Trademark Appeal Case
品質誇称と識別力
本データベースは、特許庁の審決例をAIで解析・要約したものです。拒絶理由通知に対する意見書作成や、審判請求書等の作成時の参考としてお役立てください。
基本情報
| 審判番号 | 不服2003−2475(T2003−2475/J1) |
|---|---|
| 審判種別 | 不服 |
| 結論 | 敗訴(請求棄却) |
理由テキスト
1 本願商標
本願商標は、「スーパーノンリンクルスーツ」の片仮名文字を標準文字により表してなり、第25類「スーツ」を指定商品として、平成12年4月10日に登録出願されたものである。
2 原査定の拒絶理由
原査定は、「本願商標は、品質誇称表示と認められる『スーパー』の文字に、非、無、不等の意味を表す『NON』の表音と認められる『ノン』に、布などのしわの意を認識・理解させる『WRINKLE』の表音と認められる『リンクル』の文字に、第25類の商品名である『スーツ』の文字を結合して『スーパーノンリンクルスーツ』と普通の態様で表しているが、本願商標に接する需要者は単にシワにならないスーツを誇称表示したものと認識・理解するにすぎない。即ち需要者が何人かの業務に係る商品であることを認識することができない商標であるものと認める。したがって、本願商標は、商標法第3条第1項第6号に該当し、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質の誤認を生じさせるおそれがあるので、商標法第4条第1項第16号に該当する。」旨の認定、判断をして、本願を拒絶したものである。
3 当審の判断
(1) 本願商標は、前記のとおり「スーパーノンリンクルスーツ」の片仮名文字を横書きしてなるところ、その構成中の「スーパー」の文字部分は、品質誇称表示と認められ、他の語と結合して、その商品の品質及び機能が非常に良いことを表す語として普通一般に使用されているところである。
また、中間の「ノン」の文字部分は、「NON」の表音であり「名詞・形容詞・副詞・動詞に付けて非...,不...,無...」を表す英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」2版 株式会社小学館発行)として、「リンクル」の文字部分は「WRINKLE」の表音と認められ、「布などのしわ」の意を理解させる英語(「小学館ランダムハウス英和大辞典」2版 株式会社小学館発行)であり、さらに「スーツ」の文字は、商品名である。
そして、繊維業界においては、例えば「生地加工では、ノンリンクルなどの防縮、形態安定を施し」,「リンクル加工のスーツ」というような表示で、実際に使用されている事実がある。
してみれば、本願指定商品との関係においては、これに接する取引者・需要者は、全体として「非常にしわになりにくい加工が施されたスーツ」であることを端的に表示したものとして把握するに止まり、本願商標は何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、それ以外にこれら文字を結合することによって、別個の意味合いを表現するというような特段の事情は見出せず、結局、自他商品の識別標識としての機能を有しないものというのが相当である。
(2)そして、前示のことは、下記(ア)ないし(ウ)のような新聞情報からみてもその実情が是認できるところである。
(ア)「2003年春夏ミラノ・メンズコレクション」の見出しの下
・・・ヴェルサーチはキューバへの旅をテーマにした。セレブリティ御用達の、これみよがしなセクシャリティーは影を潜め、ナチュラルなコットンやリネンが印象的なコレクション。洗いをかけたコットンのパンツやスーツ、シルバーメタルのボタンやファスナーを強調したGジャンやライダース、リンクル加工のスーツといったアイテムが並んだ。(繊研新聞2002年6月25日)
(イ)「日本毛織 来春夏からシワになりにくい毛織物「トラベルック」を販売」の見出しの下
トラベルスーツ向け
日本毛織はシワの回復力に優れた毛織物を開発、二〇〇二年春夏から紳士服地「トラベルック」として販売する。イタリアの化学薬品メーカー、ランベルティ社との技術提携で開発したもので、...開発は(1)原料、糸、組織を研究し適度なハリ、コシとソフトを備えた織物設計(2)ランベルティ社との技術提携によるアンチリンクル加工でウール本来の特性を損なわずに繊維、糸、織物にセットし、シワ回復性を向上...日本毛織では独自の評価方法で、製品の評価、管理を行う一方、今後さらに多彩なタイプを開発、紳士服のほか、婦人服などにも販売を広げる。(繊研新聞2001年5月8日)
(ウ)「菅原織物 来春夏向けはムラ糸デニム中心、ウエーブやランダム柄など」の見出しの下
デニムメーカーの菅原織物(広島県福山市)は、来春夏(一部、来秋冬)向けデニム素材で、新タイプのムラ糸を使い、きれいめのブルーやカラーのストレッチ、しわになりにくい麻混デニムを打ち出す。...生地加工ではノンリンクルなどの防縮、形態安定を施し、きれいめに仕上げている。洗い加工はブラストが中心となっており、「ブルーはブリーチも増えそう」とみている。(繊研新聞2001年8月30日)
(3)そうすると、本願商標をその指定商品中、前記の文字に照応する商品(例えば、「非常にしわになりにくく加工されたスーツ」)に使用するときは、本願商標は何人かの業務に係る商品であることを認識することができないものであり、また、前記商品以外の商品に使用するときは、商品の品質について誤認を生じさせるおそれがあるものといわざるを得ない。
したがって、本願商標を商標法第3条第1項第6号及び同法第4条第1項第16号に該当するとして、その出願を拒絶した原査定は、妥当であって取り消すことはできない。
よって、結論のとおり審決する。
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