽さ』と『涼しさ』による。...百貨店は販売員にセールストーク『軽くて涼しい『エアーマックス』など』を徹底させ、これが奏功した。...」の記載がある(2000.08.15 繊研新聞)。
(4)「百貨店盛夏紳士スーツ 軽くて涼しくスタイリッシュに」の見出しで、「軽・涼スーツ約8割に...軽量・清涼を軸とした盛夏物の機能性スーツが本格的に販売されるようになって今年で三シーズン目となり、「軽い・涼しいという機能性はもう当たり前。紳士重衣料に盛夏物というシーズンがほぼ定着しつつある...」の記載がある(1999.14.03 繊研新聞)。
(5)「御幸毛織 来春夏は『軽・爽・快』、多様な感性を新鮮な布に」の見出しで、「...テーラードファブリックとしては、テキスタイルの軽量化、爽(さわ)やかな感覚、着心地の良さが企画提案のポイントとなっている。...」の記載がある(1999.04.22 繊研新聞)。
(6)「カネタ "28°C対応"で新企画、今夏から『快適シャツ』を販売」の見出しで、「カネタは今夏物から、『軽・涼・快』をコンセプトにした快適シャツを主力ブランドとして販売する。...消費者に『軽くて涼しい』をアピールする販促用キットを作成し、店頭キャンペーンで買い替え需要を促す。...」の記載がある(1999.01.16 繊研新聞)。
(7)「メンズソックス 百貨店売り場活性化へ機能訴求商品を強化」の見出しで、「...ウイックスは今秋から百貨店十五店で『健康』テーマの機能ソックス『エーシー・優・暖・涼・健』(千〜二千円)を売り出す。...」の記載がある(1998.08.07 繊研新聞)。
(8)「アオキ 帝人と共同で『軽・暖・コート』開発、17日から全店で販売」の見出しで、「帝人と共同開発した『軽・暖・コート』を全店で販売する。表地に中空糸とマイクロファイバーを組み合わせた『ディマーシュ・エアー』生地を使ったほか、ライナー仕様の工夫などにより、保温性を向上しながらおよそ二割軽くしている。」の記載がある(1997.10.17 繊研新聞)。
(9)「繊維ニュース」の見出しで、「2000年8月14日 ニュースメモランダム」の記事中に、「『軽・涼』スーツ定着 百貨店で着実な伸び」のタイトルのもと、「百貨店と郊外専門店で展開3年目に入った『軽・涼』スーツが、夏物スーツの定番として定着しつつある...」の記載がある(http://www.dokobo.co.jp/doko/gyoukai/seni/0008/seni_news001.htm)。
(10)「『軽・柔・涼』仕立」の見出しで、「...羽のように軽く、羽織るようにソフトで、風通しよく涼しい『軽・柔・涼』仕立てを開発しました。...」の記載がある(http://www.sss.co.jp/~itami/kjr/index.htm)。
(11)宮田光二商店のホームページにおいて、「服地」のタイトルで、「御幸毛織(MIYUKI) SHALICK−シャリック...『軽・涼・快』...『デザイン、価格、その他』下記にお問い合わせ下さい。」などの記載がある(http://www.miyata-k.co.jp/cloth/shalick.htm)。
(12)「『快適』優先時代が求める新しいドレスシャツ素材の提案『Iam 企画 by Kanebo』を展開」の見出しで、「...『快適なインターフェイス機能=優・涼・軽・暖・制電』として、最新の素材開発技術で総合的に展開して参ります。」、「1.展開ブランド 春夏・秋冬別に 肌触り感 <優> 軽量感 <軽> 対気候 <涼・暖・制電>に対応した素材展開を行います。」との記載と例えば、「軽量感<軽>」の欄に「『キラットC』空気を糸の中に取り込んだ、軽量感ある綿とポリエステル中空糸との混紡。空気を糸の中に保持することで軽さと暖か感をもたらす。」という素材の説明がある(http://www.kanebotx.com/news/110212.htm)。
以上からすれば、「軽い」、「快い、快適」、「涼しい」、「暖かい」などの商品の特性について、それらを漢字一文字で「軽」、「快」、「涼」、「暖」などと表し、これらを単独で、あるいは該当するいくつかを列挙して「・」で結合した態様で使用している実情があることが窺えるものであるから、請求人の主張は採用することができない。
また、請求人は、他の審決例・登録例を挙げて本願商標の登録性を主張しているが、それらの事例は本願商標とは事案を異にするものであり、また、具体的判断においては他の登録例に拘束されるものではなく、本願については前記認定を相当とするものであるから、その主張は採用することができない。
したがって、本願商標が商標法第3条第1項第3号に該当するとした原査定は、妥当であって、取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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